うさぎにぶどうを与えて大丈夫？リスクと注意点を知ろう！

うさぎにぶどうは与えても良いの？

うさぎには、安全性が高く与えて問題ない食べ物と、うさぎに与えてはいけない危険な食べ物があります。また「与えてもよい」「与えてはいけない」と意見が分かれる食べ物があります。そのひとつが「ぶどう」です。

うさぎにぶどうを与えることについては、

「うさぎに食べさせたけど大丈夫だった」
「少量にとどめれば問題ない」
「ぶどうはうさぎに有害な果物なので食べると健康に支障をきたすおそれがある」

と、さまざまな意見が飛び交っているため、うさぎにぶどうを与えてよいのか、食べさせてしまったけど大丈夫なのか、と戸惑ってしまいますよね。

ぶどうを食べても問題なかったうさぎさんもいますが、やはり「ぶどうを与えてはいけない」といわれるには、それなりの理由が存在しているのです。

うさぎは自分でエサが採集できませんし、体に良くない物でも美味しければ与えられるままに食べてしまいます。ですから、私たちはうさぎが口にする食べ物の特徴や与えた場合のメリット、リスクを理解した上で判断しながら食事を用意する必要があるのです。

◆ぶどうは糖分が高い

ぶどうそのものは栄養価が高く、私たち人間にとってはメリットの多い食品です。特に危険な食べ物でもありません。

まず、ぶどうの栄養価を見てみると、ぶどう糖、果糖、カリウム、ビタミンK、ポリフェノールが豊富に含まれているという特徴があります。

ぶどう糖は速やかに脳や体を動かすためのエネルギーになるので、活動する前のエネルギーチャージに役立ちます。また、カリウムは利尿作用、ビタミンKは止血作用があり、ポリフェノールは生活習慣病や老化を予防する効果が期待されています。

一方、うさぎに与える食べ物として見てみると、糖分（糖質）の多いところが気になります。ぶどうは100gあたり約16gと、野菜の倍以上の糖質が含まれています。また、甘さの指標である糖度は18％前後と果物の中でもトップクラスの甘さがあります。

うさぎは主食の牧草とペレットからエネルギー源をまかなっていて、基本的に副食からエネルギー源として糖質をしっかりと摂取する必要はありません。

必要以上にエネルギー源を摂取すれば肥満のリスクが高まるので、ぶどうのような甘い果物は食べ過ぎに注意しなければなりません。しかし、うさぎは甘い物が大好きなので、ぶどうに味をしめると主食の牧草やペレットをあまり食べなくなり、食事全体の栄養バンスが偏ってしまう可能性も出てきてしまいます。

副食として安全な果物を適量与えること自体は問題ありません。ビタミンやミネラルが補給できて体調を整えるのに役立つでしょう。

ただ、甘い食べ物はうさぎが生きていく上で必要になるわけではなく、むしろ肥満や偏食を招くことにつながるので、与える際はよく考える必要があります。もしぶどうを与えるならば、ごく少量にとどめる、うさぎがねだってもお代わりは与えない、などしっかりした食事管理が必要となるのです。

◆ぶどうは賛否両論の果物

うさぎにぶどうを与えることについては、メリットとリスクの両方が挙げられています。

うさぎの場合、適切に与えれば栄養補給、お利口にしていた時のごほうび、コミュニケーションツールとして役立てることができます。

一方、リスクについては、動物が食べるとぶどう中毒の危険性があること、残留している農薬の影響が心配なことが挙げられ、うさぎがぶどうを食べた時の健康被害が懸念されています。

また、ぶどうはつるんとして食べやすい反面、うさぎが果肉や種をのどに詰まらせるリスクがあり、うさぎに食べさせるのは危険という声もあります。

さらにうさぎは体が小さいので、食事から取り込んだ微量の成分でも影響を受けやすいという心配があります。

ぶどうは賛否両論の果物ではありますが、ぶどうはうさぎが生きていく上で必要な食べ物ではないこと、健康被害のリスクが指摘されていることをふまえると「うさぎを長生きさせたいなら、ぶどうは与えないのが無難」と考えるのがよさそうです。

ぶどうを与えても病気になる可能性がある

うさぎがぶどうを食べると体調を崩す可能性があると考えられています。では、ぶどうを食べた時に起こり得る病気には、どのようなものがあるのでしょうか。

◆うっ滞・下痢

うさぎがぶどうを食べると、うっ滞（消化管うっ滞）や下痢を起こす可能性があります。

ぶどうには糖質が多く含まれています。しかし、うさぎの消化器は糖質を消化する能力が高くありません。そのため、うさぎがぶどうを食べると消化不良を起こし、胃腸の動きが停滞する「うっ滞」が起こりやすくなります。

また、ぶどうは水分を多く含むので、ぶどうを食べると水分の摂り過ぎが原因で下痢をすることもあります。

◆腎不全

動物によってはぶどうを食べたことが原因で中毒を起こし、最悪の場合は「急性腎不全（急性腎障害）」で死に至ることもあるといわれています。

少なくとも犬や猫にぶどうは危険な食品にあたるため「犬や猫に生のぶどうやレーズンを食べさせてはいけない」との注意喚起がなされています。

これは、ぶどうを食べた犬や猫に嘔吐や腹痛、乏尿、貧血など腎障害の症状がみられたケースがあるためです。小型犬がぶどうを食べた後に短時間で急性腎不全を起こして死亡した症例も報告されています。

腎障害とは、腎臓の機能が低下して尿が作れなくなる状態のことです。尿として排出するはずの水分や老廃物が体内に蓄積し、最悪の場合は命に関わります。

ぶどうに含まれるどの成分が中毒の原因になっているのかは不明です。また、うさぎも犬や猫のようにぶどう中毒を起こすかどうかは、はっきりとはしていません。

ただ、このように、ぶどうを食べた後に体調不良を起こして動物病院に運ばれてくるペットがいることから、体の小さなうさぎは安全のためにもぶどうは避けるべき、と示唆されているのです。

◆虫歯

ぶどうには虫歯の原因になりやすい「果糖」が多く含まれています。

うさぎを含む動物は滅多なことで虫歯になりません。それは、動物は本来虫歯の原因になるような甘い物を食べないからです。しかし、飼い主さんが糖分の多い食品を与えてしまうと動物も歯が悪くなってしまうことがあるのです。

人間の場合、食後に歯を磨かないと食べ物に含まれる糖が口の中で歯垢に変わり、歯垢をエサにして増えた虫歯菌が歯の表面を溶かすことで虫歯ができてしまいます。

うさぎは基本的に甘い食べ物はほとんど食べませんし、常に牧草を食べて歯をすり減らしていることもあって、虫歯になることは少ないようです。

しかし、糖分の多い食べ物はこのように歯に良くない影響を及ぼすことから、うさぎにもぶどうは与えないほうが良いといわれています。

うさぎに巨峰やレーズンは与えても大丈夫なの？

ぶどうには様々な品種がありますが、どのぶどうは安全、このぶどうはダメ、という違いはありません。

ただ、巨峰やシャインマスカットのようなぶどうは一粒が大きいので、もし与えるならば、与える量は一粒の半分くらいにしておくことをおすすめします。

レーズンは「干しぶどう」とも呼ばれる、いわゆるぶどうをドライフルーツにしたものです。ぶどうの栄養素が凝縮されているので、糖分、ミネラルや食物繊維がたっぷり含まれています。

犬や猫がレーズンを食べるとぶどう中毒を起こすことが分かっているので、少なくとも犬や猫にはレーズンを与えてはいけません。
また、レーズンは小動物用のフードに含まれていることもありますが、糖分が非常に多いので食べ過ぎると肥満やうっ滞の原因につながります。このような理由からも、うさぎにはレーズンは積極的に与えないほうが安心です。

ぶどうを与える時は皮は取る

うさぎにぶどうを与える場合について考えます。ぶどうは皮と種を取り除き、おやつとしてごく少量をたまに与える程度なら、うさぎに与えても問題ないのではないかといわれています。

ぶどうを与える場合は多くても1週間に1粒程度とし、たまのごほうびとして食べさせるようにしましょう。巨峰やシャインマスカットのような大粒のぶどうは一粒の半分でもよいかもしれません。

ぶどうの皮や種にはタンニンが多く含まれていて渋みが強いので、うさぎには食べさせないようにしましょう。また、皮は農薬や汚れが付着している可能性があります。

うさぎにぶどうを与える場合は、まずよく洗ってから皮をむき、中の種を取り除いてから、さらに小さく切って与えます。

なお、うさぎを飼っているご家庭では、飼い主さん以外の人が安易にうさぎにぶどうを与えたり、うさぎが勝手にぶどうを口にしてしまわないよう、十分に気を付けましょう。

うさぎにぶどうの枝は？

うさぎは歯の伸び過ぎを防ぐために硬い物をかじる習性があり、うさぎ用のかじり木としてりんごや梨など果樹の枝を使ったものが販売されています。

りんごや梨の枝はうさぎがかじっても大丈夫な素材なのですね。では、ぶどうの枝はどうなのでしょうか。

実は、小動物用のかじり木の中にはぶどうの枝で作られたものも存在しています。ぶどうの果実と違って、ぶどうの枝はうさぎが口にしても問題ないのです。

ただ、農薬のかかったぶどうの木から直接枝を採取してうさぎにかじらせるのはNGです。

かじり木は無農薬の木から採取するか、市販のかじり木を与えるようにしましょう。
ペット用品として販売されているかじり木は、動物が口にすることを前提として安全に作られています。

うさぎ用でぶどうのおやつがある

うさぎさんにもぶどうのおいしさを味わってもらいたい、という飼い主さんには、ペットが安心して食べられるおやつをおすすめします。

★プチウエハー ぶどう

国産巨峰粉末を使用した風味豊かなウエハースタイプのおやつです。
甘さも控え目。おやつに、ごほうびに、安心して与えていただけます。
食物繊維添加（食物繊維は粉末セルロースとして配合）

国産の巨峰粉末を使用した、グレープ色が美しいウエハースです。甘さ控えめで食物繊維も強化してあるので、安心して与えることができますね。

まとめ

うさぎにぶどうを与えることについては賛否両論がありますが、糖分が多いこと、犬や猫が食べるとぶどう中毒が起こることから、うさぎの安全のためにはぶどうは与えないほうが無難といえそうです。

一方、ぶどうを食べても問題ないうさぎさんの例も多くみられます。もしうさぎにどうしてもぶどうを与えたい時は与え過ぎに注意し、食べた後に体調の異変がみられたらすぐ受診するようにしましょう。

また、うさぎの食事に関して気になる点があれば、獣医師の指導を仰ぐことをおすすめします。

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