ハムスターだって怒るよ!怒る理由、怒った時の仕草や鳴き声は?

2023.10.07

ハムスターだって怒るよ!怒る理由、怒った時の仕草や鳴き声は?

ハムスターはいつものんびりしているように見えますが繊細な動物で、時にはイラついたり怒ったりもします。癒し系のルックスと怒った時の表情のギャップに驚く飼い主さんも多いでしょう。ハムスターが怒るのには、ちゃんとした理由があります。この記事では、ハムスターが怒る理由、怒った時の仕草や鳴き声について説明していきます。飼い主さんとハムスターの信頼関係を築くためにも、怒る理由を理解してあげましょう。


ハムスターが怒る理由

ハムスター怒る

見た目にのんびりした雰囲気の漂うハムスターですが、ハムスターだって時には怒ります。怒るといっても、イラつく程度から威嚇して攻撃してくるような激しい怒りまで、怒り方はさまざまです。

ハムスターは思い通りにならない、邪魔されたと感じた時に不満を感じて怒ります。また、ハムスターが怒っている場合は、怖い目にあった時に自己防衛のため抵抗していることが多いです。

ハムスター自体は攻撃的な動物ではありません。むしろ、自然界では捕食される立場にあるため、警戒心が強くて臆病です。ハムスターは常に周りを警戒していて、些細なことにも敏感に反応して怖がります。そして、怖いことがあった時は自分の身を守るために威嚇して見せるのです。

つまり、ハムスターが威嚇行動を取っている時は、怒っているというよりはびくびくしながら必死で抵抗している状態といえるでしょう。

私たちハムスターの飼い主はハムスターに愛情を持って接しますが、それでもハムスターの立場からすると、ほかの生き物である人間のことは「怖いな」と感じてしまいます。ハムスターによっては、飼い主さんの何気ない仕草に緊張や不安をおぼえ、何かあったら反撃してやろうと思ってしまうこともあるのです。

では、ハムスターはどんな時に怒るのでしょうか。具体的に怒る理由を見ていきましょう。

◆無理に触る

ハムスターが望んでいないのに体を触ろうとすると、ハムスターはストレスを感じて怒ります。個体差もありますが、特に人に慣れていない子は触られるのを嫌がります。

ハムスターはかわいいので、私たち人間は思わずハムスターを撫でたり手に乗せたりしたくなりますよね。

ですが、ハムスターは人間とスキンシップを取りたがる動物ではなく、基本的には体を触られることを好みません。そのため、無理にハムスターを触ると「やめて」「しつこいなあ」とイラついた感じで怒ってくるのです。

触った瞬間にビクッとしたりふり返ったりするようならハムスターは触られて戸惑っているので、嫌われないためにもそれ以上触るのはやめておきましょう。

◆いきなり触る

ハムスターの体をいきなり触ると、ハムスターはとても驚きます。特に頭上や背後から手を伸ばすとハムスターは怖がります。身を守るために反撃してくることもあるでしょう。

ハムスターは天敵に捕食される立場にあるため、人間の手がいきなり自分に覆いかぶさってくると、天敵に襲われるようなイメージを受けることがあります。びっくりして反射的に噛みついてくることもあるので、いきなり触るなどハムスターを驚かせる行動は避けましょう。

◆強くつかむ

ハムスターの体を強くつかむと、動きを制限される不快感、逃げられない怖さから怒って暴れたり手を噛んできたりします。

ハムスターをほかの場所に移したい時、爪切りや投薬をしたい時などやむを得ない場合もありますが、むやみにハムスターを強くつかむのはやめましょう。苦しさや痛みを感じている可能性もあります。力を入れる、長時間体をつかむことは避けましょう。

◆お腹を触る

ハムスターのお腹は触った時にも嫌がって怒ることがあるでしょう。お腹は動物の急所です。体を触られるのが苦手なハムスターは、特にお腹を触られることを嫌がります。

◆ケージや巣箱をのぞく

急にケージや巣箱をのぞいた時、縄張りに侵入されたと思ったハムスターが怒ってくることがあります。

ケージの中に手を入れた時、ハムスターが中に入っている巣箱を持ち上げた時などに「勝手に触るな」「邪魔するな」といった感じで怒ります。

ハムスターは縄張り意識が非常に強いので、ハムスターを観察する時、ケージの中を掃除する時などは、ハムスターに過剰な警戒心を持たせないよう注意を払いましょう。

◆風を強く吹きつける

ハムスターの顔に息や風を吹きつけるとハムスターはびっくりし、後ずさりしたりひっくり返ったり、怒って鳴いたりします。

ハムスターは体に風が当たることを好みません。特に正面から強く風を吹きつけられた時はかなり驚きます。顔にわざと息を吹きかける行為はハムスターのストレスになるのでやめましょう。

●あわせて読みたい
ハムスターの威嚇行動はこれ!威嚇する理由や対処法をご紹介

可愛い姿からは想像もつかないくらい威嚇が得意なハムスター。いったいハムスターはどんな時に威嚇をするのでしょう。 この記事ではハムスターの威嚇の理由や、威嚇行動を解説していきます。対処法も合わせてご紹介しますので、ハムスターをこれから迎えようとしている人もぜひ参考にしてください。

記事はコチラボタン


ハムスターが怒る時の仕草

ハムスターはその小さな体で不満や怒りをアピールしてきます。怒った時にはどのような仕草が見られるのでしょうか。

◆耳を後ろに向ける

ハムスターが耳を後ろに向けていたら、怒っている、または警戒していることが考えられます。

耳はハムスターの感情が表れやすい場所です。耳を後ろに向けているだけだと、怒っているということは分かりにくいかもしれませんが、気付かずに手を出したりのぞいたりすると、ハムスターが威嚇してくることがあるので、よく観察することが大切です。

同時に立ち止まって硬直していたり「ジジッ」と鳴いたりしたら、それは警戒しているということなので、これ以上刺激しないようそっとしておきましょう。

◆歯をガチガチと鳴らす

ハムスターは、怒った時にガチガチと歯を鳴らすことがあります。これは歯ぎしりの音で、カチカチ、カリカリとも聞こえます。

ハムスターが歯をガチガチと鳴らす理由はいくつかあります。仔ハムスターは母親を呼ぶために歯をカチカチ鳴らすこともありますが、独り立ちしているハムスターの場合は不快感や不満がある時に歯をガチガチ鳴らすことが多いです。

ハムスターが歯をガチガチ鳴らしている時は機嫌が悪いので、この時に手を出すと怒って噛んでくることがあります。イラついた様子で歯を鳴らしていたら、手を近づけないように気を付けましょう。

◆後ろ足で立ち上がり、毛を逆立てる

ハムスターは怒って相手を威嚇する時に立ち上がることがあります。

ハムスターは、普段背中を丸め、歩く時も4本足で地面にお腹をくっつけるように移動しますが、相手を威嚇する時は後ろ足だけで仁王立ちの姿勢を取ります。そのほうが、相手に自分の体を大きく見せることができるためです。

この時、ハムスターの全身の毛が逆立っていることもあります。これは、動物が怒りや驚きを感じた時に交感神経が立毛筋を収縮し、瞬時に毛がぶわっと立ち上がるために起こっています。毛を逆立てることには、同時に相手に体を大きく見せる効果もあります。


ハムスターが怒っている時の鳴き声

怒るハムスター

ハムスターが怒った時には「ジジジ」「キーキー」など特有の鳴き声を出して怒りをアピールすることがあります。

個体差もありますがハムスターは基本的にあまり鳴きません。ですから、鳴く場合本気で怒っていることがうかがえます。「ジジジ」「キーキー」などと鳴いていたら、これ以上怒らせないようにそっとしておきましょう。

◆「ジジジ」などの鳴き声を出す時は

「ジッ」「ジジジ」「ギギッ」などと短い濁音で鳴く場合は、驚いた時、警戒している時に出すことが多いです。

嫌なことをされた時や邪魔された時、急に驚かされた時に「やめて」「いやだ」といった感じで「ジジジ」「ギギッ」と怒った声を出します。

◆「ジー」「ギーギー」などの鳴き声を出す時は

「ジーッ」「ギーギー」「ジュー」と伸ばした濁音で鳴くのは、怒って威嚇している時に出す声です。

本気で怒っている時、相手を追い払おうとしている時に「怒っているんだぞ」「あっち行け」といった感じで、緊迫した声をあげます。この声を出す時は大きく口を開けて歯を見せているので、人間から見ても噛まれそうで怖いと感じますし、表情が怒り顔になっているので威嚇していることは明らかにわかるはずです。

また、立ち上がって「ジーッ!」と鳴いている時は臨戦態勢に入っている可能性があります。この後飛びかかって噛みついてくるかもしれないので、手を出さないよう注意が必要です。

◆機嫌がいい時との声の違いは

ハムスターは、怒っている時以外にも、機嫌がよい時や寝ている間にも鳴き声を出します。ハムスターの声自体は小さいので聞き取りにくいこともありますが、機嫌がよい時と悪い時では声のトーンが少し違うので、怒って鳴いているどうかを聞き分けることができます。

喜んでいる時は「キュッ」「プスプス」などの甲高い声を出します。また、喜んでいる時の声音はトーンが軽やかで柔らかい感じがします。一方、怒っている時に出る声は「ジジッ!」「キーキー!」など緊迫した感じがするのが特徴です。


ハムスターを怒らせるのはやめよう

ハムスターも喜怒哀楽を持っているので、気に入らないことがあれば機嫌が悪くなることもあります。

ただ、ハムスターをあまり怒らせるのは良いことではありません。怒るのは不快感や危険を感じているからで、そのような原因がある飼育環境がそもそもハムスターに良くありません。

また、怒るたびに交感神経が興奮して心拍数を増加させたり血圧を上昇させたりするので、ハムスターの体に負担がかかります。怒ることがストレスになり、ハムスターが病気にかかりやすくなるので、なるべくハムスターがリラックスして過ごせるよう飼育環境に配慮してあげましょう。もちろん「怒る様子が見たいから」と、わざとちょっかいを出して怒らせることもやめてくださいね。


まとめ

かわいがっているハムスターから「やめて」「触らないで」と怒られると、飼い主さんは嫌われた気がしてへこむことがあるかもしれませんね。ハムスターは性格が単純で感じたままに行動する動物なので、ハムスターだって怒りたい時があるのだと気を取り直しましょう。

ただ、ハムスターに怒る仕草が頻繁にみられるのは考えものです。ハムスターにストレスがかかっていないか、体調に問題はないか、飼育環境や管理の仕方を振り返り、ハムスターが快適に過ごせるように改善することも大切です。



– おすすめ記事 –

・ハムスターの上手な触り方、NGな触り方!触る時の3つの注意点
・ハムスターがフリーズしたらどうする?!固まる理由、対処法について
・ハムスターの餌の量は1日にどれくらい?知っておきたい正しい与え方
・ハムスターが震える3つの理由。病気の可能性も!?対策と合わせて紹介


focebookシェア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


記事に関するお問い合わせはこちら