1.ハクセキレイはどんな鳥?
1-1.ハクセキレイの生態
1-2.ハクセキレイの特徴
1-3.ハクセキレイの種類
1-4.ハクセキレイとセグロセキレイの違い
2.ハクセキレイが逃げない理由は?
2-1.人間を怖いと思っていない
2-2.ハクセキレイが近くに来た時の注意点
3.ハクセキレイをペットとして飼える?
3-1.野鳥はペットとして飼えない
3-2.怪我をしたハクセキレイに遭遇したら
4.まとめ
ハクセキレイはどんな鳥?
皆さんは、ハクセキレイという鳥をご存じですか?
白と黒のコントラストが可愛い、スズメよりちょっと大きめの鳥ですが、尾羽を上下させて歩き回るとっても可愛らしい鳥です。
車を運転していると、突然前に現れ怖がりもせずちょこちょこと歩く姿に何度ドッキリさせられたか分かりません。
人の近くにもかなり接近してきて、逃げようともしないでちょこちょこ歩き回るハクセキレイ。
ハクセキレイがどんな鳥なのか探ってみましょう!
◆ハクセキレイの生態
○ハクセキレイ
(学名:Motacilla albalugens)和名:白鶺鴒、英名:White Wagtail
世界中に広く分布するタイリクハクセキレイの亜種。
○スズメ目セキレイ科に分類される鳥類
以前日本では、ハクセキレイは北海道や東北地方などの北部の寒い地域でのみ見られました。
冬を越冬する冬鳥だったのですが、近年、関東から中部地方でも見られ、現在は東日本では普通種になっています。
また西日本ではタイリクハクセキレイに容姿が似ているホオジロハクセキレイが観察されています。
そしてついに日本全国で見ることのできる渡り鳥『留鳥』となったのです。
◆ハクセキレイの特徴
■街中で見かける身近な鳥
街中や川沿いでもよく見かけるセキレイ。近年スズメに代わって増加傾向にあります。
体長は21cmほどで、ムクドリよりやや小さめで細身です。尾羽が細長く、白い顔、お腹も真っ白で、背中が黒~グレーです。
背中の色は、夏と冬で色味が変化します。夏羽だと黒味が増し、冬羽だと淡い灰色になります。
くちばしの根元から目を通り、頭の後ろ前一直線の黒い過眼線が走っているのも特徴です。
長い尾羽を上下に振りながら歩き回る仕草はとても可愛らしいですよね。
■行動
冬は単独で行動し、夏はつがいで生活していて夏場はハクセキレイの縄張り争いが始まります。
6月頃になると、セキレイたちの幼鳥を見かけることがあります。
■成長
幼鳥は成鳥とはちょっと羽根の色や顔の色、または全体的な色が違ってきます。成鳥とは違う色味をしているので、一見何の鳥かわからない時があるかもしれません。
ハクセキレイの幼鳥は、顔がやや黄色味がかっています。そしてセグロセキレイの幼鳥は、背中が全体的に灰色味がかっています。
なかなか判別できないかもしれませんが、全体的に見て、見た目がとても幼い印象があるでしょう。
■鳴き声
鳴き声は地鳴きは『チュッチン、チュッチン』飛翔時は『チチッ、チチチッ』という可愛らしい鳴き声を聞かせてくれます。
■食べ物
食べ物は雑食で、昆虫やクモ、ミミズなどを食べていますが、都市部で暮らすハクセキレイはパンくずなども食べています。
◆ハクセキレイの種類
まず日本には、セキレイはハクセキレイ、キセキレイ、セグロセキレイの3種類が存在します。
そして、世界にはハクセキレイはなんと11種類も存在しますが、日本で見られるのは5種類です。
・タイワンハクセキレイ
ロシア、アラスカ西岸、日本国内にも少数が分布。
過眼線がありハクセキレイとほぼ同じですが、タイワンハクセキレイは胸部の黒色がくちばしの下まで繋がっています。
・ホオジロハクセキレイ
中国大陸、朝鮮半島、台湾、日本に分布。日本では渡りの最中に見られることがあります。
過眼線が無く、要旨はタイリクハクセキレイに酷似している。
・シベリアハクセキレイ
ロシア、モンゴル、中国内モンゴル自治区に分布。
日本国内でも観察記録は存在しますが、めったに観測されることは少ないです。
・ネパールハクセキレイ
ヒマラヤ山脈に分布。
こちらも日本国内で観察記録があるものの、めったに観測されない部類です。
◆ハクセキレイとセグロセキレイの違い
ハクセキレイとセグロセキレイは見た目、鳴き声共に良く似ています。
見た目の違いとしては、目の下が黒いのがセグロセキレイで目の下が白いのがハクセキレイです。
どちらとも身近で見ることが出来る鳥で人の近くにも来てくれるので、是非観察して探してみてください。
水辺に集まるのはハクセキレイ、セグロセキレイの両種類で、街中や駅、コンビニの駐車場、人間の生活県内に入り込んでくるのは大体がハクセキレイです。
ハクセキレイが逃げない理由は?
ハクセキレイはスズメやムクドリ、その他の野鳥と違い人間を怖がらない傾向にあるようです。
どうしてハクセキレイは人間を見ても怖がらず、逃げもしないのでしょうか?
そのひとつに、『人間を怖いものと思っていない。恐怖心を感じていない』ということが挙げられます。
◆人間を怖いと思っていない
ハクセキレイは他の野鳥、スズメやムクドリなどと違い、農作物、米や麦を食べて荒らしてしまうようなことありません。
ですから人間はセキレイを害鳥とは思っていないので、罠でつかまえたり、石を投げる、音で脅かすなどの怖い思いをさせていないのです。
ですから人間を怖がる必要がない個体が多いということですね。
それは仲間内にも伝わりますから、人間に敵対心を持たない個体がさらに多くなるのです。
◆ハクセキレイが近くに来た時の注意点
■むやみに触ろうとしない
野生の鳥類は、厳しい自然界の中で自力で生き延び子孫を残して進化を続けています。
野生の鳥が本来持っている自然の中で生き抜く力を守るということはとても大切なことです。
怪我をして弱っていたとしても、衰弱の具合を見ることも大切です。むやみに触ろうとせず、なるべく見守ってあげましょう。
しかし生死の危険な状態であってどうしても触らなければならない場合は、ゴム手袋をはめたり、道具を使うなどして保護してください。
そして触った後には手や道具はきちんと消毒してください。
■餌を与えない
野鳥は人間による餌やり行為に簡単に適応して集まってきてしまいます。
そして、餌付けされた野鳥は人を怖がらずとても可愛いのです。
しかし人間が餌を与えてしまったことで、野鳥は餌を探すことをしなくなり、野生の中で生きていく能力を低下させてしまいます。
さらには餌やりにより多くの鳥が集まるようになると、人家の周辺では糞被害や鳴き声による被害を発生してしまうのです。
もし鳥インフルエンザが発生した場合には、被害を拡大させてしまう恐れさえあります。
ハクセキレイをペットとして飼える?
ハクセキレイはとても可愛くて人間に懐きやすいからペットとして飼いたいという人も多いのではないでしょうか?
ハクセキレイをペットとして飼うことは可能なのかどうかを見てみましょう。
◆野鳥はペットとして飼えない
ハクセキレイは野鳥のため基本的に飼育はできません。
しかし近年ハクセキレイはよく身近で見られる鳥となり親近感が湧いている方も多いと思います。
だからこそ、飼えるんじゃない?捕まえられるんじゃない?と考えてしまいがちですが、自然の生態系の一部ですので残念ながら不可能なのです。
しかし、何か特別な理由がある時にはその一定期間だけ飼育可能です。
もし怪我や病気などで保護をしたとしても、回復し元気になれば自然に返してあげることが前提となります。
◆怪我をしたハクセキレイに遭遇したら
怪我をしていたり、巣からヒナが落ちていて弱っていたりした時は保護が可能になります。
その時は、怪我の具合、体調を見るために動物病院を受診してみましょう。
そして県の環境保全課などに連絡をいれて、飼育許可を得てみましょう。
ハクセキレイの雛は、一日に何度も餌をあげなければいけません。
そして体温調節もまだ出来ないため、なにか保温できるもので包んであげたり、温度調節もしなければいけないので大変です。
そして野鳥ですから病気を持っている可能性もあります。
保護することになった際には、他の方にも迷惑をかけないようにしっかり管理できるよう、お互いに気を付けないといけません。
まとめ
今回はハクセキレイについてまとめてみました。
野鳥にはハクセキレイのように、とても可愛くてついペットにしてしまいたいと思うような鳥が沢山存在します。
しかし野鳥はペットにできないこと、捕まえることができないこと、自然の生態系の一部であることを忘れずに、遠くからその可愛さを見守ってあげてくださいね。
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