ひよこ鑑定士とはどんな仕事?なり方や資格についてなど

2023.11.30

ひよこ鑑定士とはどんな仕事?なり方や資格についてなど

ひよこ鑑定士という職業をご存じの方はどのくらいいらっしゃるでしょうか? にわとりの雛、ひよこの性別鑑定をするお仕事です。 しかも年収がとても良いとのうわさもあります。 どんなことを勉強し、どんな資格を取ればひよこ鑑定士になれるのでしょうか? 今回はひよこ鑑定士になるために必要な知識、情報などをお伝えしたいと思います。


ひよこ鑑定士とはどんな仕事

ひよこ鑑定士

皆さんは『ひよこ鑑定士』をご存じですか?
なんとなく、ひよこの性別を分けるお仕事というのはご存じかと思いますが、詳しい仕事内容、ひよこ鑑定士になるために必要なことって知らない方が多いと思います。
そこで今回はひよこ鑑定士についての様々な情報をお届けしたいと思います。

◆初生雛鑑別師はひよこの性別を見分ける仕事

ひよこ鑑定士は、にわとりの雛、ひよこをオスとメスに見分けるエキスパートです。
そして孵化したばかりのひよこの性別を見分ける技術があると、公益社団法人畜産技術協会から認められた技術者となります。

正式名称は『初生雛鑑定師』と言い、とても需要が多く国内外からヨーロッパまで、人材を求める声が多く上がっています。
そのため、初生雛鑑別師という仕事について気になっている方は多いのではないかと思います。


ひよこ鑑定は難易度が高い!

ひよこ鑑定士になる方法は、ひとつしかありません。

まずは茨城県にある『初生雛鑑別師養成所』に入所しなければ勉強できません。
このひよこ鑑定士の養成所は日本でたったひとつしかありません。

養成所に入所するためには、まず試験を受け、合格する必要があります。

受験資格、受講資格もあり
『満25歳以下で、高校卒業者、または同程度の資格を持つ者』
『視力が1.0以上(矯正可、色盲は不可)で身体強健者』

と定められています。

入所試験についてはそれほど難易度が高くはありませんが、養成所に入所してから資格を取得するまでの難易度がかなり高いようです。
資格を取得できるのは入所者の約半分とされているそうです。

◆ひよこ鑑定士のなり方

ひよこの鑑定士になるには、いくつかのステップを踏み進んでいくようになります。

まずは公益社団法人畜産技術協会の初生雛鑑別師養成講習を修了しなければなりません。
同講習は養成所で4月から8月までの5カ月間の初等科を学び、その後2カ月間の特別研修を受ける形に構成されています。
養成所に入所するのは、毎年10~15名程度だそうです。

初生雛雛鑑別養成所は審査や試験があるのですが、それほど難しいものではないようです。
学科考査は一般常識問題と教養知識、そして作文力があれば十分です。

そこで一番重要視されるのは、やる気や意気込みを見られる面接考査になるのです。
自分のやる気、想いをしっかり伝えられなければいけません。

入所費用は100万円以上かかるとされていますが、それでも厳しい訓練についていけずに脱落するケースもあるのだそうです。

中途半端な気持ちで挑戦することのないよう、必ず資格を取得する!という確固たる気持ちを持ち続けることが大切になってきます。

養成所を卒業して、次はふ化場に勤務し鑑別研修生となります
鑑別研修生はひよこ鑑定士ではありません。
今現在ひよこ鑑定士として働く人たちに指導を受けながら技術を身に付けていきます。

検定試験は予備考査と高等鑑別師考査とがあり、ひよこ鑑定士として働きたいのであれば、高等鑑別師考査に合格しないと鑑定士として働くことは不可能です。

高等鑑別師考査では、どんなことが問われるかといいますと、ヒナを卵用種と肉用種に鑑別するというものです。
見事に高等鑑別師考査に合格してから、また一人前になるまでには最低でも1年から2年はかかるそうです。
ひよこ鑑定士になるのには、本気で挑まないとなかなか難しそうですね。

◆日本での有資格者数

現在のひよこ鑑定士(初生雛鑑別師)の有資格者数は全国で183名(国内登録者117名)とされています。


ひよこ鑑定士の仕事内容

ひよこ鑑定士の仕事内容ですが、にわとりの雛をオスとメスに鑑別するお仕事です。
鑑別方法は何種類か存在し、海外と日本でも使用するものが違ってきます。

日本ではだいたい肛門鑑別法が使用されています。
これは生まれたばかりの雛の肛門を指で開いて生殖突起を確かめ、性別を見分ける方法になります。

これにはスピードが大事で尚且つ正確に行わなければなりません。
ベテランの方になると、一羽を2~4秒で鑑別することが出来るそうです。
そして雛の性別の鑑別を長時間続けなければいけません。

集中力と気合いが必要な仕事になりますね。
繁忙期には孵化場にこもって数千羽のひよこをひたすら仕分けする・・・そのな時もあるそうです。

◆ひよこ鑑定士に向いていない人

ひよこ鑑定士に向いていない方というのがいらっしゃるそうです。

性格的な面でいうと、じっとしていられない人。
同じ作業を続けることが苦手な人、です。

ひよこ鑑定士の仕事は、個人でひたすら黙々と長時間作業をするものですから、周りの人とお話をすることは他の職種と比べたらとても少ないでしょう。
そして身体的な話になりますが、ひよこ鑑定士にとってデメリットになることがあります。
それは『手が大きいこと』なのだそうです。
手が大きいだけでとても作業がしづらいそうで、手の大きさで全然作業のしやすさが変わってくるのです。

手が小さいほうがひよこの収まりがいいのです。
ですから海外では、ひよこ鑑定士はアジア人が必要とされるのだそうです。
欧米人は手が大きいのでひよこ鑑定士になれないようです。


ひよこ鑑定士の年収

ひよこ

このようにかなり難易度が高いひよこ鑑定士ですが、年収はいくらくらいになるのでしょうか?

日本国内と海外でもまた異なるようですが、日本でひよこ鑑定士をする場合、給与は歩合制が基本です。
どれだけスピーディーに正確に仕事ができるかにかかっています。
長年経験を積んでいけば、年収はグッとあがるのです。

大体得られる収入はひよこ一羽につき4~5円です。
歩合制ですので個人の技術力がまともに収入に直結してきます。新人の手取りは月収でだいたい20万円程度です。
ベテランの方になりますと、どんどんそれを上回る収入を得られるということです。
トップクラスの方の年収は1000万円を超えると言われています。

それでは平均年収はいくらくらいになるのでしょう?
厚生労働省が運営している職業情報提供サイトからの情報によりますと、初生雛鑑別師を含む畜産技術者の平均年収は500万~600万円程度です。
しかし地域によって仕事量が減少しているところがある点にも注意をしていただきたいです。
中部地方ではひよこ鑑定士の仕事がどんどん減ってきているようです。

ひよこ鑑定士の仕事は『孵化場の都合に合わせて仕事が増減する』という現実がありますので、自分から仕事を増やすことも不可能なようです。
ですから働ける場所に出向いて仕事をする。

例えば岡山などの養鶏場が多く養鶏が盛んな地域に行く。などです。
また、シーズンによっても繁忙期が変わるため、月の収入が一定ではありません。


ひよこ鑑定士は海外に需要が多い

そこで目を向けていただきたいのが、海外で仕事をするということです。
海外では日本のひよこ鑑定士の技術力の評価がとても高いので、海外で働くこともお勧めです。

ひよこ鑑定士は海外ではかなり人手不足だそうで、特に日本人が必要とされているのだそう。
何故かというと、日本は鑑別師協会がありしっかりしているので、いつも一定のクオリティを保った腕のいい人しか海外に送り出されないからなのだそうです。

ですから日本国内よりも海外での需要の方が高いということも是非覚えておいてください。
特にヨーロッパやアメリカ、ニュージーランドでの需要があります。

ヨーロッパは農業先進国が多いので、日本の質のいいひよこ鑑定士が重宝されます。
ニュージーランドは世界でもトップクラスで儲かる土地だそうです。
そして日本よりも年収が高くなるのもポイントです。

ひよこ鑑定士の重要は、基本的に海外にあると考えてくださいね。


まとめ

ひよこ鑑定士になるための手順や難易度、仕事内容や年収について解説してみました。
かなり特殊な技術が要求されるので、希望した人が誰でも簡単にひよこ鑑定士になれる訳ではないようですね。
ひたすら集中して鑑定し続ける仕事ということで、仕事が好きな人にはやりがいがある仕事と言えそうですが、性格によっては向き不向きが出てくる仕事なのではないでしょうか?

技術がトップクラスと認められるほどに熟知し技術を磨けば、高収入を得られる可能性があります。
海外で働いてみたいと考えている方には素晴らしいチャンスになるのではないでしょうか?
もっとひよこ鑑定士という仕事が沢山の方に知られて、面白い職業だということが広まればいいなと感じます。
ひよこ鑑定士は、手に職をつけたい若い方たちにもっともっとアピールしたいお仕事です。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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