1.古代魚とは
2.飼育しやすい古代魚6種紹介
2-1.アジアアロワナ
2-2.シルバーアロワナ
2-3.ポリプテルス
2-4.ブラックゴースト
2-5.ポリプテルス・セネガルス
古代魚とは
古代魚とは、古生代(約5億4000万~約2億5000万年前)や中生代(約2億5000万年前~約6600万年前)から絶滅することなく、現在までほとんどその姿を変えることなく生き続けてきたと考えられる魚たちのことで、「生きた化石」とも呼ばれています。
古代魚には、次のような特徴があります。
・大型の肉食魚である
・完全にエラ呼吸へと進化せず、肺呼吸ができる種類が多い
・ゆったりと優雅に泳ぐ
水槽にいるだけで迫力があり、優雅で落ち着きのある佇まいが魅力の魚です。
飼育しやすい古代魚6種紹介
最近では、優雅な見た目や大型種らしい迫力などに魅力を感じ、古代魚をペットとして飼育する方が増えています。
では、実際に飼育できる古代魚には、どのような種類があるのでしょうか?
ここでは、古代魚のなかでも飼育しやすい7種類の古代魚をご紹介していきましょう。
◆アジアアロワナ
アロワナは、1億年以上前から存在していたといわれている古代魚で、東南アジアや南アメリカ、オーストラリアなどに生息する肉食性の大型熱帯魚です。
主食として与えられる人工飼料も市販されているため、飼育の際の餌の心配はありません。
アロワナは比較的人に慣れやすく、餌をねだって人に寄ってくるようになるなど、長く寄り添える熱帯魚です。
東南アジアが原産のアジアアロワナは、アロワナのなかでも人気が高く、高価な品種です。
アジアアロワナは品種改良が進んでおり、体色の異なるさまざまな品種が存在します。
たとえば、全身が金色の「過背金龍」、赤色の「紅龍」、緑色の「青龍」などがアジアアロワナの代表的な品種です。
その他、アジアアロワナの特徴には、次のようなものがあります。
・成体平均的な大きさ:60 cm前後
・平均的な寿命:10~15年ほど
・かかりやすい病気:エラがめくれる、目が垂れる、顎がずれる、白点病
現在、アジアアロワナは絶滅危惧種としてワシントン条約によって保護されています。
流通している全てのアジアアロワナにはマイクロチップが埋め込まれており、飼育の許可された個体か野生個体かが見分けられるようになっています。
◆シルバーアロワナ
アマゾン川に生息するシルバーアロワナは、アロワナの中で最も大型になる品種です。
シルバーアロワナは品種改良が難しく、たとえば白銀色の「プラチナシルバーアロワナ」のなかには50万円以上の価格で販売される個体もいます。
その他、シルバーアロワナの特徴は、次のとおりです。
・成体平均的な大きさ:70~100cmほどに(野生下では最大120cmになる個体もいる)
・平均的な寿命:10~15年ほど
・かかりやすい病気:エラがめくれる、目が垂れる、顎がずれる、背骨が曲がる
シルバーアロワナのかかりやすい病気のなかでも「目が垂れる」という症状は、ほぼすべてのシルバーアロワナがかかると言われている病気です。
その他の症状については、大きめの水槽で飼育する、餌は栄養バランスよく与えるなどに気を付けることで防ぐことができます。
◆ポリプテルス
ポリプテルスは、4億年以上前から存在していたといわれている古代魚で、アフリカ大陸に生息する肉食性の大型熱帯魚です。
現在、ポリプテルスには、計17種(11種+6亜種)いることが確認されています。
その他、ポリプテルスの特徴は、次のとおりです。
・成体平均的な大きさ:70~100cmほどに(野生下では最大120cmになる個体もいる)
・平均的な寿命:約10年(飼育下では15年生きた個体もいる)
・かかりやすい病気:寄生虫、エロモナス病、カラムナリス病、擦り傷
ポリプテルスは、病気にかかりにくく初心者でも飼いやすいのが特徴ですが、最も重要なのが適切な環境で飼育することです。
たとえば、適切な水温が保てていない環境では、病原菌や寄生虫が繁殖しやすくなり、病気の原因となるため環境管理は徹底しましょう。
◆ブラックゴースト
ブラックゴーストはデンキウナギの仲間で、ベネズエラ、パラグアイ、ペルーに生息する古代魚。肉食性の中型熱帯魚です。
ブラックゴーストは、微弱の電気を発することで、餌や障害物を確認ながら遊泳しています。
その他、ブラックゴーストの特徴は、次のとおりです。
・成体平均的な大きさ:最大で30~40cmほど
・平均的な寿命:5~10年
・かかりやすい病気:白点病
ブラックゴーストは水質の変化に敏感で、古代魚のなかでは飼育の難しい品種のひとつです。
比較的気性が荒く、夜行性ということもあり、混泳は難しいと考えてください。
◆ポリプテルス・セネガルス
ポリプテルス・セネガルスは、セネガルなど中央アフリカから西アフリカに生息する古代魚で、肉食性の大型熱帯魚です。
ポリプテルスのなかでは比較的小型で、小離鰭(しょうりき)という細かい多くの背ビレをもちます。
その他の特徴は、次のとおりです。
・成体平均的な大きさ:最大で30cmほど
・平均的な寿命:10~15年
・かかりやすい病気:寄生虫、エロモナス病、カラムナリス病、擦り傷
ポリプテルス・セネガルスは比較的安価に入手することができ、古代魚の中でも病気に強い丈夫な品種であるため、初心者でも挑戦しやすいといえます。
古代魚の飼育環境
ここまで、飼育しやすい古代魚についてご紹介してきました。
飼育しやすいとはいえ、古代魚にとって適切な環境で飼育することが最も重要なことです。
ここでは、古代魚の飼育に適切な環境についてご紹介していきましょう。
◆水槽サイズと選び方
古代魚は大型になる種が多いため、飼育する水槽のサイズはとても重要で、それぞれの魚の大きさに合わせた水槽を準備する必要があります。
古代魚の飼育に使用される水槽は、主に60cm、または、90cmのものです。
・60cm水槽で飼育可能な古代魚
60cm水槽の規格は、幅60cm×奥行30cm×高さ36cmです。
60cmサイズの水槽には、次に挙げるような、全長30cm以内の古代魚を飼育することができます。
・ポリプテルス・セネガルス
・アフリカンナイフ
・アミメウナギ
・パルマス・ポーリー
・バタフライフィッシュ
・90cm水槽で飼育可能な古代魚
90cm水槽の規格は、幅60cm×奥行45cm×高さ45cmです。
90cmサイズの水槽には、次に挙げるような、全長50cm以内の古代魚を飼育することができます。
・ポリプテルス・デルヘジィ
・ポリプテルス・ウィークシー
・プロトプテルス・アンフィビウス
・ロイヤルナイフフィッシュ
成体時の全長が50cmを超える古代魚の場合は、120cm、150cmの水槽を選ぶようにしましょう。
◆水温と水質管理
古代魚は、熱帯地域に生息する魚のため、水温は比較的高めの25~30℃前後が適温です。
また、古代魚は水質変化に弱い種類が多く、水の交換は慎重に行う必要があり、時間に余裕をもって作業することをおすすめします。
水槽には、酸素を送る「エアレーション」と水質を維持するための「ろ過装置」、水温を一定に保つための「ヒーター」を設置します。
古代魚を飼育する場合、水槽が大型になるため水槽の掃除や水質管理が難しくなりますが、古代魚用の水質調整剤なども上手く使って、水質を一定に保つようにしましょう。
◆エサの選び方
古代魚を扱うショップでは、古代魚用の生餌や人工餌が販売されており、餌の入手に困ることはありません。
生餌には、ミールワームやコオロギ、アカムシ、小型のドジョウや金魚などがあります。
当然、生餌の方が食いつきもよく、喜んで食べてはくれますが、栄養のバランスを考えると、人工餌をメインに、生餌を組み合わせながら与えるのがおすすめです。
また、人工餌が食べられるようになると、生餌が手に入らないような状況でも安心ですよ。
古代魚の混泳について
古代魚を飼育する場合、水槽が大きくなるため、水族館のようにいろいろな種類の魚を混泳させたいと思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、古代魚の多くは肉食で、捕食してしまうような小型魚との混泳は適しているとはいえません。
基本的に、大型の古代魚の場合は、単独飼育をおすすめします。
アロワナやポリプテルスのような大型の肉食魚は、成体になると小さな金魚やメダカは餌となります。
反対に、アミメウナギのような小型で性格が温厚な古代魚の場合は、餌にならない(口に入らない)サイズの金魚との混泳も可能です。
ただし、同じ熱帯地域に生息する魚として、熱帯魚のなかでも成体のエンゼルフィッシュやディスカス、大型のプレコなどについては、遊泳空間が異なる古代魚との混泳も可能です。
古代魚は肉食のため、口に入るものは基本的に食べてしまいます。
古代魚と他の魚を混泳させる際は、「口に入らない大きさの魚」を選ぶことが重要なポイントです。
また、熱帯魚の場合は、水槽の上層・中層・下層と、魚によって遊泳空間が異なるため、住み分けが可能な種類同士で混泳させるとよいでしょう。
気性が荒かったり、縄張り意識が強かったりする場合は、争いやケガなどを防ぐためにも単独飼育がおすすめです。
また、昼行性の魚と夜行性の魚との混泳はお互いにストレスになるため、避けましょう。
まとめ
今回は、近年人気急上昇中の「古代魚」の飼育しやすい品種や飼育上の注意点などについてご紹介してきました。
古代魚にはさまざまな種類がありますが、はじめて飼育する古代魚を選ぶ際は「どのくらい大きくなるのか」「平均寿命はどれくらいなのか」「丁寧なお世話が必要か」などを確認し、飼育可能かどうかをしっかりと判断しましょう。
特に古代魚の飼育には、大きな水槽が必須です。
さらに水槽内の衛生管理を考えると、ガラス製やアクリル製の水槽を選びましょう。
大きさはもちろんのこと、水槽の重さ+水の重さにも耐えられる置き場所があるかどうかも、十分に検討する必要があります。
古代魚は寿命も長く、比較的人懐っこい品種も多いため、愛着の湧きやすい魚です。
長くともに過ごせるよう、適切な環境で生活させてあげましょう。
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