【掲載:2024.01.20 更新:2024.07.24】
ハムスターにもやしを与えても良い?
ハムスターに「もやし」を与えても問題ありません!
もやしというと、「あまり栄養はないのでは?」と思われる方も多いかもしれませんが、意外や意外(?)、実際にはさまざまな栄養素が含まれた野菜なのです。
たとえ、もやしに含まれるそれぞれの栄養素は少量であっても、体の小さなハムスターであればその効果も期待できます。
では、もやしにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか?
ここでは、もやしにはどのような栄養素が含まれるのか、また、ハムスターが食べることで期待できる効果についてもご紹介していきます。
◆もやしに含まれる栄養素
よく、「もやしは水分だけで栄養がない」といわれたりします。
実際、もやしの90%が水分だといわれており、確かに水分量の多い野菜です。
しかしながら、残りの10%には豊富な栄養素が含まれており、もやしは決して水分だけの野菜ではありません。
そんな「もやし」には、ビタミンやミネラル、アミノ酸、食物繊維など含まれる栄養成分のバリエーションも多く、主な栄養素として、次の8種類が含まれています。
●タンパク質(豆の部分)
●カリウム
●カルシウム
●ビタミンB1/B2
●ビタミンC
●アスパラギン酸
●食物繊維
このように、「もやし」には多様な栄養素が含まれており、単に「美味しい野菜」というだけでなく、ハムスターの健康にとってもメリットがある野菜であるといえるでしょう。
◆期待できる効果
もやしに含まれる8種類の栄養素には、それぞれに特徴的な効果があり、上手に摂取することでハムスターの健康維持にも役立ちます。
なお、ハムスターがもやしを摂取することで期待できる栄養素ごとの効果は、次のとおりです。
▼もやしに含まれる栄養素一覧
タンパク質 | 筋肉や臓器、肌、爪、髪の毛などを構成する栄養素。エネルギー源にもなる。 |
カリウム | 体内の余分な塩分・水分の排出を助ける栄養素。高血圧予防やむくみ解消が期待できる。 |
カルシウム | 歯や骨を作る栄養素。体内機能を調節する役割がある。 |
ビタミンB1/B2 | 糖質・脂質・タンパク質の代謝を助ける。皮膚や髪や爪などの健康維持の効果が期待できる。 |
ビタミンC | 抗酸化作用があり、老化防止や免疫力の向上に効果がある栄養素。コラーゲンの生成に必要不可欠。 |
アスパラギン酸 | 疲労回復やスタミナ増強に効果がある。もやしにはアスパラの約2倍のアスパラギン酸が含まれている。 |
食物繊維 | 整腸作用、血糖値や血液中のコレステロールの上昇を抑制する働きがある栄養素。便秘の改善も期待できる。 |
もやしの与え方
もやしを安心・安全に与えるためには、ハムスターにとっての「適量」や「与える頻度」を知っておくことがとても重要です。
いくら「もやし」に多くの栄養素が含まれているからといって、一度に大量のもやしを与えたり、もやしを主食にしたりすることは、かえってハムスターの健康を害する結果となってしまうので注意してください。
ここでは、ハムスターに「もやし」を与える際の正しい方法についてご紹介していきます。
ハムスターの主食は、ハムスター用のペレットです。
ペレットには、ハムスターに必要な栄養素がバランスよく配合されています。
いくら、もやしに豊富な栄養素が含まれているとはいえ、もやしでは、ハムスターに必要な栄養素すべてを補うことはできません。
また、もやしは水分量が多く、ハムスターに大量に与えると下痢をしてしまったり、必要なものを食べなくなってしまったりする恐れがあるため、与えすぎには注意してください。
反対に夏場などは、ハムスターの水分補給を目的とした「もやしの活用」がおすすめです。
あくまでも、もやしはハムスターへのご褒美や水分を補うための「おやつ」や「副菜」と考えましょう。
なお、ハムスターに与える「もやし」の最適とされる量は、次のとおりです。
●体の大きなハムスター:1本
また、ハムスターにもやしを与える頻度は、夏場で週1~2回、それ以外の季節で週1回くらいを目安にするとよいでしょう。
もやしは、とても傷みやすい野菜です。
たとえ冷蔵庫に入れていたとしても、購入してから日にちが経ってしまうと、ニオイが出たり、茶色く変色したりしてしまいます。
ハムスターには、このような傷んだ状態のもやしは決して与えず、できるだけ購入してすぐの新鮮なものを与えるようにしましょう。
万が一、傷んだもやしを与えて下痢などを起こしてしまうと、最悪の場合、ハムスターの命に係わる可能性もあるため十分に注意してください。
ハムスターにもやしを与える際は、水にさらしてしっかりと洗います。
もやしに限らず、ハムスターに野菜を与える場合には、農薬や土などを取り除くためにも、事前にしっかりと洗ってから与えるようにしてください。
なお、洗ったもやしは、キッチンペーパーなどで十分に水気を切るようにしましょう。
もやし自体の水分量が多いにもかかわらず、さらにもやしに水分が付着している場合、体の小さなハムスターにとっては水分過多になることも考えられます。
そのため、洗ったもやしはしっかりと水気を切ってから、ハムスターに与えることが大切です。
もやしは茹でなくても良い?
ハムスターに与えるもやしは、茹でる必要はありません。
もやしには、ほうれん草に含まれるシュウ酸などのような「茹でて取り除くべき成分」は含まれていません。
反対に、もやしを茹でてしまうと、かえって栄養素が抜けてしまうことがあります。
そのため、ハムスターにもやしを与える際は、あえて茹でる必要はなく、生のままのもやしを与えてあげましょう。
ただし、農薬などの付着物がある可能性もあるため、ハムスターに与える際は、水にさらしてきれいに洗い、水気を切ってから与えることを忘れずに!
ハムスターにもやしを与える時の注意点
「もやしをあげたせいでハムスターが体調を崩した!」というようなことを避けるためにも、ハムスターにもやしを与える際には、次の3つの点に注意する必要があります。
ハムスターにもやしを与える際、特に気を付けるべき点は「与える量」です。
ハムスターが水分量の多いもやしを大量に摂取してしまうと、下痢を起こす原因になる恐れがあります。
ハムスターのような体の小さな生きものの場合、下痢から命に係わる状態に悪化することもあるため、十分に注意しましょう。
もやしは傷みやすい野菜のため、ハムスターの食べ残しや落としたもやしをケージのなかに放置しておくのはやめましょう。
ケージを置いている室内が暖かい場合、ケージに残ったもやしは、1日も経たずに傷んでしまうことがあります。
万が一、古かったり、傷んだりしている「もやし」をハムスターが食べてしまった場合、当然、下痢を起こすの原因になる可能性があるため注意してください。
ハムスターにとって、「豆」は有害な食べ物です。
「もやし」のもととなる大豆に含まれている酵素がハムスターの消化機能に影響したり、マグネシウムが尿管結石を引き起こしたりする可能性があるため、大豆を口に入れることがないように注意しましょう。
ハムスターにもやしを与える際は、豆や根の部分をしっかりと取り除き、白いシャキシャキとした部分だけを選んで与えるようにしてください。
まとめ
今回は、『ハムスターに「もやし」を与えて良いのか分からない』という方に向けて、主に次の3点についてお話ししてきました。
●もやしにはどのような栄養素が含まれ、どのような効果が期待できるのか?
●ハムスターにもやしを与える際の正しい方法と注意点は何か?
おやつや副菜のバリエーションが豊富なことは、飼い主さんにとっても、ハムスターとっても、悪いことではありません。
たとえば、もやしはカロリーも少なく、ダイエット中のハムスターにとっても安心して与えることができる野菜のひとつといえます。
もやしがハムスターに与えられる野菜だということが分かっていれば、たとえダイエット中であっても、おやつや副菜を無理に我慢させる必要はありません。
しかし、反対に「与えてはいけない」ものや「与え過ぎてはいけない」ものを知らないということは、特に体の小さなハムスターにとって、命に係わる事態を招く可能性がある、とても危険なことだということを忘れてはいけません。
これは、ハムスターにもやしを与える場合でも言えることです。
ハムスターにペレット以外のものを与える際は、十分に注意しましょう。
– おすすめ記事 –
・ブロッコリーはハムスターにおすすめ?栄養価、効果、与え方について |
・ハムスターに人参をあげたい!葉や皮はOK?栄養、与え方、注意点を紹介 |
・ハムスターにキャベツをあげても大丈夫?注意点は? |
・ハムスターに白菜を与えても大丈夫?注意点を解説 |