1.レース鳩とは
1-1.鳩レースってどんなもの?
1-2.レース鳩とドバトの違い
1-3.日本にいるハトの種類
2.レース鳩は飼育できる?
2-1.飼育の準備
2-2.どこで購入する?
2-3.飼育方法
3.まとめ
レース鳩とは
レース鳩ってどんな鳥のことを言うのでしょう?
レース鳩とは昔から言われている伝書鳩のことです。
遠い場所へメッセージを送る通信手段として使用するため、方向感覚に優れ、長距離飛行が可能なように品種改良された飼い鳩のことを言います。
帰巣本能・飛躍能力は土鳩(ドバト)と比べ非常に高く、1000キロ以上も離れた場所からでも自分の巣に帰ることが可能です。
◆鳩レースってどんなもの?
自分でヒナを鍛え上げることによって、ピジョンスポーツ(鳩レース)にも参加できます。
ピジョンスポーツは日本だけではなく世界中で盛んに開催されています。
競技は100キロ~1000キロまでに分けられ、足にタグ(足環)を付けたレース鳩を決められたポイントから放鳩して、ゴール地点である自分の巣に帰るまでの時間を競う競技です。
鳩レースは今ではピーク時より競技人口が少なってしまいましたが、それでも毎年数千ものレースが開催されていますので、まだまだ人気のある競技です。
そんな中、レース途中で迷いそれてしまう鳩がいます。
レース鳩の帰巣率はレースによって異なり、80%のものもあれば10%のものもあるそうです。
このような迷い鳩が野生化して自然繁殖してしまった結果が、現在公園などで良く見かけるドバトなのです。
また最近では、レース鳩の帰巣率が下がってきているという説も出ています。
理由としては、磁場の影響であったり、人間に保護された猛禽類が増えて来ているため、猛禽類に鳩が捕食されたりと色々な理由があるようです。
レース鳩は足に必ずタグ(足環)を付けていますので、これらの鳩を見かけたり保護したときは、レース鳩協会に報告することで、少しでも鳩の野生化を防ぐ手助けになるので皆様にお願いしたいところです。
海外の大きなレースで好成績を挙げた鳩には、種鳩(競馬でいえば種牡馬)として、1羽数千万円の値段が付くこともあるんです!そして賞金も獲得できます。
◆レース鳩とドバトの違い
レース鳩はもともと、街中の公園や神社、お寺にいる土鳩と同じ鳩であることには変わりないのですが、飼育の仕方に違いがあります。
数世紀の長い間に渡り品種改良をしてならして通信に使ってきた結果、現在では帰巣能力、飛翔能力共に土鳩とは比べ物にならないくらい発達しました。
長距離を飛ぶことで普通の鳩に比べ身体も大きく、ガッチリしていて、引き締まっています。
骨格:レース鳩の方が骨太でガッチリしています
脚:レース鳩の方が太くて丈夫
鼻瘤:土鳩と比べて大きく発達している
※鼻瘤(びりゅう)とは・・・鳩のくちばしの上の白く柔らかく膨らんでいる部分(鼻こぶとも言います)
くちばし:土鳩は細く長いが、レース鳩は太くて短い
翼:土鳩に比べて長く、硬くてしまっている。羽ばたきも大きく長く飛行が可能
目ぶち:土鳩に比べて広がっている
※目ぶち:目の周りにあるひだのようなもの
◆日本にいるハトの種類
世界にはおよそ290種の鳩が確認されていて、日本には亜種を含めて13種類の在来種の鳩がいます。
天然記念物に指定されている鳩もいるのです。
普段私たちが良く目にするカワラバトは海外から持ち込まれた外来種なのですが、日本での個体数は他の国と比べても最も多いのです。
主な7種類の鳩たちの一覧はこちらになります。
②キジバト
③カラスバト
④キンバト
⑤アオバト
⑥ベニバト
⑦シラコバト
レース鳩は飼育できる?
ペットを飼う、飼育するというと皆さんは犬、猫、ウサギ、ハムスター、インコ、文鳥、オウム・・・などを思い浮かべると思いますが、折角飼育するなら人とは少し違ったペットを飼うのも面白いと思います。
そこでお勧めしたいのがレース鳩(伝書鳩)なんです。
鳩は野生のもので飼育できないと思われる方も多いと思いますが、ここでお勧めしたいのは由緒正しき血統書付きのレース鳩です。
鳩は帰巣本能を持っていますから、きちんと手順を踏んで飼育したら必ず自分の家へ(鳩舎)帰ってきてくれます。
大空を自由に飛び回り、また自分の家に戻ってきてくれるペットなんてハト以外にはいないでしょう!
魅力満載のレース鳩飼育。
飼育の準備や基礎をお話ししたいと思います。
◆飼育の準備
まずは鳩が帰ってきてくれる家を作ってあげなければいけませんね。
ペットの鳥はかごで飼うものですが、レース鳩を飼うには鳩小屋を用意してあげなければいけません。
鳩を飼育している人たちの間では鳩小屋は鳩舎(きゅうしゃ)と呼んでいます。
鳩の大きさは大体体長30cm×高さ20cmくらいですが、羽ばたきますと片方の翼は30センチほどありますので鳩舎はかなり広い空間が必要になります。
オスとメスのペアで飼育するとしたら、1m3くらいのスペースがあれば充分ですが、将来的に繁殖を考えているのであれば、可能な限り大きく作っておいた方が良いかもしれません。
◆どこで購入する?
レース鳩は一般的なペットショップではなかなか売られていません。
最近ではレース鳩を飼うのに、インターネットで鳩を扱っている業者さんを探して購入する方が増えています。
全国にレース鳩を販売している業者さんは数多くいらっしゃいます。
品種改良に熱を入れている方が沢山いらっしゃいますので、素晴らしい鳩を取りそろえることが出来るでしょう。
鳩の価格はかなり差があり、一羽数百万円もする鳩から一羽数千円で買えるものまでピンキリです。
最初は1羽1万円以下の値段の鳩でも充分楽しむことが出来るでしょう。
もう一つの方法は、近所で鳩を飼っているお宅から譲っていただく方法です。
これは近くにいらっしゃらないと成立しませんが、近隣でレース鳩を飼っている人が居ないか調べてみると良いかもしれませんね。
購入するレース鳩には2種類あります。
①種鳩(繁殖目的)
②選手鳩(レース参加目的)
購入する鳩は最初は種鳩です。
鳩は外に飛ばしても家に帰ってくる。
これは訓練された鳩だから出来ることで、最初から種鳩をいきなり飛ばしてしまっても迷子になって帰ってきませんので注意してください。
また日本レース鳩協会に入会することもお勧めします。
沢山のレース鳩情報が得られますし、レース鳩情報満載の「レース鳩」誌を毎月送っていただけます。
小さいヒナの時から鳩舎に慣れさせて、何度も訓練を行わせてから出来ることです。
◆飼育方法
ツガイされた鳩を飼い、鳩の小作り(繁殖)が始まります。
2羽で巣作りを始めますが鳩は巣作りが苦手なんです。
ですから鳩専用の巣皿が売られていますのでそれを用意してあげましょう。
巣皿の中には藁でも新聞紙を細かく裂いたものなどでも代用できます。
そして10日程度たつと1卵産み、また一日置いて1卵産みます。
巣皿に2つの卵が揃うと、2羽で交互に抱卵を始めるのです。
オスが昼間、メスが夜間に抱卵を行います。
そして18日間抱卵を続けることで、ヒナが孵ります。
鳩はなんと人間と同じようにミルクを与えて育てます。
ピジョンミルクと言われ、鳩の体内(胸あたりにある器官)で作られます。
このピジョンミルクはオスもメスも与えることができ、動物性たんぱく質の他、脂肪が多く含まれています。
鳥類ではとても珍しいヒナの育て方ですね。
生後20日を過ぎるとかなり成長し、皆さんが知っている鳩の体型になってきます。
餌もかなりの量を食べるようになります。
そして生後25日くらいで、自分でエサをついばむようになり、25~35日でヒナを親鳩から離します。
出来れば雛専用の別室(籠でOK)を作り、同年代の雛を入れておくと良いでしょう。
他の大人の鳩と一緒にしておくと、つつかれたりして怪我をしてしまうこともあるからです。
もし親鳩から離してみて餌を食べず弱ってしまうような子がいた場合、一度親鳩のところへ戻してあげましょう。
数日親鳩に世話をさせたらまた巣立ちさせましょう!
レース鳩を飼育する際の注意点
◆野生のハトを捕まえて飼育しない
これは皆さんご存じかと思いますが、例えば公園や河原にいる鳩を捕獲して飼うことは法律で禁止されています。(鳥獣保護管理法)
野鳥を捕まえてきて、そのまま無許可販売をしたりする違法行為が多いことに起因し、鳩を飼う場合でもその点が問題となっています。
必ず正規のルートから購入し飼育してください。
◆病気に注意
鳩から人に感染する病気があります。
〇オウム病:発熱や咳、呼吸困難などの症状が起きる。
鳩による呼吸器系の感染症
〇クリプトコッカス症:頭痛やめまい、意識障害。
鳩の糞に含まれる真菌が原因の病気。人に感染する。
〇トキソプラズマ症:発熱や筋肉痛、リンパ節の腫れ。人に感染する。
鳩の糞に含まれる原虫が病気の原因。
〇ニューカッスル症:発熱・結膜炎、咽頭炎などの症状。人に感染する。
鳩による感染症。
〇サルモネラ感染症:発熱や下痢、腹痛。人に感染する。
鳩の糞に含まれる細菌が原因。
ざっと上げただけでも、これだけの病気の可能性があるので、呼吸器系の病気を持っている方は特に気を付けましょう。
まとめ
今回はレース鳩についての基本的なことを書いてみました。
もっと詳しく知りたい方は、是非鳩を飼育されている方のブログやサイトなどへ飛んでみてください!
全てのレース鳩が競技では帰巣できないなんて、ちょっと可哀そうな気がしてしまいますが、競技の世界は厳しいんだなと思い知らされます。
自宅で趣味としてレース鳩を飼育し、朝飛び立った鳩たちが夕方には遊び疲れて自分の元(巣)に帰ってきてくれる。
そんな鳩飼育を楽しみにしている筆者です(*^-^*)
今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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