1.うさぎに大根を与えても大丈夫!2.大根の栄養素
2-1.葉の部分
2-2.根の部分
2-3.その他
3.うさぎに大根を与える際に注意すること
3-1.適切な量をあげる
3-2.食べやすい大きさに切る
3-3.よく洗ってから与える
うさぎに大根を与えても大丈夫!
うさぎに大根を与えても、問題ありません。
そうとはいえ、大根の白い「根」部分には辛みがあるので、うさぎには葉っぱの部分を好んで食べる傾向があるようです。
特に、大根の辛み成分は「根の下の部分」や「皮に近い部分」に多く含まれているため、もしも、うさぎに大根の根の部分を与えるときは、葉っぱに近い上の部分を与えてあげると良いでしょう。
このように、うさぎに大根を与えても大丈夫!
どちらかといえば、「うさぎに大根を食べさせてはいけない!」というよりも、「辛みのある白い部分はあまり食べてくれない・・・」という方が正しい表現かもしれません。
大根の栄養素
みずみずしく、栄養素も豊富も豊富な「大根」。
大根には、消化を促進し、免疫力をアップさせる効果があるといわれています。
ちなみに、大根100gあたりのエネルギーや水分量は、次のとおりです。
▼大根100gあたりのエネルギーや水分量
部位 エネルギー量 水分量
大根の葉(生) 23kcal 90.6 g
大根の根(生・皮なし) 15kcal 94.6 g
では、大根には実際にどのような栄養素が含まれ、うさぎが食べるとどのような効果が期待できるのでしょうか?
ここでは、大根を「葉」と「根」に分け、それぞれに含まれる代表的な栄養素ともに、栄養素以外の体に良い成分についてもご紹介します。
◆葉の部分
大根の葉の部分には、次のような栄養素が含まれています。
- β-カロテン : 皮膚や粘膜の健康維持/抗酸化作用
- ビタミンC : 免疫力の向上/コラーゲンの生成
- ビタミンK : 血液の凝固作用/骨密度の増加
- 葉酸 : たんぱく質の合成や造血に影響/代謝に関与
- カリウム : 細胞の浸透圧を維持/血圧を正常に保つ効果
- カルシウム : 血液の凝固作用/脳の神経細胞の活動に関与
◆根の部分
大根の根の部分には、次のような栄養素が含まれています。
- 食物繊維 : 整腸効果/便秘予防
- ビタミンB群
-ビタミンB1 : 糖質をエネルギーに変える/脳や神経の働きに影響
-ビタミンB2 : 糖質をエネルギーに変える/脳や肝臓・皮膚の働きの維持
-ビタミンB3(ナイアシン) : エネルギーの生成/皮膚・粘膜・神経の正常化
-ビタミンB5(パテント酸) : たんぱく質・脂質・糖質の代謝に関与/神経・副腎皮質の機能の正常化
-ビタミンB6 : たんぱく質の合成や造血に影響/抗アレルギー作用
- ビタミンC : 免疫力の向上/コラーゲンの生成
- 葉酸 : たんぱく質の合成や造血に影響/代謝に関与
- カリウム : 細胞の浸透圧を維持/血圧を正常に保つ効果
- カルシウム : 血液の凝固作用/脳の神経細胞の活動に関与
- マグネシウム : 筋肉や神経の働きに関与/血圧や体温の調整
- 鉄 : 酸素の運搬/運動能力や学習能力の向上
- 亜鉛 : 新陳代謝の活性化/抗酸化作用
- 銅 : ヘモグロビンの合成/酵素の働きを助ける
◆その他
大根に含まれるその他の体に良い成分には、次のようなものがあります。
・消化酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ」) : 消化・吸収・代謝などの働きを促進
・辛み成分(イソチオシアネート) : 解毒作用の活性化
うさぎに大根を与える際に注意すること
「うさぎに大根を与えても大丈夫!」とはいえ、主食のように与えて良いというわけではありません。
うさぎにとって大根は、あくまでも「おやつ」や「副菜」という位置づけです。
栄養素が豊富な野菜にもかかわらず、何故、うさぎに大根中心の食事をさせてはいけないのでしょうか?
また、その他にも、うさぎへの与え方に何か注意する点などはあるのでしょうか?
ここでは、うさぎに大根を与える際に注意すべき3つのポイントについてご紹介していきます。
◆適切な量をあげる
うさぎに大根を与える場合は、「与える量」に注意しましょう。
うさぎに与えてよい野菜の量は、体重1kgあたり1日に3gくらいといわれています。
さらに、その内「葉野菜」と「根や実の野菜」との割合は、8:2くらいが望ましいとされています。
このように、主食以外のものを与える場合、それぞれにうさぎの性質や体に合わせた「適切な量」があり、この量を守って与えることが重要です。
ちなみに、うさぎに過剰に大根を与えてしまうと、次のような問題が生じる可能性があるので注意しましょう。
・主食を食べなくなる
美味しいものでお腹をいっぱいにしてしまうと、うさぎが1日に食べるべき主食を食べなくなってしまいます。
また、主食よりも美味しいものを知ってしまうことで、うさぎが主食そのものを食べなくなってしまうこともあります。
うさぎにとって、主食であるチモシーなどの「牧草」には、エネルギー源になるのはもちろんのこと、腸内環境を整えたり、げっ歯類特有の葉の伸びを抑制したりする効果もあります。
そのため、うさぎが主食を食べなくなることで、うさぎ自身の健康状態を維持できなくなる可能性があるのです。
・下痢をする
大根は、水分量の多い野菜です。
そのため、うさぎが過剰に摂取してしまうと、下痢を起こしてしまうことがあるため注意が必要です。
うさぎのような小さな動物の場合、下痢から命に係わる重篤な状態になることもあります。
万が一、うさぎに大根を食べさせた後に下痢の状態が続くような場合は、獣医師さんに相談しましょう。
そうとはいえ、本来は「下痢にならない」よう管理することが最も重要。
たとえ喜んで食べているとしても、うさぎにとっての「適量の範囲」に抑えて与えてください。
また、生野菜を与えるとどうしても下痢をしてしまううさぎの場合には、「切り干し大根」にするのがおすすめです。
・甲状腺機能障害を起こす
大根は、キャベツやブロッコリーと同じアブラナ科の野菜です。
アブラナ科の野菜に含まれる「ゴイトロゲン」をうさぎに与え過ぎると、甲状腺ホルモンの分泌を妨げ、「甲状腺機能障害」を起こす可能性があるといわれています。
そのため、うさぎに大根を与える際には、適量を超えることのないよう、量には十分に注意してあげてください。
特に、甲状腺疾患のあるうさぎには、与える量を減らすよりも、念のため「大根は与えない」という選択をする方が安心でしょう。
◆食べやすい大きさに切る
うさぎに大根を与える際は、食べやすい形や大きさに切って与えてあげましょう。
たとえば、大根の根の部分を与える場合は、長さ2cmくらいのスティック状にしてあげると、うさぎも食べやすくなりますよ。
また、大根の葉の部分も6~7cmくらいにあらかじめカットして与えてあげるのがおすすめです。
なお、大根は生で食べられる野菜ですが、うさぎに生の野菜を与える場合は、生後3~4ヶ月を過ぎてから、少しずつ与えていくようにしましょう。
◆よく洗ってから与える
うさぎに大根を与える際は、よく洗ってからにしましょう。
虫がつきやすい大根のような野菜には、農薬や殺虫剤などが使用されていることがあります。
特に、体の小さなうさぎの場合、少量の農薬や殺虫剤などでも中毒を起こすことがあり、酷くなると嘔吐・呼吸困難・痙攣などの症状が出ることがあるので、注意しましょう。
大根に限らず、うさぎに野菜や果物を与える際は、農薬や殺虫剤が使用されていたり、虫がついていたりすることを考慮して、よく洗ってから与えることを心がけてください。
なお、大根を洗う際は、あらかじめうさぎに与える大きさに切ってから、流水でしっかりと洗い流します。
さらに、洗った後、うさぎに与える際は、残っている水気を十分に切ってからあげるようにしましょう。
万が一、うさぎが大根を食べた後に体調を崩したという場合は、早めの受診をおすすめします。
まとめ
今回は、「うさぎは「大根」を食べて良いのか?」という疑問とともに、「大根に含まれる栄養素にはどんなものがあるのか?」「大根を含む野菜をうさぎに与える際にどのような注意点があるのか?」などについてご紹介してきました。
結論として、うさぎは大根を食べることができます!
しかも、大根は、うさぎの健康にとって有益な栄養素が多く含まれている野菜といえます。
しかしながら、うさぎにとって大根は、あくまでも副菜です。
「健康に良さそうだから」、「喜んで食べてくれるから」といって、大根を与えすぎてしまうと、かえってうさぎの健康を害する可能性があることを忘れないでください。
そして、万が一、大根を食べた後のうさぎに体調の変化が現れたときは、速やかに獣医師さんに相談しましょう。
その際、「何をどのくらい食べたか」「いつ頃食べたか」などの情報を正しく伝えることができれば、診断がつきやすくなります。
可愛いうさぎがいつまでも元気でいてくれるよう、与えるものや与え方には十分に注意してあげましょう。
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