1.ハムスターのくしゃみの原因
1-1.風邪などのウイルス
1-2.ほこりなどのアレルギー反応
1-3.ケージ内の細菌や真菌によるもの
1-4.ストレス
3.ハムスターのくしゃみの対処法
3-1.室温をあげる
3-2.ケージの清掃をする
3-3.ストレスのかからない環境を作る
3-4.動物病院へ連れて行く
ハムスターのくしゃみの原因
そもそも、ハムスターがくしゃみをするのはどうしてでしょうか。
くしゃみとは、鼻の粘膜に異物が付着した際に、その異物を吹き出そうと横隔膜が伸縮することで起こる反射的な噴出反応です。
したがって、くしゃみの原因には様々な要因が考えられます。
正しい対処をするために、まずはハムスターのくしゃみの原因を見極めましょう。
◆風邪などのウイルス
あまり知られていませんが、ハムスターも人間と同じように風邪をひくことがあります。
そして、風邪をひくとウイルスによって鼻の粘膜が炎症を起こし、鼻水やくしゃみの症状が出るのです。
風邪の疑いがあるときは、同時に発熱、めまい、下痢、食欲不振といった症状が出る可能性が高いです。
特に、インフルエンザは人間からハムスターにも感染すると言われています。
飼い主さんが体調不良になった時には、なるべくハムスターと距離をとったり、マスクをつけたりしてウイルスを移さないように心がけましょう。
また、ハムスターはもともと乾燥地帯で暮らしていたため、体が水に濡れるような状態だと風邪をひきやすくなってしまいます。
もし何かの拍子にハムスターの体が濡れてしまった時はそのままにせず、部屋の温度を上げるなどして早く乾くように工夫してあげてください。
◆ほこりなどのアレルギー反応
実は、ハムスターは鼻が敏感な子が多いと言われています。
そのため、ハムスターがお部屋のほこりやケージの床材、粉じんを吸い込むとアレルギー反応が出てくしゃみが止まらなくなる場合があります。
アレルギー反応が出ている時は、同時に目やに、サラサラの鼻水、体の痒み、脱毛といった症状が出る可能性が高いです。
ハムスターは元気なのにくしゃみが出ているような時はアレルギーが原因と考えて問題ないでしょう。
また、まれに食べ物や花粉など、人間のアレルギーと同じようなものでハムスターがアレルギー反応を引き起こす場合があります。
ハムスターにアレルギー症状の疑いがあるときは、その原因となるようなものを取り除いてあげることが急務です。
◆ケージ内の細菌や真菌によるもの
最も気をつけなければならないのが、細菌や真菌が原因のくしゃみです。
細菌や真菌が原因でくしゃみが出ているときは風邪と同じような体調不良に加え、目や耳、鼻の粘膜に異常が起きたり、最悪の場合は呼吸困難といった重篤な症状を引き起こしたりする恐れがあります。
症状のみだと風邪との見極めが難しいですが、細菌や真菌が繁殖するためにはジメジメとした場所や、掃除を怠って汚れたケージなどが必要です。
もし、こういった環境にハムスターをおいている場合、真っ先に細菌や真菌が原因のくしゃみを疑いましょう。
また、万が一、ハムスターに細菌や真菌の感染が疑われる場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってあげてください。
ハムスターが重篤な症状を引き起こす前に、素早い対応が求められます。
ケージのまま外に連れ出すのは大変なので、もしもの時に備えて、キャリーケースを購入しておくといいでしょう。
◆ストレス
ハムスターは体が小さい分、警戒心が強くて繊細な生き物です。
飼い主さんが思っている以上に、ささいなことでストレスを感じやすいと言われています。
個体差があるのであくまで目安ではありますが、ハムスターがストレスに感じやすいことは以下の通りです。
-
・環境の変化:新しい床材、新しいケージ、新しいおもちゃなど
・食事の変化:新しいペレット、新しいおやつなど
・大きな音:物を落とした時の音、外から聞こえる車やバイクの音、テレビの音など
・強い匂い:芳香剤、香り付き除菌スプレー、香水など
・気温の変化:年中通して一定の温度が理想
ストレスが溜まったハムスターは興奮状態になり、呼吸を荒げて鼻をプスプスと鳴らすことがあります。
そのため、ハムスターが元気はあるのにくしゃみのような音を出しているときには、ストレス過多になっている可能性が高いです。
ハムスターの鼻水が出ている場合
実はハムスターも人間と同様に何気なくくしゃみをすることがあります。
うっかり鼻の中にお水が入ってしまったとか、なんだか鼻が痒いとか、そんな理由でも「キュッキュッ」「プップップッ」「プスプス」というようなくしゃみをするのです。
そのため、ハムスターのくしゃみに気づいたら、まずは生理現象なのか病気なのかを見極めなければなりません。
そこで役立つのが、鼻水の有無です。
ハムスターがくしゃみした後に鼻水が出ているときは、ウイルスやアレルギー、細菌や真菌による体調不良の可能性が高いです。
特にドロッとした膿のような黄色い鼻水が出ているときは病気を疑いましょう。
はじめはただの風邪でも、早めに正しい対処をしなければ重症化してしまう恐れもあります。
そのため、鼻水を伴うくしゃみが確認できたら、念のためハムスターを動物病院に連れて行くことをおすすめします。
また、ハムスターの鼻水はそのままにしておくと皮膚がかぶれてしまうことがあります。
ひどい時には鼻の下の毛が抜けてしまうので、鼻水に気づいたら拭き取ってあげましょう。
繊細なハムスターを傷つけないように柔らかい布を選び、嫌がらない範囲で拭いてあげてくださいね。
ハムスターのくしゃみの対処法
先述の通り、ハムスターのくしゃみには様々な原因があります。
そのため、それぞれの原因に合わせて対処しなければ、くしゃみの改善は見込めません。
万が一の重症化を防ぐためにも、原因別の対処法を理解しておくことが大切です。
◆室温をあげる
人間が風邪をひいた場合、あたたかい布団の中で安静にして過ごしますよね。
これはハムスターが風邪をひいた時も同様です。
ただし、ハムスターに布団はありませんので、暖房や小動物用のヒーターなどを活用してケージ内が26度くらいになるように調整する必要があります。
寒いと風邪をひきやすくなるので、室温は常に22〜25度くらいを保っておくのが理想的でしょう。
ちなみに、風邪には乾燥も大敵です。
加湿器を使用して部屋の湿度が50〜60%になるようにしてあげてください。
乾燥しやすい冬場は加湿器を常設しておくのも良いでしょう。
ただし、お部屋の温度や湿度が高すぎると細菌や真菌が繁殖しやすくなります。
ジメジメとした状態にならないように、定期的に換気して風を通したり、外気温に合わせて暖房や加湿器の使用頻度を変えたりといった工夫が大切です。
◆ケージの清掃をする
ハムスターのくしゃみがアレルギーや細菌、真菌によるものだった場合、対処法としてケージの清掃が最も効果的です。
みなさんはハムスターのケージを掃除する頻度を知っていますか?
あくまでも目安ではありますが、以下を参考にしてください。
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・トイレ、床材:都度
・トイレ容器、ケージの底:1〜3日に1回
・おもちゃや餌入れなどのインテリア、ケージの丸洗い:1ヶ月に1回程度
上記の頻度できちんとケージの清掃をしていれば、ハムスターは快適に暮らすことができるでしょう。
ただし、細菌や真菌が原因の場合はもう一歩踏み込んだ清掃が大切です。
細菌や真菌はその名の通り菌なので、殺菌する必要があります。
ケージを丸ごと洗う時に洗剤を使うのはもちろんのこと、あわせて熱湯消毒や天日干しを行うといいでしょう。
とはいえケージの素材によっては洗剤や熱湯がNGの場合もあるので、注意してください。
菌の繁殖を抑制するために空気清浄機を設置するのもおすすめです。
また、アレルギーについては床材の素材にも気を配る必要があります。
一般的に針葉樹の床材はハムスターのアレルギー反応が出やすいと言われています。
そのため、紅葉樹の床材や紙の床材、とうもろこしの床材などに変えてみるとくしゃみの症状が改善する場合があります。
針葉樹の床材を使っていて、ハムスターがくしゃみをしているときは是非試してみてくださいね。
◆ストレスのかからない環境を作る
ストレスによるくしゃみの症状は、ストレスを軽減することでしか解決できません。
飼い主さんはなによりもまず、ハムスターが安心して暮らせる環境を整えることが大切です。
ケージを設置している場所がうるさくないか、暑すぎたり寒すぎたりしないか、近くに強い匂いを感じるものがないかなど、改めて確認してみてください。
夜行性のハムスターが昼間に快適に眠れるような環境を用意してあげましょう。
また、ハムスターが活動的になる夜には、しっかり運動できることも重要なポイントです。
ケージ内に回し車やトンネルを設置するのはもちろんのこと、ハムスターがケージの外に出てお部屋を散歩する「部屋んぽ」も積極的に取り入れてください。
ハムスターが安全に部屋んぽできるように、コードを隠したり障害物を取り除いたりして、10分程度自由にさせてあげるといいでしょう。
ちなみに、さきほどハムスターのケージを定期的に丸洗いしてくださいとお伝えしましたが、ケージ内を全て綺麗にしてしまうとハムスターにとってはストレスになりますので注意してください。
ハムスターは縄張り意識が強いので、ケージ内に自分の匂いが残っているかどうかが重要です。
ケージを丸ごと綺麗にする時には、比較的きれいな使用済みの床材を3分の1程度残しておいて、新しい床材と混ぜて敷いてあげるといいでしょう。
さらに、まれにくしゃみをすることで自分の好みを訴えているハムスターもいるようです。
初めて見せるおもちゃや食べ物に対してくしゃみをしているような時には、ハムスターが「これ嫌!」とアピールしている可能性があります。
良かれと思ったものでも取り除いてあげないと、後から大きなストレスになってしまいますので注意してください。
◆動物病院へ連れて行く
色々と対処法をお伝えしましたが、一番大切なのは「心配な時はすぐに動物病院へ行く」ということです。
飼い主さん自身ではくしゃみの原因が掴めない、でもハムスターの具合が悪そうで心配というときには迷わず動物病院に向かってください。
ただし、残念なことにハムスターのような小動物はどんな動物病院でも診てもらえる訳ではありません。
もしもの時のために、あらかじめ近くでハムスターの診察が可能な動物病院を探しておくといいでしょう。
診察の際は、獣医師から以下の6点について聞かれる可能性が高いです。
・くしゃみに気づいたのはいつ頃か
・ほかに気になる症状はあるか
・普段と違う様子はあるか
・飼育環境に変化や問題はないか
・食欲はあるか
・排泄をしているか
きちんと答えられるように、日頃からハムスターをよく観察しておいてくださいね。
まとめ
いかがでしたか。この記事ではハムスターのくしゃみについて徹底解説しました。
ハムスターのくしゃみには様々な原因があります。
そのため、ハムスターのくしゃみに気づいたら、ハムスターをよく観察して原因を突き止め、それぞれの原因に合わせた適切な対処が必要です。
自己判断できないときには躊躇せず、動物病院を受診してくださいね。
早めの対応が肝心ですよ。
ぜひ、この記事を参考にして、ハムスターのくしゃみに適切に対応できるようになりましょう!
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