1.ツバメってどんな鳥?
2.ツバメの一年
2-1.日本にツバメがやってくる時期
2-2.ツバメのヒナの巣立ち
2-3.ツバメの旅立ち
3.ツバメの巣について
3-1.ツバメの巣の素材
3-2.ツバメの巣の素材
4.日本で見られるツバメの種類
4-1.コシアカツバメ
4-2.イワツバメ
4-3.ショウドウツバメ
4-4.ヒメアマツバメ
4-5.リュウキュウツバメ
ツバメってどんな鳥?
ツバメは、『スズメ目ツバメ科ツバメ属』に分類される鳥類で、北半球の広い地域に分布しています。
ツバメは渡り鳥と呼ばれる、季節によって生息環境を変える習性を持つ鳥です。
ツバメの場合は秋から冬の間は東南アジアに生息し、春になると繁殖をする為に日本へとやってきます。
ツバメの体の色は黒と白に見えると思いますが、実は赤・青・白の3色で成り立っています。
背中は艶やかな藍色~黒色で、喉と額に赤色が入っており、お腹は白く胸に黒い横帯が入っています。
尾は長く切れ込みが入って二股になっています
体長は約17cm程で、長距離を飛ぶためにとても適した細長い体型をしています。
一見小さい鳥に思えますが、実は翼を広げると約32cmにもなるので、飛んでいる姿を見かけると意外と大きいと感じるかもしれません。
ツバメは脚は短くて歩くのには不向きで、巣作りで材料の泥を集めるとき以外は地面に降りることは滅多にないそうです。
ツバメの一年
日本では夏鳥と呼ばれる、春から秋までの間だけ日本に生息するツバメたち。
ツバメを見かける時には、大体の人がツバメの巣とヒナもセットで見ることがあると思いますが、それもそのはず。
ツバメたちは繁殖をする時期に合わせて日本へと渡来してきています。
秋頃には日本を発ち姿を見せなくなるツバメですが、一体どのような1年のサイクルを過ごしているのでしょうか。
◆日本にツバメがやってくる時期
ツバメたちは、春になると日本にやってきて、だいたい3月頃にオスとメスで協力して巣作りを始めます。
卵を産むのは4~5月の間で、1日に1個ずつ、だいたい平均すると一度の巣作りで3~7個の卵を産みます。
産卵が終わり、2週間ほど卵を温めると卵が孵化し、ヒナの誕生です!
ヒナの餌付けは親鳥のオスとメスが協力して交代で行います。
餌は主に昆虫になります。
親鳥がヒナのために餌を探しに行っている間、ヒナは巣の中で待っていますが無防備な状態になります。
その間にカラスや蛇に攻撃されたり、食べられてしまったり、巣から落ちてしまうこともあります。
こちらは余談ですが、転落したヒナは自治体の許可が得られれば保護という形で飼育が可能になりますので、もしツバメのヒナが落ちているのは見かけた場合は、自治体に相談、連絡しヒナを助けてあげてくださいね。
◆ツバメのヒナの巣立ち
ツバメのヒナの巣立ちはだいたい6月頃です。
巣立ったはずのヒナが自分でエサを取ることが出来ない事も多くあり、巣立ち後1週間前後は親鳥から餌をもらうヒナもいるそうです。
ヒナが無事に巣立った後に、もう一度繁殖をするツバメもおり、2回の繁殖を終え夏までにはすべてのヒナが巣立っていくとされています。
◆ツバメの旅立ち
こうして日本で無事繁殖活動を終えたツバメたちは、だいたい9月頃に越冬地の南国へ渡っていきます。
主な渡り先はフィリピンや台湾、マレーシアなどの暖かい東南アジアで、ツバメたちはなんと数千キロもの距離を飛んで旅をするのです。
渡り鳥が渡りを行う理由やメカニズムなどについてはまだ謎も多いですが、理由の1つは効率よく食べ物を得るためと言われています。
日本の冬は東南アジアに比べるとより寒く、餌となる昆虫(ハエや蚊、アブなど)もいなくなることを理解しているんですね。
こうして日本を去ったあとは、東南アジアにて冬を越し、また春になると日本へと渡来してくる・・・という1年のだいたいのサイクルです。
ツバメの巣について
◆ツバメが家に巣をつくる理由
ツバメは巣を家やお店の軒下など、あえて人がよく通るところに作りますよね。
ツバメの卵やヒナが巣立つ段階まで生き残れる確率は50%程度しかない為、大事な卵やヒナをカラスやヘビに食べられないようにするために、そういった場所を選んでいると言われています。
日本人は『ツバメの巣あります』などと貼り紙をしてツバメたちの子育てを温かく見守ってあげる風潮もありますので、より安全な場所としての認識が高まったのかもしれませんね。
◆ツバメの巣の素材
ツバメの巣は泥と枯れ葉やワラに唾液を混ぜて固めてお椀型にしたものです。
川岸や水たまりなどに降りた親鳥は、口に泥を含んで持ち帰り土台となるところに乗せたり、屋根や軒下、壁につけたりして泥を重ねながら作っていきます。
まるでレンガ造りのおうちのようです。
ちなみに、ツバメは渡りをする際に、ニオイや地形の記憶も頼りにすると言われており、実際に同じ巣に戻ってくることも多くあります。
一度作った巣は翌年に再利用することもあるので、ツバメたちが巣立っても巣は壊さないようにしてあげてくださいね。
日本で見られるツバメの種類
海外から日本に渡ってくるツバメたち。
なんと飛んでくる地域ごとに種類が違うのですね。
日本では、以下の5種類のツバメを見ることができます。
・コシアカツバメ
・イワツバメ
・ショウドウツバメ
・ヒメアマツバメ
・リュウキュウツバメ
どんな違いがあるのか見ていきましょう。
◆コシアカツバメ
全国に生息すると言われているコシアカツバメですが、関東地方以西に多く分布しています。
他のツバメよりも1カ月ほど遅い4月下旬から5月上旬にかけて渡来しています。
温暖な地域で越冬するコシアカツバメもいます。
コシアカツバメは全長20cmとやや大きく、お腹が淡色で名前の通り腰が赤色をしているのが特徴になります。
民家の軒下などに巣を作りますが、とてもユニークな徳利型の巣を作るため、他のツバメの巣のように中を覗き見ることができません。
そして繁殖期は、その巣をねぐらとして使い続けます。
◆イワツバメ
日本では九州以北に渡来する夏鳥です。
西日本では局地的に見られます。
温暖な地域で越冬するイワツバメもいます。
イワツバメは全長13cmと他のツバメと比べると小柄です。
頭から背、翼、尾の上面は黒色、喉から胸、腹などの下面は灰色に近い白色。
腰に四角形の特徴的な白色が入っているので、飛んでいるときにとても目立つツバメです。
山や海岸の崖地、洞窟の入り口付近、橋やビル、集合住宅の軒下などにも巣を作り繁殖します。
以前は自然の崖地に巣を作ることで『イワツバメ』と名付けられましたが、最近では人の生活環境に適応してきたようで人工構造物での繁殖が多くなりました。
◆ショウドウツバメ
日本では北海道のみに夏鳥として飛来するショウドウツバメです。
全長が約13cmでお腹は白く、胸下部にT字の模様が入っていて、背面は茶色をしているのが特徴です。
ショウドウツバメは崖や土手に数十個~数百もの巣穴を開けて集団で巣を作る珍しいツバメです。
横穴は深いものでは1メートルに達するものもあると言われています。
◆ヒメアマツバメ
日本の関東から九州にかけて渡来する夏鳥です。
茨城県霞ケ浦で越冬するヒメアマツバメも見られています。
全長12cm程度で喉と腰部の下部が白く、背面は黒みがかった体毛が特徴的です。
ヒメアマツバメの面白いところは、コシアカツバメやイワツバメが作って使っていた巣を再利用するところです。
そして巣の入り口には自分の羽毛を貼り付けるというまたまた面白い習性を持っています。
自分のお家だよ!とアピールしているみたいですね。
空中に飛んでいる虫などの昆虫類を食べ、地面の降りることはほぼありません。
◆リュウキュウツバメ
日本では奄美大島以南に周年生息している留鳥です。
今まで紹介したツバメの中で唯一他の国に旅をしないツバメですが、一部のリュウキュウツバメは小規模な渡りをしていると言われています。
村や市街地、脳耕地などの民家近くに多く生息していますが、海岸や河川敷、断崖や洞窟などにも生息しています。
リュウキュウツバメも動物食で飛んでいる昆虫を飛びながら捕食します。
全長は13~14cmで他のツバメよりも全体的に黒くて少し小さめですが、顔周りがとても目立つオレンジ色をしているのですぐにリュウキュウツバメだとわかります。
止まっているときは尾より翼の方が長いのが特徴です。
まとめ
今回はツバメについていろいろ探ってみましたが、いかがでしたでしょうか?
北海道にのみ飛来するツバメや、奄美大島以南に留鳥として営巣しているツバメなど、各地でしか見られないツバメがいるのに驚きましたね。
そして意外にもカラーが白黒のみではなく、カラフルなツバメがいることにも気付かされました。
筆者は鳥が大好きで、いつかツバメが私の自宅にも巣を作ってくれないかと待ちわびているのですが、未だにツバメにターゲットにはしてもらえません・・・
皆さんもツバメの時期がやってきたら、是非1度観察してツバメを身近に感じてみてくださいね!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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