リクガメはペットとして飼える?飼育できる種類や飼育方法をご紹介!

2024.06.02

リクガメはペットとして飼える?飼育できる種類や飼育方法をご紹介!

みなさんは「ペットのカメ」と聞いて思い浮かべるのはどんな種類でしょうか? 公園の池などに生息しているような水棲のカメを想像したり、中には陸上で生活するカメを思い浮かべた方もいるかもしれませんね。 陸上で生活するいわゆるリクガメはペットとして飼える種類も多く、実際に多くの愛好家がリクガメを飼育しています。 一口にリクガメと言っても約30種以上の種類がいますので、今回はペットとして飼育できる「リクガメ」をご紹介していきます。


リクガメってどんなカメ?

「リクガメ」と聞いて想像するのは、動物園などでよく見る大型のゾウガメなどを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
一口にリクガメと言っても、世界には30種類以上が存在しています。
また体の大きさもそれぞれで、最大甲長は1m30cm以上もある大型のアルダブラゾウガメや、甲羅の長さがわずか9.8cmほどしかない小型のシモフリヒラセリクガメなど、大小さまざまな種類が存在しています。
そのほとんどが野生では水に入ることがほぼなく、乾燥した草地や砂地などで生活しています。
また、野生のリクガメは日本には存在しておらず、ヨーロッパ南部や、アフリカ、アジア南部、アメリカ大陸などに分布しています。

◆リクガメと水棲ガメの違い

カメと聞くと、海の中を自由自在に泳ぐウミガメや、池や沼で生活する水棲のカメを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
実際に、水棲のクサガメやミシシッピアカミミカメなどをペットとして飼育している愛好家も多くいます。
では、リクガメと水棲のカメとの違いは何なのでしょう。

そのひとつは、やはり生活環境の違いです。
水棲ガメは一生のほとんどを水辺で過ごします。
一方、リクガメは水にほとんど入ることがありません。

また、水棲ガメは水中で泳ぐ際に水の抵抗を受けにくいように、甲羅が平べったくなっています。
それに対しリクガメは、甲羅に高さがあり、まるっぽくなっている種類が多いです。
そのため、水棲ガメはひっくり返っても自身で起き上がることができますが、リクガメはひっくり返ってしまうと自分で起き上がることができないと言われています。


ペットとして飼える小型のリクガメ

リクガメはペットとして飼うことができ、大小さまざまな種類が現在では流通しています。
ここでは、ペットとして飼育可能なリクガメの中でも、体が小さい小型のリクガメをご紹介します。

◆ギリシャリクガメ

ギリシャリクガメ

成体のサイズ: 25~30cm
寿命:30〜50年
生息地:北アフリカ、ヨーロッパ南西部
甲羅の模様が「ギリシャ織」に似ていることからこの名前がついたギリシャリクガメ。
成長しても最大30cm程度とリクガメの中では比較的小型で、成長し成体になると病気にも丈夫で育てやすいこともあり、リクガメ初心者にもペットとして飼いやすいリクガメです。
食事は野菜や果物を中心とした草食性。
長い間飼育をしていくと、飼い主の顔を覚えるというキュートな一面もあります。
寿命が30〜50年と長いため、終生飼養が可能かをよく考えてお迎えしましょう。

◆パンケーキリクガメ

パンケーキリクガメ

成体のサイズ:14~20cm
寿命:20~30年
生息地:ケニア、タンザニア
平らで柔らかい甲羅の持ち主のためホットケーキ=パンケーキの名前がついたリクガメです。
カメと言うと、外敵に襲われた際に甲羅に閉じこもってピンチを切り抜けるイメージがありますが、パンケーキリクガメは驚くほどの速さで岩の隙間に逃げ込み、空気を吸って自身の柔らかい甲羅を膨らませ、岩の隙間に体を固定し敵から身を守ります。
飼育下での食事はリクガメフードと併せて野菜や果物を与えます。
パンケーキリクガメは近年、原産国が輸出を禁止しているため、日本では珍しいリクガメとなっています。
乾燥を好み、湿度が高いと病気になってしまう一方、あまり除湿しすぎると脱水症状になってしまうなど、ペットとしての飼育に関してのハードルはやや高めです。

◆インドホシガメ

成体のサイズ:25~30cm
寿命:40年前後
生息地:インド、パキスタン、スリランカ
高さのある丸みを帯びた甲羅に、星を思わせるような放射状の模様がきれいなリクガメです。
また、個体によっては甲羅が盛り上がり、凹凸を帯びたような形になることもあります。
インドホシガメはペットとして人気が高く、乱獲されたこともあり、現在は数が激減しています。
そのため、IUCN(国際自然保護連合)が絶滅危惧種に指定し、ワシントン条約で輸入が規制されています。
ペットショップでは人工繁殖をした個体が入手可能です。
食事は野菜や果物などの草食性。
やや神経質な性格ではありますが、時間をかければ人間に慣れることは可能です。


ペットとして飼える大型のリクガメ

食事や飼育スペースなどのハードルは上がってきますが、大型のリクガメもペットとして飼育が可能な種類が多数存在します。
ここでは大型のリクガメのうち、ペットとして飼育可能な3種をご紹介します。

◆ヘルマンリクガメ

成体のサイズ:20〜35cm
寿命:30年程度
生息地:フランス、イタリア、スペイン、ドイツなどのヨーロッパ
丸みを帯びた甲羅で、可愛らしいシルエットのヘルマンリクガメには、「ヒガシヘルマンリクガメ」「ニシヘルマンリクガメ」「ダルマティアヘルマンリクガメ」の三種類が存在しています。
その中でも日本ではヒガシヘルマンリクガメとニシヘルマンリクガメが多く流通しています。
体の大きさはヒガシヘルマンリクガメのほうが大きく、最大で35cm以上にもなる大型のリクガメです。
食事は草食が強い雑食で、野生では昆虫なども食べると言われています。
穏やかな性格の個体が多く、飼い主の顔も覚えたり、手から餌を食べたりと、可愛い一面もあるリクガメです。

◆ヒョウモンリクガメ

成体のサイズ:大きいものだと70cm以上
寿命:野生下の場合80〜100年、飼育下の場合30〜70年
生息地:スーダン南部やエチオピア南部、ケニア、ウガンダ、アンゴラ南西部辺りより南の東アフリカや南アフリカなど
ヒョウモンリクガメ(ヒョウモンガメ)はヒョウの模様のような模様が甲羅にあり、その名がつきました。
ドーム状の甲羅を持つその体は大きく成長すると70cm以上にもなる大型のリクガメです。
ベビーの頃は手のひらに乗るほど小さく、見た目も可愛いので、成体の大きさをきちんと理解してから購入しましょう。
また人間一代では有り余るほどの寿命の長さですので、引き取り手やご家族が飼育できるかを考えてからお迎えすることは必須です。
草食のカメですが、その体の大きさから、一日の餌の量もとても多くなります。

◆ケヅメリクガメ

成体のサイズ:60〜70cm
寿命:30〜50年
生息地:モータリア~エチオペア・セネガルまでのサハラ砂漠周辺
リクガメの中では3番目に大きくなる種類で、性格も温厚なため多くの動物園などでも飼育されているので、一度は目にしたこともある人も多いのではないでしょうか。
後ろ足の付け根のウロコが爪のように発達しているのがケヅメリクガメの名前の由来です。
体長が大きい分、体重も重く、90kg以上になる個体もいるため、日常生活で足を踏まれないようにするなどの注意も必要です。
草食性の強い雑食性で、飼育下の場合はリクガメフードと野菜や果物を与えます。
大きさに伴う飼育スペース・食費・寿命など、ペットとしての飼育のハードルは高いリクガメといえます。


カメを飼育する前に

◆終生飼育の覚悟と準備

ペットを飼育する場合、動物愛護法で終生飼養が努力義務として定められています。
終生飼養とは、動物がその生命を終えるまで、責任をもって飼育をすることです。
カメの場合、寿命が長い種類もいますので、自分1人だけでは終生飼養がどうしても難しくなってしまう場合があります。
自分がカメを飼えなくなってしまったとき、引き取ってくれる家族や友人知人がいるかも考えてお迎えする必要があります。

◆リクガメの生態の理解を深めておく

生き物を飼育するとき、その生き物の生態を理解しておくのは重要なことです。
リクガメの場合「カメ」と名がつくからといって、その生態を理解せずに水場がほとんどの水槽で飼育してしまった場合、すぐに病気になって命を落としてしまいます。
それだけではなく、なんと泳げずに溺れて溺死なんということにもなってしまいます。
ペットとして飼育をする前に、事前に生態を調べ、リクガメに対する理解を深めておきましょう。

種類に合った環境を準備する◆

リクガメをペットとして飼育する前に、事前に飼育環境を準備しておくのも重要です。
リクガメは自身で体温調節ができません。また、冬眠できない種類も多く、特に冬場は保温が大切になってきます。
保温に必要なヒーター、日光浴代わりのライト、床に敷く床材、身を隠すシェルター、水入れやご飯入れなどの食器など、事前に必要なものを揃えておきましょう。
また、リクガメも種類によって食べるものが異なります。
お迎えを検討しているリクガメが何を食べるのかを調べ、食事の内容や月々の食費なども計算しておきましょう。


まとめ

今回はリクガメについてご紹介してきました。
リクガメと一口にいっても、手のひらに乗るような小型のものから、90cmを超えるような大型の種類まで、様々なリクガメがいます。
また、全体的に寿命も長いのが特徴で、ペットとしてお迎えする場合、終生飼養が可能かよく考えてお迎えすることが必須になります。
逆に、寿命が長いということは、人生の多くの時間、良いパートナーとなってくれるということでもあります。
飼い主の顔を覚えてくれる種類も多いため、素敵な時間を一緒に過ごすことができるでしょう。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。



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