日本で見られる白い鳥はどんな鳥?飼育できる種類は?

2024.10.13

日本で見られる白い鳥はどんな鳥?飼育できる種類は?

皆さんは日本で見られる「白い鳥」と言うと、どんな鳥を思い浮かべますか? ペットとして飼育されている種類の鳥はもちろんのこと、自然界にも川や森には大小さまざまな白い鳥がいます。今回は白い鳥の中でも、日本で見られる種類についてご紹介します。

ペットとして飼える白い鳥

真っ白な羽をした鳥は、見ていてとてもキレイで癒されますよね。
ここでは、家庭で飼うことができる白い鳥について、特徴や大きさなどをご紹介します。

◆白文鳥

桜文鳥と白文鳥のペア

白文鳥とは、文鳥の一種で、明治時代に日本で生まれた品種です。
白文鳥の分類・生息地・大きさ・色の特徴は以下のようになります。

【分類】
スズメ目カエデチョウ科ブンチョウ属

【生息地】
マレー半島やインドネシア

【大きさ】
全長約17センチメートル

【色の特徴】
全身が白い羽毛で覆われている。くちばしはピンク色で、瞳は黒色であることが多い

白文鳥は、色素を抑える遺伝子が発達したことで誕生したといわれています。

この遺伝子は、文鳥の羽毛にメラニン色素を作らせないため、全身が白くなります。
白文鳥は、パイド(白いまだら)を掛け合わせてできた色で、色素が欠如したアルビノとは異なります。

アルビノは目が赤く、白文鳥は目の色が黒です。

◆マメルリハ(色変わり)

マメルリハ(色変わり)とは、マメルリハインコのカラーバリエーションの一つで、ノーマルのグリーン以外の色をした個体のことです。

マメルリハ(色変わり)のホワイトカラーは色素が欠如した「アルビノ」の他にも、「アメリカンホワイト」という白に薄く水色がかったカラーをしている個体もいます。

マメルリハ(色変わり)の分類・生息地・大きさ・色の特徴は以下のようになります。

【分類】
スズメ目カエデチョウ科ブンチョウ属

【生息地】
主にエクアドル西部・ペルー北西部の太平洋沿岸

【大きさ】
全長約13センチメートル

【色の特徴】
ノーマルカラーはグリーン。他にブルー・イエロー・ホワイトなど50種類以上の色があり、それぞれの色彩が混ざり合って独自のカラーが産まれることもある

マメルリハ(色変わり)は、小さくて美しいカラーが魅力的なインコで、ペットとして人気が高まっています。

◆キバタン

野生のキバタン

キバタンは、白い羽と黄色い冠羽が美しい大型のオウムです。
性格は明るく好奇心旺盛で、人に懐きやすく、おしゃべりやダンスなどの芸を覚えることがあります。
キバタンの分類・生息地・大きさ・色の特徴は以下のようになります。

【分類】
オウム目オウム科

【生息地】
オーストラリア、及びパプアニューギニアとその周辺部

【大きさ】
全長約50センチメートル

【色の特徴】
全身が白い羽毛で覆われており、頭部には黄色の冠羽がある

キバタンは高い知能と好奇心を持ち、騒々しい鳴き声を出します。
頭部の冠羽は、感情によって立てたり寝かせたりできます。
寿命は野生では20年から40年、飼育下では70年以上と長く、飼育には注意が必要です。

◆セキセイインコ

セキセイインコは、人懐っこくて好奇心旺盛な性格の鳥です。
人や他の動物と仲良くなりやすく、おしゃべりや芸を覚えることもあります。
セキセイインコの分類・生息地・大きさ・色の特徴は以下のようになります。

【分類】
インコ目インコ科セキセイインコ属

【生息地】
オーストラリア内陸部

【大きさ】
全長約18センチメートル

【色の特徴】
野生下では頭から尾羽にかけて黄色→黄緑→緑や青、羽には黒が混じる。飼育下では様々な色が作られている

セキセイインコのホワイトカラーはアルビノで、希少価値が高くノーマルのカラーよりも高額で販売されていることが多いです。


色変わりとアルビノについて

白い鳥は全て「アルビノ」だと思っている方は多いと思います。
実は同じように見えるホワイトカラーでも、色変わりとアルビノには明確な違いがあるのです。

色変わりとは、色素の減少によって羽毛が白くなった鳥のことです。
アルビノと異なる点は、色変わりは色素が少ないだけでメラニンを生成することはできるため、体が白くても目などは黒いのです。
色変わりは、遺伝子の突然変異や生息環境の影響によって起こると考えられています。

一方アルビノとは、メラニンを作り出すことができない白色の個体のことです。
アルビノは、色素合成遺伝子に何らかの異常が起こり(突然変異)、色素が合成できなくなった遺伝子疾患です。
そのため、瞳孔も血管が透けて赤色に見えます。


日本で見られる野生の白い鳥

ここでは、日本国内で見ることができる、野生の白い鳥をご紹介します。

◆シマエナガ

シマエナガは、北海道にのみ生息するスズメ目エナガ科の鳥です。

樹液や昆虫などを食べており、甲高い鳴き声で仲間とコミュニケーションをとります。

白い体に黒と茶の羽で、尾羽が体とほぼ同じ長さあるのが特徴です。
その体型が「ひしゃく」のように見えたので「柄が長い」→「エナガ」になったといわれています。
コロコロとした真っ白な姿は冬限定で、夏になると羽毛が減ってスリムな体型になり、色も少し茶色がかります。

【分類】
スズメ目エナガ科エナガ属

【生息地】
ヨーロッパ~シベリア、北海道

【大きさ】
体長は約14cm、体重は約8g

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◆ハクセキレイ

ハクセキレイは、白と黒の美しい羽毛と、尾を上下に振りながら歩く仕草が特徴的です。
水辺や市街地などに広く生息し、雑食性で、昆虫やミミズなどを食べます。

人を怖がらない性質を持っており、近づいても逃げない鳥といわれることもあります。
ハクセキレイは農作物などを食べないため、人から害鳥扱いされていないことも要因となっているようです。

人を怖がらないとはいっても、ハクセキレイは野鳥なので、人間が飼育することは禁止されています。

【分類】
スズメ目セキレイ科セキレイ属

【生息地】
ユーラシア大陸のほぼ全域、日本

【大きさ】
全長21cm

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◆シラコバト

シラコバトは、白と黒の美しい羽毛と、首の後ろに黒い輪状の斑紋があるのが特徴です。

国の天然記念物に指定されており、埼玉県の県鳥にもなっています。
農耕地や水辺で植物質や昆虫などを食べます。寿命は約1年ですが、長生きする個体もいます。

【分類】
ハト目ハト科キジバト属

【生息地】
ユーラシア大陸や北アフリカに広く分布、日本では埼玉県東部を中心に少数が生息

【大きさ】
全長30cmほど

◆カモメ

日本で見られるカモメ類は8種類といわれています。

大型カモメ:セグロカモメ・オオセグロカモメ・ワシカモメ・シロカモメ
中型カモメ:カモメ・ウミネコ
小型カモメ:ユリカモメ・ミツユビカモメ

この中で最も色が白いのはシロカモメで、チドリ目カモメ科に分類される大型のカモメです。
全身が白く、背中や翼の上面は淡い灰色をしています。
嘴は黄色で、下嘴先端に赤い斑があり、足はピンク色です。
北極圏やグリーンランド、アイスランドなどに分布し、日本では冬鳥として渡来します。

◆シラサギ

シラサギとは、ほぼ全身が白いサギ類の総称で、種名ではありません。
日本ではダイサギ、チュウサギ、コサギの3種がシラサギと呼ばれますが、それぞれに違いがあります。

【ダイサギ】

ダイサギは最も大きく、全長は約90センチです。嘴は長くて黄色で、繁殖期には黒くなります。
目先はコバルトブルーで、虹彩はオレンジ色になります。
背には長い飾り羽があります。河川や河口、湖沼などに生息し、魚類や甲殻類などを食べます。

【チュウサギ】
チュウサギは中型で、体長は約60センチです。嘴はやや短くて黄色で、繁殖期には黒くなります。
虹彩は赤くなります。背だけでなく胸にも長い飾り羽があります。
水田や池、干潟などに生息し、昆虫やミミズ、カエルなどを食べます。

【コサギ】

コサギは小型で、体長は約40センチです。嘴は黒くて細く、下嘴は肉色です。
指は黄色で、繁殖期にはピンク色になります。頭部から2本の飾り羽が伸びます。
潮だまりや浅瀬で機敏に餌を探し、魚類や甲殻類などを食べます。

◆ハクチョウ

ハクチョウとは、カモ目カモ科ハクチョウ属に属する大型の水鳥の総称で、実は「ハクチョウ」という名前の鳥はいません。
全身が白い羽毛で覆われており、嘴は黄色や黒色です。
シベリアやオホーツク海沿岸で繁殖し、冬季は温暖な日本などへ渡ります。

空を飛ぶ鳥の中では最大級の重量を持ち、飛翔時の迫力は圧巻です。
水面で逆立ちになりながら上半身だけ潜水し、植物や昆虫などを食べます。

ハクチョウには、オオハクチョウ、コハクチョウ、コブハクチョウなどの種類があり、日本では、オオハクチョウとコハクチョウが冬鳥として渡来し、コブハクチョウは周年見られます。

【オオハクチョウ】
最も大きく、くちばしの黄色い部分が広く尖っているのが特徴です。

【コハクチョウ】
オオハクチョウより一回り小さく、くちばしの黄色い部分が狭く丸みがあります。

【コブハクチョウ】
外来種で、頭にコブがあるのが名前の由来です。

ハクチョウは優雅な姿の美しい鳥ですが、一方で人を攻撃することもあります。
特に繁殖期には巣に近づくものを敵とみなし、クチバシや翼で攻撃します。
そのため、ハクチョウのいる場所では、十分な距離を保って観察するようにしましょう。


まとめ

今回はペットとして飼える白い鳥や、日本国内で見られる野生の白い鳥をご紹介しました。
白文鳥やセキセイインコなどは飼いやすく、価格も高くないのではじめて鳥をペットに迎える方にも向いています。
また、一口に「白い鳥」といっても、色変わりとアルビノではメラニンの生成などの部分で違いがあります。
野鳥は基本的に見られる場所が限られますが、機会があれば一度は自分の目で見てみたいものです。



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