うさぎの耳が熱くて心配!これって大丈夫?病院に行った方がいい?

2024.06.22

うさぎの耳が熱くて心配!これって大丈夫?病院に行った方がいい?

うさぎの耳が熱くて、心配になったことはありませんか。耳が熱くなるとき、うさぎの体ではどんなことが起きているのでしょうか。動物病院に連れていく必要はあるのでしょうか。なぜ耳が熱くなるのか、うさぎの耳が持つ様々な役割と合わせて解説していきます。


うさぎの耳が熱い理由

うさぎ

◆体温が上がっている時

うさぎの耳が熱い時は、体温が上がっている時です。
うさぎの耳は、とても大きく特徴的で、トレードマークでもあります。そんなうさぎの耳には、様々な役割がありますが、中でも大切な役割の一つに「体温調節」があります。後ほど詳しく述べますが、うさぎは、どちらかというと体温調節が苦手な動物です。人間のように、全身から汗をかいたり、犬や猫のように、肉球から汗をかくという仕組みは、うさぎにはありません。その代わり、うさぎの大きな耳には、血管が網のように張り巡らされており、そこに風を当てて血液を冷やすことで、効率的に体温を調節することができるようになっています。
うさぎが運動した後などに、一時的に耳が熱くなることは、よくあることです。しかし、通常に比べてかなり熱い場合や、いつまでも熱いままで温度が下がらない場合には、注意が必要です。


うさぎの体温が下がらない場合

◆熱中症の可能性があるので注意

うさぎの耳がずっと熱いままの時は「熱中症」になっている可能性が考えられます。できるだけ早く涼しいところに移動し、濡れタオルで体を冷やしましょう。
うさぎは、比較的体温調節が苦手で、暑さに弱い動物です。そのため、特に夏場、室内の気温が上がりすぎると、夏バテや、熱中症、脱水症状などの体調不良を引き起こすことがあります。ずっと耳が熱いく、このような熱中症の症状も出ている場合は、命にかかわることもあり危険ですので、すぐに動物病院を受診してください。

◆うさぎの熱中症を予防するには?

うさぎの熱中症対策には、エアコンの利用が効果的です。特に夏場は、お部屋の温度が上がりやすいため、日中だけでなく、夜間や外出中も、エアコンをつけたままにしておいた方がよいでしょう。うさぎの飼育に適した室温は18℃~24℃と言われています。とは言え、あまり室温を低くしすぎても、人間が体調を崩してしまうかもしれませんので、極端に冷やしすぎる必要はありません。うさぎは28℃~29℃を超えると体温調節が難しくなり、それ以上の温度になると熱中症の危険性が高まります。これらのことを踏まえて、エアコンの温度設定をしましょう。
うさぎのケージを置く場所は、直射日光が当たらない場所になるように工夫しましょう。また、冷やしすぎもよくありませんので、エアコンの風が直接当たらないようにすることも大切です。新鮮な水を用意し、いつでも飲める状態にしておきましょう。
エアコンの代わりに扇風機でもよいのでは?と思うかもしれませんが、うさぎは耳だけで体温調節を行うため、扇風機の風だけでは、十分に熱を冷やすことができません。基本的にはエアコンを使いながら、他の方法を併用することがおすすめです。補助的な方法として、冷却グッズなどを利用することも効果的でます。春~夏の時期になると、ペット用の冷却グッズ(例:冷感マットなど)が様々な場所で販売されるようになります。これらの商品は、犬用や猫用だけではなく、ウサギなどの小動物専用に作られているものもあります。熱中症対策として、上手に活用するとよいかもしれません。


うさぎの耳の役割

以下では、うさぎの耳の役割について、詳しく説明していきます。

◆体温を調節する役割

うさぎの耳には、体温を調節する役割があります。私たち人間は、運動をした後に、一時的に顔や体が熱くなることがあると思います。これは人間が、全身の皮膚から汗をかくことで、体温調節を行っているためです。これに対して、うさぎの体は大部分が毛でおおわれており、汗腺が発達していないため、汗をかいて体を冷やすという仕組みがありません。また、犬や猫のような肉球もありません。その代わりに、大きな耳で体温調節を行っています。うさぎが運動をした後に、耳が熱くなるのはこのためです。
うさぎの耳をよく見てみると、皮膚は薄く、その下にたくさんの毛細血管が、網の目のように広がっていることが分かるでしょう。うさぎは、この耳に風を受けて血液を冷やし、外部に熱を逃がすことで、体温調節を行っているのです。

◆外的の音を察知するレーダーの役割

うさぎの耳には、他にも重要な役割があります。それは、音を聞き分けることです。
野生のうさぎは、森や草原に生息していました。そのような環境下では、遠くにいる敵の音をすばやく聞き取り、危険に気づく必要があるため、うさぎの聴力は特に発達しています。一説によると、うさぎは約3km先の音さえも聞き取ることが出来ると言われています。また、人間が聞き取ることが出来ないような高音も、聞き取ることができます。人間の耳で聞き取れる周波数の幅は、20~20000ヘルツなのに対して、うさぎの耳が聞き取れるのは360~42,000ヘルツです。特に高音域について、人間には聞こえないような色々な音を聞き取ることができます。うさぎの聴力は、とても優れているという事が分かりますね。

◆感情を表現する役割

うさぎの耳は、さまざまな感情表現にも使われます。では、どんな時に、どんな動かし方をするのでしょうか?代表的なものをご紹介します。

<耳をピンと立てている時>

うさぎが耳を前にピンと立てている時は、自分の前方にあるものに興味を持っている時です。耳を立てる事で、周囲の音を拾いやすくし、何が起こっているのかの情報収集をしていると考えられます。他には、おやつをもらえた時や、飼い主さんと遊べて嬉しい時なども、うさぎの耳がピンと立つ場合があります。

<耳を倒している時>

うさぎが眠っている時や、リラックスをしている時には、うさぎの耳は後ろに倒れている事が多いです。目を閉じて耳を倒し、丸くなっていたら、眠いサインなので、無理に構おうとせず、そっとしておきましょう。
一方、起きた状態で、耳を後ろに倒し、やや前かがみになって、お尻を上げてしっぽも立てている時は、うさぎが攻撃的になり、臨戦態勢に入っている時です。これは、うさぎ特有の威嚇のポーズです。噛みつかれて怪我をする恐れがありますので、手を出すことは控え、うさぎが落ち着くまでそっとしておいてあげましょう。

<耳を動かしている時>

うさぎが「ビクン」と耳を動かすのは、聞き慣れない音を聞いた時などに多いです。うさぎの耳は、比較的自由に、色々な方向に動かすことができます。左右の耳を別々の方向に向ければ、360度、すべての方向からの音を聞くことも可能です。先ほども述べた通り、うさぎは特に高音域で、幅広い音を聞き取ることができますので、人間には聞こえない音に反応し、興味を示しているのかもしれません。


うさぎの耳が冷たい時

ウサギの耳

先ほど、うさぎの耳が熱い時は、熱中症の可能性があると解説しました。では、逆にうさぎの耳が冷たい時はどうなのでしょうか。
うさぎの耳が冷たい時は、体温が下がっている時です。先ほども触れた通り、うさぎは、耳を風に当てて、耳の毛細血管に流れている血液を、冷やしたり温めたりしながら、体温調節をしています。   
しかし、この体温調節が追い付かないほどの厳しい寒さが続いたり、空腹などで低血糖状態になったり、または病気等で全身状態が悪くなったりしていると、全身の体温が下がってしまい、それに伴って、うさぎの耳が冷たくなる場合があります。
ずっと耳が冷たい場合は、思わぬ病気が隠れていることもありますので、できるだけ早く病院を受診した方がよいでしょう。


まとめ

うさぎの耳には、体温調節をする、音を聞き分ける、感情を表現するなどの、様々な重要な役割があります。
うさぎの耳が熱い時は、体温が上がっている時です。一時的なものではなく、ずっと熱い場合は、熱中症にかかっている可能性が考えられますので、病院を受診した方がよいでしょう。
うさぎは暑さに弱いため、特に夏場は熱中症リスクが上がります。エアコンを使って、室温を適度に保ち、直射日光を避ける、新鮮な水をいつでも飲めるようにするなど、しっかりと熱中症対策をする必要があります。補助的な手段として、季節商品である小動物用の冷却グッズの併用もおすすめです。  
反対に、うさぎの耳が冷たい時は、体温が下がっている時です。何らかの病気が隠れている場合もありますので、耳が冷たい状態が続く場合には、やはり病院を受診した方がよいでしょう。
うさぎは繊細な動物なので、普段から飼い主さんがうさぎの様子に気を配り、耳が熱いなど、いつもと違う異変を感じた時には、早めに動物病院に連れていくことをおすすめします。
この記事が「うさぎの耳が熱いけど大丈夫かな?」と考えている飼い主さんの参考になれば嬉しいです。



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