猛禽類とは?
皆さんは猛禽類と言えばどんなイメージがあるでしょうか?
鋭いくちばし・とがった爪・大きなクリクリの瞳のエキゾチックなフクロウ・狙った獲物は逃さない眼光のタカやワシ。
猛禽類はタカ目、ハヤブサ目、フクロウ目を合わせたの鳥の総称のことです。
鳥と言えば、木の実や種子を食べるイメージですが、猛禽類は動物や腐肉も食べる肉食の鳥で、鳥という生態系の頂点に君臨しているのです。
コンパニオンバートなどとは違い、野生に自立した逞しさ、カッコよさを感じます。
①鷲(ワシ)【タカ目タカ科】
全長:80~90cm
大型のものを総称して『ワシ』と呼びます。
大きさと共に野性味と迫力が違います。
自身よりも大きい獲物も捕食できます。
②鷹(タカ)
全長:50~60cm
ワシと同種ですがワシよりもひとまわり小さなものを『タカ』と呼びます。
タカとワシは大きさで区別するのが普通です。(しかし例外も存在します)
餌になるものはネズミやウサギの小型の動物です。
③フクロウ【フクロウ目フクロウ科フクロウ属】
ワシ、タカは昼行性ですが、フクロウは夜行性です。
見た感じ大人しくどっしりとしているのでとても人間に親しみを持たれます。
しかし、獲物に飛び掛かる姿は本来の猛禽類の姿でとても崇高な気高い部類です。
それではここから飼育できる・できない猛禽類に分けて解説していきたいと思います。
猛禽類はペットとして飼える?
それでは猛禽類はペットとして飼育可能なのでしょうか?
答えは、ペットショップで販売されている殆どのタカ、ハヤブサ、ハリスホーク、フクロウなどです。
一般家庭向けに販売されている猛禽類は、
・飼育下で繁殖されているもの
の2点になります。
このふたつにおいては飼育に必要な特別な許可は必要ありません。
しかしながら、cities(ワシントン条約)に掲載されている種類を飼いたいという場合は環境省への届けが必要になります。
【ハリスホーク】和名:モモアカノスリ
タカの中では中型に属し最も入手しやすく、アメリカやヨーロッパでは鷹狩としても人気がある種類です。
価格:20~25万円
【オオタカ】
猛禽類の中でも王者としての風格をを持っているオオタカ。
鋭い目つきに飛翔能力はタカの中でも飛びぬけています。
性格は野生的でがあり、なかなか人には心を開いてくれませんので、初心者には飼育は難しいところもあるでしょう。
価格:40~50万円
(親の血統により優であると80万を超える高値で取引されることも)
【イヌワシ】
大型のワシで見た目の風貌にも貫禄があり人気が高いです。
海外ではキツネ狩りなどの狩猟に使用されることもあります。
価格:80万円~
【アラスカハクトウワシ】
アラスカハクトウワシは成鳥になりますと頭と尾羽が白くなることがあります。
とても美しく逞しいワシです。
価格:160万円~
【ハヤブサ】
ハヤブサはタカ・ワシと比べて比較的慣れやすいと言われています。
しかし日本では入手ルートが少ないです。
価格:200万円前後
【チゴハヤブサ】
小型なので飼いやすく人気がある種類です。
【アメリカチョウゲンボウ】
猛禽類はどうしても色が地味になってしまいがちですが、アリカチョウゲンボウは珍しく色彩の美しい小型のハヤブサです。
【シロフクロウ】
猛禽類の話をしたら、無くてはならないこの佇まい。ハリーポッターでも有名なシロフクロウです。
【面フウロウ】
ペットショップなどでよく見かける、と思いますが、まるでお面をつけているかのような可愛い表情をしています。
とても丈夫で物怖じしない生活で初心者にも飼いやすいと大人気です。
【アフリカオオコノハズク】
フクロウとしては小さ目になるコノハズク。
このコノハズクの中でも大型になるのがアフリカオオコノハズクです。
人間に懐きやすいこと、可愛い見た目に人気が高いですが、ストレスに弱いことが注意点です。
全ての猛禽類が飼育できるわけではありません。
超大型猛禽類の殆どは飼育が禁止されています。
理由としては人の生命に危害を加える危険があるからということなのです。
『特定動物』としていられる種類の動物は以前は県知事の許可を取得できれば可能でしたかです。
また、日本国内で野生から捕獲した猛禽類も同様です。
日本の野生の猛禽類は捕獲することは法律で禁じられています。
日本のペットショップで販売されている猛禽類は、飼育下で繁殖された証拠という意味で、足元に取り外しをすることが出来ない足環を装着されています。
猛禽類をペットとして飼う準備
猛禽類は室内で放し飼いにするのも可能ではありますが、部屋まるまるひとつを自分のテリトリーだと考えて行動をしてしまうので、実際のところはお勧めできません。
是非適切なサイズのケージを用意してあげてください。
サイズ的には体長の3~4倍の大きさのケージが必要になります。
猛禽類が住む場所の気温にも気を使ってあげましょう。
大事なポイントとしては飼育する猛禽類の原産国の気温に合わせてあげることが大事です。
飼い始めるときに適温をチェックし常に把握して調節してあげることがポイントになります。
そして猛禽専用の止まり木(ファルコンブロックやパーチ)や猛禽類と接する際のグローブ、栄養剤、水入れなどの用意も必要です。
一般的な猛禽の飼い方は、足輪をつけてあげて用意したファルコンブロックやパーチに繋いでおくという方法をとります。
また、コノハズクやスズメフクロウなどの小さな猛禽類の場合は猛禽専用のケージを用意してあげてその中で自由に動けるようにして飼育する方法もあります。
猛禽類を飼育する上での気を付けなければいけない点、安全対策についてお話します。
・猛禽類を手に乗せる時にはグローブ(革の手袋)の上だけにする
グローブは猛禽類の鋭い爪からあなたを守るだけでなく、猛禽類にとってもつかまりやすくなるためです。
もし素手に乗せてしまって、猛禽類が驚いてしまった時などに反射的に足に力が入ります。
大型の猛禽類に関しては握力がすさまじいので、手に爪が貫通してしまう恐れもあるのです。
肩に乗せていけない理由としては、あなたの首や耳などの急所を守るためです。
頭の乗せていけない理由としては、あなたの顔を目を守るためです。
・必ずリーシュ(アンクレット)をグローブのリングに結ぶ
お外に一歩踏み出す前に必ず確認していただきたいことです。
転んだ拍子にリーシュ(アンクレット)が手から離れて猛禽類が逃げてしまった事故が以前ありました。
例えどんなに短距離であっても、リーシュがグローブのリングに結ばれていない状態で歩き出してはいけません。
またリーシュが垂れていると、猛禽類が暴れた拍子に翼をひっかけてしまい怪我をする恐れもありますので注意が必要です。
猛禽類を診察してくれる病院は全国を探しても本当に数が少ないのが現状です。
飼ってから病院探しで困ってしまう方が多くいらっしゃいますので、お迎えする前に診察可能な動物病院のピックアップ(自宅からの距離や雰囲気など)をしておくことをお勧めします。
猛禽類の必要なお世話
猛禽類のエサは冷凍マウスやウズラ、ヒヨコになります。
小型フクロウにはコオロギなどの昆虫も与えます。
猛禽類を飼いたいけれど、冷凍のマウスをエサとしてあげるのに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
しかしスーパーのお肉だけでは栄養価が全く違い栄養不足になってしまいますので、可愛い猛禽類たちに元気で長生きしてもらうためにもマウスがとても栄養価が高いので欠かせないメニューになっていくと思います。
どうしても抵抗があってマウスを与えることが難しいという方は見た目の抵抗感を減らしてあります処理済みのウズラを与えてみてください。
(処理済みウズラ:猛禽に必要な骨や血、羽根の一部は残して頭や足を取り除いたものです)
食事回数は1日1回、または1日2度に分けて餌を与えて胃腸に負担を少なくするのもポイントです。
そして食事の量ですが、冷凍マウスはいろいろサイズがありますので、猛禽類の大きさに合わせて残さないで食べれる程度の量を与えます。
環境要因で食べる量は全然変わってきますので、寒い季節・または沢山飛び回って運動をしたときなどは量を増やしてあげるなど、状態をチェックしてあげてください。
例えばフクロウを飼育する場合、フクロウは全部夜行性と思われている方も多くいらっしゃいますが、スズメフクロウなど昼行性の種類もいます。
夜明けと日暮れ時に最も活発に動き、深夜はしっかり寝ていることが多いです。
また人間の飼育下では、人の動きに合わせて昼間は起きていることも多いのがフクロウです。
鳴き声についてですが、基本的には繁殖期以外に滅多に鳴くことはありません。
しかし特に飼い主に馴れている個体は、飼い主を見ると餌をねだり頻繁に鳴くようになったりしますので、自宅の周りの環境にも気を配ることが大切でしょう。
中途半端な気持ちで猛禽類は飼えない
猛禽類は他のペットと同様に、給餌、水の交換、飼育ケージの掃除、健康チェック、遊びなど様々なお世話が必要です。
餌を数日分与えておくという訳にもいかず、毎回新鮮な餌を与えてあげる必要がありますので、なかなか遠出なども外出も難しくなってくると思います。
ご家族でお住いになられているお宅でしたら安心ですが、お世話を交代で出来るような環境であることが望ましく、気軽に安易な気持ちで猛禽類を飼育しようとせず、しっかり将来の計画も立ててお迎えすることが大切です。
例えば一カ月の餌代は、与える餌によっても変わってきますが、普段の食事(おやつなどを含まない)でしたら小型種で4,000円~5,000円、大型種でしたら10,000円以上かかるとみておいた方が良いでしょう。
その他の飼育用具、栄養剤、爪やクチバシなどのケア用品、暑いときはエアコン・寒いときはヒーターなど用意するものは多岐に渡ります。
小型の鳥類インコや、犬・猫を飼育するのとはまた違う費用がかかります。
そして途中で飼えなくなったからと手放したいと考えた時、小型の鳥とは違い、すぐに面倒を見てくれる方が見つかるかもわかりません。
家族とも良く相談したうえで、最期まで家族の一員として迎え入れられると決断出来たら是非、愛情深く迎え入れてあげてください。
まとめ
あなたが飼ってみたい猛禽類はなんですか?
猛禽類を飼育してみたい、ペットとしてお迎えしてみたい方の第一歩に繋がる記事になっていれば幸せです。
家族の一員として猛禽類をお迎えをすると決断された際には、是非一生を共にするパートナーとして大事に大事にその子の成長を見守ってあげてください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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