チンチラに寒さ対策は必要?

チンチラに寒さ対策は必要か否か、まず結論からお伝えするとその答えは「イエス」です。
一見寒さに強そうなチンチラも、寒さ対策は必要になってきます。
◆日本で暮らすチンチラには寒さ対策が必要となる
密度の高い被毛を持つチンチラは、その見た目から夏の暑さに弱く、冬の寒さには強いイメージを持たれることが多い生き物です。
それは正解で、アンデス山脈の高地原産のチンチラは、その寒さを凌ぐためにひとつの毛穴から80〜100本ぐらいの高密度の被毛で全身を覆われています。
そんな寒さに強いチンチラでも、真冬になると地域によっては氷点下に達する場所もある日本では寒さ対策が必要になってきます。
また、隙間風などが当たる場所はとくにチンチラにとっても快適ではない環境なので、隙間風を防ぎ温かく暖をとれる場所をケージ内に作ってあげましょう。
いくら原産が高度の高い寒い地域といっても、ブリーダーから生まれたチンチラは当然ながらその環境を体験しておらず、寒さが苦手な個体もいます。
そのため、その子にあった寒さ対策が必要になってくると言えるでしょう。
◆あったかグッズを上手く取り入れる
チンチラに寒さ対策が必要な理由をお伝えしましたが、実際にどのような寒さ対策をすればいいのでしょうか。
エアコンなどの暖房器具を使用して部屋の温度をチンチラの適温である、15℃〜22℃の一定に保つのは大前提として、その他、あったかグッズを上手く利用しましょう。
◉マイカヒーター
ケージの外側にかけて使用するヒーターです。
ヒーターから出される遠赤外線の効果で、生き物の体をじんわり暖めます。
エアコンと違い無風なので、チンチラにストレスを与えることは少ないです。
◉ペット用保温用電球
電球タイプのヒーターです。電球から熱を放射してチンチラの体や周囲の空気を暖めます。
こちらも無風で電球から発せられる光がとても弱く、チンチラにストレスを与えることは少ないです。
チンチラのケージは大きいためワット数の大きい電球を使用し、さらにケージ全体をビニールやアクリル板などで覆うなどの工夫をするとさらに効率よく保温できます。
暑くなりすぎないようにサーモスタットとの併用がおすすめです。
◉パネルヒーター、シートヒーター
名前の通り、パネルタイプやもっと薄いシートタイプのヒーターです。
パネルタイプはケージの中や巣箱の中に入れて使用もできます。
シートヒーターは大きめのものならケージの形状にもよりますが、巣箱などの下に敷き床暖房のような役割でも使用できます。
ヒーターはどうやって使用する?
上記では、あったかグッズの主な種類をご紹介しました。ここでは種類ごとの取り付け方を詳しくご紹介します。
◆ケージに取り付ける
ケージに取り付けるのは主に
◉マイカヒーター
◉保温電球
などのヒーターになります。
マイカヒーターは面積が大きいので、ケージの外側に置いて使用したり、フックでケージに引っ掛けて使用できるケースが多いです。
保温電球は電球を覆うスチール製のカバーがあり、それにフックがついているので、ケージにひっかけて使用することが可能です。チンチラがいたずらしてしまわないように、ケージの外側にひっかけて使用するのがベターです。
保温電球は主に20W〜100Wぐらいのものがよく販売されており、ワット数が大きくなればその分保温の効果も高まります。
ケージが大きい場合や、冬を初めて迎えるチンチラや、高齢のチンチラ、闘病中の子にはワット数が大きいものを使用すると安心です。
また、ケージを暖めるためにケージの周りをビニールシートやアクリル板などで覆うと熱も逃げずに効率よく暖めることができます。
◆ハウスに取り付ける
つぎに、ハウス・巣箱に取り付けるヒーターです。
これは上記でもご紹介したパネルヒーターやシートヒーターがおすすめです。
ハウスなどのよくチンチラがいる定位置に設置してあげることで直接体を暖めてあげることができます。
パネルヒーターはコンパクトサイズのものも多く販売されているので、ハウスに直接いれることも可能です。
また、チンチラをはじめ、小動物はコードを噛んでしまうことが多く、そのため多くの商品がコードなどを齧るのを防止するための工夫が施されています。
シートヒーターは厚みがほぼなく、面積が大きいものも多くあるので、ケージの形状によっては床下などに敷いて床暖房のようにも使用できます。
小さな面積のものはパネルヒーターと同じくハウスに直接入れることも可能です。
シートヒーターはとても薄いため齧られないように工夫をするとよいでしょう。
◆ヒーター以外のあったかグッズは使える?
次に、ヒーター以外のあったかグッズです。
エアコンはやはり有効的なアイテムです。なるべく一年中稼働し、暑い夏も寒い冬も室温をチンチラの適温である15〜22℃を保つようにしてあげましょう。
その場合はエアコンの風が直接チンチラに当たらないような場所にケージを設置するように心がけましょう。
その他、通院などの移動中や、自然災害などで停電してしまったり避難所に避難している場合は、先ほどご紹介したようなヒーターなどは電源が確保できずに使用することが難しい場合があります。
その場合はゆたんぽや使い捨てカイロなども有効的です。
移動用のキャリーを厚めのタオルやブランケットなどで覆い、大きめの袋に入れて熱が逃げないようにします。
使い捨てカイロの場合はタオルに貼り付けたり、湯たんぽの場合は一緒に袋の中に入れるようにしましょう。
両方とも数時間は暖かさが持続しますので、長時間の移動や停電でなければそれで凌ぐことも可能です。
チンチラのいる環境でヒーターを使う注意点
ここまで、チンチラの保温に有効な寒さ対策やヒーターなどをご紹介してきました。
市販されている小動物用のヒーターを使用するにもいくつか注意が必要です。
それぞれ詳しくご紹介します。
◆設定温度に注意
保温が大切だといっても、チンチラは暑さに弱い生き物。
室温が25℃を超えるとチンチラが熱中症になってしまうおそれがあります。
そのため暖め過ぎも良くなく、設定温度には注意が必要です。
パネルヒーターなどは適温で止まってくれる場合もありますが、マイカヒーターや保温電球を使用していてビニールシートやアクリルケースで覆っている場合は、いつの間にか25℃を超えてしまう場合があります。
ペットヒーター用のサーモスタットが販売されていますのでヒーターと併用し、そのチンチラの適温でヒーターがストップするように設定しておきましょう。
また、サーモスタットもヒーターの近くにセンサーを設置するか、遠くに設置するかで電源のオンオフのタイミングに差が出ますので、ケージの近く、とくにチンチラがよくいる定位置付近に温度計を設置して目視でも温度を確認するようにしましょう。
◆取り付ける場所に注意
ヒーターを取り付ける場所にも注意する必要があります。
ケージに設置するタイプのマイカヒーターや保温電球は原則としてケージの外側に設置するようにしましょう。
齧るのが好きなチンチラの場合はかじっていたずらしたりしてしまう場合があるからです。
また、パネルヒーターやシートヒーターは空気を暖めるというよりは直接触れているチンチラの体を暖めるものになりますので、なるべくハウス(巣箱)やチンチラがよくいる定位置の付近に設置してあげると暖を取りやすくていいでしょう。
◆コード類に注意
チンチラはものを齧って遊ぶのが好きな生き物です。その齧る対象はヒーターも例外ではありません。
とくにヒーターのコードは齧りやすく、そのままにしておくとチンチラに齧られてコードがボロボロになってしまいます。
ボロボロになるだけならまだいいですが、最悪の場合はコードを齧ることでチンチラが感電し、命の危険にさらされることも。また、火事の原因にもなってしまう場合があります。
多くのヒーターは小動物が齧らないようにコードに工夫が施されているので、そのような商品を選んで購入することをおすすめします。
また、手持ちのもので齧り防止のガードをしていないものがある場合は、コードがケージの中に入らない場所にヒーターを設置するか、コードをステンレスチューブなどで覆うなどの対策をするようにしましょう。
◆チンチラの様子を見ながら使う
チンチラは一般的な適温が15〜22℃といっても、個体によって適温にばらつきがあります。
20℃を切っても活発に動き、ヒーターに近寄らない子もいれば、25℃近いのにまだ寒そうにして毛布にくるまったりテントに入ってしまう子もいます。
そのため、チンチラの様子を見ながらヒーターを使用するのが重要です。
暖かくて心地いいと、その場から離れないチンチラもいますので、低温やけどにならないように様子を見ておきましょう。
パネルヒーターもタオルなどをヒーターに巻きつけ、熱が直接チンチラに当たらないような工夫をするのもいいでしょう。
その他、ケージ内にヒーターで暖かくなる場所と、暑いときに避難できる涼しい場所を作っておくことがベストです。
そうすることにより、チンチラ自身が「暑いな」「寒いな」と思ったときに、快適な場所に移動できるようになります。
まとめ
今回はチンチラのヒーターについてご紹介してきました。
日本の冬はチンチラにとっては寒いことも多く、エアコンで温度管理していても、ヒーターはあったほうが安心です。
また、チンチラが幼いときや高齢のとき、闘病中や妊娠時にもヒーターがあると保温する事ができます。
チンチラの性格やケージにあったヒーターを設置して寒い冬も快適に過ごせるように工夫をしてあげましょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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