いわゆる「ネズミ」とは

いわゆる「ネズミ」とは、1,000種類を超える哺乳類ネズミ目(げっ歯目)の総称です。一般的なネズミは尖った口先と長い尻尾、丸くて薄い耳を持つ外観が多く、前歯は一生伸び続けるという特徴があります。
身近に感じる「ネズミ」として、人間の生活圏の近くに暮らすドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミを思い浮かべる方も多いでしょう。特にドブネズミは家や店に現れた際は駆除対象になりますが、ペットショップではペット用に改良した「ファンシーラット」として販売されています。また、ハツカネズミは古くから実験動物として扱われていました。
デグーとネズミの違いについて
デグーとネズミにはどんな違いがあるのでしょうか?デグーをパッと見ただけですと、毛色が茶色いことや特徴的な前歯、長い尻尾を持つ同じげっ歯類の仲間のため、よく似ています。デグーのどんなところがネズミと違うのか紹介していきます!
◆デグーはどんな動物?
デグーはテンジクネズミ亜目という分類のげっ歯類です。同じテンジクネズミの仲間として、チンチラやモルモットがいます。
野生のデグーはペルーのアンデス山脈に住んでいます。標高1,200メートル以上の断崖付近に巣穴を掘り、小さな群れを作って暮らす動物です。群れ間や、飼い主に対しても鳴き声でコミュニケーションを取ります。「ピーピー」と高い声で鳴くため“アンデスの歌うネズミ”と呼ばれることもあるそうです。
昼行性のため、飼い主と生活リズムが合いやすい動物でもあります。また、好奇心旺盛な性格をしており、なれると飼い主に寄ってきてエサをねだったり、名前を呼ぶと手に乗ってくるデグーもいるようです。
◆ネズミはどんな動物?
最初に述べたように害獣のイメージが強いネズミ。野生のネズミは病原菌を媒介するため注意が必要ですが、ペット用に改良されたファンシーラットは何世代も品種改良を続けた結果、野生のネズミが持つ病原菌はありません。
基本的な性質は警戒心が強く、臆病な性格ですがペット用に改良されたファンシーラットは学習能力が高く、芸を覚えるラットもいます。そのため「犬よりなつく」と言われることもあります。
ラットもマウスも寿命が2~3年と短く、性成熟も早いため多産です。
デグーとネズミの共通点
◆げっ歯類
デグーとネズミの共通点はげっ歯類であることぐらいしかありません。デグーはモルモットやカピバラ、チンチラの仲間に近いです。
デグーとネズミの相違点
反対にデグーとネズミの違う点をそれぞれ確認していきましょう。
◆食物
ネズミは雑食性でなんでも食べますが、デグーは完全な草食性です。野生のデグーは、ほぼ牧草だけで生きていますが、ペットとして飼育されているデグーはペレットとチモシーを中心に、ブロッコリーや大麦などの植物性の副食も喜んで食べます。
◆歯の色
ネズミの歯の色は白いですが、デグーの歯の色はオレンジ色をしています。デグーが食べるチモシーやペレットに含まれる葉緑素と唾液が化学反応を起こすことにより、前歯がオレンジ色になります。そのため、デグーにとってオレンジ色の歯は、しっかり栄養素がとれている健康の証です!
◆活動時間帯
ネズミは夜行性ですが、デグーは昼行性です。しかし、デグーも暮らす環境によっては体内時計が変化してしまい、夜型になってしまう場合があります。飼い主が夜中でも部屋の電気をつけたままにしていると、人間に合わせて夜行性になるようです。
夜はケージにカバーをかけて暗くしてあげたり、夜に回し車を外しておくと夜に遊ばなくなるので、デグーが夜に寝られるような環境をつくりましょう。
◆寿命の長さ
ネズミの寿命は短く、ハツカネズミは1年程、大型のドブネズミやクマネズミは2~3年程の寿命です。デグーの寿命は約7年~10年です。小動物の中では寿命が長い部類に入ります。デグーは知能が高いため、ストレスを感じやすいとも言われています。
ストレスから寿命が短くなってしまう場合もあるので、デグーの苦手な騒がしい環境にケージを置かないなど、穏やかに過ごせる環境を用意しましょう。
デグーを飼育する上での注意点

他のペットと同様に、デグーも飼育環境が寿命を左右します。健康な状態をキープし、不慮の事故を起こさないように気を配ってお世話をしてあげましょう。デグーを飼育する上で知っておきたい注意点を紹介します。
◆温度・湿度管理
野生のデグーはアンデス山脈に暮らしているので、気温が高く乾燥した環境を好みます。暑さへの耐性はありますが、湿度が高い環境は苦手です。冬は低体温症になってしまうぐらい寒さに弱いです。そのため、日本の夏と冬は注意が必要です。
温度は25度前後、湿度が50%がデグーが過ごしやすい環境です。夏はエアコンを、冬はペットヒーターなどを使って温度調整をしましょう。
◆歯の長さに注意する
デグーはげっ歯類なので歯が一生伸び続けます。かじり木がなかったり、硬いエサを与えないと伸びた歯が嚙み合わなくなる「不正咬合」になってしまいます。「不正咬合」と上手にエサが食べれなくなるばかりか、伸びた歯が歯茎に刺さって化膿してしまうこともあります。歯の色も大事な健康バロメーターです。デグーの口元は定期的にチェックしておきましょう。
◆肥満にさせない
デグーは草食性です。ペレットとチモシーが基本のエサですが、デグーと仲良くなるためにおやつをあげることもあるでしょう。ネズミやハムスター用の、糖質や脂肪分が多いおやつはデグーも喜んで食べますが、肥満につながるのでおやつの量と質には注意が必要です。
また、肥満から糖尿病になるリスクもあります。デグーは他の動物よりも血糖値を下げるホルモンの分泌量が低めで、おやつを与えすぎて肥満になると人間と同じように糖尿病を発症します。症状としては、「よく食べているのに痩せていく」、「尿の回数が増えた」、「目が白く濁る」などがあります。そうならないように、エサやおやつの与え過ぎには気を付けましょう。
まとめ
デグーとネズミは同じげっ歯目で見た目が似ていますが、相違点のほうが多いことがわかりました。また、デグーを飼育する上で、温度・湿度管理、歯の長さ、肥満にさせないという注意点もありました。デグーを飼育する上で、ネズミに与えるエサをデグーに与えてしまうと肥満のリスクが高くなります。
ネズミとデグーの相違点を理解した上で、デグーにとって過ごしやすい環境を提供してあげましょう。
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