スナネズミを飼育する方法と注意点、必要なグッズ

2022.10.04

スナネズミを飼育する方法と注意点、必要なグッズ

スナネズミの飼育に必要なグッズや、飼育の際の注意点をまとめました。 今までスナネズミの飼育をしたことが無い人でも飼育を始めることができようにまとめています。飼育の理解を深めるため、スナネズミの生態にも触れていますので、より分かりやすくなっています。

【目次】
1.スナネズミの生態
 1-1.スナネズミの原産国・生息地
 1-2.スナネズミの習性
 1-3.スナネズミの特徴
 1-4.スナネズミの性格
 1-5.スナネズミの毛色

2.スナネズミの平均価格

3.スナネズミの飼育環境
 3-1.必要な用品
 3-2.温度

4.スナネズミの飼い方
 4-1.ご飯について
 4-2.トイレについて
 4-3.お手入れについて

5.スナネズミを飼う前に確認したいポイント・注意点
 5-1.多頭飼いは可能
 5-2.デリケートな生き物であることを忘れない
 5-3.近所の動物病院で診療してもらえるか確認

6.スナネズミの1ヶ月あたりの飼育費用

7.スナネズミ(ジャービル)の仲間たち
 7-1.ファットテイルジャービル(マカロニマウス)
 7-2.チーズマンジャービル(チーズマンアレチネズミ)
 7-3.ジャイアントジャービル

8.スナネズミの飼い方に関するまとめ

【掲載:2021.01.28  更新:2022.10.04】


スナネズミの生態

スナネズミ

◆スナネズミの原産国・生息地

スナネズミ(砂鼠、Meriones unguiculatus)はネズミ科スナネズミ属に分類される、げっ歯類の動物です。
モンゴルや中国北東部、ロシアが原産国です。砂漠とステップ地域の中間に位置するような、草が適度に生えている砂地環境が生息地です。
日本には戦後にやってきたと言われていますが、最近までペット用よりは実験動物としての用途がメインでした。
ジャービル、カラージャービルの名前の方がペットとしては浸透しています。
原種は灰褐色の体毛にお腹だけ白い体毛(アグーチ)が特徴ですが、ペットとして流通している個体は品種改良された子たちなので、様々な色の体毛・柄のスナネズミが多く販売されています。

◆スナネズミの習性

スナネズミは地中に巣穴を作り、普段はその中で生活します。生息地の多くが寒暖差が激しい地域のためです。
巣穴の中では基本的に群れを作って生活しており、1~3頭のオスに対して7頭くらいのメスで1グループを形成すると言われています。
スナネズミは群れで生活するため、縄張り意識や共同意識がとても強く、オスでも子育てには参加する一面も見ることができます。
スナネズミは飼育下でも多頭飼いは可能ですが、相性が悪いとケンカを止めない個体もいる点は注意が必要です。
基本的にスナネズミは夜行性ですが、昼間の気温が20~26℃のスナネズミにとって適温であれば昼間でも生活します。冬眠はしません。
食性は、雑食寄りの草食にあたり、植物の根や茎、小さな虫などを好んで食べます。
砂漠環境に対応するため、尿を凝縮して排泄することにより、体内の水分の排出を最低限にすることができます。そのため、スナネズミは野菜や植物を食べていれば水分の摂取はそれほど必要ではなくなります。

◆スナネズミの特徴

体長は10~13㎝、体重は60g前後とハムスターくらいの大きさですが、尻尾の長さは10㎝程度あり、また毛に覆われています。
スナネズミの後ろ脚は発達しており、30㎝ほど高く飛び跳ねることができます。また、ストレスや警戒心を感じると後ろ脚で地団駄を踏むことがあります。
反面、前脚は小さいがその分器用に動かすことができ、物を掴むことが可能です。

◆スナネズミの性格

先述の通り、スナネズミは縄張り意識がとても強いです。
しかし、非常に臆病で気絶しやすいという一面もあり、大きな物音や強い光に対してはすぐに気絶してしまいます。
飼育環境に注意が必要です。

◆スナネズミの毛色

実はスナネズミはカラーバリエーションが豊富なネズミです。単色のセルフ、背中とお腹の色が違うアグーチ、鼻先やしっぽの毛色が濃くなっているポイント、柄が入ったアグーチなど、様々なパターンがあり、自分好みの毛色の子がきっと見つかるでしょう。
珍しいカラーとしては、全身が白く目が赤いアルビノや、シャム猫のような美しいグラデーションの被毛を持つサイアミーズなどがあります。


スナネズミの平均価格

スナネズミ1匹につき大体1000~3000円前後で購入可能です。


スナネズミの飼育環境

スナネズミの飼育環境

◆必要な用品

基本的にはハムスター飼育とほぼ同じです。最低限ケージを置ける広さがあれば飼育可能ですので、狭い部屋でも飼えるペットです。

飼育スペース

水槽や小動物用のケージがおすすめです。スナネズミはジャンプ力があるので高さ30㎝以上あり、かつ蓋が必要です。また、床材をまき散らす習性があるのでケージよりは水槽などの方がおすすめです。
ケージでの飼育の際は、床から三分の一までの高さの周りを布などで巻き、床材の飛び散りを防ぐ方法もあります。
ケージや水槽の飼育についてはメリットは一長一短で、ケージであれば通気性が高いというメリットもありますので好みで選んで構いません。

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床材

スナネズミは穴を掘る習性があるため、厚めに敷き詰める必要があります。少なくとも3インチ以上の厚みがあるとよいです。また、汚すため頻繁に交換が必要なので、紙製や木製のものがおすすめです。

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エサ入れ

ケージ内を清潔に保つために必要です。毎食後に洗ってください。また、スナネズミは意外と力が強く前脚が器用なため、エサ入れが軽いとひっくり返します。小動物用の容器や陶器など、いずれにしても重量のあるものがおすすめです。

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おもちゃ

入れてあげると大変喜びます。ハムスター用の回し車やなどがおすすめですが、かじっても大丈夫なように木製のものが良いです。また、スナネズミを多頭飼いする場合はおもちゃの数が少ないと喧嘩やストレスの原因になります。

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ヒーター

適温に維持するためにも小動物用のものがおすすめです。それ以外にも飼育部屋の室温には常に注意を払うようにしてください。

水やり用

スナネズミはほとんど水を飲みませんが、健康を維持するために必要ですので、設置してください。
毎日中身の交換をして、新鮮さを保つようにしてください。

砂遊び用容器

スナネズミは砂遊びが大好きで、お風呂の役割も果たします。専用のエリアを作るか、容器を用意してください。

巣穴・巣箱

スナネズミは非常に臆病な動物ですので、トンネルや巣穴を用意してください。

◆温度

野生下では-20°や50℃の環境にも耐えるスナネズミですが、活発に活動できるのは20~26℃前後です。小動物用のヒーターを使用するなどして適温を維持するようにしてください。


スナネズミの飼い方

◆ご飯について

スナネズミは雑食性のため、基本的には何でも食べます。
スナネズミ(ジャービル)専用フードも販売されていますが、小動物専門店でないと見つけにくい場合もあります。
基本的にはハムスター用の総合栄養食を与えるとよいでしょう。
炭水化物、脂質、タンパク質のバランスのとれた餌を与えるようにしてください。
ペレットはたんぱく質含有量が18%以上あるものがおすすめです。

植物の種子メインにしてしまうと、特に美味しいひまわりの種しか食べなくなってしまうため栄養が偏ってしまいます。
ミルワームなども食べますが、カロリーが高く肥満の原因にもなるため、動物性の食事は控えるようにしてください。
また、野菜でもネギやハーブといった一部刺激物などは与えないようにしてください。

専用のエサ入れに適量を入れて与えますが、食事後は毎回エサ入れを洗ってキレイにしてください。

スナネズミはエサを巣穴に持ち帰って貯め込む習性があります。
放っておくと腐ってしまうため、毎食後に巣穴は綺麗にしてください。

◆トイレについて

スナネズミは一般的にトイレのしつけが難しいと言われています。
尿の匂いはハムスターほどキツくないため、毎日掃除していれば匂いは気にならないです。
こまめに掃除してあげてください。

◆お手入れについて

スナネズミは名前に「砂」と入っている通り、砂浴びが大好きです。砂浴びはストレス発散だけではなく、体の汚れ落としの効果があります。
つまり、人間がお風呂に入るのと同様、砂浴びで清潔な体を保っているのです。
ブラッシング等は必要ありませんが、

スナネズミのエサ入れや水、巣穴の中は毎日チェックしてキレイにして下さい。
また、週に1度は床材や巣穴内を掃除してください。
ケージは月に一度、丸洗いして天日干しするのがおすすめです。

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スナネズミを飼う前に確認したいポイント・注意点

◆多頭飼いは可能

スナネズミは多頭飼い可能なペットです。
むしろ野生のスナネズミは群れをなして生活するので、多頭飼いの方がおすすめです。
オスのスナネズミ同士でもほとんどはケンカせず生活しますが、中には相性が悪くずっとケンカする個体の組み合わせがあります。飼う前にペットショップの店員さんに相談するようにしてください。
また、雌雄を同じケージに入れておくと簡単に繁殖しますので、繁殖させたくない方は分けて飼育してください。

◆デリケートな生き物であることを忘れない

スナネズミはとても臆病かつデリケートな生き物です。
大きな音や光に触れると気絶してしまうほどです。ですので、飼育環境は静かで暗いところの方がおすすめです。
また、気温の変化にも強くないので、小動物用のヒーターやエアコンで常に適温を維持してあげてください。大体20~26℃前後が目安となります。

スナネズミは基本的には観賞用のペットとして扱ってください。
ハムスターのように、手の平に載せるといった触れ合いをするのにはあまり適した動物ではありません。
中には手でエサを食べたり触れることのできる個体もいますが、ほとんどのスナネズミは得意ではないので触れないようにしてください。

掃除中などに不注意で逃げ出してしまった場合、無理に捕まえようとすると気絶したりケガに繋がってしまいます。
逃げ出してしまった場合はまず箱にエサを入れておびき出し、スナネズミの方から出てきた時に捕まえるようにしてください。

◆近所の動物病院で診療してもらえるか確認

スナネズミを飼い始める前に、必ず近くの動物病院をチェックしてください。
小動物の診察を行っている病院でも、スナネズミは対象外だというところはよくあります。
万が一病気になった時に慌てることのないよう、事前に診察できる病院はチェックしておいてください。


スナネズミの1か月あたりの飼育費用

毎月に必要となってくるのは、餌のペレットと床材、砂あたりが挙げることができます。
どれも1袋500円前後なので、合計で2,000円程度あたりです。
但し、多頭飼いをするとそれだけ餌の量や掃除頻度が上がるため、一概には言えないです。


スナネズミ(ジャービル)の仲間たち

◆ファットテイルジャービル(マカロニマウス)

ファットテイルジャービル
ペットの専門店コジマより引用

別名オブトアレチネズミとも呼ばれる、ジャービルの仲間です。ネズミ好きの間ではマカロニマウスという愛称が一般的かもしれません。
スナネズミと比べて小さな体に太く、短めのしっぽがついているのが特徴的なジャービルです。
スナネズミと比べると、価格は少しお高くはなりますが、尻尾が可愛いとても魅力的な種類です。

◆チーズマンジャービル(チーズマンアレチネズミ)

チーズマンジャービル
ペットの専門店コジマより引用

こちらはマカロニマウスとは対照的に、細く胴長な体とひょろんと長い尻尾が特徴的な仲間です。
大きな目と筋肉質でしなやかな体が美しい種類で、すばしっこい子が多いようです。
ジャービルの仲間の中でも流通量が少ない珍しい個体ですので、お迎えのチャンスは少なめかもしれません。

◆ジャイアントジャービル

「ジャイアント」の名の通り、スナネズミよりも大きいサイズの種類です。
ペットショップにいることはめったになく、小動物イベントで販売されていることが多いようです。
成長すると、尻尾を含めた体長が30cm前後になるようですので、大き目のケージが必要になるでしょう、


スナネズミの飼い方に関するまとめ

スナネズミの飼い方について、次のようにまとめました。

  • スナネズミは多頭飼いも単独飼育どちらも可能。触れ合いは苦手なので鑑賞動物として飼育する。
  • スナネズミはとても臆病。大きな音や強い光のない場所で飼育が好ましい。
  • 食事はハムスター用のペレットを主食に、野菜を組み合わせる。水分はほとんど摂らないが水飲み場は設置し、毎日清潔にする必要あり。

スナネズミは個体の価格も非常に手ごろで、飼育環境も揃えやすいため飼育を始めやすいペットだと思います。
デリケートで触れ合いは苦手なので、鑑賞用として愛でることのできる人におすすめのペットです。慣れさせれば手の上で餌を食べてくれる個体もいますが、あまり期待しない方がよいです。
ハムスターと違い、スナネズミは尿の臭いがそこまでキツくないのも育てやすい点として挙げることができます。
最近では様々な毛色のスナネズミが販売されています。自分好みのスナネズミを飼育してみてください。



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