1.コンパニオンアニマルとは?
1-1.ペットとの違い
1-2.コンパニオンアニマルはいつから使われはじめたのか
1-3.コンパニオンアニマルの条件
2.コンパニオンバードってどんな鳥のこと?
2-1.人に慣れていて、親密に共同生活を送れる鳥のこと
2-2.適した種類
4.コンパニオンバードにするには
4-1.ひなから育てたほうがなりやすい
4-2.学習期に人に慣れさせる
4-3.中・大型種のほうが慣れやすい
コンパニオンアニマルとは?
コンパニオンアニマルとは、一緒に生活をしている動物のことを家族や仲間の一員として尊重しているという意味で使われている言葉です。コンパニオンアニマルとは伴侶動物とも表現されます。
「伴侶」という言葉には一緒に連れたって行くもの、パートナー・仲間といった意味があり、「伴侶」という言葉に「動物」をつけることによって、一緒に暮らしている身近な動物を家族や仲間の一員として位置付けているのです。
◆ペットとの違い
一緒に暮らしている動物を「ペット」と呼ぶこともありますが、「コンパニオンアニマル」と「ペット」は似ているようで違った意味があります。
ペットは「人が動物を一方的に可愛がっている」、「主従関係がある」といった意味で使われることが多い言葉です。愛玩動物とも表現され、犬や猫だけでなく小動物、爬虫類、魚など幅広い動物のことをいいます。
一方、コンパニオンアニマルには「一緒に生活している動物のことを家族の一員、友達として尊重している」という意味があるので、ペットとコンパニオンアニマルは似て非なるものといえるでしょう。
◆コンパニオンアニマルはいつから使われはじめたのか
日本でコンパニオンアニマルという言葉が使われはじめたのは、動物愛護の考えが広がってきた1985頃のことです。
その頃から、身近な動物を伴侶動物として扱っているという考え方はありましたが、当時はコンパニオンアニマルよりペットという言葉が一般的でした。
ペットが家族の一員だという感覚が馴染んできたのは、少子化や高齢化、核家族化が進んだことでペットを飼育する人が増えたからです。動物と親密な関係を持つ人が増えたことによって、コンパニオンアニマルという言葉が広がっていきました。
◆コンパニオンアニマルの条件
コンパニオンアニマルという言葉を使える動物には、下記のような条件があります。
- 人と共に長い歴史を歩んできた動物
- 行動、習性が解明されており、しつけができる
- 人獣共通感染症が解明されている
- 家族として適切な医療が受けられる
- 人と暮らすことで幸せを得ることができる
代表的なコンパニオンアニマルは犬や猫ですが、コンパニオンアニマルの条件を見てみると鳥、うさぎ、モルモットなどの動物もコンパニオンアニマルに含まれるといえるでしょう。
コンパニオンバードってどんな鳥のこと?
◆人に慣れていて、親密に共同生活を送れる鳥のこと
コンパニオンバードとは人に慣れ、家族の一員として人と親密に共同生活を送れる鳥のことをいいます。
鳥は古くから見た目の美しさや鳴き声を楽しむために、愛玩動物として親しまれていました。しかし近年では、「鳥ブーム」という言葉が生まれており、鳥をコンパニオンバードとして迎え入れる人が多くなっています。コンパニオンバードは、おもちゃで遊んだり、頭をなでたりといったコミュミケーションが可能です。
このように、犬や猫といったコンパニオンアニマルと同様、コミュニケーションを楽しみながら家族として共に生活できる鳥に対して、コンパニオンバードという言葉が使われています。
◆適した種類
コンパニオンバードにはフィンチ類と呼ばれる小鳥、インコ類、オウム類が適しています。
フィンチ類とは、スズメ目の小鳥のことをいい、文鳥、キンカチョウ、十姉妹(ジュウシマツ)が代表的です。
キンカチョウと十姉妹は人に慣れるには個体差が大きいため、ひなから育てたほうがコンパニオンバードになりやすいでしょう。
フィンチ類の中でも人に慣れやすく、飼い主とのコミュニケーションを好みコンパニオンバードとなりやすいのは文鳥という種類です。フィンチ類の平均寿命は10年前後なので、長い時間共に過ごせるコンパニオンバードとなります。
またフィンチ類よりも、コンパニオンバードになりやすいのがインコ類です。小型インコから大型インコまで体格・種類がさまざまで、小型インコでも10年以上生き、大型インコだと50年生きることもあります。
小型インコはセキセイインコやマメルリハ、中型インコはウロコインコやアキクサインコ、大型インコであればヨウムが代表的です。
インコは人によく慣れ、社交的な性格をしています。飼い主以外の人、ほかの動物に対しても積極的にコミュニケーションを取るため、コンパニオンバードになりやすいでしょう。
そして、インコと似てコンパニオンバードに適している鳥がオウム類です。
コンパニオンバードに適した種類には、オカメインコ、モモイロインコ、キバタンなどが挙げられます。
オウム類も性格は賢く、人とコミュニケーションを取ることを好むのでコンパニオンバードとなりやすいです。
このように、さまざまな種類の鳥がコンパニオンバードに適しており、家族の一員となることができます。
コンパニオンバードは販売されている?
コンパニオンバードに適した種類の鳥はペットショップで販売されています。
ペットショップで販売されている鳥には、文鳥、セキセイインコ、オカメインコが多いです。マンション暮らし、一人暮らしでも飼育可能な小型から中型の鳥が人気の傾向にあります。
しかしペットショップに販売されているすべての鳥が、コンパニオンバードというわけではありません。ケージに入れっぱなし、必要最低限のお世話だけ、などといった人と関わりが少ない環境だとコンパニオンバードにはならないのです。中には「手乗り」としてペットショップで売られていて、人に慣れている鳥もいますが、家に迎え入れてから人に慣れさせるトレーニングをして、コンパニオンバードに育てていきます。
お店によっては「ベタ慣れ」「コミュニケーションバード」などの表記がされている鳥が販売されており、かなり人間に慣れた状態の子もいます。そのような鳥であればコンパニオンバードにするのも比較的容易で、初心者の方にも育てやすいです。
どのような状態の子を選んでも、家族として暮らしていくうえで、家に迎えてから人に慣れさせるトレーニングは必要といえるでしょう。
コンパニオンバードにするには
◆ひなから育てたほうがなりやすい
鳥をコンパニオンバードとして育てる場合は、ひなから育てたほうが人に慣れやすいです。
鳥は群れで生活をするため、ひなの時期から人に慣れさせて、人は仲間だと思わせます。
ひなの時期から人に慣れさせるためには、挿し餌をするという方法が最適です。
挿し餌とは人間が親鳥の代わりに給餌用スポイトを使用し、ひなに餌を与えることをいいます。ひなは生後40日前後まで挿し餌が必要です。
生後14日までは1時間おき、生後30日までは1日5~6回と挿し餌を行います。生後40日までは成鳥用の餌を併用して、挿し餌は1日3回程度です。
このように毎日挿し餌を繰り返すことで、人と触れ合う機会を増やし、コンパニオンバードにしてきます。ひなの時期から育てた鳥は、人にベタ馴れのコンパニオンバードになるでしょう。
◆学習期に人に慣れさせる
鳥の生後2カ月頃は学習期といわれ、さまざまなものを覚えていく時期です。この時期は警戒心が薄いので、人に慣れさせるトレーニングをするとコンパニオンバードに育てられるでしょう。
学習期に人と関わりが少ないまま成長すると、人を怖がってコンパニオンバードにするのは難しくなります。コンパニオンバードとして育てるには、学習期も適した時期といえるでしょう。
◆中・大型種のほうが慣れやすい
中型・大型種の鳥は賢く、遊ぶことが好きなのでコンパニオンバードにしやすいです。一方、多少気難しい面もあり、決まった人にしか慣れず、他の人には攻撃的な性格が出ることもあります。
そして賢いがゆえに記憶力が良く、一度でも人に対して恐怖心を抱いてしまうと慣れてくれません。
慣れやすくコミュニケーションがとりやすい中型・大型種の鳥ですが、コンパニオンバードにするには、信頼関係としつけの仕方がとても重要になってきます。
ラブバードとは違う?
ラブバードとはオウム目インコ科ボタンインコ属の鳥のこといいます。ラブバードと呼ばれる鳥は、パートナーと決めた相手と一生添い遂げるほど愛情深いために、その名前がつけられました。
ラブバードで代表的な種類はボタンインコ、コザクラインコです。
ボタンインコやコザクラインコもコンパニオンバードに適した鳥になります。寿命も10年以上と長く、人によく慣れ、コミュニケーションをとることが可能です。
このように、ラブバードはボタンインコ、コザクラインコといった特定の鳥種のことを示す言葉で、コンパニオンバードの中に含まれる鳥といえます。
まとめ
コンパニオンバードは人によく慣れ、コミュニケーションをとれる鳥です。寿命も小型のコンパニオンバードであれば10年以上、大型のコンパニオンバードは50年ほどのため、長い時間を共に過ごすことができます。コンパニオンバードと信頼関係を築き、共に過ごせる生活は素晴らしいものです。コンパニオンバードは触れ合う人の心と生活に潤いを与えてくれる生き物といえるでしょう。
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