うさぎにブロッコリーを与えても大丈夫？

うさぎにブロッコリーを与えても大丈夫？

まずは、うさぎにブロッコリーを与えても大丈夫か？についてです。
結論から申し上げますと、「与えてOK」です。
ブロッコリーはうさぎが好む緑黄色野菜であり、様々な栄養素が含まれています。

◆ブロッコリーに含まれる主な成分

ブロッコリーには以下の成分が含まれています。

それぞれの栄養成分の含有量が多いだけでなく、吸収を助け合う栄養素がバランスよく含まれています。
そのため、栄養を効率よく摂取できます。

◆期待できる効果は？

次に、これらの成分の期待できる効果についてご説明します。

・ビタミンC

ブロッコリー100g中に約160mgと豊富に含まれています。
この量は、いちごの2倍、レモンの2.5倍にも相当します。
ビタミンCは抗酸化作用が強く、身体全体の免疫力アップに効果的です。
またストレスによって失われた体内のビタミンCを補う効果もあります。

・ビタミンB群

あらゆる種類の酵素の補酵素として働いている成分です。
ビタミンB群は代謝ビタミンと呼ばれており、生きるための源であるエネルギーを作るのに必須と言われています。
エネルギーをつくる以外にも、疲労回復、肝機能促進、不安の抑制といった様々な効果があります。

・ビタミンE

活性酸素により酸化した脂質を分解する機能があります。
被毛を艶やかにし生き生きとした瞳にする老化予防効果があります。
うさぎはビタミンAを過剰摂取してしまうと、内臓や骨や皮膚に異常を起こしてしまいます。
ビタミンEにはビタミンAの過剰摂取治療にも使われているため、その異常を抑制する効果もあります。

●インドール化合物
●イソチオシアネート

この2つの成分には抗がん作用があります。
うさぎをはじめとする小動物は腫瘍ができやすい傾向があるため、抑制効果が期待できます。

・β-カロテン

血中の脂質の酸化を防ぐ成分であるため、血管を若々しく保つ効果があります。
皮膚や粘膜の抵抗力をあげ、免疫力アップの効果も期待できます。

・カルシウム

骨や歯の主要な構成成分になるほか、細胞分裂、筋肉収縮などに関与をしている成分です。
うさぎにとって歯は大事な器官の1つです。
歯の健康を保つのに効果が期待できます。

・スルフォラファン

機能性成分のファイトケミカルの一種です。
解毒や抗酸化で重要な働きをする「酵素」の生成を促す働きがあります。
スルフォラファンを摂取することで、身体の解毒能力や抗酸化力の向上が期待できます。

・カリウム

ミネラルの一種で、血圧を正常に保つ効果があります。

・食物繊維

ブロッコリーには食物繊維が豊富に含まれており、便秘の改善効果や整腸効果があります。
この他にも血糖値上昇の抑制、血液中コレステロール濃度の低下などの作用が明らかになっています。

・鉄分

貧血に効果があります。ビタミンCは鉄の吸収を高めてくれるため、相乗効果が期待できます。

以上のように、ブロッコリーには健康に有効な成分がたくさん含まれています。
この他にも、近年ではブロッコリー特有の成分「ブロリコ」が免疫力をアップさせる効果があると注目されています。

ブロッコリーの与え方

次にブロッコリーの与え方についてご紹介します。

◆旬の時期に与える

旬の時期に売られているブロッコリーの方が、栄養価が高いです。
日本国内での旬は11月～3月頃の冬の時期です。
スーパーや八百屋さんで購入したものでOKです。

◆生で与える

ブロッコリーは生のまま与えてOKです。
与える前によく洗い、よく水気を切るよう注意をしてください。
生の方が茎がかたくて歯によい上に栄養素も有効なままであるので、生で与えることをおすすめします。

◆茹でる

加熱をして与えてもOKです。
しかし、過熱をすることで生の状態よりもビタミンやミネラルが減少してしまいます。
歯が悪い時や強制給餌のために、ペースト状のブロッコリーを与えたい場合には良いでしょう。
また、好みには個体差があるため生よりも茹でたブロッコリーの方がよく食べるうさぎもいるかもしれません。
茹で時間の目安は3分前後です。

◆小さくカットする

ブロッコリーはそのままだと大きくて食べにくいため、小さくカットしましょう。
特につぼみ部分は食べにくいため、カットしてほぐすとよいでしょう。
茎のかたい部分は厚めに皮をむいて、スティック状に切ると食べやすくなります。

◆つぼみや茎は食べられる？

ブロッコリーは部位によって毒性を持っている場合があります。
毒性をもつのは主にタネと根の部分になります。
根は切られて売られていることがほとんどですが、絶対に与えないようにしてください。
万が一食べてしまった場合には胃腸障害、嘔吐、下痢等を引き起こす恐れがあります。

つぼみや茎は与えても大きな問題はありませんが、特につぼみは後にタネのできる部分でもあります。
成熟したブロッコリーの場合は、つぼみを与えない方が安心かつ無難でしょう。
基本的にスーパーで売られている状態であれば大丈夫です。
国産無農薬の若いブロッコリーの場合はつぼみ、茎を含めて丸ごと食べさせても問題ないでしょう。
茎は固いため、かじり木の代わりにおもちゃとして遊ばせてもよいです。

スプラウトは与えても良いの？

ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトは、うさぎに与えてもよいのでしょうか？
結論は「与えてOK」です。
スプラウトにもブロッコリーと同様に、ミネラル、ビタミンC、β-カロテン、スルフォラファンなどの栄養成分が含まれています。
中でもスルフォラファンはスプラウトに多く含まれています。

スプラウトの底のスポンジ部分には雑菌が繁殖している場合があるので、根元を切ってから与えると安心です。
水でしっかりと洗ったあとは、キッチンペーパーなどで水気をしっかり切りましょう。

ブロッコリーを与える時の注意点は？

次にブロッコリーを与える際に注意することについて、ご紹介します。

◆与える前に十分に洗う

ブロッコリーは、つぼみに農薬が残りやすいです。
与える際には流水で十分に洗い流し、しっかりと水気を拭き取りましょう。

◆与える量に気を付ける

うさぎの主食は牧草です。
牧草には、うさぎにとって必要な食物繊維などの栄養が多く含まれています。
ブロッコリーや他の野菜を与えすぎると、牧草を食べなくなってしまう恐れがあります。
1日に与えるブロッコリーの量は、他の野菜も含めて体重1kgあたり3g程度が目安となります。

ブロッコリーに含まれているカルシウムやシュウ酸を大量に摂取すると、うさぎの場合は尿路結石を引き起こす恐れがあります。
うさぎはカルシウム代謝が特殊であり、過剰に摂取したカルシウムの多くを尿と一緒に排泄します。
うさぎの尿はカルシウム濃度が高いため、白く濁っています。
トイレに汚れがこびりついて取れないといった光景を目にしたことがある飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

このカルシウムが尿路につまることで尿路結石が発症します。
主な症状としては排尿時に痛みを感じる、ひどい場合には血尿が出る、発熱、食欲不振になる等が挙げられます。
尿路結石を防ぐためにも、ブロッコリーを与える量にはくれぐれも気を付けましょう。

さらに、野菜は水分量が多い食べ物です。
食べ過ぎることでお腹を下してしまう恐れがあります。
あくまでも主食は牧草であり、野菜は補助的に与えるものという位置づけで食べさせましょう。

●あわせて読みたい

>>ウサギがご飯を食べない理由は？原因と症状・対処法を徹底解説！<<

ウサギにとって食欲不振は緊急を要する症状です。できるだけ早めに原因を特定し、対処することが必要になります。そこで本記事では、「ウサギがご飯を食べない理由」や「食欲不振のときの対処法」について詳しく解説します。ウサギを飼っている方には必見の内容となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

◆常温に戻してから与える

ブロッコリーやスプラウトを冷蔵庫で保存していた場合は、常温に戻してから与えてください。
冷蔵庫から出してすぐに与えてしまうと、うさぎのお腹を冷やしてしまう恐れがあります。

体調を崩した場合の対処方法は？

もしもブロッコリーを与えた後に下痢、軟便をした場合はまずは与えるのをやめましょう。
1日だけの下痢で落ち着き、牧草やペレット等の他の餌をいつも通りに食べているようであれば様子を見ましょう。

丸1日餌を食べない、2日目になっても下痢などの症状が見られる等の体調不良が続くようであれば、躊躇せずにかかりつけの動物病院へ連れていきましょう。
免疫力が低下していたり、身体の機能が弱っている場合には、この不調が引き金となり体調が悪化する可能性があります。
少しでも不安な点がある場合は、遠慮せず獣医さんに相談をしましょう。

まとめ

今回はうさぎにブロッコリーを与えて良いのか、与える際の注意点は何かについてご紹介をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
ブロッコリーは栄養豊富な野菜ですので、注意点に気を付けながら与えてあげましょう。
うさぎは野菜が好きなため、飼い主さんはついつい与えたくなってしまうかと思います。
しかし、「あくまでも野菜は副食」ということを忘れないように、量に気を付けて与えましょう。

余談になりますが、ブロッコリーには「小さな幸せ」という花言葉があるそうです。
「小さな幸せを大切な家族であるうさぎに与える」ということは、なんだか素敵ですね。

–　おすすめ記事　–