1.レオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)の特徴
3.レオパを長生きさせる方法
3-1.清潔な環境で飼育する
3-2.触りすぎない
3-3.温度・湿度管理を徹底する
3-4.太らせない
レオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)の特徴
レオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)の最大の特徴といえば、名前の由来でもあるヒョウのような模様と色彩。このようなレオパのカラーバリエーションを「モルフ」といい、他の生き物でいう品種を意味します。レオパのモルフは非常に種類が多く、100種類位以上あるといわれています。
さらに、立派な尻尾も特徴的です。レオパの尻尾には栄養を蓄える働きがあり、餌が不足すると蓄えた栄養を吸収するため、尻尾は細くなります。
また、レオパは、ベビー期は月に1回くらい、大人になると2~3ヶ月に1回くらいの頻度で定期的に脱皮を行います。脱皮の時期のレオパは、表皮が浮き、身体全体が白っぽくなります。白くなってきたときは、十分な湿度を保ち、スムーズな脱皮を促してあげます。
爬虫類の飼育初心者でも飼育しやすく、丈夫で、寿命が長いレオパ。クリっとした目と口角の上がった口元で顔立ちも可愛らしく、ペットとして好まれるのもうなずけます。
さらに、レオパの飼育には、広いスペースは必要がないこと、鳴き声や匂いもほとんどないことも、日本で飼育するのに適した特徴といえるでしょう。
レオパの平均寿命はどのくらい?
飼いやすいといわれるレオパは、寿命が長いのも特徴です。
レオパの寿命は、野生で25年以上、上手に飼育すると10年以上で、飼育下の寿命の平均は10~15年といわれています。ちなみに、30年近く生きたオスのレオパの記録もあります。
なお、モルフは選別配合により作られており、変異は色彩だけでなく体質的にも現れるといわれています。たとえば、アルビノ系のモルフは視力や身体の弱い子が多く、エニグマというモルフは「エニグマシンドローム」と呼ばれる神経障害をもっており、エニグマと交配したすべてのモルフに発症の可能性があるといわれています。
モルフによって寿命が変わるということはあまりありませんが、モルフによって飼い主さんが気にしてあげなければならないことは増えるということはいえるでしょう。
レオパの寿命は、環境によって大きく左右されます。日本でも、20年以上生存しているレオパがいます。育て方次第では、野生のレオパと同じくらいの寿命まで長生きさせることも可能だということです。
レオパを長生きさせる方法
レオパは、中央アジア原産で、日本にもともと生息する生き物ではありません。
野生のレオパと同じくらいの寿命まで、できるだけ長生きしてもらうためには、可能な限り本来生息する環境に近づけてあげることが大切です。
飼いやすいとはいえ、食事や湿度・温度管理など、飼い主さんが気を付けなければいけないポイントがいくつかあります。
ここでは、大切なレオパに長生きしてもらうための方法についてご紹介します。
◆清潔な環境で飼育する
レオパが過ごすケージには、ガラス、プラスチック、木材等さまざまなタイプがあります。ケージは、洗いやすいもの、掃除のしやすいものを選ぶようにしましょう。
なお、ケージが汚れる原因として、糞や食べ残しなどで汚れてしまうだけでなく、湿度を保つために使用する霧吹きで水垢がついてしまったり、湿度や温度の関係で雑菌が繁殖しやすかったりするということがあります。
そのため、常に清潔に保つことが必要ですが、汚れや除菌を意識しすぎてしまうことで、レオパに影響を与えるような洗剤や薬剤を使用することは避けなければいけません。洗剤や薬剤を使用する場合は、次のことに注意しましょう。
- 生体に影響のあるもの(アンモニアやアルコール、石油原料、香料等)を使用していない専用のクリーナーを使用する
- 生体に影響の少ないもの(天然植物エキス、植物成分100%、弱酸性等)を使用している除菌スプレーを使用する
- 食器用洗剤は絶対に使用しない
基本的に、ケージは水洗いで問題ありません。丸洗いの頻度も数か月に1回くらいで良いでしょう。シェルターも、特に洗剤を使用する必要はありません。定期的に天日干しをしたり、煮沸消毒したりすることで、菌の繁殖を防ぐことができます。
ケージ内の環境は、レオパの寿命にも影響します。常に清潔で、レオパにとって気持ちの良い環境を整えてあげましょう。
◆触りすぎない
レオパは、手で触ることができる爬虫類です。
レオパを手に乗せたり、お家のなかをお散歩させたりするなど、直接レオパと触れ合うことを「ハンドリング」といいます。ハンドリングができるからレオパを迎えた、という飼い主さんも少なくないでしょう。
しかし、残念ながらレオパはなつく生き物ではありません。手に乗るのは、遊んで欲しいということではなく、怖い場所ではないからだと考えた方が良いでしょう。無理なハンドリングは、レオパにとってストレスとなります。
たとえば、急に尻尾を触ったりすると、驚いて自ら尻尾を切ってしまう恐れがあります。また、無理に触ろうとすると、餌を食べなくなってしまったり、シェルターに引きこもってしまったりすることがあります。
レオパをハンドリングできると、身体の変化、怪我や病気に早く気付けるメリットがあります。しかし、本来は触られることが好きではありません。ストレスは、レオパの寿命にも大きく影響します。手の上を歩く姿はとてもかわいいですが、レオパがストレスを感じることのないよう、触りすぎには注意しましょう。
◆温度・湿度管理を徹底する
レオパを快適な環境で生活させるためには、温度・湿度の管理を徹底することが重要です。温度計・湿度計を設置し、ケージ内の状態をしっかり確認できるようにしておきましょう。
レオパにとっての適正な温度・湿度は次のとおりです。
- 温度・・・25~30℃
- 湿度・・・40~60%
この環境を保つためには、ケージ用にパネルヒーターを置いて温度を上げたり、ウェットシェルターや霧吹きなどで湿度を保ったりする必要があります。
日本の環境は四季によっての温度・湿度の差が激しいため、ケージ内を常に一定の状態に保つことは大変かもしれません。室内のエアコンや暖房器具によってケージ内の温度や湿度が変化することのないよう、ヒーターやケージの置き場所に注意する必要があります。
なお、レオパは、定期的に脱皮をします。スムーズな脱皮のためには、十分な湿度が必要です。湿度が低いと、完全に脱皮することができない場合があり、万が一、脱皮時に皮が残ってしまうと脱皮不全で壊死してしまう恐れも。そのようなときは、レオパをぬるま湯につけて、キレイに皮が脱げるよう手伝ってあげる必要があります。
このように、レオパの健康状態を保つために、温度・湿度の管理はとても大切です。もちろん、レオパの寿命にも影響します。ケージ内の状態は、常に気にかけるようにしましょう。
◆太らせない
レオパの食事には、「生餌」、「人口餌」、「生餌&人工餌」の3つのパターンがあります。
基本的に、レオパは必要以上に餌を欲しがる生き物ではありません。しかし、特に生餌の場合は、与える昆虫の種類によって、栄養不足や、逆にカロリー過多になりやすい傾向にあるものもあります。そのため、与える餌を見極めながら、飼い主さんが正しくコントロールしてあげる必要があります。
なお、レオパの栄養状態を維持するためには、次のようなことに注意してあげましょう。
- 適切な餌の量を守る
- 適切な頻度で与える
- 栄養バランスの良い餌を選ぶ
人工餌は、レオパに必要な栄養素がバランスよく配合され、消化吸収もよく、与えやすいのが特徴です。レオパのなかには、人口餌を全く受け付けない子もいますが、可能であれば、早いうちに慣らしておけると安心です。
また、狭いケージでの飼育は運動不足を招きます。レオパの飼育は場所を取らないとはいっても、ある程度動けるくらいのスペースを確保してあげることが、運動不足による肥満を防止する方法といえます。
レオパの肥満は、突然死につながるともいわれています。人間と同様、レオパにとっても太りすぎは寿命に直接の影響を及ぼします。適切な栄養状態を維持できるよう、しっかりと管理してあげましょう。
まとめ
今回は、ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)の寿命と長生きさせるコツについてご紹介しました。
レオパは、寿命の長い生き物です。また、手もかからず、鳴き声や匂いの心配もなく、とても飼いやすいため、ペットとしての需要も高まっています。
寿命が長い、手がかからないとはいっても、生活環境によっては、ストレスを感じたり、肥満になったり、細菌に感染することもあります。
できるだけ長くレオパといっしょに生活するためにも、飼い主さんの管理はとても大切です。栄養バランスの良い食事、清潔な生活環境、適切な温度・湿度管理、これらのことをきちんと気にかけてあげられれば、末永く、あの可愛らしい表情を見ることができるでしょう。
是非、長生きさせてあげてください。
– おすすめ記事 –
・爬虫類初心者におすすめの種類10選とそれぞれの魅力を紹介。飼うには覚悟必須? |
・フトアゴヒゲトカゲはなつく生き物?飼育時のポイントや注意点を紹介 |
・クレステッドゲッコーの魅力とは?飼育のポイントやモルフなど徹底解説! |
・リクガメに与えてもいい野菜・野草は?与えるときのポイント |