1.うさぎとモルモット、それぞれどんな動物?
1-1.うさぎの特徴
1-2.モルモットの特徴
2.うさぎとモルモット、一緒に飼うのは難しい?
2-1.うさぎが持っている菌がモルモットに悪影響を及ぼす可能性がある
3.うさぎとモルモットを同じ家で飼うには
3-1.可能であればケージを置く部屋をわける
3-2.直接触れ合わせない
3-3.食べ残しを与えない
3-4.お世話の前に手を洗う
うさぎとモルモット、それぞれどんな動物?
最近では、さまざまな小動物がペットとして飼育されています。
なかでも、うさぎやモルモットは、とても愛らしいだけでなく、比較的飼いやすいことから、昔からペットとしてとても人気があります。
うさぎやモルモットは、匂いもあまりなく、鳴き声も小さいことから、日本の住宅事情に合ったペットといえるでしょう。
小さな子でもお世話がしやすく、見た目もかわいいうさぎやモルモット。それぞれ、どのような動物なのでしょうか。
ここでは、うさぎとモルモットそれぞれの特徴についてご紹介します。
◆うさぎの特徴
ふわふわした可愛らしい見た目が特徴のうさぎ。
性格は一般に、オスの方が穏やかで懐きやすく、メスは気が強いといわれています。
うさぎには、150種類以上の品種があるといわれています。そのうちの50種類がアメリカのうさぎブリーダ協会(ARBA)で公認品種として認定されており、日本でみられるのは、おなじみピーターラビットのモデルといわれる「ネザーランドドワーフ」、垂れた耳がかわいい「ホーランドロップ」など約11種類です。
うさぎのごはんは、うさぎ専用のペレットとチモシーなどの牧草。その他、副菜として野菜などを与えます。うさぎ専用のペレットは、主にアルファルファやチモシーを主原料にしています。乳酸菌、ビタミン、ミネラルなどの栄養成分が含まれているもの、グルテンフリーのフードや品種専用のフードなども販売されています。
うさぎは、飼い主さんの生活リズムに合わせて生活できる柔軟性があります。
また、ごはんも手に入りやすく、鳴き声や臭いも気になりにくいことから、ペットとしてとても人気があります。
◆モルモットの特徴
丸みのある体型とくるっとした大きな目が特徴のモルモット。
性格は、とても警戒心が強く、臆病。その一方で、人懐っこく、穏やかな一面もあります。
モルモットには、毛の色や毛質の組み合わせによって100種類以上の品種があるといわれています。そのうち日本でみられるのは、最もポピュラーな「イングリッシュ(ショート、アメリカン)」、くるくるした巻き毛が特徴の「アビシニアン」など9種類です。
モルモットのごはんは、モルモット専用のペレットとチモシーなどの牧草。その他、副菜として野菜などを与えます。また、モルモットは体内でビタミンCを合成することができません。そのため、ビタミンCが配合されたペレットを選ぶか、サプリメントでビタミンCを補う必要があります。
モルモットは、ごはんも手に入りやすいうえに、おとなしく飼いやすい小動物として、世界中で人気です。
うさぎとモルモット、一緒に飼うのは難しい?
うさぎとモルモットが一緒に過ごしている光景は、動物園などでよくみられます。
ごはんにもペレットと牧草などと共通点が多く、飼育環境も似ているため、うさぎとモルモットをお家で一緒に飼ってみたいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
それぞれとても可愛らしく、ペットとして比較的飼いやすいうさぎとモルモット。
では、実際に、動物園のようにうさぎとモルモットをお家で一緒に飼うことはできるのでしょうか?
◆根本的にうさぎとモルモットは違う動物であること
食事の内容やイメージのせいで、うさぎとモルモットは似た生き物で仲良く過ごせると思い込んでいる方もいらっしゃると思いますが、まずそれは違います。
うさぎとモルモットは異種生物であり、基本的に仲良しといった関係性にはなりません。
うさぎとモルモットが仲良く一緒に遊んだり、くっついて寝たりする姿を見ることはほとんど不可能だと思います。
またうさぎはモルモットより身体も大きく、動作も機敏なため、うさぎの思わぬ動作でモルモットにケガをさせてしまう可能性があるので注意が必要です。
◆うさぎが持っている菌がモルモットに悪影響を及ぼす可能性がある
モルモットとうさぎを一緒に飼ってはいけない理由として一番知っておきたいのが、ほとんどのうさぎが、病原体「ボルデテラ菌(気管支敗血症菌)」を保菌しているということです。このボルデテラ菌は、うさぎが保菌していても大きな問題になる症状はでません。しかし、モルモットがボルデテラ菌に感染し発症してしまうと命にかかわるような重篤な症状が出てしまうため、とても注意が必要なのです。
ボルデテラ菌は接触感染、くしゃみや咳による飛沫感染が原因で発症するケースがほとんどです。そのため直接触れ合わせたり、うさぎとモルモットの食器や水飲み器を一緒にするのは避けましょう。
すべてのモルモットがボルデテラ菌に感染するとはいえませんが、万全な対策を取れない場合、うさぎとモルモットを同居させるのは避けたほうが良いです。
とはいえ、実際に、「うさぎもモルモットも両方飼っている」というお家もあります。想像していた「一緒に飼う」のイメージとは違うかもしれませんが、ここに挙げたような気を付けなければならないことをふまえ、正しい飼い方や注意の仕方を実践してあげられるのであれば、うさぎとモルモットを同じ家で飼うことも可能です。
うさぎとモルモットを同じ家で飼うには
ここまででお話ししたとおり、うさぎとモルモットを同じケージに同居させて「一緒に飼う」ことは、感染の懸念があり、とても難しいといえます。
しかし、うさぎとモルモットを同じ家で飼いたい、または、飼わなければいけないという場合、飼い主さんが正しい飼い方、注意の仕方をきちんと実践できるのであれば、不可能ではありません。
ここでは、同じ家でうさぎとモルモットを飼う場合の方法と注意点について、ご紹介します。
◆可能であればケージを置く部屋をわける
うさぎのもつボルデテラ菌がモルモットに感染する経路として考えられるのは、クシャミなどの飛沫による感染、同じおもちゃや給水器をつかうなどの接触による感染、また、糞や尿からの感染などが考えられます。
そのため、当然、うさぎとモルモットを同じケージで飼うことはできません。ウサギとモルモットは、それぞれを別のケージで飼育し、さらにケージとケージの間隔も2メートルくらいはあけて設置するようにしましょう。
しかし、同じ空間にいる状態では、感染のリスクを完全に取り除くことはできません。リスクのない環境を整えることを考えた場合、可能であれば、うさぎとモルモットのケージは、別々の部屋に設置することをおすすめします。
◆直接触れ合わせない
うさぎとモルモットがお家にいたら、飼い主さんは一緒に遊ばせたい、仲良くさせたいと思うでしょう。
しかし、うさぎのもつボルデテラ菌が飛沫や接触によってモルモットに感染する恐れがあり、しかも、感染が命にかかわる可能性がある以上、うさぎとモルモットの直接の触れ合いは難しいといえます。
モルモットはとても臆病で神経質な性格です。また、うさぎは遊びが大好きで活発。このように、うさぎとモルモットは性格も違います。状況によっては、うさぎとモルモットのいずれか、または、それぞれが、直接的な触れ合いがストレスになることもあります。
飼い主さんにとっては、とても残念なことですが、うさぎとモルモットは、それぞれ別々に遊ばせてあげるようにしてください。
◆食べ残しを与えない
うさぎとモルモットには、ペレットやチモシーなどの牧草を食べるという共通点があります。そのため、ついつい残ったエサを与えてしまいたくなりますが、お互いに食べ残しを与えることはよくありません。
特に、うさぎからモルモットへのボルデテラ菌の感染リスクを考えた場合、食べ残しを与えることは絶対に避けるべきです。
また、うさぎは体内でビタミンCを作れますが、モルモットは体内でビタミンCを合成することができません。うさぎとモルモットはそれぞれ体質も異なるうえ、見た目の似ているペレットでも、含まれている栄養成分に違いがあります。
このようなことからも、食べ残しは与えないようにしましょう。また、うさぎとモルモットが、誤って違うエサを食べてしまったりすることのないように注意する必要があります。
◆お世話の前に手を洗う
同じおうちで飼う、うさぎとモルモット。せっかく別々のケージで飼育し、別々のお部屋に分けてあげて、お互いが接触しないように努力していたとしても、飼い主さんのお世話した手からダニやノミ、病原体などがうつってしまったら、それこそ大変です。
そのため、うさぎとモルモット、それぞれのお世話の前には、しっかりと手を洗うようにましょう。
ケージの掃除のときはもちろんのこと、ブラッシングや家ん歩(ケージから出し、家のなかで遊ばせる)をさせるとき、撫でるなどのちょっとしたコミュニケーションの前後も、しっかりとした手洗いを忘れないでください。
まとめ
今回は、うさぎとモルモットそれぞれの特徴、併せて、うさぎとモルモットを一緒に飼育する場合の問題点や注意点についてご紹介しました。
うさぎもモルモットも、小動物ペット界ではとても人気の子たちです。かわいらしく、おとなしくて飼いやすいこともあり、「ふれあい動物園のように仲良く一緒に飼育したい」と考えていた方もいらっしゃるでしょう。
しかし、うさぎとモルモットのように、異なるいきものを一緒に飼うことには、病気の媒介やストレスなど、さまざまなリスクを伴う可能性もあるということを知ることが大切です。
ペットを飼うときは、それぞれのいきものの特性や性格を考慮し、飼い主さんもペットも、安全に楽しく生活できる環境を整えましましょう。
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