コクワガタの特徴や寿命、飼い方は?採集方法と飼育に必要な道具を解説

2022.07.25

コクワガタの特徴や寿命、飼い方は?採集方法と飼育に必要な道具を解説

夏の風物詩コクワガタ。カブトムシと並んで子供たちに人気のある小さな甲虫です。こちらの記事ではコクワガタを採集する方法や、捕まえた後のお世話・飼育に必要なものなどを解説します。家族で飼育・観察してみるのはいかがでしょうか。

【掲載:2022.03.30  更新:2022.07.25】


コクワガタの基本情報

◆コクワガタとは

コンチュウ目クワガタムシ科ドルクス属に分類されるのが、コクワガタです。
このドルクス属に分類されているクワガタは長生きするのが特徴です。
種類は、大きく分けると5亜種(種類)と言われています。
日本で最もよく見かけるのは、亜属の中でも1種として分類されるコクワガタです。

カブトムシとクワガタ

パッと見てわかるカブトムシとの違いは、頭上のアゴが二又に大きく別れているかどうかです。
もちろん生物としては、少し違いますが素人でもオスの場合は見分けやすいでしょう。
メスの場合は、アゴが小さいので慣れていなければ、少し間違ってしまうかもしれません。

コクワガタは、その赤ちゃんのような小さいサイズで、6本の足を動かし、よちよち歩きのように動くことから、子供から大人まで幅広い年齢層に『かわいい』と人気で、初心者でも育て方が簡単です。
性格は、警戒心が強いので臆病ですぐ隠れてしまいますが、夏場は活発に動き回っている個体もいます。平均的に気性は穏やかな個体が多いです。
威嚇や喧嘩をするときは、頭上のアゴを開きます。
そのカッコよさを見たくて、指をわざと挟まれる人もいますが、朽木ならボロボロにする力があります。特にメスは、産卵の際に卵を木の中に産み付けるため、すごい力です。
小さくても挟まれたら痛く、危ないので気をつけて触れ合ってください。

コクワガタはオオクワガタと共に、日本では飼育するのにとても人気があるクワガタです。

◆コクワガタのサイズ

オスが、体長約15mmから54mm、メスが、約21mmから33mmです。コクワガタの大きさは、飼育下での方が大きくなるとも言われていて、オスもメスも5mm前後は自然下より大きくすることができます。
現在、ギネス記録のコクワガタは、60mmです。

◆コクワガタの分布、種類

東アジアに分布していて、日本でも全国にいます。そのため、他の種類のクワガタムシに比べ最も見かけることが多いと言われています。平地でも高地でも分布していることがその理由です。
種類は、少し赤い色合いで、ハチジョウコクワガタ、ヤクシマコクワガタ、ミシマコクワガタ、ウーコクワガタ、トラコクワガタ、トクノシマコクワガタ、アマミコクワガタなどが挙げられています。

◆コクワガタの寿命

コクワガタの自然下での寿命は、1年から2年と言われています。
しかし飼育下では、2~3年と言われておりオオクワガタの次に寿命が長いと言われているクワガタです。

越冬に関しても、そこまで手間がかかるわけではありませんので、飼育に関しては簡単な部類に入ります。
飼育方法がよければ4年以上生きるとも言われており、愛着が湧きます。

ちなみにヒラタクワガタの寿命は、半年ほど。
ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタは3ヶ月から半年と言われており、春を迎えずに死んでしまいます。


コクワガタを飼うために必要な準備

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◆飼育ケース

空気穴、通気口があるケースであれば飼育ケースは、大型種ほど大きなものでなくても大丈夫です。コクワガタは、一般的な飼育ケースのSサイズで十分で、クヌギやナラのマット、またはチップを4割くらいの深さまで入れ、クワガタが潜ったり隠れたりできるようにしてあげます。

ケース内には、登り木、落ち葉、朽木を入れてあげるとより自然に近くなるでしょう。
 

◆飼育マット

クヌギやナラが混ぜ合わさったマットが、ホームセンターにて販売されています。
土も販売されているのでそれを入れても飼育できます。

また上にチップをパラパラっと敷いても転倒した時に起き上がりやすくなります。

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ハスクチップ 5L

昆虫・爬虫類などの床材に

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◆エサ皿

エサとなるゼリーを入れるために、エサ皿のようにくり抜かれた専用の木も販売されていますが、飼育木に擦り付けるように塗っていたら、問題なくゼリーの汁を吸います。

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エネルギーベース 1個穴

虫たちがえさを食べるための足場になります。16gの虫ゼリーが入る穴が1個空いています。かくれ場や転倒したときの足掛かりにもなります。

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◆登り木、枯葉など

登り木、枯葉共にホームセンターで販売されています.。
転倒防止用の細い木も販売されておりますので、ケース内に入れておくと良いでしょう。

クワガタは仰向けの状態で起き上がれずにいると体力が消耗してそのまま死んでしまうこともあるので注意が必要です。
仰向けにひっくり返っても捕まって立ち上がれる足場となる木や落ち葉、チップが入っている方が安心です。


コクワガタのエサは何を食べる?

食べ物として、自然下では木の樹液を吸っています。飼育下では、専用の昆虫ゼリーをエサとします。ホームセンターなどで販売されています。
栄養がたっぷり含まれているものや、色々な味がミックスされているものなど種類も豊富にあります。
季節や状況に合わせて使い分けてあげましょう。

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食べごろスリム50 13g×50個

容量が少なく、食べこぼしや食べ残しが少ない容器仕様。美味しい4つの味(バナナ・ブドウ・パイナップル・ピーチ風味)のフルーツゼリーを食べやすい極浅カップに詰め込みました。口径が大きく、底が平らなので安定性がよく、クワガタ虫のオスや大型のカブト虫も容易に食べることができます。

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コクワガタのエサとしてスイカをイメージする人は多いと思います。
果汁を吸って食べますが、水分が多すぎるためおしっこをたくさんします。
マットにダニが発生しやすくなり衛生的にあまりよくないのと、コクワガタの体調を崩す恐れがあるのでおすすめしません。


コクワガタの採集方法

コクワガタ

◆どんなところに生息している?

平地にもいるクワガタムシの代表格と言われているコクワガタですが、高地にも生息していることが分かっています。
そのため日本では、他のクワガタよりも生息地、数共に圧倒的に多いのが、コクワガタの特徴でもあります。

クヌギやコナラなどの林、山、河川敷にも多く生息しています。
また朽木の中に隠れていることもあります。
生息木としては、クヌギやコナラの他にも、ヤナギ、シラカシなど様々な木に止まったり、樹液以外にも果物や野菜に止まることもあります。

◆出没する時期、時間

5から9月ごろに活発に活動しています。明るい時間帯なら樹液を塗って採取するか、木を蹴ると落ちてきます。暗い時間帯なら広葉樹が近くにある道路沿いで街灯下に落ちていることが多いです。

◆捕まえ方

夏、雑木林に行き、特にクヌギの木を蹴ると落ちてきますので割と簡単に採取できます。
クヌギの木は日本中に分布していて、特徴は、樹皮が縦に割れていてゴツゴツしている幹、葉っぱは細長くギザギザしていて枝に交互に生えています。
準備するものは、虫カゴ、虫取り網、懐中電灯です。

◆家に連れ帰ったら

クワガタの足先には、フセツというものがあり、木に登るときにこの引っかかりがあるため、落ちません。しかし人が無理やり木から取ろうとしたらフセツが取れてしまうことがありますので注意してあげてください。一足ずつゆっくり外していき6本とも外れたら持ち上げます。
フセツがちぎれても死ぬことはありませんが特にメスは、産卵の時などに踏ん張りが効きにくくなります。ケースの掃除をする時や中の木の交換をする際にも気を付けてあげましょう。


コクワガタはお店で販売されている?

夏になるとペットショップやホームセンターで販売されます。
コクワガタならペアで700円から1000円前後で売られています。大きさによっては3000円くらいのものもあります。
産卵木やゲージも込みのセットが3000円前後でうられていることも多いです。

またブリーダーを通じて購入するなら年中購入することができますが、冬の冬眠中の輸送は個体に負担もかかるため夏限定のブリーダーも多いかもしれません。
クワガタの活動期の夏とは言え、デリケートなので発泡スチロールやクーラーボックスに入れたり工夫して送ってくれるブリーダーさんもいます。


コクワガタのお世話の仕方

20度から28度前後が、飼育温度として適しています。
暑い時期に活動するクワガタですが、人が心地よいと感じる温度が、クワガタにとっても心地が良いようです。

注意点としては、乾燥が良くないので夏は、直射日光はもちろん、クーラーが直接当たる場所も避けること、年中通して霧吹きはしてほしいです。
冬は特に乾燥がひどくなるため、冬眠中でクワガタが土の中にいても必ず、加水するために霧吹きをしてあげましょう。

◆マットの管理

何日に一回とまでは必要ありませんが、コバエが発生したり、白い小さなダニを見つけたらその都度、交換した方が清潔です。
2週間に1回は交換するように推奨されています。

◆えさの交換

不衛生な環境にならないように、食べ残っていたとしても一日1回は新しいものに取り替えた方が清潔でしょう。


コクワガタは家庭で繁殖できる?

成熟したオスとメスを同じケースに入れていたら交尾することもあります。これを交配やペアリング、ブリードと言います。
コクワガタは羽化3ヶ月で成熟するのでそれ以降なら交尾可能です。
個体によって相性がありますので、よく見極めてあげましょう。


コクワガタの越冬について

冬眠前の秋は、ゼリーを食べる量が増えるので注意点として、様子をしっかり見てあげることです。飼育越冬させる準備は、もちろん秋飼育は、とても大事になってきます。
そしていよいよ外の気温が、10度を下回ってきたら、ケースの準備です。
普段は4割ほどケース内に入れている土、クヌギやナラのマットを8割ほど多く入れるので結構使用するため用意しておくことです。冬眠で、土に潜っている間も水分は必要であり、乾燥は良くないので、毎日霧吹きをしましょう。

越冬中にやむをえず、ケース内の掃除やマットの入れ替えをするときは、冬眠していて休眠のコクワガタになるべくストレスを与えないようにそっと触ります。
越冬後のコクワガタは、まだまだ仮死状態(死んだふり)で一瞬びっくりしますが、良く見るとジワーと動くことが多いです。足を指に当て爪が引っかかっている様な感覚なら生きています。


まとめ

今回は、越冬し長生きするコクワガタの基本情報についてご紹介しました。
せっかくクワガタを飼育するのなら、飼育記や飼育ブログをつけていれば、思い出にもなり、今後もクワガタを飼育する際の参考になることでしょう。
もし飼育に慣れてきた人は、ペアリングに挑戦してみるのはいかがしょうか。



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