「ピーターラビット」の種類はネザーランドドワーフではない?歴史に基づいて解明してみた!

2022.05.22

「ピーターラビット」の種類はネザーランドドワーフではない?歴史に基づいて解明してみた!

日本でも有名な絵本のキャラクターである「ピーターラビット」。このピーターラビットの種類は「ネザーランドドワーフ」だと言われていますが、本当なのでしょうか。時代はあっているの?見た目が違う気がするけど……?今回はピーターラビットの真実に迫ってみたいと思います。

ピーターラビットはどんなお話し?

ピーターラビット

可愛い動物の代名詞とも言え、子供向けの絵本やキャラクターによく取り上げられているうさぎさん。大人の方にも、あたりまえのようにいつも人気のかわいらしさですよね。

そのため数多くのお話やアニメ、キャラクター商品にうさぎさんの姿が使われてうさぎさんのキャラクターが世の中に溢れていますが、そのなかでも有名なお話に「ピーターラビット」があります。
「うさぎさんのお話」と言われて一番最初に思いつくのがあの、青いジャケットを羽織った茶色いうさぎ「ピーターラビット」であるという方も多いのではないでしょうか。

ピーターラビットの作者は英国の生物学研究者でもあった女性ビアトリクス・ポターで、シリーズの一冊目である「ピーターラビットのおはなし(The Tale of Peter Rabbit)」が1902年に出版されました。このおはなしに出てくるうさぎさんの名前が「ピーターラビット」です。初版が1902年ということは、2022年でちょうど120周年を迎える、絵本の古典的大名作です。

ピーターラビットはキャラクターとしての可愛さ、美しさからも長く愛されている作品のため、様々な場面で、ピーターラビットの姿を目にすることがあると思います。

また、ピーターラビットは20年以上にわたってキユーピー社のイメージキャラクターになっていました。そのため「キユーピーマヨネーズ」や「キユーピー3分間クッキング」のキャラクターを長く務めていましたし、図書カードに印刷されていたり、キャラクターとしていろいろな商品に印刷されていたりしましたので、イラストを見ただけでピーターラビットだとわかる人も多いかもしれません。最近実写映画にもなったことで話題を呼びました。

◆ピーターラビットの舞台

ポターの描いたピーターラビットの舞台は、当時ポターの暮らしていたイギリス北部、湖水地方にある大きな農場の中の「ヒルトップ」と呼ばれている家の周辺だと言われています。近くにある「ダーウェント湖」は現在でも「湖水地方の女王」と呼ばれるほど美しい場所として知られています。

熱心な自然保護活動家でもあったポターは、湖水地方の土地や景観の保存団体に協力していたため、関連する広大な土地や家々は自然・景観の保護のために保存管理されることとなりました。そのため、ポターが描いたそのままの風景や、執筆机、食器棚などが当時のままの状態で残されています。家の中や庭先が絵本の背景として描かれているところもあり、現在でも当時と変わらないその姿を見ることができるようになっていますよ。こねこのトムと兄弟がちょこんと乗っかってアヒルのパドルダックさん達を見下ろしていた白い柵や、「ひげのサムエルのおはなし」の玄関ホールなど、絵本のそのままの風景が現在でものこされているのです。

◆ピーターラビットのストーリー

日本では主にキャラクターとして注目されてきた「ピーターラビット」ですが、絵本としては主人公を変えながら23冊も出版されていて一番有名な「ピーター」や「ベンジャミン」をふくめて30以上の動物(マグレガーおじさんは人間ですが)キャラクターが登場しています。

全巻読んだことがある! という人は珍しいかもしれませんね。
セット売りをされていたこともあり最初のセットに入っていた3冊が特に有名です。

「ピーターラビットのおはなし」

1冊目の「ピーターラビットのおはなし」では、マグレガーさんの畑に入ってお父さんがパイにされたことを聞かされているのに、いたずらっ子のピーターはそのマグレガーさんの畑の野菜を食べに行ってしまい、マグレガーさんと追いかけっこになってしまいます。ハラハラするおはなしで、逃げ切れはしたのですが、逃げる途中でなくしてしまったジャケットと靴をカカシにされてしまいますよ。

「ベンジャミンバニーのおはなし」

2冊目は「ベンジャミンバニーのおはなし」でピーターの従兄弟のベンジャミンとピーターが二人で前話でとられたジャケットを取り返しに行って、なんとか取り返すお話です。

「フロプシーのこどもたち」

3冊目は「フロプシーのこどもたち」では大人になったベンジャミンと彼のいとこのフロプシーが結婚し、できた子どもたちのお話で、マグレガーさんのゴミ捨て場に捨ててあったレタスをたべすぎて眠ってしまった子供達がマグレガーさんに攫われてしまうお話です。

今読み返してみると、当時の農場におけるうさぎさん達と農夫さんの関係性という確執が読み取れてくるあたりが名作である所以かもしれません。自然保護活動家かつ、生物学者で農場経営者でもあったポターだったからこそ書けた物語と描けたイラストだったのでしょう。


ピーターラビットのモデルはネザーランドドワーフと言われているけど・・・?

PeterRabbit4
『ピーターラビットのおはなし』よりピーターと家族 – Wikipediaより引用

現在、ピーターラビットのモデルだったウサギされ広く知られているのは「ネザーランドドワーフ」になります。

◆本当の正体は「アナウサギ」?

実際、ポターが暮らしていた時代にはまだネザーランドドワーフは品種としては存在しておらず、イギリスに導入されたのは彼女の死後になります。なので、「ネザーランドドワーフ」がピーターラビットのモデルになることは不可能です。

ですがこの頃、現在では「ダッチ」と呼ばれている品種の元となる、オランダやベルギー系の品種がイギリスに大量に入っていたので、むしろこちらの品種がモデルになっていたうさぎ達に近いかもしれません。

ポター自身が飼っていた初代のウサギの名前はベンジャミン・バウンサーという名前で、二頭目がピーター・パイパー。2頭ともピーターラビット執筆時にはもう亡くなってしまっていたようですが、彼らがおはなしのモデルになっていたと言われています。この2頭のスケッチも残されていますが、耳が長く、野性味を残した品種であることがわかります。

ウサギの家畜化は11世紀ごろとも言われており、この当時でも既にウサギは主に肉用としてですがアナウサギから家畜化されていました。それらのうさぎをカイウサギと呼ぶのです。野生化して野外に住み着いている個体も多く見られていたようです。
カイウサギは野うさぎとは見た目から異なる全く別の種類になります。ポターの残したスケッチからペットのうさぎ達は、明らかに野うさぎではなくカイウサギの系統のウサギであることがわかります。よって、ピーターラビットもカイウサギ(今よりはアナウサギに近い)をモデルにして書かれたのではないかと考えられます。

◆なぜネザーランドドワーフがモデルと言われている?

それではなぜネザーランドドワーフがモデルと言われたのでしょうか。

それは、おそらくモデルのうさぎがオランダ・ベルギー系のウサギであることだけが知られていたための誤解ではないか、と個人的には思います。時代・年代の考察をしなければ、現在一番有名なオランダ系のうさぎは名前からしてネザーランド(オランダ)のつくネザーランドドワーフですものね。
体の大きさや手足の長さ、耳の大きさもかなり雰囲気が違いますが。

また、現在残っている「ピーターパイパー」のスケッチは多少ネザーランドドワーフに似ていると言えば似ているのかもしれません。


アナウサギの生態・特徴

23830369_s

アナウサギというと、普通のウサギとは違うように聞こえてしまいますが、現在のカイウサギは全て、アナウサギの系統になりますので、現在手に入れられるどのうさぎさんもアナウサギと言えばアナウサギになってしまいます。
飼育されるようになったアナウサギがカイウサギ、なのですね。野生のアナウサギは全世界で確認されていますが、もとはカイウサギが逃亡して定着したものである場合もあり、その判別は困難です。

穏やかで繁殖力が非常に高く、穴を掘るのが上手で、危険を感じると巣穴に潜り込みます。
早朝と夕方に巣穴から出て草を食べます。
行動範囲は広くなく、温厚なことからローマ時代から家畜化されていたとも言われています。


アナウサギはペットとして飼育可能?

通常のカイウサギがアナウサギですので飼育は可能です。野生のアナウサギを飼育したいのであればまた少々話は変わってきてしまうと思いますが、アナウサギに近い生態のものであれば日本白色種やダッチなどが近いのかと思います。

●あわせて読みたい
パンダ色と飼いやすさが魅力!ダッチの特徴、性格、値段、販売方法は

ダッチは、パンダのようなツートンカラーがかわいいうさぎです。ぬいぐるみやイラストで見かけることも多く「なんていう品種だろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか?実は、よく目にするようで日本のペットショップでは取り扱いが少ない品種なのです。ダッチはどんなうさぎなのでしょう。ダッチの特徴、性格、値段、販売方法についてまとめました。

記事はコチラボタン


まとめ

ピーターラビットはイギリスの美しい自然で有名な湖水地方が舞台の絵本のシリーズで、いまから120年前に書かれた絵本の古典名作です。作者は自然保護活動家でもあり、現在でも絵本のモデルになった住居などが保存されています。

ピーターラビットのモデルは「ネザーランドドワーフ」と言われていますが、これは間違いで、もっと古くからいるカイウサギの中のオランダ・ポーランド系の個体であると推測されます。このうさぎは著者であるビアトリクス・ポターの飼っていたウサギだったと言われています。

アナウサギを家畜化したものが現在のカイウサギです。その中でも、ダッチや日本白色種など昔からいる系統のうさぎの姿が元々のピーターラビットに近いのではないか、と思いますが、いま飼われているうさぎはみんな同じカイウサギだと考えると、みんなピーターにつながっていることになりますよ。



– おすすめ記事 –

・うさぎの数え方って「1羽」「1匹」一体どれ?うさぎにまつわることわざや雑学を紹介
・月ウサギの正体は?どうして月にウサギがいると言われるの?
・うさぎが水を飲まなくて心配!原因は?一日に必要な飲水量はどのくらい?
・ネザーランドドワーフは大人になっても小柄でベビーフェイス!何か月から大人といえる?


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
PetSmileすもーる部

PetSmileすもーる部

小動物大好きPetSmileすもーる部です。小動物にまつわるエピソードやお役立ち情報を発信します♪


記事に関するお問い合わせはこちら