1.カブトムシは何を食べて生きるの?
2.カブトムシの食事について
2-1.カブトムシがどんな栄養素を必要としているかを知る
2-2.質の良い食事は長生きにつながる
3.カブトムシにはどんなエサを与えるべき?
3-1.バランス良い栄養素が含まれた「昆虫ゼリー」
3-2.栄養価の高い「バナナ」
3-3.水分が少なめの「リンゴ」
4.あまり与えないほうがよい、不向きなエサとは?
4-1.水分が大量に含まれた果物・野菜
4-2.はちみつ
4-3.人間用のゼリー
5.カブトムシの幼虫のエサ、成虫とは違った食べ物を与えるべき?
6.カブトムシのエサやりで注意したいポイント
6-1.エサの管理をする
6-2.カブトムシにもエサの好みがある
6-3.エサの選び方にも注意する
6-4.エサ台におくと衛生的
6-5.エサを食べない原因もおさえておく
カブトムシは何を食べて生きるの?
カブトムシは基本的に自然で生きている昆虫です。
人間に飼われていればエサに困ることがありませんが、野生ではそうはいきません。
野生のカブトムシは何を食べているのでしょうか。
主なエサが樹液です。
カブトムシが木にいることが多いのは、樹木から出る樹液をエサとしているからなのですね。
ただ、「樹液ならなんでも好き」というわけではなく、甘みのある樹液を好みます。
木の種類によって“樹液の味”は異なり、カブトムシが好むのは糖分の多いクヌギの木などです。
そのほか、りんごや梨などの果物にも香りにつれられ、果汁を求めて集まります。
黒い色で野性味あふれる“カッコよさ”が魅力のカブトムシは、実はとっても甘党なのですね。
カブトムシの食事について
カブトムシは、小さなスペースでも飼えるため、昔からペットとしても人気のある昆虫です。
手軽に育てられるイメージはありますが、ひとつの命を預かることには変わりありません。
エサは日々の大切なお世話のひとつですから、まずは「カブトムシの食事について」しっかりと把握しておきましょう。
◆カブトムシがどんな栄養素を必要としているかを知る
野生のカブトムシが甘い樹液を主食としていることからも分かるように、必要な栄養素は「糖分」です。
彼らの大事なエネルギー源となるでしょう。
また、卵を産むときに必要とあって、特にメスは「タンパク質」は大切です。
実は、自然界では「タンパク質が足りない!」と身近な仲間を食べることがあるのだとか…。
カブトムシをペットとして飼うのであれば、「甘み」と「タンパク質」に配慮したエサを与えることが重要です。
◆質の良い食事は長生きにつながる
どんなペットを飼うにしても、飼い主さんが「質の良いエサを与えられるかどうか」が長生きのキーポイントとなります。
カブトムシを飼うときも、もちろん“エサについて正しく知る”ことは大事です。エサについての理解を深めることで長く一緒にいられます。
カブトムシにはどんなエサを与えるべき?
気軽に飼える動物と言っても、初めてカブトムシを飼うときは「食べてくれるのだろうか」「これは与えてはいけないのでは?」など悩みますよね。
まずは、カブトムシが好きなエサから見ていきましょう。
◆バランス良い栄養素が含まれた「昆虫ゼリー」
カブトムシを飼うときにおすすめのエサが「昆虫ゼリー」です。
“ゼリー”と聞くと可愛らしいイメージがありますよね。
カブトムシにとっての、定番中の定番といったエサです。
カブトムシの体にとって必要な栄養素を含みつつ、そしてカブトムシが好みそうな食感。
まるで樹液を食べているような感覚で食べてくれそうですね。
昆虫ゼリーは、ホームセンターやインターネットからでも購入ができます。
●黒糖の風味で濃い色味の「黒糖ゼリー」
●果物の味と香りが楽しめる「フルーツゼリー」
●カブトムシの体に配慮した「高タンパクゼリー」
●飼育ケースのにおい対策にもなる「消臭ゼリー」
などさまざまなラインナップがあります。
これらは、カブトムシのことを考えられて作られた製品ですから、安心して与えることができる食べ物です。
昆虫ゼリーには、“トレハロース”と呼ばれる天然糖質が含まれています。
カブトムシにとっての栄養補給にぴったりな成分。
栄養不足の心配がありません。
◆栄養価の高い「バナナ」
甘くておいしいバナナもおすすめです。
適度に水分が含まれているものの、液状となって飛び散る心配がありません。
カブトムシの飼育ケースに入れておいても、余分な水分でベタベタと不潔になることがない点もおすすめポイントです。
◆水分が少なめの「リンゴ」
リンゴもバナナと同様に、水分があまりない果物です。
果汁が垂れてくることもありませんから、カブトムシの周辺も汚れにくいでしょう。
程よい水分と甘み。
カブトムシが好みそうな果物です。
あまり与えないほうがよい、不向きなエサとは?
次は、カブトムシにおすすめできないエサをいくつかご紹介します。
◆水分が大量に含まれた果物・野菜
カブトムシは果物や野菜が大好物なのですが、スイカやメロン、きゅうりなどは「水分が多い」「栄養価が低い」という観点からおすすめできなせん。
これらは、90%前後が水分と言われている野菜や果物です。
カブトムシにとって適度な水分は体の状態を健康に保つものですが、水分が多すぎる食べ物は尿量を増やすことにもつながります。
お腹の調子も悪くなるうえ、排泄物も増えて飼育環境が汚れてしまいます。
結果的に、不衛生な環境にカブトムシを置いてしまうことになるでしょう。
また、カブトムシにとってプラスになる栄養価は期待できないでしょう。
絶対与えてはNGな食べ物ではないものの、主食として継続して与え続けるのはあまりおすすめできません。
◆はちみつ
甘くておいしいはちみつですが、カブトムシのエサとしては不向きです。
カブトムシにしてみると甘い香りに誘われて喜ぶエサかもしれません。
しかし、バナナ以上に糖分が高く、体によくありません。
それに、はちみつは粘性のある食べ物ですから、薄めることなく原液で与えてしまうと、カブトムシが食べたときに口が粘着され自由がきかなくなる恐れがあります。
◆人間用のゼリー
フルーツ系の昆虫ゼリーは、カラフルな人間用のゼリーとも似ています。
しかし、昆虫ゼリーは“昆虫が好む風味”で作られたもので、成分は人間用のものと異なります。
人間のゼリーは糖分が多すぎるうえ、カブトムシには不向きな保存料が入っています。
人間が食べる分には問題のない成分でも、カブトムシにとっては体に良くない食べ物なのです。
カブトムシの幼虫のエサ、成虫とは違った食べ物を与えるべき?
カブトムシを飼うとき、幼虫から育てることも可能です。
ただ、野生において、幼虫と成虫では生きる環境が異なります。
卵から幼虫が生まれ、さらにサナギから成虫へと変化。
幼虫時代となる約8か月、カブトムシの生息場所は土の中です。
野生なら、栄養分のある“腐葉土”が生きる環境でありながら、そこがエサの場でもあります。
そこで、幼虫を飼うなら、人工の昆虫マットを準備するといいでしょう。
市販の育成マットは、カブトムシの幼虫の栄養がしっかりと含まれています。
自分のタイミングで食べてくれますから、安心ですね。
ただ、土が発酵している昆虫マットにはガスが充満しているので、飼育ケースにそのまま入れると温度が急上昇します。
幼虫が弱って死ぬリスクもあるので“ガス抜き”と呼ばれる作業をしなければなりません。
カブトムシのエサやりで注意したいポイント
カブトムシにできるだけ長生きしてもらうには、きちんとエサをあげることが大事です。
でも、ただ何も考えずにエサを与えると、間違った方法で逆に不健康にしていることもあります。
カブトムシのエサについて、注意したいポイントとはどういったことでしょうか。
◆エサの管理をする
甘い果実が好きなカブトムシですが、生ものを与えるときは衛生面に気を付けましょう。
特に、気温が高い季節の場合、食べ残したエサが腐っていることも…。
新鮮なエサを与えて、カブトムシの健康管理に配慮しましょう。
また、腐ったエサをいつまでも飼育ケースに残しておくと、コバエが近づいてくるのでかなり不衛生です。
食べ残しのないようにエサの量を調整するとともに、エサが原因で汚れないように管理してあげましょう。
◆カブトムシにもエサの好みがある
カブトムシも食べ物に好みがあって「これは好きじゃない…」というケースがあるかもしれません。
昆虫ゼリーは、多くのカブトムシの好みに合うように作られた食べ物です。
しかし、さまざまな種類がありますから、なかには「あまり食べない」ということもあるでしょう。
そんなときは、他の昆虫ゼリーを与えてみましょう。
前述しましたが、昆虫ゼリーにもさまざまな種類があります。
微妙な味の違いで食べてくれるかもしれませんね。
もし、他の味で食べてくれるのであれば安心ですね。
◆エサの選び方にも注意する
野菜や果物などもエサにできますが、「腐ってしまう」「水分で汚れてしまう」などで衛生面が心配です。
昆虫ゼリーなら腐りにくいので衛生的でしょう。
ただ、昆虫ゼリーはたくさんのメーカーから売られています。
価格を重視して選んだ場合、実は「糖分が大量に含まれ栄養価がない」と、成分的に問題があるケースも考えられます。
昆虫ゼリーを購入するときは、どんな栄養分が含まれているかも確認しましょう。
また、別観点でいえば、ゼリーの「容器の形状」もチェックしておきたいポイントです。
カブトムシの体型に反して小さすぎる容器、深い形をした昆虫ゼリーも食べづらい傾向にあるでしょう。
◆エサ台におくと衛生的
昆虫ゼリーを与える際、安定性のあるエサ台や小皿に置くのがおすすめです。
カブトムシが食べている途中に容器を倒し、それが飼育環境を汚してしまうことがあります。
市販のカブトムシ用のエサ台には、昆虫ゼリーがフィットするように穴がくりぬかれています。
エサが安定して置けますし、「こぼして地面がべとべと」ということもないでしょう。
天然木のエサ台であれば、野生で生きているように木に登りながらエサを食べてくれそうですね。
◆エサを食べない原因もおさえておく
エサの好みのほか、食べてくれない原因がいくつかあります。
例えば、エサを食べるタイミング。
カブトムシは夜行性のため、日中は動きが鈍いです。
飼い主さんの目の前で食べてくれなくても、夜間に食べた形跡がみられるケースもあるでしょう。
また、寿命が近づくとエサを食べない期間が増えてきます。
カブトムシの一生は、実は結構短めです。
8か月の幼虫期間を経て、さなぎが1か月ほど、そして成虫になってからはわずか1~3か月しか寿命がありません。
最期が近づくと体力もなくなってきますから、エサを食べることも減ってくるでしょう。
なかには、幼虫なのに「エサを食べない」というときもあります。
マットの種類が合っていないケース、温湿度が適正でないケースなどが考えられます。
ただ、さなぎになる直前の時期には、体の変化も起こってエサを食べないことがあります。
まとめ
小さなお子様から大人の方まで飼いやすい小さなカブトムシ。
力強くかっこいい見た目で健康的な印象ですが、実は寿命が短い昆虫です。
気軽に飼える反面、エサの選び方や与え方を間違うと不健康にしてしまうので注意しましょう。
カブトムシに必要なのは、程よい水分と糖分、そして栄養です。
定番の昆虫ゼリーは、封をあけて飼育ケースに置いてあげるだけで、簡単に与えることができるエサです。
カブトムシが自身のタイミングでエサを食べます。
エサがなくなったら新しいものへと交換してあげればOKです。
また、昆虫ゼリーが人気で安心して与えられるエサですが、野菜や果物で代用することもできます。
ただ、水分が多すぎることでカブトムシの健康を害することは理解しておくことが大事です。
カブトムシの短い生涯をできるだけ一緒に過ごせるように、日々のエサのあげかたにも配慮して守ってあげてくださいね。
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