1.健康なうさぎの体はどんな匂い?
1-1.健康な子は体臭がほとんどないといわれている
1-2.草原のようないい匂いがすることも
2.うさぎのからだで臭うのは臭腺と呼ばれる場所
2-1.うさぎの臭腺がある場所は
2-2.どんなにおい?
2-3.臭腺の役割
3.うさぎから悪臭がしたらおしっこや糞が原因のことが多い
3-1.おしっこや糞はどんなにおい?
3-2.トイレをこまめに掃除する
3-3.うさぎの体を拭く
4.いつもと違うにおいがしたら
4-1.酸っぱいにおいがする
4-2.耳、目、口元など部分的に悪臭がする
4-3.いつもよりおしっこのにおいが強い
4-4.泌尿器系の病気のことがあるので獣医師に相談する
5.うさぎは基本的にお風呂NG
5-1.全身濡らすのはおすすめしない
5-2.ペット用ボディタオルで拭く
5-3.臭ったり汚れたりしている個所だけぬるま湯で洗う
健康なうさぎの体はどんな匂い?
うさぎを飼ったことのない方は、ちょっと信じられないかもしれませんが、実はうさぎの体はいい匂いがするんです。
もちろん、においの感じ方には個人差があるので、「いい匂い」というのはあくまで主観的な意見になります。
ただ、実際に複数のうさぎを飼って体のにおいを嗅いだ感じでは、どのうさぎもイヤなにおいはしませんでした。また、多くのうさぎ飼いさんも「いい匂いがする」「思ったより体臭がない」と言っています。
とは言え、こればかりは実際に嗅がないとわからないので、うさぎはどんなにおいか、本当に臭くないのか、イメージがわかるようにお伝えしていきたいと思います。
◆健康な子は体臭がほとんどないといわれている
うさぎは体臭が強い印象を持たれがちです。しかし、健康なうさぎは体臭がほとんどないといわれています。
もちろん生き物なので、においが全くしないわけではありませんが、実際にうさぎの背中の毛に鼻をうずめてにおいを吸いこんでも、驚くくらいに動物臭は感じられません。
このようにほかの動物より体臭が少ないのは、いくつかの理由があります。
まず、うさぎが汗をかかないことが理由に挙げられます。私たちヒトのように汗をかく動物は、かいた汗に雑菌が繁殖するために体臭が生じます。うさぎは汗腺が発達しておらず、汗をかくことがないため、汗によるにおいが出ないのです。
次に、うさぎは清潔好きでこまめに毛づくろいをしていることが、理由に挙げられます。うさぎは、よく自分の体を舐めたり、前足に唾液を付けて顔や耳を入念に洗ったりしていますよね。こうして体の汚れやにおいを消しているので、体臭がほとんどないのです。
◆草原のようないい匂いがすることも
うさぎは体臭があるどことか、むしろ「いい匂いがする」と言われることも多いです。
うさぎを飼っている方からは、頭や背中のにおいを嗅いだ感想として
「やさしい匂い」
「お日様の匂い」
「チモシーの匂いが移ったような、草原の香りがする」
「ミルクのような匂い」
「ポップコーンみたいな匂い」
といった声が聞かれます。
個人的には、天気の良い日に干したふかふかの布団や毛布のにおい、洗濯したてのセーターのような清潔感のある香りを感じます。それは、うさぎのぬくもりと相まって、とても心地が良いものです。
このように飼い主さんによって感じ方や表現は異なりますが、うさぎは、毎日お風呂で体を洗う習慣がないにもかかわらず、やさしく清潔感のあるにおいがするなんて不思議な感じがしますよね。
一般に、動物は「動物臭」「獣臭」と呼ばれる特有のにおいがあり、草食性の動物より雑食性、肉食性の動物のほうが、においは強くなるといわれます。
そもそも、体のにおいは食べた物が体内で代謝されて「におい成分」に変化することで起こっています。さまざまな種類の食べ物を食べるほどにおい成分の種類も複雑になり、体のにおいが生じやすくなるといわれます。ウサギはほぼ植物性の食べ物しか口にしないので、私たち雑食性の人間、イヌやネコなどよりも体臭が出にくいのではないかと考えられます。
やさしいにおいがするのは、チモシーや野菜、果物を食べているため、その香りが移っていい匂いを放っているのかもしれません。
うさぎのからだで臭うのは臭腺と呼ばれる場所
ただし、うさぎの体はいい匂いがするばかりでもありません。「臭腺(しゅうせん)」と呼ばれる、独特な臭いを出す器官があるため、時々「くさい」と感じることもあるのです。
◆うさぎの臭腺がある場所は
臭腺は、その動物特有の強いにおいを分泌する器官で、動物によってあったりなかったりします。
うさぎの臭腺がある場所は3か所。あごの下に「下顎腺」、肛門のすぐ近くには「肛門腺」、肛門の両脇には「鼠径腺」という臭腺があります。
肛門腺と鼠径腺はあまり目立ちませんが、あごの下の毛がベタベタして固まっていることが多いので、そこから分泌液が出ていることが分かりやすいでしょう。
◆どんなにおい?
下顎腺から出る分泌液は、ほぼにおいません。嗅覚の優れたうさぎにはわかるようですが、私たち人間にはほぼわかりません。
一方、肛門腺や鼠径腺から出る分泌液は、つんとした濃いにおいがします。興奮した時ににおいが強くなる傾向があり、お尻の辺りからコーヒーや麦茶を煮詰めたような独特なにおいがすることがあります。人によっては、タマネギやニラのような異臭と感じることもあるようです。
◆臭腺の役割
臭腺は、自分のにおいをアピールするために備わっています。自分の縄張りにマーキングをしたり、仲間や異性に自分の存在をアピールするためにフェロモンを振りまいたりする役割があります。
うさぎは日常的に、身の周りに置いてある物の角にあごをこすりつけますよね。これも臭腺のにおいを付けるマーキング行為です。自分のにおいがしないものを見つけては、下顎腺から出るにおいを付けて「これは僕のものだよ。」とアピールをしているのです。
また、うさぎは自分のにおいを振りまく目的で糞やおしっこをすることもありますが、その際は肛門腺から分泌されるフェロモンを糞やおしっこに付けるので、排泄物のにおいが強くなることもあります。
特にオスのほうが縄張り意識が強いため、オスにその兆候が強く見られます。男の子によっては、周辺にわざとおしっこを飛ばす「スプレー」をすることもあります。また、育児中のメスは自分の子どもに目印を付ける意味で子どもにあごのにおいを付けることもあります。
うさぎから悪臭がしたらおしっこや糞が原因のことが多い
うさぎは臭腺からにおいを出すことはあるものの、健康で清潔にしていれば、体臭が気になることはほとんどありません。それなのにうさぎの体から悪臭がする場合は、被毛がおしっこや糞で汚れていることが原因と考えられます。
◆おしっこや糞はどんなにおい?
うさぎのおしっこは、排尿後だとそれほど刺激臭はありませんが、カルシウムが多く含まれ尿石ができやすいため、トイレに尿石がこびり付くことでつんとしたアンモニア臭が出やすくなります。また、野菜を食べる量が多いほど、おしっこのにおいは強くなりやすいようです。
糞は硬い糞と柔らかい盲腸糞があり、硬い糞は牧草などの繊維が多く含まれているので、においはあまりしません。
一方、盲腸糞は柔らかい小さな粒が集まったような形をしていて、つんとした不快なにおいがします。しかし、うさぎは肛門に口を付けて盲腸糞を食べてしまうので、盲腸糞のせいでくさくなることはありません。
◆トイレをこまめに掃除する
トイレやケージ等の汚れ落し・コーティング・消臭ができるお掃除用スプレーです。
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基本的にトイレやケージをこまめに掃除していれば、うさぎ自身やケージ等のにおいが気になることはほとんどありません。
ただし、トイレやケージが排泄物で汚れたままだと、その汚れに雑菌が繁殖して悪臭を放つようになります。そして、その汚れがうさぎの足の裏やお尻に付着することで、うさぎの体からも悪臭がするようになってしまいます。
ちなみに、うさぎの悪臭は、つんとしたアンモニア臭、硫化ジメチル(キャベツの腐ったような臭い)、トリメチルアミン(腐った魚のにおい)などの悪臭成分が発生することで起こるといわれます。
残念ながら、こうした悪臭の原因は飼い主さんの掃除不足にあります。うさぎがにおわないようにするためにも、トイレは毎日、なるべくこまめに掃除をしましょう。
◆うさぎの体を拭く
うさぎのにおいが気になったら、汚れている部分を拭いて清潔にしてあげるとよいでしょう。
うさぎは自分で毛づくろいをして体を清潔に保ちますが、お尻の後ろ脚に付着した汚れまではケアが行き届かないことがあります。
汚れが溜まると毛が固まってにおいも強くなりますし、拭いただけでは取れなくなるので、時々においや汚れをチェックして、体をやさしく拭いてあげましょう。
いつもと違うにおいがしたら
体臭は、食べた物、体調によっても変化しますが、うさぎからいつもと違うにおいがしたら、なんらかの病気が原因になっている可能性も考えられます。
◆酸っぱいにおいがする
硬い糞自体はあまりにおいがしません。もし、うさぎの糞から酸っぱいにおいがする場合は、栄養のバランスが崩れ、うさぎが盲腸糞を食べ残している可能性があります。
牧草よりもペレットやおやつを食べ過ぎている可能性も考えられるので、なるべくうさぎが牧草をたくさん食べられるよう、食事の内容を見直しましょう。
◆耳、目、口元など部分的に悪臭がする
健康なうさぎの顔からにおいがすることはありません。それなのに耳、目、口元などから部分的に悪臭がする場合は、なんらかの炎症が起きていることも考えられます。
うさぎは顔面の膿瘍、外耳炎や中耳炎にかかりやすく、それが悪臭の原因になることもあります。いつもと違う症状が見られたら、すぐ動物病院を受診しましょう。
◆いつもよりおしっこのにおいが強い
いつもよりおしっこのにおいが強いと感じる場合は、水分の摂取量が少ないためにおしっこが濃くなっている可能性が考えられます。
水分不足は脱水につながります。飲水量が減っていないか、給水ボトルに故障がないかチェックしてみてください。
◆泌尿器系の病気のことがあるので獣医師に相談する
お尻や脚が汚れやすくなった、においが強くなったという場合は、泌尿器科系の病気が原因になっていることもあります。頻尿、トイレの失敗、トイレの尿石や血尿が見られる場合は、獣医師に相談しましょう。
うさぎは基本的にお風呂NG
うさぎのにおいや汚れが気になったら、すぐ洗ってきれいにしてあげたいですよね。ですが、本来うさぎはお風呂に入る必要のない動物です。よほどのことがない限り入浴は避け、それ以外の方法で体をきれいにしてあげましょう。
◆全身濡らすのはおすすめしない
うさぎは濡れることに弱いので、全身を濡らすことは避けましょう。うさぎの被毛は乾きにくく、濡れると体温が低下して体調を崩す可能性が出てきます。
また、うさぎには水浴びをする習慣が一切なく、体が濡れることにストレスを感じるので、湯船に入れたりシャワーを浴びさせたりすることも控えてください。
◆ペット用ボディタオルで拭く
うさぎ専用拭くだけでカンタンにペットのお手入れができるリンス効果のあるシャンプータオル。精神安定効果のあると言われているカモミールの香りのシャンプータオルです。使いやすいサイズでしっかり&たっぷり拭ける。厚手&メッシュ生地で抜け毛もキャッチ。消臭効果があるといわれている緑茶エキス配合。食品用香料仕様でなめても安心。
汚れやにおいをきれいにする場合は、おしぼりやペット用ボディタオルなどで
やさしく拭いてあげましょう。お風呂と違って体は濡れないのでうさぎの負担がかかりません。
うさぎの体はデリケートなので、人間用のウェットティッシュを使わず、うさぎに安心して使えるペット用の製品を使いましょう。
◆臭ったり汚れたりしている個所だけぬるま湯で洗う
お尻の臭腺から出た分泌液が固まっていたり、下痢や盲腸糞、おしっこがこびり付いて毛が固まっている場合は、拭くだけでは落ちません。汚れている個所だけをぬるま湯で洗って、すぐに乾かしてあげましょう。
なお、おしっこで汚れが付いたままだと、アンモニアの刺激で皮膚が「尿焼け」と呼ばれる炎症を起こし、ただれや脱毛が起こりやすくなります。においや汚れが気になったら、早めに手入れをして清潔な状態を保ってください。
まとめ
ウサギ自体は体臭が少ないこと、ただし臭腺からにおいを出すこと、体から悪臭がする場合はおしっこや糞などの汚れが原因であることをご説明しました。
ケージやトイレを清潔に保っていれば、うさぎがいてもお部屋にペット臭が充満することはありません。むしろ、頭や背中などは好ましい香りもします。
汚れや悪臭はうさぎのストレスにもなりますよね。是非、こまめに掃除をして「いい匂いのうさぎさん」をキープしてあげてください。
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