うさぎの飼育は難しい?ペットにうさぎを選ぶメリットと意外な苦労

2022.05.17

うさぎの飼育は難しい?ペットにうさぎを選ぶメリットと意外な苦労

うさぎを飼うのが意外に難しいことは、あまり知られていません。「見た目がかわいい」「おとなしい」「手がかからなさそう」というイメージだけで飼い始めると、ギャップを感じることになるかもしれません。この記事ではうさぎを飼うことは難しいのか、どんなところが難しいのか説明していきます。

【目次】
1.うさぎがペットとして選ばれる理由
 1-1.とにかくかわいい
 1-2.鳴かない
 1-3.人のライフスタイルに合う
 1-4.体臭が少ない

2.うさぎ飼育は苦労も多い
 2-1.意外に抜け毛が多い
 2-2.どこでもうんちをしてしまう
 2-3.自己主張が強い
 2-4.抱っこがむずかしい
 2-5.ブラッシング・爪切りなどのお世話の手間がある
 2-6.なんでもかじってしまう
 2-7.体調不良を隠しがち

3.意外と盲点?うさぎ飼育の難しさ
 3-1.うさぎ専門の動物病院が少ない
 3-2.牧草・うさぎのアレルギーを発症する可能性も
 3-3.電気代が高くなる
 3-4.旅行がしにくい

4.でもうさぎとの生活はとても楽しい!
 4-1.癒される
 4-2.デメリットも踏まえて飼育を検討しよう

5.まとめ


うさぎがペットとして選ばれる理由

うさぎ

ウサギは犬や猫に続く「第三のペット」として人気が高まっています。実際に飼ってみてメロメロになってしまう飼い主さんも多いんですよ。まずは、ウサギがペットとして選ばれる納得の理由を紹介したいと思います。

◆とにかくかわいい

うさぎの魅力は「とにかくかわいい!」の一言に尽きます。

うさぎといえば長い耳が特徴的ですが、つぶらな瞳と小さなお口、ぴょんぴょん跳ねる姿やお手入れする姿…など、愛らしい要素をたくさん備えています。丸いお尻にちょこんとしっぽが付いたお尻は「うさけつ」と呼ばれ、マニアを魅了しています。また、毛並みはもふもふしていて、撫で心地も抜群です。

そして、うさぎはいつも表情が同じなため「何を考えているのか分かりにくい」と思われがちですが、飼ってみると、好奇心旺盛で実は感情が豊かだということがよく分かります。

なつくと、遊んでほしい時に鼻でツンツンして自己アピールしたり、ケージから出した時に飼い主さんの足元をぐるぐる回ったり、あとをついて行ったりと、いじらしい仕草を見せてくれるようにもなります。

◆鳴かない

うさぎは声帯がないので鳴き声を出しません。「吠えないので近所迷惑にならない」という理由でペットにうさぎを選ぶ人も多いでしょう。

鳴かない代わりに「ブウブウ」と鼻を鳴らして意思表示をしますが、鳴く動物と比べると本当に静かです。

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◆人のライフスタイルに合う

うさぎは「薄明薄暮性」で早朝と夕方に活発に動きます。夜行性と思われがちですが、夜間と日中はほとんど寝ています。

生活リズムが人のライフスタイルと合っているので、生活を共にしやすい動物といえるでしょう。飼い主さんが日中に不在でも寂しがらずにひとりで留守番もします。

また、うさぎはもともと群れで暮らす習性を持つため、社会性やコミュニケーション能力が発達しています。うさぎは飼い主さんやご家族のことも覚え、そのお家のルールも覚えるので、互いに居心地の良さを感じながら共存することができます。

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◆体臭が少ない

うさぎは清潔好きで、こまめに毛づくろいをしているため、体臭はほとんどありません。ケージやトイレの掃除さえきちんとしていれば、お部屋のにおいに悩むことはなくなります。


うさぎ飼育は苦労も多い

うさぎは魅力的なペットですが、飼ってみて初めて分かる難しさもあります。どんな苦労を感じることが多いのでしょうか。

◆意外に抜け毛が多い

うさぎは1年に最低2回の換毛期が訪れ、温かい冬毛と涼しい夏毛の入れ替わりが起こります。そのたびにごっそりと被毛が抜けるので、換毛期はこまめな掃除が必要になります。特に長毛種は毛量が多い分、抜け毛の掃除が大変です。

◆どこでもうんちをしてしまう

うさぎは、基本的にはトイレで排泄をします。ただ、糞はトイレ以外でもしてしまうので、ケージ内やお部屋に糞が落ちていることもしばしば。これを毎日拾い集めなければなりません。

また、コロコロした丸い糞を1日に百個以上も出すので、トイレ以外に糞をたくさんする場合は掃除が大変になります。

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◆自己主張が強い

うさぎは臆病でおとなしい動物ですが意外に自己主張が強いため、飼育が難しいと感じることも少なくありません。

性格には個体差があるので、全てのうさぎさんに当てはまるわけではありませんが「嫌なものは嫌だ」とはっきり主張する子が多いでしょう。たとえば気に入らないことがあると怒ってスタンピング(足ダン)したり、不満のある時は「ブウブウ」と鼻を鳴らしたりします。

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また、子うさぎの頃は素直でおとなしくても、思春期になると反抗的になる子もいます。オスは縄張りを主張してスプレー(おしっこを飛ばす)をしたり、メスは発情期になると気が荒くなって飼い主さんに攻撃的な態度を取ったりすることもあります。

うさぎには犬が飼い主に抱くような忠誠心がなく、場合によっては「人間よりも自分が上だ」とマウントを取ってくることもあります。気付くとうさぎが上位になり、飼い主さんがうさぎのご機嫌を取りながらお世話をすることも。「かわいいから」と甘やかさないことも必要になってくるのです。

◆抱っこがむずかしい

うさぎを飼ったらいっぱい抱っこをして触れ合いたいですよね。しかし、うさぎはといえば、基本的には抱っこを好みません。抱っこの体勢に不安を感じるためです。

無理やり抱っこすると、暴れて後ろ足で力いっぱい蹴る、暴れすぎて怪我をする、といったことがあるので注意が必要です。ただし、爪切りや受診などでは抱っこや保定が必要になることから、抱っこの訓練も必要になります。

◆ブラッシング・爪切りなどのお世話の手間がある

うさぎには、ブラッシングや爪切りなどのグルーミング(お手入れ)を定期的に行う必要があります。

グルーミングを怠ると被毛や爪の健康が保てなくなるのですが、ブラッシングや爪切りが苦手な子が多いので、飼い主さんは負担に感じるかもしれません。

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◆なんでもかじってしまう

うさぎは、伸び続ける歯をすり減らすため物をかじる習性があります。通常は、牧草やうさぎ専用のかじり木をかじることで歯がすり減らせます。

ただし、なんでもかじってしまうので、ケージを噛んだり、お部屋に放した時に家具や電気コードなどもかじったりするのが困りもの。トラブルを防ぐため、かじり防止の対策が必要になります。

◆体調不良を隠しがち

うさぎは、本能的に体調不良を隠す習性があります。そのために病気やケガの発見が遅れてしまいがちです。

不調を隠すのは、捕食される立場にあり、弱っていることが外敵に見つかると襲われやすくなるためです。

毎日観察していれば、ちょっとした異変に気付けるようになるので、食欲、糞の状態、耳の冷たさ、お腹の張り、目の輝きなどをチェックする習慣をつけるとよいでしょう。

もし、糞が出ていない、歯ぎしりをする、うずくまるといった症状があれば、状況が深刻で命にかかわる場合もあるので、至急受診することが薦められます。


意外と盲点?うさぎ飼育の難しさ

うさぎの飼育にありがちな苦労をいくつか紹介しましたが、これ以外に意外な盲点があります。

◆うさぎ専門の動物病院が少ない

胃腸うっ滞、骨折、ソアホックなど、うさぎがかかりやすい疾患がいくつかあります。そのため体調不良の際は、うさぎ専門の動物病院を受診することをおすすめします。

ただ、全国に動物病院はたくさんありますが、犬猫以外のペットに詳しい病院は少ないのが現状です。

うさぎの平均寿命は6~8年ですが、10年以上生きるうさぎさんも増えています。それだけ病気や介護のリスクも高まっているので、信頼してお付き合いできるうさぎ専門の獣医さんを見つけることが理想となります。

◆牧草・うさぎのアレルギーを発症する可能性も

うさぎのいるお宅では、飼い主さんやご家族がアレルギーを発症するケースがまれに見られます。

毎日うさぎに接することで、うさぎのフケ、唾液などがアレルゲンとなり、うさぎアレルギーを発症することがあります。また、うさぎが食べる牧草はイネ科のチモシー、オーツヘイ、イタリアンライグラスが中心ですが、牧草がアレルゲンとなり、イネ科アレルギーになることもあります。

もしも、うさぎを飼い始めてから皮膚のかゆみ、鼻水やくしゃみ、咳などが始まったら、アレルギーを疑ってアレルゲン検査を受けたほうがよいでしょう。

アレルギーを予防するには、アレルゲンとの接触をなるべく避け、うさぎのお世話をした後の手洗い、掃除、換気をこまめに行うことが必要となります。

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◆電気代が高くなる

うさぎは暑さや温度変化に弱いため、基本的にはエアコンやヒーターで飼育環境の温度を一定に保つことが必要となります。

室温が28℃を超えると、うさぎが夏バテや熱中症を起こすリスクが高まります。そのため、飼い主さんが家を空けるときでもエアコンの稼働は必須です。

もちろん節電も大切ですが、ペットの命には代えられません。ペットを飼育するならば、あらかじめ電気代の負担は覚悟されたほうがよいかと思います。

◆旅行がしにくい

うさぎを飼育したら、基本的に外泊は難しくなります。うさぎは1日くらいの留守番はできますが、エサやりや掃除、部屋の温度管理が必要になるため、何日も家を空けることはできません。

旅行中はペットホテルや知り合いに預けることも可能ですが、うさぎのことが心配になってしまうと思います。


でもうさぎとの生活はとても楽しい!

うさぎを飼うことのネガティブな面をご紹介しました。それでもうさぎには犬や猫にはない魅力があり、多くの飼い主さんが「うちの子」との生活を満喫していることも知っていただきたいです。

◆癒される

うさぎはルックスや仕草がキュートで、見ているだけでもとても癒されます。

また、うさぎを撫でることにも癒し効果が得られます。もふもふした毛並みの動物を撫でることに癒し効果があるといわれており、うさぎも撫でられるのが好きなので、いっぱい撫でさせてくれます。つまり、撫でるとうさぎも飼い主さんも幸せな気持ちになれるのです。

◆デメリットも踏まえて飼育を検討しよう

うさぎを飼育すると、時間的な拘束、金銭的な負担、そして生き物の命を預かる責任が生じます。そう聞くと「大変だな…」とため息が出るかもしれません。

ですが、うさぎはそれを超える喜びや幸せをもたらしてくれます。今回ご紹介したデメリットを十分に踏まえて飼育を検討してみてください。


まとめ

うさぎを「かわいいから」「飼いやすそうだから」という理由だけで飼うと、飼育にギャップを感じることになるかもしれません。うさぎのことを正しく理解すれば、楽しいうさぎライフが満喫できます。命を預かることの重み、飼育の難しさも知ったうえで、うさぎさんをお迎えしてください。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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