1.ハリネズミはなつく動物?
1-1.臆病で警戒心が強い
1-2.時間をかけて慣れさせる必要がある
1-3.どのくらいの期間で慣れる?
2.ハリネズミをなつかせる方法は?
2-1.ハリネズミにとって良い飼い主さんになることが基本
2-2.ハリネズミが嫌がることをしない
2-3.ハリネズミが暮らしやすい環境を整えてあげる
2-4.べたべたしすぎない
ハリネズミはなつく動物?
結論から言うと、ハリネズミは人になついてくれるペットです。
ハリネズミというと、何か刺激を与えるとすぐに背中のトゲを逆立てて丸まってしまうイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし実際のところ、正しい方法で飼育すれば、飼い主さんの手に乗ってお昼寝をするくらいなつくことも珍しくありません。
◆臆病で警戒心が強い
まずは、ハリネズミの性格をよく理解しましょう。ハリネズミはもともと群れを作らずに単独で行動する動物なので、周囲に対して強い警戒心を持っています。
「ハリネズミをお家に迎える=飼い主さんとの共同生活」ということになりますので、ハリネズミが生活に慣れるまでには時間がかかることを覚えておきましょう。
信頼関係を築くコツとしては、できるだけハリネズミがストレスを感じずに過ごせる環境を用意してあげることです。
また、もしハリネズミを複数匹お迎えするのであれば、必ずケージを分けて、同じテリトリーに2匹以上にならないようにすることが鉄則です。
◆時間をかけて慣れさせる必要がある
繰り返しになりますが、ハリネズミを飼うときは、無理に短期間でなついてもらおうとしないことが大切です。もともと警戒心の強いハリネズミですが、実は記憶力がとても優れています。ハリネズミを飼い始めると、その可愛さからついスキンシップが取りたくてハリネズミを無理やり手に乗せたり、持ち上げたりしようとしてしまいがちですよね。
しかし、ハリネズミはその際に「怖い」と感じてしまうと、その体験がトラウマになり、そのまま飼い主さんになついてくれないというケースもあるようです。
ですので、はじめは触れ合いたい気持ちをぐっとこらえて、ハリネズミのペースに合わせてあげるようにしましょう。
こう聞くと「ハリネズミに心を開いてもらうのは大変だ」と思う方もいるかもしれませんが、記憶力が良いということは、良い思い出もずっと忘れずに覚えてくれているということです。
生後3ヶ月ごろから、音や振動のない静かな場所で、毎日少しずつスキンシップを重ねれば、ハリネズミは少しずつ飼い主さんを信頼してくれるようになります。
夜行性の動物なので、飼い始めの頃は特にハリネズミが元気な夜の時間に、1日5分ほどでもよいのでスキンシップを取るようにしましょう。
ハリネズミがだんだんと飼い主さんの匂いに慣れてきたなと感じたら、ハリネズミに見えるところから優しく手を差し伸べて、手のひらに乗るように促してみてくださいね。
◆どのくらいの期間で慣れる?
ハリネズミの新しい環境への適応能力はそこまで高いわけではないため、飼い主さんのお部屋や匂いに慣れるまではある程度の時間がかかります。ハリネズミの種類や個体によってばらつきがあるものの、一般的には6ヶ月〜12ヶ月ほどかかるといわれています。
他のペットに比べるとなついてもらえるまでに時間を要するハリネズミですが、一度なついてしまえばハリネズミの方から手のひらや膝の上に乗ってきて、可愛らしい姿を見せてくれるようになります。なつくまでに時間や手間がかかる分だけ、より一層ハリネズミに愛着が湧くはずです。
ハリネズミをなつかせる方法は?
ハリネズミをなつかせるには時間がかかることがわかりましたね。しかし、なついてもらうためには具体的にどんなことをしたらいいのでしょうか。
ここでは、ハリネズミをなつかせるための基本的な方法を4つご紹介します。
◆ハリネズミにとって良い飼い主さんになることが基本
ハリネズミに懐いてもらうには、飼い主さんとハリネズミの間の信頼関係を築くことがとても重要です。信頼関係構築の第一歩として、飼っているハリネズミの好きなエサやおやつを与えることから始めましょう。
エサを通じてコミュニケーションを取ることで、ハリネズミは飼い主さんを「好きな食べ物をくれる優しい人」「自分が幸せに暮らすうえで必要不可欠な人」と認識してくれるようになります。
エサで徐々になついてきたら、ハリネズミの名前をたくさん呼んであげることも大切です。ハリネズミはとても耳が良いので、何度も名前を呼んであげることで自分の名前や飼い主さんとの関係を認知してくれます。
ただし、大きな声で名前を呼んでしまうとハリネズミはビックリしてしまうので、声量には注意が必要です。
◆ハリネズミが嫌がることをしない
ハリネズミがなついてくれるまでは、ハリネズミが嫌がることを極力しないように心がけましょう。上述の通り、ハリネズミはとても耳が良いので、ビニールの擦れる音や床を踏みつける音、咳やくしゃみなど私たち人間にとって自然な生活音でもストレスに感じてしまいます。
ハリネズミは聴覚だけでなく嗅覚も優れているので、ゴミや匂いの強い香水などのニオイにも敏感です。なつくまではもちろん、なついてくれた後もハリネズミの前でこのような音やニオイには注意しましょう。
◆ハリネズミが暮らしやすい環境を整えてあげる
ハリネズミを飼育するケージは、音や振動、ニオイの少ない場所に設置します。室温は24~30℃、湿度は40~60%が好ましいので、直射日光を避けて風通しの良い場所を選びましょう。気温や湿度を調整するために扇風機やエアコンを使っても良いですが、ハリネズミがびっくりしないように音や振動には注意が必要です。
また、ハリネズミ用のケージは運動用の回し車をおいても窮屈にならないように、床面積が60cm×60cm以上のものがおすすめです。ケージ内には回し車の他にも、エサ置きや水皿、さらに暗がりを好むハリネズミのために小さな小屋や枝葉を用意してあげるとよいでしょう。
◆べたべたしすぎない
せっかくペットとしてお迎えしたハリネズミなのだから、たくさんスキンシップをとって可愛がってあげたいと考える飼い主さんも多いでしょう。
ただし、何度もいうように、ハリネズミは警戒心が強く、周囲からのストレスに弱い小動物です。
飼い主さんがあまりにもベタベタ触りすぎると、ハリネズミにとってはストレスの原因となり、場合によっては体調不良や病気につながる恐れもあります。
ハリネズミがケージ内の暮らしや飼い主さんの匂いに慣れるまでは、スキンシップはケージ越しに、1日数分間に留めておくことが重要です。
ハリネズミがなついたときに見せる行動
ハリネズミのペースに合わせてじっくり信頼関係を築いたら、ハリネズミはどんな姿を見せてくれるようになるのでしょうか。
ここではハリネズミがなついたときに見せる代表的な行動を3つご紹介します。ぜひ、ハリネズミ飼育のモチベーションにしてくださいね。
◆手を追いかける
ハリネズミが飼い主さんになついていることをよく表す行動として、まず飼い主さんの手を追いかけることが挙げられます。
これは、飼い主さんの手が安全なものだと認識している証拠です。
手からエサやおやつを与えたり、手に乗ってきてもむやみに触らないようにしたりしていると、飼い主さんの手は安全で信頼できるものだと覚えてくれます。
ハリネズミがトコトコと一生懸命に手を追いかける姿は、とても愛くるしいですよ。
◆手の中で眠る
手を追いかけるのと同じように、ハリネズミが飼い主さんの手を信頼するようになると見せてくれる姿が、手の中で眠る様子です。警戒心が強く臆病なハリネズミが手の中で安心しきってスヤスヤと眠る様子は、飼い主さんに幸せを与えてくれるでしょう。
夜行性のハリネズミはお昼寝が大好きなので、なついてきたら手のひらの上でお昼寝させたり身体の負担にならない程度に触れ合いましょう。
◆お腹を見せてくれる
飼い主さんに向かってお腹を見せる、ひっくり返ってのけぞるようなポーズも、ハリネズミがなついているときに取る行動です。
どんな動物も共通してお腹は大切な場所であり、むやみに見せるものではありません。
そんな身体的な弱点であるお腹を無防備に見せることは、相手を信頼している証拠といえます。犬や猫など他のペットと同様に、ハリネズミもお腹を見せてくれたらなついてきたと考えてよいでしょう。
飼っているハリネズミに嫌われていると感じたら
ハリネズミを飼い始めて数ヶ月が経つのになかなかなついてくれない場合、「もしかして自分はハリネズミから嫌われているのではないか」と感じるかもしれません。
もしも飼っているハリネズミに嫌われているかもしれないと感じたら、無意識のうちにハリネズミが嫌がる行動を取ってしまっていないか振り返りましょう。
例えば、飼い主さんが知らず知らずのうちにハリネズミにとってストレスになる音や振動を出している可能性はありませんか?
人間にとっては気にならない程度のドアの開閉音や、階段を登り降りする音や振動、テレビやスマホの音などが、ハリネズミのストレスとなってしまい、なつかない原因となっていることもあります。
さらに、ハリネズミが背中を丸めたり針を出しているにも関わらず、むやみに話しかけたり、強引に根に乗せようとしたりしていないでしょうか。
すでにご紹介した通り、ハリネズミはとても臆病で警戒心の強い性格を持っており、記憶力に長けていることから一度体験した嫌な思い出はなかなか忘れてくれません。
そのため、無理やり話しかけたり触ったりを繰り返すと、ハリネズミは飼い主さんのことを敵と認識して心を開いてくれなくなってしまうのです。
ハリネズミがなついてくれるまでは慎重なスキンシップを心がけ、なついてからもできるだけハリネズミのストレスになるような行動は取らないようにしましょう。
また、なつくまでにはハリネズミによって個体差があります。周りと比べずに、自分のハリネズミとじっくり向き合って、ゆっくり焦らず信頼関係を築いていってくださいね。
まとめ
いかがでしたか。この記事では、ハリネズミをなつかせるための方法や、ハリネズミがなついたときに見せる行動についてご紹介しました。
ハリネズミは臆病で警戒心の強い動物ですが、ゆっくりと信頼関係を築き上げればペットとして十分になついてくれます。
無理になつかせようとせず、ハリネズミの習性をよく理解して接することが大切です。
時間をかけてなついてくれたハリネズミは、飼い主さんにとってより一層愛おしいペットになってくれるでしょう。
この記事を参考にして、ぜひハリネズミと仲良くなってくださいね!
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