【掲載:2022.10.08 更新:2024.09.25】
うさぎの里親って?
最近、耳にすることの多くなった「保護犬」や「保護猫」と同様に、飼い主や繁殖業者によって捨てられ、保護されるうさぎ、いわゆる「保護うさぎ」も急増しています。
例えば、飼い主がうさぎの毛や牧草などからくるアレルギーを発症してしまったり、海外への転勤など急な転居が決まったり、思ったのと違った・こんなはずじゃなかったと感じたりなど、飼育の継続が困難になる理由はさまざま。結果として、うさぎを手放したり、捨てたりといったことが起こります。
全国には、さまざまな事情で飼育困難となって保護されたうさぎたちに、新しい飼い主(里親)さんを見つける取り組みをしているボランティアや保護団体があります。
これらの団体は、「譲渡会」や「里親募集」などを通じて、さまざまな経緯で保護したうさぎたちと里親さんとの出会いの場を提供しています。
うさぎの里親になるメリット・デメリット
里親としてうさぎをお迎えする場合、元々の飼い主さんや保護団体の方々に性格や健康状態などを聞き、理解したうえでどの子を迎え入れるかが決められる、というメリットがあります。
また、うさぎのしつけや病気に関することなど、うさぎの飼育についての指導を受けたり、相談したりすることもできます。
その反面、信用のできる保護団体ではなかった場合、あらかじめきちんとした説明がないままに持病があるうさぎ、人を信頼しておらず攻撃性のあるうさぎ、高齢のうさぎなど、飼育初心者には難しいうさぎを譲渡されることによるトラブルもあります。
そのため、相手が信頼できる個人かどうか、信頼できる団体かどうか、しっかり調べてから譲り受けることが重要です。
うさぎの里親になるには
うさぎをお迎えするには、ペットショップやうさぎ専門店から購入するほかに、保護うさぎの里親になるという方法もあります。
では、保護犬や保護猫のように、里親を探しているうさぎたちと出会うには、どうしたらよいのでしょうか?
ここでは、うさぎの里親になる方法について、ご紹介します。
◆うさぎの里親になる方法
うさぎの里親になるには、まず、保護うさぎと出会える譲渡会や里親募集などを見つける所から始めます。
「うさぎ 里親 募集」や「うさぎ 保護 団体」などをキーワードにインターネットで検索してみると、うさぎを保護している団体を見つけることができます。
そして、実際に譲渡会に参加し、うさぎたちと触れ合ってみましょう。
なお、うさぎを保護している団体、譲渡会や里親募集を行っている団体には、次のようなものがあります。
●保護団体(民間)
さまざまな状況から飼育困難になったうさぎたちを保護している団体です。
保護団体が主催する譲渡会などが、うさぎの里親になる最も一般的な方法です。
各団体のホームページなどで譲渡会や里親募集の情報、里親の条件等を確認してみましょう。
●動物愛護センター(自治体)
保護された動物たちが収容される自治体の動物愛護センターでも、うさぎの里親募集が行われる場合があります。
ただし、保護されたうさぎがいるかどうか、事前に確認が必要です。
●その他
うさぎ専門店やうさぎの診療を行う動物病院などでも、里親募集が行われている場合あります。
ホームページなどに掲載されているので、確認してみましょう。
◆里親の条件
里親募集をしている保護団体では、多くの場合、譲渡条件を設けています。
なお、譲渡条件は、各団体により異なるため、確認しておきましょう。
一般的な条件には、次のような項目が挙げられます。
◎多頭飼育、犬や猫との同居がないこと
◎譲渡の際に避妊手術等の費用負担ができること
その他、「家族の同意があること」や「未就学のお子様がいないこと」、「安定した収入があること」などの条件が設定されている団体もあります。
これらは、あくまでも新たな環境で生活するうさぎが快適に過ごせるようにするために設定されたものです。
里親になるということは、飼育を放棄されたうさぎを受け入れるということです。
生涯責任を持って飼育することはもちろんのこと、深い愛情をもって受け入れてくれる飼い主さんであることが求められます。
◆里親の費用
里親としてうさぎを迎え入れる際には、費用が発生する場合があります。
発生する費用の内訳としては、避妊・去勢手術費用、検査・手術・予防等の医療費、その他(管理・運搬等)費用などがあります。
なお、費用としては、20,000円前後の場合が多いようです。
うさぎを迎え入れた後も、当然、飼育費用が掛かります。
エサ・飼育消耗品・光熱費(エアコン等)・病気やけがの治療費など、うさぎの飼育において1年間にかかる費用の平均は、88,410円(アニコムの年間支出調査(うさぎ)より)といわれています。
うさぎの里親になるには、それなりの費用が掛かることも十分認識しておきましょう。
📌【おすすめ記事】ウサギを飼う前に確認すべきことは?お迎えする時にかかる費用を紹介
里親になるまでの流れ
ペットショップからのお迎えに比べ、希望のうさぎと出会えても、すぐにうさぎの里親になれるわけではありません。
譲渡条件をクリアしているかどうかに加え、飼い主さんとうさぎとの相性や環境のマッチングを確認するためのトライアル期間を設定している保護団体がほとんどです。
ここでは、保護団体からうさぎをお迎えし、里親になる場合の一般的な流れを紹介します。
まずは、うさぎを飼うことについて、必要な情報を収集しておきましょう。
うさぎの生態やうさぎを飼う際に準備しなくてはいけないものなどを理解し、実際にお迎え可能な環境かどうかを確認しましょう。
インターネット等で、近隣の保護団体等を調べてみましょう。
自宅から遠くにある団体の場合、譲渡会の参加やお迎えそのものも大変になるため、ご自宅から近くの団体が基本です。
うさぎの譲渡会や里親募集などが実施されていれば、譲渡会への参加や里親希望の申し込みをします。
譲渡会への参加や里親希望の申し込みの参加が可能な場合、団体を通じて里親を待つうさぎと実際に対面します。
希望のうさぎがいた場合には、団体との面談のうえ、何度か保護施設でうさぎとのお見合いを重ねます。
さらに、次のステップに進むと、飼い主さんの飼育環境などを確認し、一定期間(数週間〜数ヶ月)のトライアル飼育を行います。
トライアル飼育では、実際に飼い主さんの家にうさぎさんを迎え入れ、うさぎが飼い主さんや環境に馴染むことができるかどうかを判断します。
このようなトライアル飼育は、ペットショップでのお迎えにはない仕組みです。
実際にうさぎを飼育してみることで、飼い主さんとうさぎとの相性を確かめたり、本当に飼育が可能かどうかを判断したりできる機会となります。
指定期間のトライアルが終了し、合格すると、譲渡決定。晴れて、うさぎの里親となることができます。
なお、譲渡の際、必要に応じて、避妊・去勢手術費用等の支払いが必要となる場合があるため、事前の説明内容をしっかりと確認しておきましょう。
このように、うさぎの里親になるには、いくつかの段階を経て譲渡に至るため、実際にお迎えするまでには時間がかかります。
さらに、お迎え後のうさぎの様子を定期的に報告することを義務付けている団体もあります。
保護されたうさぎたちのなかには、なかなか懐かない子や持病のある子もいます。
そのような子を迎える可能性があるからこそ、飼い主さんにとっても、トライアル飼育はとても大事な時間であり、このように一見厳しい条件であったとしても、信頼できる保護団体からお迎えすることにより、飼い主さんも二人三脚で飼育する体制が整っている安心感を得ることができるのです。
まとめ
今回は、うさぎをお迎えする方法のひとつである「うさぎの里親」について、その方法や条件、里親になるまでの流れなどについて、ご紹介してきました。
うさぎの里親になるということは、単にうさぎを飼うということだけでなく、何らかの事情により今までの家族と離れなければいけなくなってしまった子を新しい家族として受け入れるということです。なかなか一筋縄ではいかないこともあるでしょう。
若いうさぎばかりではありません。健康なうさぎばかりではありません。人懐っこいうさぎばかりではありません。
それでも、さまざまな事情から飼育が困難となり、保護され、飼い主さんを探しているうさぎたちがいます。
そのために、保護団体は、条件を設定したり、トライアルなどを行なったりすることで、飼い主さんとうさぎ、それぞれが幸せになれるマッチングを提供しています。
もしも、うさぎを飼いたいと思ったら、是非、うさぎの里親になることも検討してみてください。
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