1.文鳥の発情期はいつ?
1-1.9月~翌5月頃にかけて発情する
2.文鳥が繁殖するために必要な条件
2-1.番(つがい)となる相手
2-2.十分な食事
2-3.安心、安全な住処
3.発情期を迎えたサイン
3-1.攻撃的になる、怒りっぽくなる
3-2.新聞紙などをちぎり巣箱に持ち込もうとする
3-3.吐き戻しをする
3-4.暗い場所を好むようになる
3-5.オスの場合求愛ソングや求愛ダンスをはじめる
4.産卵を望まない場合は発情を抑えたほうがいい
4-1.体に負担がかかる
4-2.卵詰まりになってしまう
4-3.肝疾患などの病気を引き起こすことも
5.文鳥の発情を抑える方法
5-1.ヘルシーな食事にする
5-2.巣を作らせない
5-3.日照時間に注意する
5-4.発情相手を近づかせない
文鳥の発情期はいつ?
そもそも、文鳥の発情期はいつ頃やってくるのでしょうか。
また、文鳥はどのような条件下で発情期を迎えるのでしょうか。
ここでは、文鳥が発情期を迎える時期と条件についてご紹介します。
◆9月~翌5月頃にかけて発情する
文鳥が発情期を迎える時期には、ある程度共通した季節性が見られます。
日本においては、文鳥は秋から春にかけての換羽期に発情するケースが多いと言われています。
ただし、これはあくまでも目安であり、個体によっては体調がすぐれなかったり、気分が乗らなかったりといった理由で発情しないことも珍しくありません。
無理に文鳥を繁殖させようとすると、体調が悪化する、あるいは飼い主さんとの関係性が悪化するといったリスクがあります。
飼っている文鳥を繁殖させたい場合は、決して無理をせずに自然な発情期を待ちましょう。
文鳥が繁殖するために必要な条件
文鳥は、発情期を迎えれば必ず産卵できるわけではありません。
文鳥が卵を産むためには、以下に述べる3つの条件が揃っている必要があります。
◆番(つがい)となる相手
当然ながら、文鳥は1匹だけでは繁殖できません。
繁殖には、ペアとなる両思いの文鳥の存在が必要です。
発情期を迎えたオスとメスの文鳥が互いに好意を持っている場合、オスがメスに対して「ピヨピヨ」と求愛ソングを歌ったり、それに対してメスが尻尾を振りながら鳴き返したりといった様子が見られます。
◆十分な食事
メスの文鳥にとって、産卵は最も過酷な重労働です。
そのため、発情期の文鳥が無事に卵を産むには、相応の栄養補給が必要になります。
文鳥に産卵させたい場合は、粟玉を多めに与えるなど、通常よりもタンパク質や脂質が多く含まれた高カロリーな食事を用意してあげることをおすすめします。
◆安心、安全な住処
文鳥にとって安心できる住処があることも、産卵に欠かせない条件です。
住み慣れたケージや、ケージの外の見慣れた風景などは、文鳥に「この場所なら安全に卵を産める」という印象を抱かせて発情を促進するでしょう。
発情期を迎えたサイン
実際に発情期が始まった文鳥はどのような行動をとるのでしょうか。
ここでは、発情中の文鳥によく見られる特徴的な行動を5つご紹介します。
発情期の文鳥の特徴について知っておくと、実際に飼っている文鳥が発情した時に気づきやすくなりますよ。
◆攻撃的になる、怒りっぽくなる
発情期を迎えた文鳥は、オスもメスもイライラしやすくなり、パートナーとなる文鳥や飼い主さんに対して攻撃的な態度を取ることがあります。
とくに2匹の文鳥を同じケージで飼育していると、1匹の文鳥が発情期に差しかかった際、パートナーの文鳥のことをよく思っていない場合は攻撃を繰り返す可能性があります。
発情期を迎えた文鳥のみが相手を嫌っており、他方の文鳥は相手に好意を持っている場合もあるでしょう。
飼い主さんには心苦しいかもしれませんが、一方が攻撃的である以上、その時期だけでもケージを分けて飼育することをおすすめします。
◆新聞紙などをちぎり巣箱に持ち込もうとする
ケージに敷いている新聞紙などの紙を頻繁にちぎる文鳥は、発情期を迎えている可能性が高いです。
発情期の文鳥は、いつ卵が生まれても良いように巣を作ろうとします。
その際、巣のベッドをふかふかにするために、新聞紙などの紙を食いちぎって巣箱に持ち帰ることがあるのです。
◆吐き戻しをする
文鳥のオスは、メスへの求愛行動の一環としてエサを吐き戻すことがあります。
吐き戻しとは、一度食べた母斑やおやつを撒き散らすことなく同じ場所に吐き出す行為です。
同じような行為に嘔吐がありますが、嘔吐の場合は顔を左右に振りながら食べたものを周囲に撒き散らす点が異なります。
嘔吐は文鳥の発情期とは何の関係もなく、体調不良や病気が原因と考えられるため、できるだけ早く獣医師に相談することをおすすめします。
◆暗い場所を好むようになる
文鳥は発情期に入ると、暗い場所や狭い場所を好むようになります。
インコやオウムは日照時間が長くなるほど発情しやすくなると言われていますが、文鳥は逆に日照時間が短くなると発情しやすくなる傾向があります。
ケージの中でも日陰の場所ばかりを好むようになったり、1日12時間以上の睡眠を取ったりするようになった場合は、発情期に入っている可能性が高いと言えます。
◆オスの場合求愛ソングや求愛ダンスをはじめる
発情期を迎えた文鳥のオスは、好みのメスに対して「ピヨピヨ」と歌うように鳴いてみたり、踊るようにステップを踏んだりします。
これは文鳥にとっての求愛行為で、求愛ソングや求愛ダンスを受けたメスは鳴いたり尻尾を振ったりなどしてオスのプロポーズを受け入れます。
飼っている文鳥にこれらの様子が見られたら、発情中だと断定できるでしょう。
産卵を望まない場合は発情を抑えたほうがいい
飼っている文鳥に卵を産ませたい場合は発情させる必要がありますが、そうでない場合は文鳥の発情はできる限り抑制するのがよいでしょう。
ここでは、文鳥の発情を抑えた方が良い主な理由を3つご紹介します。
◆体に負担がかかる
文鳥は、平均して生後6ヶ月ごろには性成熟し、産卵の準備ができます。
ただし、どんな個体でも安全に卵を産めるわけではありません。
生後8ヶ月を迎えても産卵の準備ができていない個体もいれば、身体が小柄で産卵に向いていない個体もいます。
また、病気を持っている個体や肥満の個体、高齢の個体なども、健康面に懸念がある場合は産卵により命を落とすリスクもあります。
上述したような個体は、できるだけ発情を抑え、産卵させないようにするのがおすすめです。
◆卵詰まりになってしまう
メスの文鳥の死因として最も多いのが、卵詰まりと言われています。
卵詰まりとは、産卵中に体力が足りなくなり、卵を産み落とせないまま息絶えてしまうことを意味します。
メスの文鳥は、たとえオスの文鳥がいなくても、大好きなおもちゃや飼い主さん、あるいは鏡に映った自分に対して発情することがあります。
発情したメスの文鳥は、交尾をせずとも無精卵を産むことがあり、その場合は身体に大きな負担がかかるため命を落とす恐れがあります。
だからこそ、繁殖を希望しない場合はできるだけ文鳥を発情させない方が良いのです。
◆肝疾患などの病気を引き起こすことも
文鳥が過剰に発情すると、肝疾患などの病気を引き起こす可能性があります。
他にも、卵管が排泄口から飛び出てしまう卵管脱、卵黄や卵白といった卵材が卵管に蓄積されて腹部が膨らむ卵管蓄卵材症、卵巣に嚢胞ができる嚢胞性卵巣疾患といった病気のリスクも考えられます。
これらの病気を未然に防ぐためにも、望まない文鳥の発情は可能な限り抑制するのが大切です。
文鳥の発情を抑える方法
実際に文鳥の発情を抑制するためには何をすればよいのでしょうか。
ここでは、誰でも簡単にできる文鳥の発情期の抑え方を4つご紹介します。
◆ヘルシーな食事にする
まず初めに、文鳥の発情を抑制するには食事を与えすぎないことが大切です。
前述の通り、文鳥にとって産卵は多くのカロリーを消費する重労働なので、文鳥を繁殖させたい場合は多くのカロリーが取れる食事が大切です。
裏を返せば、文鳥にエサを与えすぎると、「産卵に十分な栄養が取れた」と文鳥が錯覚して発情を始めます。
文鳥を発情させたくない場合は、食事の量や頻度を見直して、ヘルシーな食生活をサポートしてあげましょう。
◆巣を作らせない
文鳥を飼っているケージの中に、つぼ巣や巣箱、新聞紙の隙間といった巣になりそうな場所を作らせないことも効果的です。
このような場所は文鳥にとってとても居心地が良く、安心できるため、「ここでなら卵が産める」と感じて発情しやすくなります。
文鳥が発情しにくくなる3歳ごろまでは、秋から春にかけての発情期はこまめにケージの中を模様替えするなどして、文鳥の住空間に程よい緊張感を持たせるとよいでしょう。
◆日照時間に注意する
飼っている文鳥が発情期を迎えそうな場合は、日照時間を長くすると発情を抑制できます。
すでに述べた通り、発情期の文鳥は暗い場所を好みます。
そのため、ケージを日当たりの良い場所に置くなどして、1日12時間以上は文鳥を起こしてあげるようにすると、発情が抑えられるでしょう。
◆発情相手を近づかせない
最後に、文鳥の発情相手を近くに置かないことも、発情の抑制に効果的です。
文鳥が発情するのは、同居している文鳥に限りません。
先にも述べたように、ケージの中に置いてある止まり木や鏡、ブランコや人形などのおもちゃ、さらには飼い主さんにも発情するケースがあります。
とくに、飼い主に背中を撫でられたり、体を握られたりすると、文鳥は求愛されたと勘違いされて発情しやすくなると言われています。
スキンシップが取れないのは寂しいかもしれませんが、文鳥が発情しにくくなる3歳ごろまでは発情期の接触頻度を減らすのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたか。この記事では文鳥の発情期に焦点を当てて、発情期のサインや産卵のリスク、発情を抑える対策法などについてまとめてご紹介しました。
文鳥は一度産卵すると、発情や産卵をしやすくなるとされています。
産卵は命を落とすリスクもあるため、どうしても繁殖させたい場合を除いては、文鳥の発情を抑制するのが賢明でしょう。
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