【掲載:2022.12.17 更新:2023.11.03】
うさぎに白菜を与えても良い?
うさぎにとって白菜は、食べてもよい野菜のひとつです。
しかし、うさぎにとって野菜はあくまでも副菜、おやつにあたるため、喜んで食べるからといって、白菜ばかり与えることは好ましくありません。
とはいえ、美味しく食べられるおやつは、バリエーションが多いほうが、うさぎにとっても飼い主さんにとっても楽しみが増えます。
実際にうさぎに与えるためには、白菜がどんな野菜なのかを知っておくと安心です。
ここでは、白菜に含まれる成分や食べることで期待できる効果などについて、ご紹介します。
◆白菜に含まれる主な成分
うさぎにとって、白菜は食べてもよい野菜のひとつです。
晩秋から冬にかけて旬といわれ、甘みも増し、ご家庭での活用頻度も上がる白菜。
うさぎにとってももちろんですが、人間にとっても、白菜がどのような野菜であるかを知ると安心して食べられるでしょう。
95%が水分といわれる白菜ですが、実は、主に次のような栄養素が含まれています。
●ビタミンC:抗酸化作用がある
●カルシウム:骨や歯の形成、血液凝固作用を促進する
●カリウム:ナトリウムを排出する作用がある
●食物繊維:腸内環境を整える
このように、白菜は、植物性のたんぱく質、ビタミンC・カリウムといったミネラル類、食物繊維などがバランスよく含まれているうえに、カロリーが少ないヘルシーな野菜です。
水分量が多く、栄養バランスの良い白菜は、特に、夏場のうさぎの熱中症対策にはとても効果的です。
しかし、反対に、水分が多いため、冬場はうさぎの身体を冷やしてしまったり、水分の摂りすぎからお腹を壊してしまったりする恐れもあるため、室温、与えてあげる量、冷蔵庫から出したばかりの白菜は与えないなど、与え方には十分に注意を払う必要があります。
◆期待できる効果
白菜には、さまざまな栄養素が、少量ながらバンス良く含まれています。
これら、白菜に含まれている栄養素をうさぎがうまく取り入れることによって、次の3つの効果が期待できます。
1.腎機能を助ける
うさぎに比較的多くみられる疾患のひとつに「腎不全」があります。
腎不全は、腎機能の低下により老廃物が体外に排泄されにくくなり、最悪の場合は命にも関わるような病気です。
白菜に含まれるカリウムには、解毒やナトリウムの排出を促す作用があるため、うさぎの腎臓の機能を助ける効果が期待できます。
反対に、すでに腎機能が低下している場合は、腎臓からのカリウムの排泄が少なくなることにより、うさぎの肝機能をさらに低下させてしまう可能性があります。
肝機能を助けるのは、あくまでも健康な状態の時、と理解してください。
2.便秘や下痢を予防する
うさぎにとって、食物繊維は健康を維持するためにとても重要な栄養素です。
うさぎにみられる疾患として「うっ滞」があります。
うっ滞とは、食物繊維の不足により消化管の働きが悪くなり、ガスが溜まったり、便秘になったりする状態で、体温の低下を招いたり、うさぎが大きく体調を崩す原因となります。
白菜に含まれる食物繊維や水分は、うさぎの胃腸の働きを整え、うっ滞による便秘や下痢などの胃腸疾患を予防する効果が期待できます。
3.免疫力を高める
ビタミンやミネラルは、うさぎが健康に過ごすために必要な栄養素です。
人間とは違い、うさぎはビタミンCを体内で合成できる生きもののため、サプリメントなどを使って意識的に与える必要はありません。
また、うさぎにとって必要なミネラルとして、カルシウム、リン、ナトリウムなどがあります。
特に白菜は、このミネラルが豊富な野菜といわれています。
白菜に含まれるビタミンC、カルシウムやカリウムなどのミネラルは、うさぎの身体の調子を整えたり、免疫力を高めたりする効果が期待できます。
白菜の与え方
うさぎの主食はあくまでも牧草で、白菜に限らず、野菜はうさぎにとって副菜やおやつといった位置づけです。
そのため、たとえうさぎが喜んで食べてくれるからといって、くれぐれも与えすぎには注意が必要です。
うさぎに白菜を与えるときは、他の野菜と合わせて1日5gくらいを目安にしましょう。
さらに、ここからは、安心・安全にうさぎに白菜を与える方法について、ご紹介していきます。
◆新鮮なものを与える
白菜は、比較的痛みやすく、保存状態によっては内側にカビが生えてしまったり、切り口から腐ってしまったりことがあります。
くれぐれも、うさぎに与えるときは、傷んだ白菜などを与えたりせず、新鮮なものを与えるようにしましょう。
また、白菜の内側には虫、虫の卵や糞などがつきやすく、反対に葉の表面には農薬が残っている可能性もあります。
うさぎに与える時は、葉をしっかりと洗い、十分に水分を拭きとってから与えてあげるようにしてください。
◆茹でる
白菜は水分量が多く、食物繊維も豊富で、特に夏の暑い時期には、熱中症対策としてもうさぎに与えられる野菜です。
しかし、身体を冷やしやすい野菜でもあるため、常温で与えるのが基本。
特に冬の寒い時期は、ケージ内の室温も考え、うさぎが身体を冷やさないように工夫して与える必要があります。
例えば、白菜を茹でてあげることで、芯まで柔らかくなり食べやすくなるだけでなく、身体も冷えにくく、さらに、消化もしやすくなるためおすすめの与え方といえます。
ただし、適度なシャキシャキ感が好きなうさぎの場合は、茹ですぎると喜んで食べてくれなくなる可能性もあります。
◆乾燥させる
うさぎが喜んで食べてくれるからといって、好きなだけ与えてはいけないのが白菜です。
白菜は水分が多いため、うさぎのような体の小さな動物が多く食べ過ぎてしまうと、下痢などの胃腸疾患の原因となります。
うさぎにとって下痢は、「即、病院!」といっても過言ではない症状です。
そこで、できるだけ水分量を抑え、身体の冷えを防いであげるためにも、白菜は生のまま与えるより、乾燥させて与えてあげることをおすすめします。
なお、乾燥白菜は、うさぎのおやつとして、ペットショップやホームセンターなども市販されています。
水分量が多いため、「白菜を乾燥させるのは大変!」という場合には、市販の乾燥白菜を使ってあげると良いでしょう。
白菜の芯は与えても大丈夫なの?
うさぎに白菜の芯の部分を与えても、問題はありません。
きっと、うさぎもシャキシャキとよい音を立てて食べてくれるでしょう。
しかし、特に芯の部分は、水分を多く含んでいるため、与える量が多くなると下痢などの原因となります。そのため、与えすぎには十分に注意してください。
なお、白菜の芯は、小さく刻んであげることで消化しやすくなります。
さらに、与えすぎの防止にもなるので、白菜の芯の部分を与えるときは、小さく刻んであげると良いでしょう。
ちなみに、白菜は、内側の葉が最も甘いといわれています。
そのため、うさぎにとって白菜は、芯よりも葉の方が好みかもしれません。
うさぎに白菜を与える時の注意点
うさぎに白菜を与えるときに、最も注意しなければいけないことは、与える量です。
うさぎが沢山食べてくれると、飼い主さんは嬉しくなり、ついつい与えすぎてしまいがちです。
しかし、うさぎは身体が小さいため、白菜の葉1枚でも多いと思ってください。
水分量の多い白菜を多く与えてしまうと、うさぎは身体を冷やしてしまい、下痢などの胃腸疾患の原因となります。
そのため、与える際は、室温にも注意してあげると安心です。
さらに、白菜はアブラナ科の植物のため、やはり与えすぎは禁物です。
アブラナ科の植物に含まれているゴイトリンという成分は、甲状腺ホルモンの生成を抑制する働きがあるため、うさぎは、食べ過ぎてしまうことにより甲状腺機能障害を起こす可能性があるので注意しましょう。
とにかく、野菜はバランスよく、適量を。白菜だけではなく、緑黄色野菜などと合わせながら与えてあげてください。
まとめ
特に、冬場は甘みが増し、美味しくなる白菜。
お鍋の頻度も高まる寒い時期は、手に入りやすく、自宅に常にある野菜として、うさぎのおやつに「白菜はあげられないかな?」と期待する飼い主さんも多いことでしょう。
基本は与えても問題のない野菜である白菜も、与え方によっては、うさぎの体調を崩す原因となりかねません。
白菜は栄養素がバランスよく含まれている反面、水分量が多く、「冷え」を招きやすい野菜でもあります。
そのため、特に白菜が美味しくなる冬場は、室温管理も含め、白菜の与えすぎには十分に注意してあげてください。
うさぎにとって、下痢などの胃腸疾患は、大きく身体を壊す原因となります。
たとえば、うさぎは、1日何も食べられない絶食状態が続くと脂肪肝になるといわれており、身体を壊します。
さらに、アブラナ科の白菜を多く摂取すると、甲状腺機能障害を起こす可能性もあります。
このように、身体の小さなうさぎにとって、食べる量が命にかかわる恐れがあることを十分に理解しましょう。
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