うさぎがよくジャンプするのはなぜ?跳び方にはどんな意味がある?

2022.12.27

うさぎがよくジャンプするのはなぜ?跳び方にはどんな意味がある?

うさぎは走る時にピョンピョンとジャンプしながら進みますが、それ以外の場面でもキレのいいジャンプを披露してくれます。しかし、うさぎは前触れなくジャンプすることが多いので、なぜこのタイミングでジャンプをするのかと気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。この記事ではうさぎ特有のジャンプの仕方、うさぎがジャンプするシチュエーションや理由などについて説明していきます。


うさぎのジャンプは3種類

うさぎはピョンピョンとジャンプしながら前進しますが、普段もよくジャンプをします。

うさぎは普段静かにしているのに、急にスイッチが入ったように大胆なジャンプをすることが多いので、人間のほうが驚かされることも少なくありません。うさぎ用語にも「うさジャンプ」という言葉が存在するように、それもうさぎにはありふれた行動といえるでしょう。

うさぎは様々な飛び跳ね方をします。よく目にするのはこれから説明する3つのジャンプです。

◆幅跳びジャンプ

うさぎは、走っている最中に時々ピョーンと前にジャンプをします。助走がついて一気に遠くまで跳んでいくので、その様子から幅跳びジャンプと呼ばれることがあります。

うさぎが幅跳びジャンプをしながら走るのは、犬や猫のように左右の足を交互に動かして走るよりも早く前へ進めるからです。

◆垂直ジャンプ

うさぎは感情がたかぶった時に、思わずその場でピョン!とジャンプをすることがあります。前には進まず真上に向かって飛び上がっているので、うさぎの飼い主さんたちは「垂直ジャンプ」と呼んでいます。

垂直ジャンプは、助走をつけず、4本の脚をそろえたままその場で垂直にジャンプするのが特徴です。ただし、常に同じ跳び方になるというわけではなく、時には横や前に向かって跳んでいくこともあり、バリエーションには多少の変化がみられます。

ゴムボールが弾むようなかわいらしい跳び方であることが多いので、見た人も思わず笑顔になるのではないでしょうか。

◆垂直ジャンプ+ひねり

うさぎのテンションがさらに高まった時は、垂直ジャンプしながら空中で体を左右にひねることもあります。これも様々なバリエーションがあって、ジャンプしながら体をくねらせたり、首をブルブルと振ったりするうさぎさんもいます。

ひねりジャンプはかなり独特なので、初めて見た時は「暴れているのか」「何かあったのか」と戸惑ってしまうかもしれません。


うさぎはどのくらい跳べるの?

うさぎは、ピョンピョン跳びながらすばしっこく動き回ります。このようにうさぎがジャンプできるのは、後ろ脚に強靭な筋肉を持っており、優れた瞬発力と跳躍力を備えているからです。

では、うさぎはどのくらい跳ぶことができるのでしょうか。

◆跳べる高さは50cm~1m程度

うさぎの跳べる高さは50cm~1m程度とされています。

これは野ウサギの跳べる高さであり、人の居住空間で暮らしているペットのうさぎは50~60cmくらいまで跳べるのではないかと考えられます。うさぎの品種や個体によっても跳躍力には差があります。

◆前にジャンプする力のほうが強い

うさぎが前に向かってジャンプをした時には、軽く1mくらい進むことができます。または、それ以上ジャンプできるうさぎもいるといわれます。うさぎは上に向かって跳ぶよりも前に向かって跳ぶことのほうが得意なのです。

このように前へジャンプする力のほうが強いのは、うさぎが捕食される側の動物であり、天敵に追いかけられた時に逃げ切る必要があるからです。天敵の気配を感じたらすぐ逃げ出せるよう、うさぎの体は瞬発力と跳躍力が発達しているのです。

うさぎはは前へ進むジャンプは得意ですが、木などの高い所には登る習性がないため、真上に向かってジャンプする能力はそれほど発達していません。生態系において弱い立場にあるうさぎは、逃走することだけに特化して生き抜いてきたのです。


うさぎがジャンプするシチュエーション

ペットのうさぎは、日常生活の中でよくジャンプをします。どんな時にジャンプすることが多いのでしょうか。

◆ケージから出してもらった時

うさぎは部屋んぽなどでケージから出してもらった時、自由に動き回れる嬉しさをジャンプで表現することがあります。垂直ジャンプをしてから続けてダッシュすることも多いです。

◆遊んでいる時

うさぎは部屋んぽの最中など遊んでいる時に、テンションが高まって垂直ジャンプやひねりジャンプすることもあります。その場で急にピョンと飛び跳ねることもあれば、走り回っている時に空中で華麗なジャンプをきめることも。

◆ケージに戻される時

飼い主さんがうさぎをケージに戻すために捕まえようとする時も、ジャンプすることがあります。捕まえられそうになった驚きで反射的に飛び上がることもあれば、逃げるためにジャンプでかわしていることもあるでしょう。

中には、飼い主さんが追いかけてくるのを遊びとしてとらえ、興奮してジャンプする子もいるようです。


うさぎがジャンプする理由

うさぎ

うさぎは主に二つの目的でジャンプをします。一つは速く逃げるための移動手段、もう一つは感情表現です。

うさぎは、ジャンプをして一気に飛距離を稼ぐことで天敵から素早く逃げることができます。

また、うさぎは感情が豊かな動物ですが、声帯がなく鳴き声を出すことができないため、全身を使って今感じている気持ちを表現しようとします。その一つがジャンプです。

うさぎが今どんな理由でジャンプしたのかは、その時のシチュエーションやうさぎの表情などから推測できるかと思います。

◆嫌なことから逃げるため

基本的にうさぎのジャンプは、捕食される側の動物が天敵から身を守るために備わっているスキルであり、危機を感じた時にすぐ逃げるための移動手段となっています。

ペットのうさぎは天敵に襲われる心配はなくなっていますが、嫌なことがあった時は急いで逃げるため、ジャンプをしながら走っていくことがあるでしょう。

◆驚いたから

うさぎは、驚いた衝撃で反射的に飛び上がることもあります。

うさぎは臆病で警戒心の強い動物です。常に周囲に意識を向けて危険を察知しようとしています。物音や生き物の気配などに敏感に反応し、驚いた瞬間に反射的に体が反応してしまうことがあるのです。

◆嬉しい・楽しい気分になっているから

うさぎは、嬉しい時、楽しい時、はしゃいでいる時にはテンションが上がってジャンプをします。

嬉しくてジャンプしている時は、目がキラキラ輝いていたり、ジャンプが決まった後に「ドヤ顔」をして見せたりするので、今は機嫌が良いのだということが分かります。

人も嬉しい時には「やったあ!」と叫んで飛び跳ねることがありますが、体の動きはこころと連携していて、反射的に体で感情を表すことがあるといわれます。うさぎも嬉しい時は思わずピョン!と飛び跳ねてしまうのでしょう。

◆うさぎがジャンプしないのは?

全てのうさぎがよくジャンプするわけでもありません。ジャンプをよくするのは若くて血気盛んなうさぎ、活発に遊ぶのが好きなうさぎです。

ケージの中で過ごしているうさぎはジャンプをしませんし、シニア期のうさぎや落ち着いた性格のうさぎも活発に飛び跳ねることは少ないでしょう。

このように、うさぎの中にはジャンプをしない子もいますが、それ自体はあまり心配いりません。ただ、今まで活発に飛び跳ねて遊んでいた子が急にジャンプをしなくなった場合は体調不良などが考えられるので、飼育環境の見直しや動物病院の受診がすすめられます。


骨折しないように注意が必要

うさぎは、自由に動き回れる環境にいる時に興奮して、急にジャンプやダッシュをすることが多いのですが、ジャンプの衝撃で骨折することもあるので細心の注意が必要です。

うさぎは、天敵に追いかけられた時に少しでも早く逃走できるよう、骨が軽量化されています。体の大きさの割に骨は軽くて細いので、ジャンプして着地をしただけでも骨が折れてしまうことがあるのです。

また、うさぎは足の裏に肉球がないため、フローリングのようなつるつるした床だと、ジャンプやダッシュをした時に滑って転倒し、骨折や脱臼をしてしまう危険性もあります。

このような事故を防ぐためには、うさぎが遊ぶスペースの床にマットなどを敷いて、足腰に負担がかからないようにすることが大切です。高い所からの飛び降りや落下も危険なので、うさぎが高い所に登らないように注意しましょう。

できれば、うさぎをケージから出す時は部屋に放しっぱなしにするのではなく、サークルなどの限られたスペースの中で安全に遊ばせることをオススメします。


うさんぽ用サークルは飛び越えられない高さで

ラビットサークルH65 モダンリビング

遊べるスペースをお部屋に。部屋のスペースに合わせて形状自由自在。うさぎ用の簡単組み立てサークル。

商品詳細を見る


部屋んぽ・うさんぽをさせる時は、ペット用のサークルを設置してその中で遊ばせるとよいでしょう。

サークルは天井がなく簡易なつくりになっているため、うさぎの脱走には注意が必要です。柵は高さが50~70cm以上だと安心できます。ただし、中には飛び越えて脱走する子もいるので、油断せずにうさぎの様子を見守るようにしてくださいね。


まとめ

うさぎは速く逃げるためにジャンプをしながら移動しますが、感情がたかぶった時にもよくジャンプすることを説明いたしました。ペットのうさぎさんは、どちらかというと嬉しい気持ちの時にジャンプをすることが多いでしょう。

よくジャンプをするのは、心身の調子が良く元気があり余っている証拠ともいえます。ただ、うさぎはジャンプやダッシュをする時にケガをしやすいので、うさぎが安全に遊べるように環境を整えてあげることも大切です。



– おすすめ記事 –

・うさぎもおならをする?ブーという音の正体、うさぎのおならは良くない理由について
・うさぎの性別を見分けるのは難しい?性別によって性格や飼いやすさは変わる?
・うさぎが頻繁にマーキングする!どんな行為?やめさせる対策は?
・うさぎに介護が必要となるのはどんな状態の時?高齢うさぎの介護について解説


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


記事に関するお問い合わせはこちら