1.リクガメを屋外で放し飼いしてもいい?
1-1.外敵に襲われてしまう可能性がある
1-2.脱走の危険がある
1-3.外気温に耐えられないことがある
2.リクガメは室内で放し飼いしてもいい?
2-1.誤飲の可能性がある
2-2.室内特有の事故が起こる可能性
3.基本的にはケージでの飼育を推奨
3-1.普段はケージで過ごさせ、時々部屋んぽさせる
3-2.部屋んぽの時はリクガメにとって危険なものを片付ける
4.ケヅメリクガメなど大型種を飼育する場合は?
4-1.室内にバスキングスポットを作る
4-2.排泄物はすぐに片付ける
4-3.季節ごとの対策をしっかりする
リクガメを屋外で放し飼いしてもいい?
リクガメは、日光を浴び、土を掘って生活する生き物です。
お庭があったり、広めのベランダがあったりするお家で飼育される場合、できれば自然に近い状態で生活させてあげたいと考える飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
では、実際に、リクガメをお庭やベランダなど、屋外で放し飼いで飼育することは可能なのでしょうか?
ここでは、屋外でリクガメを飼育する際の問題点や注意点について、ご紹介していきます。
◆外敵に襲われてしまう可能性がある
リクガメを屋外で放し飼いにした場合、大きさによっては、カラスや猫などの外敵に襲われてしまう可能性があります。
また、リクガメは甲羅で身を護る生き物なので、身体の小さな子どものリクガメの場合、連れ去られてしまう可能性もあります。
そのため、ネットを張るなどして、カラスや猫、人間などからリクガメを守れる環境を整えなければいけません。
屋外でリクガメを放し飼いで飼育するには、外敵から襲われたりしないよう、十分に安全な環境を整えることが重要です。
◆脱走の危険がある
リクガメをお庭で放し飼いにする場合は、隙間から逃げ出してしまうだけでなく、土に穴を掘って地中から脱走してしまうことがあります。
そのため、深めに掘った安定した柵や壁を設置し、リクガメの脱走を防ぐ必要があります。
また、ベランダで飼育する場合は、よじ登って柵を乗り越えてしまったり、柵の隙間から転落してしまったりする事故もあります。
このような事故を防ぐためには、引っ掛かりの少ない柵にしてよじ登れないようにしたり、隙間の小さな柵にしたりするなど、安全面への配慮が必要です。
◆外気温に耐えられないことがある
リクガメの生育環境の適温は、25~30℃前後といわれています。
リクガメの健康にとって、気温はとても重要で、暑くなりすぎたり、寒くなりすぎたりすることはよくありません。日向はもちろん、日陰になる場所も必要です。
屋外で放し飼いにしてリクガメを飼育するためには、リクガメが自分で体温調整ができるような環境が整えられていなければいけません。
リクガメが耐えられる環境かどうか、体温調整が可能な環境かどうかをしっかりと確認しましょう。
リクガメは室内で放し飼いしてもいい?
リクガメの飼育には、リクガメの大きさ、習性に合った飼育スペースが必要です。
お庭やベランダでの飼育は難しいからと、室内での放し飼いを検討される方もいらっしゃるでしょう。
リクガメは、意外にも行動範囲が広く、よく動き回ります。
そんなリクガメを室内で放し飼いにすることはできるのでしょうか?
ここでは、リクガメを室内で放し飼いする際の注意点について、ご紹介していきます。
◆誤飲の可能性がある
リクガメは、空腹になるといろいろなものを口に入れてしまいます。
たとえば、床材、石や土など、落ちているものは何でも口に入れてしまうため、リクガメを室内で放し飼いにするときは、床にものが落ちていないよう十分に確認する必要があります。
万が一、リクガメが誤飲してしまうと、食欲が落ちたり、下痢や便秘になったり、嘔吐したりする原因となります。
さらに、電池のような有害な物質を誤飲してしまうと、手術が必要になるだけでなく、最悪の場合、中毒症状を起こすなど重篤な症状を引き起こすことがあります。
このように、室内で、特に放し飼いで飼育する際は、リクガメが食べてはいけないようなものがないよう、十分な配慮が必要です。
◆室内特有の事故が起こる可能性
リクガメは、とても行動範囲の広い生き物で、25℃以上になるとよく動き回ります。
そのため、思わぬところに入り込んでしまったり、気づいたら棚をよじ登っていたりなど、思わぬ動きをすることがあり、たとえ室内であっても事故が起こる可能性があるので要注意です。
ゴミ箱や観葉植物などをひっくり返してしまったり、画鋲などの危険なものを踏んでしまったり、電気コードを引っ掛けてしまったりなど、リクガメにとってケガや感電の危険もあります。
また、リクガメがお風呂によじ登り、溺れてしまうという事故も発生しています。
とにかく、リクガメを室内で放し飼いするときは、危険なものはないか、危険なところに入り込んでしまわないか、しっかりと確認しましょう。
基本的にはケージでの飼育を推奨
リクガメを自然に近い状態で飼育してあげたいからといって、それが屋内であっても屋外であっても、リクガメの放し飼いは注意することが多く、意外に大変です。
リクガメは、基本、ケージ内での飼育をおすすめします。
とはいえ、リクガメに安全な環境と自然な環境を同時に作ってあげることはできないのでしょうか?
ここでは、リクガメをケージで飼育する際に合わせておすすめする「部屋んぽ」について、ご紹介していきます。
◆普段はケージで過ごさせ、時々部屋んぽさせる
リクガメは、ケージ内で飼育するのが最も安全な方法です。
しかし、体も大きく、快適な環境下では動き回ることが当たり前のリクガメが、常に限られたスペースだけで生活するのは、運動不足の原因となります。
そこで、普段はケージ内で生活をし、時々、飼い主さんの目の届く範囲内で室内をお散歩させる「部屋んぽ」をおすすめします。
部屋んぽの際は、危険なものを取り除き、範囲を決め、安全な環境で行ってあげましょう。
必ず、飼い主さんが見守ってあげられる状況で行って下さい。
◆部屋んぽの時はリクガメにとって危険なものを片付ける
部屋んぽをさせるときは、できるだけ自由に遊ばせてあげたいものです。
リクガメが口に入れてしまうようなもの、踏んだり蹴ったりすると危ないものは、決して置いておかないようにしましょう。
リクガメは、本棚や柵など、足がかけられるような場所は簡単に上ってしまいます。
上って欲しくないような場所には、近づくことができないように、また、入ってはいけない場所に入らないようにする工夫も大切です。
リクガメが、怪我なく、安全に遊べるよう、部屋んぽは、十分に環境を整えて行ってあげましょう。
ケヅメリクガメなど大型種を飼育する場合は?
ケヅメリクガメなどの大型種は、最低でも6畳以上の飼育スペースが必要になります。
可能であれば、庭など広さのある場所での飼育が望ましいとはいえますが、室内でも、広いスペースが取れれば十分に飼育可能です。
併せて、ケヅメリクガメにとって必要な環境を整えてあげることも重要です。
ここでは、ケヅメリクガメなどの大型種を飼育する際の注意点について、ご紹介していきます。
◆室内にバスキングスポットを作る
バスキングスポットとは、変温動物が、体温調節のために日光などの外部の熱エネルギーを利用して体内・体表の温度を上げるための環境を整えた場所をいいます。
バスキングスポットには、「バスキングライト」と呼ばれる光と熱でケージの一部を集中的に35〜37℃くらいまで暖めることができるライトを設置します。
さらに、紫外線を発する「紫外線ライト」と合わせて使うことで、太陽の光を浴びるのと同じ環境を作り、ケヅメリクガメなどの大型種のビタミンD3の生成を促してくれます。
また、バスキングスポットは、変温動物の爬虫類にとって、内臓を温め、活性化させる働きもあります。
室内飼育の際も、安心できる場所にバスキングスポットを設置してあげてください。
◆排泄物はすぐに片付ける
ケヅメリクガメは、トイレを覚えません。行動範囲のなかで自由に排泄します。
特に、放し飼いの場合は、そのままにしておくと、部屋中が排泄物だらけになってしまう可能性も。
そのため、排泄物を見つけたら速やかに片づけ、常に清潔に保ってあげることが重要です。
ケヅメリクガメは、草食性のため排泄物そのものはあまりにおいませんが、そのまま放置しておけば、当然、悪臭の原因となります。
これは、屋外飼育でもいえることで、排泄物は、気づいたらすぐに片づけることが鉄則です。
ケヅメリクガメが気持ちよく生活できるよう、こまめなお掃除を心がけましょう。
◆季節ごとの対策をしっかりする
ケヅメリクガメが生活するのに最適な環境は、25~30℃前後といわれています。
日本の夏はとても暑く、冬はとても寒く、季節による温度や湿度の変化が激しい気候です。
暑さが得意だと思われがちなリクガメですが、暑すぎる環境下では、人間と同じように熱中症になります。また、寒いところでは、動きや内臓の働きが鈍くなり便秘などの原因にもなります。
ケヅメリクガメが健康的に生活するためには、温度管理は重要です。
そのため、エアコンなどを上手に利用しながら、常に適温を保てるようにしましょう。
まとめ
今回は、リクガメは屋内や屋外、室内での放し飼いについて、ご紹介してきました。
リクガメは、放し飼いをすることは可能ですが、十分な準備が必要です。
安心・安全にリクガメが生活できるベストな環境は、ケージ内で生活をさせてあげることです。
ただし、部屋んぽも重要。適切な環境下で、適度に運動できる時間を作ってあげましょう。
また、運動時は必ず飼い主さんが見守ってあげるようにしてください。
リクガメは、自由にどこへでも動き回り、高いところにも上り、何でも食べてしまうようなわんぱくな生き物です。
リクガメがのびのびと過ごせるような生活環境を整えてあげてください。
そして、飼い主さんと1日も長く、元気に過ごしていきましょう。
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