1.ハムスターに小松菜を与えても良い?
2.小松菜に含まれる主な栄養素・成分について
2-1.β-カロテン
2-2.ビタミンC
2-3.カルシウム
2-4.鉄
2-5.水分
2-6.少量含まれる有害成分
3.ハムスターにはどうやって小松菜を与えるの?
3-1.最適な量は
3-2.新鮮なもの
3-3.生のまま
3-4.茹でたもの
3-5.乾燥した小松菜
5.小松菜を与える時の注意点
5-1.よく洗う
5-2.味付けしない
5-3.小松菜ばかり与えない
5-4.カルシウムを多く含むおやつと一緒にしない
ハムスターに小松菜を与えても良い?
小松菜(こまつな)は、適量ならばハムスターに与えて良い野菜です。栄養価が高いうえに一年を通して入手しやすいことからも、ハムスターに与える副食としておすすめできます。
小松菜はみずみずしくて食感が良いので、喜んで食べるハムスターも多いのではないでしょうか。
ただ、小松菜にはハムスターが摂り過ぎてはいけない栄養や成分も含まれています。食べ過ぎなければ問題ありませんが、ハムスターの食生活に小松菜を取り入れる際には、小松菜の特徴や適切な与え方を知っておきたいですね。
小松菜に含まれる主な栄養素・成分について
小松菜は、ビタミンやミネラルが豊富に含まれる優秀な野菜です。特に注目したいのは、β-カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄が豊富に含まれているところです。
一方、少量ではありますが、小松菜にはハムスターにとって有害な成分も含まれています。
小松菜に含まれる栄養素・成分の特徴をチェックしてみましょう。
◆β-カロテン
β-カロテンは体内に取り込まれるとビタミンAに変換され、免疫力を高めたり、皮膚や粘膜を丈夫に保ったりするために使われます。
野菜の中でもβ-カロテンの含有量が多いものは「緑黄色野菜」と呼ばれ、代表的なものにほうれん草、にんじん、かぼちゃなどが知られます。小松菜も緑黄色野菜であり、野菜の中ではβ-カロテンが多い部類に含まれています。
ハムスターは草食寄りの雑食動物なので、どんな野菜も割と喜んで食べますが、与えるならば、健康のためにも小松菜のようにβ-カロテンが多い野菜を選ぶのが望ましいです。
◆ビタミンC
ハムスターは体内でビタミンCが生成できるので、食べ物から補給する必要はありませんが、ビタミンCは小松菜に含まれる鉄やカルシウムの吸収を助ける作用が期待できます。
◆カルシウム
カルシウムは骨や歯を丈夫にし、ハムスターの歯や骨のトラブルを防ぎます。
小松菜のカルシウム含有量は、野菜の中でもトップクラスを誇ります。カルシウムの多い食品といえば乳製品や小魚がおなじみですが、普通牛乳には100gあたり110㎎のカルシウムが含まれているのに対し、小松菜は100g中170㎎ものカルシウムが含まれています。
動物性のおやつを控えたい場合には、小松菜でカルシウムを補給するのもよいでしょう。
ただ、ハムスターはカルシウムを摂り過ぎると尿中に結石ができて尿路にトラブルが起こりやすくなるので、小松菜の食べ過ぎには注意が必要です。
◆鉄
鉄は血液を作るために欠かせない栄養素です。
鉄は、ほうれん草やプルーンに多く含まれているイメージもありますが、鉄の含有量(100gあたり)はほうれん草で2.0mg、プルーンで1.0mg、小松菜は2.7㎎と、小松菜のほうが上回っています。
また、小松菜は血液中の赤血球を作る葉酸も豊富に含まれているので、貧血の予防に役立ちます。成長期、妊娠中・授乳中のハムスターは特に鉄分が必要になるので、副食に野菜を取り入れる際は小松菜を選ぶがおすすめです。
◆水分
野菜は8割以上が水分ですが、特に葉もの野菜は水分が多く含まれます。小松菜は94%が水分であり、野菜全体の中でもみずみずしい部類に入ります。
ですから、小松菜はハムスターの水分補給に役立ちますが、食べ過ぎると水分の摂り過ぎになってしまうので、与え過ぎないように注意することが大切です。
◆少量含まれる有害成分
小松菜には、えぐみ成分の「シュウ酸」「硝酸塩」が少量含まれています。これらは、大量に摂取すると健康上に良くない影響を及ぼす可能性がある成分です。
シュウ酸は、ほうれん草に大量に含まれているアクやえぐみの成分で、ほかの野菜にも微量が含まれています。
シュウ酸を大量に摂取すると尿路結石の発症リスクが高まりますが、ハムスターはもともと尿路結石になりやすいため、ほうれん草を食べることがあまり薦められていません。
また、小松菜を含む葉もの野菜には硝酸塩が含まれます。硝酸塩は苦味の元となる成分で、体内で亜硝酸に変化すると健康上に良くない影響をもたらすといわれています。
ただ、小松菜に含まれる量は一般的な野菜と変わらないレベルであり、ハムスターが小松菜を食べたからといって深刻な被害が出るというものではありません。「毎日大量の小松菜を食べさせる」といった極端な使い方をしなければ大丈夫です。
ハムスターにはどうやって小松菜を与えるの?
小松菜はハムスターに与えて良い野菜ですが、人間用に調理するのと体の小さなハムスターに与えるのとでは事情も変わってきます。ハムスターにはどうやって小松菜をあげればよいのでしょうか。
◆最適な量は
ハムスターの食事はあくまでもペレットがメインであり、副食である野菜はたくさん与える必要はないものです。
小松菜を含む野菜の総量が、ゴールデンハムスターは1日あたり3~5g、ドワーフハムスターは1~2g程度になるよう、食事の量を調整しましょう。
ちなみに、小松菜の葉1枚あたりの重さは約10gです。ハムスターが1日に食べて良い小松菜の量は、1cm角に切ったものをひとつまみ程度と考えるといいですね。
◆新鮮なもの
小松菜は必ず新鮮なものを与えましょう。水分が多くて傷みやすいので、入手したら早めに利用し、与える前には変色や傷みがないかよくチェックします。
また、常温のケージ内に置きっぱなしにすると腐敗しやすくなるので、ハムスターがケージ内や食器に残していたらこまめに捨てるようにしましょう。
◆生のまま
小松菜はアクが少ないので生でおいしく食べられます。また、小松菜に含まれるビタミンB群・Cは加熱すると消滅してしまうことからも、生のまま与えるのがおすすめです。
ただし、有害物質のシュウ酸、硝酸塩は残ります。神経質になるほどの量ではありませんが、生の小松菜はたまに与える程度にするのが安心です。
◆茹でたもの
柔らかい食べ物を好むハムスターには、茹でてから与えるとよいでしょう。生に比べると栄養価低くなりますが、シュウ酸や硝酸塩が減らせるメリットもあります。
小松菜を茹でる場合は、お湯を沸かした鍋で20~30秒ほど湯がき、その後、冷たい水にさらしてから水気をよく絞り、小さく切ったものをハムスターに与えます。
通常、小松菜は塩茹でをしますが、体の小さなハムスターに与える場合は塩分の摂り過ぎを考慮して、塩を入れずに茹でることをおすすめします。塩を入れるのは葉の色を鮮やかに保つためなので、ペットに与える場合は塩を使わなくても問題ありません。
◆乾燥した小松菜
水分の摂り過ぎによる消化不良や下痢が気になる場合は、乾燥させた小松菜を利用するのもおすすめです。
ペット用のおやつとしても販売されていますし、ご家庭で干して手作りしたものを与えることもできますよ。
乾燥した小松菜を作る場合は、よく洗って水気を切ったものをざるの上に1枚ずつ広げ、風通しの良いところで1~3日くらい干します。水分が抜けたら小さく切ったものをハムスターに与えます。
乾燥した小松菜はカルシウムの量が凝縮されているので、ごく少量を与えるようにしましょう。
小松菜の茎は与えても良いの?
小松菜は、葉も茎もハムスターに与えることができます。
すじのある茎よりも柔らかい葉の方が人気があるようで、ハムスターが茎を残す場合は無理に茎を食べさせる必要はありません。また、茎のほうが水分を多く含むので、水分の摂り過ぎが気になる場合は葉だけを与えてもよいでしょう。
小松菜を与える時の注意点
ハムスターは体が小さくデリケートな動物なので、小松菜の与え方が適切でないとすぐ体調を崩す可能性があります。ハムスターに小松菜を与える時はどのような点に気を付ければよいのでしょうか。
◆よく洗う
小松菜はきれいに見えても農薬、小さなゴミや虫、土などがついている可能性もあります。流水で十分に洗ってからハムスターに与えるようにしましょう。
虫が付きやすいため、栽培中に農薬が使用されている可能性があります。ペットには無農薬栽培と記載のあるものを与えることが理想ですが、入手できない場合はよく洗ったものを利用しましょう。
なお、洗った小松菜はキッチンペーパー等で水気をしっかりふき取ってから与えてください。
濡れていると傷みやすくなります。
◆味付けしない
ハムスターには、必ず味付けをしていない小松菜を与えましょう。
飼い主さんが小松菜のお惣菜を食べるついでに、ハムスターにもちょっとだけ味見させる…というのはダメです。塩分や糖分、食品添加物はハムスターの内臓に負担をかけてしまいます。
◆小松菜ばかり与えない
ハムスターの好物だとしても、小松菜ばかり続けて与えるのはNGです。特定の栄養素や成分だけ摂り過ぎることになってしまいます。
ハムスターに与える野菜は、複数の野菜を少量ずつ組み合わせたり、日替わりでローテーションさせたりして、バランスよく様々な栄養素が摂れるようにしましょう。
ちなみに、小松菜が属するアブラナ科の野菜はゴイトロゲンという成分が含まれ、アブラナ科の野菜を続けて食べると健康に影響が出てくる可能性があるともいわれています。
元々ハムスターが食べる野菜の量は少ないため、極端に避ける必要もありませんが、できればアブラナ科の野菜(キャベツ、チンゲンサイ、ブロッコリーなど)ばかり与えず、アブラナ科以外の野菜(人参・セロリ・サラダ菜・かぼちゃなど)とローテーションで与えるのが安心です。
◆カルシウムを多く含むおやつと一緒にしない
盲点になりやすいのが、ほかの食品との組み合わせです。小松菜は適量を守って与えても、カルシウムを多く含む食品を一緒に与えてしまうと、カルシウムの摂取量が想定外に多くなってしまいます。
カルシウムを多く含むおやつには、チーズ、煮干し、昆虫などがあります。また、野菜の中では、大根の葉、かぶの葉、水菜もカルシウムが豊富に含まれています。
これらのうちどれかをハムスターに与える場合は、カルシウムが少ない食品と組み合わせるようにしましょう。
まとめ
小松菜は適量ならば、ハムスターに与えても良い野菜です。
どちらかというと地味な存在の小松菜ですが、実は非常に栄養価が高く、食べないのはもったいない野菜といえます。ビタミンやミネラルが豊富で、ほんのひとつまみを与えるだけでハムスターの栄養補給に役立ちます。
ただし、カルシウムなどハムスターが大量に摂取してはいけない成分も含まれています。小松菜は、与え過ぎに注意しながらほかの食品とローテーションで上手に活用していくとよいでしょう。
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