ハムスターにとうもろこしを与えても大丈夫?量、栄養価、注意点は

2022.06.01

ハムスターにとうもろこしを与えても大丈夫?量、栄養価、注意点は

みんな大好きなとうもろこし。かわいいハムスターにも食べさせてあげたいですよね。ところでハムスターも人間と同じようにとうもろこしを食べて大丈夫なのでしょうか。この記事ではハムスターにとうもろこしの適切な与え方、ハムスターにとうもろこしを与える際の注意点をご説明します。


ハムスターにとうもろこしを与えても良い?

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とうもろこしは、ハムスターに与えても良い野菜です。ハムスター・リスなど小動物用のフードやおやつの原料に使われることも多く、おうちで与えるエサにも適した食品といえます。

とうもろこしは私たちにとっても大変なじみの深い食品ですが、人間が食べる感覚でハムスターに与えるのは良くありません。とうもろこしがどんな食べ物か正しく理解し、ハムスターに合った与え方をすることが大切です。

◆とうもろこしの特徴

とうもろこしは、米、麦と共に「世界の3大穀物」と呼ばれ、私たちの主食、家畜やペット用飼料の原料として欠かせない存在になっています。

とうもろこしは大きく分けて食用と飼料用・工業用があります。私たちがスーパーの野菜売り場で見かけるとうもろこしは、食用で甘みの強い「スイートコーン」という品種です。

とうもろこしは穀物ですが、スイートコーンは野菜と位置づけされ、種子の「胚乳」と呼ばれる黄色い実の部分が食用にされます。甘くて嗜好性が高いので、ハムスターに与えれば喜んで食べる子が多いでしょう。

また、とうもろこしの穂軸が若いうちに収穫した「ヤングコーン」もハムスターに与えることができます。

◆とうもろこしに含まれる主な成分

穀物に共通する特徴として、とうもろこしの実には糖質、ビタミンB群、食物繊維が豊富に含まれます。また、野菜の中でも脂質、ビタミンB1・B2・B6、マグネシウム・鉄・亜鉛などのミネラルの含有量が多く、栄養のバランスが良い食品となっています。

とうもろこしは主食になるほど栄養価が高いだけに、ハムスターに与える際は注意しなければならない点もあります。それは、糖質と脂質が多いため食べ過ぎると肥満や糖尿病のリスクが高まるということです。とうもろこしを与える際は、ハムスターの適量を知って与え過ぎに注意する必要があります。

◆期待できる効果

ハムスターにとうもろこしを与えるうえで注目したいのは、脂肪酸のリノール酸とオレイン酸、ビタミンB群とミネラル、不溶性食物繊維が豊富に含まれているところです。

脂質に含まれる脂肪酸はエネルギー源、細胞やホルモンの原料として欠かせない重要な成分。ハムスターの健康を維持し、被毛や皮膚を美しく保ちます。そして、脂肪酸の一種であるリノール酸とオレイン酸は、ハムスターの血管をすこやかにし生殖機能を正常に保つ効果が期待されます。

また、とうもろこしに含まれるビタミンB群とマグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルは、ハムスターの被毛や皮膚の新陳代謝を促進させ、脱毛や皮膚炎を予防します。

実の表面にある薄皮(果皮)には食物繊維も豊富に含まれます。特に便通を促進する不溶性食物繊維が多く含まれているので、便秘しがちなハムスターにはとうもろこしを与えるとよいでしょう。薄皮が取れていないものを食べさせるようにしてあげてください。


とうもろこしの与え方

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ハムスターにとうもろこしを与える場合は、間食の位置づけで1回に実2~3粒程度を目安とします。(5粒で約1g、約1kcalです。)ヤングコーンなら1cmほどに切ったものが適量です。

とうもろこしは甘くておいしいので、ハムスターがもっと欲しがるかもしれませんね。ただし、主食のペレットが食べられなくなると困るので適量は守るようにしたいです。

◆ハムスターに与えてもよいタイプは

お店で入手できるとうもろこしのタイプには、野菜として生で販売されているもの、カーネルコーン(粒を缶詰や冷凍食品に加工したもの)、ペットショップで販売されている小動物用のフードなどがあります。

いずれもハムスターの間食として手軽に利用することができます。その際は、食塩や食品添加物を使用していないものを選びましょう。

◆生で与える場合

とうもろこしは新鮮なものに限り、生のままハムスターに与えることができます。芯から取り外した実をハムスターに与えましょう。

とうもろこしの栄養は、実(胚乳)の根元にある「胚芽」に詰まっています。胚芽は、とうもろこしの芯から実を取る時芯にくっついて残りやすい小さな部分です。胚芽を食べずに残すのはもったいないので、意識して胚芽も使うようにしましょう。

実を覆う皮、ひげには農薬、カビ、汚れが付着している可能性があります。ハムスターに実を与える場合は、皮とひげを取り除き、十分に洗って実を与えるようにしてください。

なお、生のヤングコーンはアクがあるので、ハムスターには茹でてアク抜きしてから与えることをおすすめします。

◆乾燥させる場合

ハムスターにとうもろこしを与える場合は、乾燥させたものを利用するのもおすすめです。水分が少ないので下痢をする心配がなく、硬い物をかじることで歯の伸び過ぎを防ぐ効果も期待できるからです。

乾燥とうもろこしは家庭でも作れるので、旬に生のとうもろこしが手に入ったら挑戦してみてくださいね。

【乾燥とうもろこしの作り方】
1.とうもろこしの皮をむき、実を1粒ずつ取り外す
2.ざるにとうもろこしの実を広げて並べ、風通しの良いところで1週間ほど干す
3.乾燥した実を容器に入れて保存する

◆茹でる場合

とうもろこしは、茹でたり蒸したりしたものを与えてもOKです。飼い主さんが食べる分を茹でる時、ハムスターに少しお裾分けしてもよいでしょう。その際は塩茹でしたものは与えないようにしてください。

カーネルコーンは予め加熱してあるので、解凍したものをハムスターに与えることもできます。茹でたものは水分を含みやすいので、ペーパーで余分な水分を取り除いてからハムスターに与えるようにしましょう。

◆小動物用のおやつを与える

手軽にとうもろこしを与えたい場合は、小動物用のおやつを利用するのもおすすめです。水分が少ないので、下痢しやすい子にも安心して与えることができますね。

★サクサク王国 コーン

とうもろこしを冷凍乾燥加工させた、サクサク食感の食べやすいおやつです。

サクサク王国 コーン 20g

豊富な糖質と食物繊維のコーンをサクサクのおやつに加工しました。

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★ハムスター・リスのプチコーン

食欲をそそる甘い香りを付けたプチサイズのとうもろこしです。
歯の伸びすぎ予防にもおすすめ。

ハムスター・リスのプチコーン いちご味 60g

ハムスターやリスが食べやすいプチサイズのトウモロコシに夢中でかじるあま~いいちごの香りをつけました。適度な硬さだから、かじることでハムスターやリスの歯を摩耗し、おいしく食べながら歯の伸び過ぎを防げます。ストレス解消にもおすすめです。電子レンジでチンしてポップコーンにしても与えられます。

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ハムスターにとうもろこしを与える時の注意点

ハムスターにとうもろこしを与える際は、以下の点に注意しましょう。

◆生のとうもろこしは新鮮なものを与える

生のとうもろこしは新鮮なものを与えましょう。
とうもろこしは古くなると有毒なカビが生えやすいので、新鮮なものを見分けて購入し、すぐ食べるようにしてください。

◎新鮮なとうもろこしの特徴
・実がふっくらしてみずみずしい
・皮の色、ひげの色が濃い
・酸っぱいにおいや変色がない

◆与え過ぎに注意する

とうもろこしは糖質、脂質が多く含まれカロリーが高いこと、生や茹でたものは水分が多いことから、ハムスターに食べさせる場合は与え過ぎに注意が必要です。

とうもろこしを丸ごとハムスターに渡すと、夢中でかぶりつく可愛らしい姿が見られますが、1回の適量は実2~3粒なので、すぐ食べ過ぎになってしまいますよね。ハムスターの健康のことを考えて適量は守りましょう。

◆とうもろこしばかり与えない

ハムスターの好物がとうもろこしでも、続けてとうもろこしばかり与えるのはやめましょう。

とうもろこしに含まれるリノール酸は体に良い成分ですが、摂り過ぎるとアレルギー性疾患や生活習慣病のリスクを高めます。

また、稀なケースですがとうもろこしばかりを極端に食べ続けると、ナイアシンという栄養素の欠乏症が起こります。ハムスターの場合は、とうもろこしを原料としたえさを食べ続けることでナイアシン不足に陥り、噛み癖や子食いが起こることも報告されています。

とうもろこしをハムスターのおやつに取り入れる場合は、与える量を意識すると同時に、ほかの食品とのバランスを考え、栄養が偏らないように注意しましょう。

とうもろこしは糖質と脂質が多いので、糖質が多い果物、脂質が多いナッツ類やチーズと重複しないよう、野菜、果物、たんぱく質を含むほかの食品とローテーションで与えていくことをおすすめします。

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◆とうもろこしの皮、ひげは避ける

とうもろこしは実以外の芯、皮、ひげも食用はできます。特に、ひげはカリウムやポリフェノールなどの栄養成分を豊富に含み、ひげのお茶は健康に良いことでもおなじみです。

ただし、とうもろこしの皮やひげは毒性の強いカビが生えやすいので、念のためハムスターに与えるのは避けることをおすすめします。見た目がきれいでも、目に見えないほどのわずかなカビが発生していることもあるので注意しましょう。


ハムスターが体調を崩した時の対処法

ハムスターがとうもろこしを食べて体調を崩した場合は、動物病院を受診しましょう。生や茹でたとうもろこしを食べて水分をとり過ぎた場合、新鮮ではないものを口にした場合に、消化不良や下痢を起こすことがあります。

とうもろこしは新鮮なものを適量与えていれば、ハムスターの健康に影響を及ぼすことはありません。ただしハムスターは体が小さいことを考えて、食べ物は慎重に用意するようにしましょう。


まとめ

とうもろこしは甘くて嗜好性が高く、1粒ずつ手軽に与えられるので、ハムスターのおやつにはぴったりな食べ物といえるでしょう。
糖分や水分、傷みには注意も必要ですが、注意してハムスターに与えれば問題ありません。
もし旬に新鮮なとうもろこしが手に入ったら、ぜひハムスターと一緒に季節の味を楽しんでみてくださいね。



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うさ北

うさ北

2019年までうさぎを3代飼育、現在はブルーサファイアハムスター(ジャンガリアン)を飼育中。栄養学、人や動物のコミュニケーションを中心にライティングや企画などのお仕事をしています。


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