1.「うさぎは寂しいと死んじゃう」は本当?
1-1.うさぎは寂しいと死ぬは嘘
1-2.寂しさが直接の死因になることはない
1-3.お留守番も大丈夫!
1-4.多頭飼いをする必要もない
2.「うさぎは寂しいと死んじゃう」というイメージの発端は?
2-1.1993年放送の「ひとつ屋根の下」というドラマのセリフ
3.うさぎは寂しいと死ぬといわれるのは、生態にも関係がある?
3-1.うさぎは体調不良を隠す生き物
3-2.しっかり観察したり、触れたりしないと変化に気付きにくい
3-3.不調に気が付いた頃には手遅れの場合がある
「うさぎは寂しいと死んじゃう」は本当?
「うさぎは寂しいと死んでしまう」という噂を耳にすることがありますよね。
その噂の影響か、世間では「うさぎは寂しがり屋」「うさぎは寂しいと感じただけで死んでしまうから1匹だけでは飼えない」といったイメージを持たれることもあるようです。
これからうさぎを飼いたいと思っている人にとっては、ちょっと気になる説ですが、うさぎが寂しいと死ぬというのは本当なのでしょうか。
◆うさぎは寂しいと死ぬは嘘
一言で言うと「うさぎが寂しいと死ぬ」は嘘です。一種の都市伝説のようなもので、寂しいという理由でうさぎが死んでしまうことはありません。
うさぎは誰もがよく知る人気者なのに、生態は犬や猫ほど知られておらず、誤解されている部分も多い動物です。うさぎの一般的なイメージから「寂しいと死んでしまう」というフレーズが創作され、それが事実かのように広まっていったのだと思われます。
◆寂しさが直接の死因になることはない
「寂しいと死んでしまう」と聞いて、うさぎはメンタルが弱く「寂しい」と感じただけで死んでしまうイメージを受ける人もいるのではないでしょうか。
確かに、うさぎは繊細でストレスに弱い動物ですし、極限の恐怖や苦痛を感じた時には突然死をすることもあります。
ただ、うさぎが寂しいという感情でそこまで強いショックを受けることはないので、寂しさが直接の死因になることはありません。
◆お留守番も大丈夫!
実際のところ、うさぎは「寂しいと死んでしまう」どころか、むしろ「寂しくてもわりと平気」な動物です。
多少の個体差はありますが、基本的にうさぎはひとりぼっちでも平気な動物で、1匹で過ごす時間が長くてもストレスは溜まりません。お留守番も1日程度なお利口にできます。
うさぎは、元々群れで暮らす動物なので社会性を持っており、同じ空間で暮らす飼い主さんのことは仲間と認識して、よくなつきます。
ただし、群れの中にいても基本的には単独行動を取る動物なので、飼い主さんに干渉されることは好まず、適度な距離を保ちます。
ですから、飼い主さんが食事や掃除など身の周りのお世話さえきちんとしてくれれば、満足してひとりでマイペースに過ごすことができるのです。
◆多頭飼いをする必要もない
うさぎは多頭飼いをする必要もありません。
「1匹だけだと、仲間のうさぎがいなくて寂しそう」と思うことがあるかもしれませんが、うさぎはほかのうさぎがいないことに寂しさや孤独を感じることはないので、1匹だけでも幸せに暮らすことができます。
むしろ、うさぎの飼育は単頭飼いが理想です。
確かに、うさぎは群れで暮らす習性を持つ動物ですが、うさぎ同士の上下関係は厳しいので、うさぎの数が増えるほど互いにストレスを感じやすくなります。
特に、オスは縄張り意識が強く「自分が一番上」だと思いたがるので、同じ空間に気に入らないうさぎがいれば、追い出そうとして激しいけんかをするようになります。
また、うさぎも嫉妬心を抱くので、多頭飼いをするとほかのうさぎが飼い主さんにかわいがられているのを見て、やきもちを焼くこともあります。
一方、単頭飼いをしていればうさぎにはライバルがいなくなるので、縄張りと飼い主さんが独占でき、ストレスを感じず平和に過ごすことができるようになるのです。
「うさぎは寂しいと死んじゃう」というイメージの発端は?
うさぎは寂しがり屋でもないし、寂しくても死ぬことはありません。それなのに「うさぎが寂しいと死んでしまう」というイメージが世間に定着してしまったのはなぜでしょうか。
◆1993年放送の「ひとつ屋根の下」というドラマのセリフ
「うさぎは寂しいと死んじゃう」という説の大元になったのは、1993年放送のドラマ「ひとつ屋根の下」に出てきたセリフではないかといわれています。
「ひとつ屋根の下」は、6人きょうだいの家族愛をテーマにしたドラマで、その中で酒井法子さん演じるヒロインが「うさぎは寂しいと死んじゃうの」というセリフを口にしました。
このセリフの裏には「人は一人では生きていけないんだよ」という意味が含まれていたようです。しかし、ドラマのヒットと同時に「うさぎは寂しいと生きていけない動物」という概念まで植え付けてしまったようなのです。
さらに、その2年後に酒井法子さんが「碧いうさぎ」という楽曲を出すのですが、歌詞の中には「碧いうさぎ(中略)独りきりで震えながら 淋しすぎて死んでしまうわ」というフレーズが含まれていました。
この歌詞は女性の心情をうたったものだったのですが、同じ女優さんが二度も「うさぎはさびしいと死ぬ」というフレーズを口にしたのでインパクトが大きかったのでしょう。「うさぎはさびしいと死ぬらしい」と思い込む人が増えてしまったようなのです。
そもそも、うさぎは肉食動物に捕食される側の動物で、見た目の雰囲気からも「おとなしくて、けなげ」「か弱くて独りでは生きていけない」といったイメージが持たれがちです。
そのため「寂しがり屋で、寂しいと死んでしまうか弱い動物」というキャラクターが違和感なく浸透していったのではないでしょうか。
うさぎは寂しいと死ぬといわれるのは、生態にも関係がある?
うさぎが寂しいと死ぬ動物だと思われるようになった理由は、ドラマや楽曲の影響のほかに、うさぎ特有の生態も関係していると考えられています。
◆うさぎは体調不良を隠す生き物
うさぎは、元気そうにしていても急に体調が悪化して亡くなることがあります。実は、うさぎが急に亡くなることはそう珍しいことではありません。
うさぎが命を落とす理由はさまざまですが、元気そうに見えるうさぎが急に亡くなった場合は、健康なうさぎが突然死をしたのではなく、すでに何らかの疾患にかかっており、病状が悪化したために亡くなった可能性が高いと考えられます。
うさぎは体調が悪くなっても表面に出さず、元気そうに振舞おうとする習性があります。それは、うさぎが捕食される側の動物で、弱ったところを見られると外敵に襲われやすくなることを本能的に知っているからです。
外敵に捕食される心配のないペットのうさぎも、体調が悪い時はそれを隠そうとします。そのため、うさぎの具合が少々悪くても飼い主さんからは「元気にしか見えない」ということが出てくるのです。
◆しっかり観察したり、触れたりしないと変化に気付きにくい
うさぎは我慢強い動物なので、病状が悪化しても体調不良を隠そうとしてじっと耐えます。そのため、普段からうさぎの様子にあまり気を留めずにいると、病気が進行するまで気付かない可能性があります。
しかし、飼い主さんがよく観察していれば、うさぎの微妙な変化に気付くことが可能になります。毎日観察していると、元気な時と体調が悪い時ではどことなく様子が違うように感じられるからです。
うさぎの飼育は、エサやりや掃除といった基本的なお世話をするだけでなく、健康管理も必要です。毎日うさぎのお世話をしたり一緒に遊んだりする時に、よく観察して、うさぎに異変がないか確認する習慣をつけるようにしましょう。
食欲、排泄物の状態、仕草は健康のバロメーターになります。以下の点をチェックしてうさぎの病気を早めに発見しましょう。
●牧草やペレットを適正量食べているか
●糞の大きさや量、尿の色に問題はないか
●体重が減っていないか
●耳が冷たくないか
●触られるのを嫌がらないか
●腫瘍や皮膚の炎症などができていないか
●隅でじっとしていることが増えていないか
●目が輝いているか
早めに体調不良に気付くことができれば、手遅れになる前に適切な治療を受けさせることができます。
◆不調に気が付いた頃には手遅れの場合がある
「忙しい」「家を留守にしがち」などの理由でうさぎに接する機会が少なくなると、どうしてもうさぎの異変を見落としやすくなってしまいます。
動かない、えさを全く食べない、糞やおしっこが出ない、といった明らかな不調に気付いた頃には、すでに重篤な状況に陥っている可能性が高くなります。
うさぎはストレスに弱く体もデリケートなので、発症すると短期間で重篤な状態に陥いることも少なくありません。感染症、消化管うっ滞、熱中症などはどのうさぎにも起こりやすく、治療が遅れると命に関わります。
いくら「うさぎは寂しがりやではないので、ひとりにしておいても大丈夫」といっても、放置は禁物です。必要なお世話はきちんとして、コミュニケーションもしっかりと取ってあげましょう。
かまってあげないのはストレスの原因にもなる
うさぎはひとりでも平気で過ごせる動物ですが、寂しさを全く感じないわけではありません。飼い主さんがかまってあげなければ、ストレスを感じるようになります。
うさぎには社会性があり、飼い主さんやご家族、一緒に飼われているほかのうさぎには仲間意識を持っています。
確かに縄張り意識があり、相性の悪いうさぎや気に入らない人に対しては攻撃的になる一面もありますが、基本的には無駄な争いは好まず、仲間のことは大切にします。
また、はっきりした喜怒哀楽があり、大好きな飼い主さんに対しては甘えたり喜びを伝えたり、時にはすねたりやきもちを焼いたりもします。そのように感情が豊かな動物なので、ストレスも感じやすいのです。
注意したいのは、ストレスが体調を崩す原因につながるということです。うさぎはストレスに弱いので、それが命を落とす病気につながることもあります。
ですから「うさぎは寂しがり屋ではない」とはいえ、適度なコミュニケーションをとって、あまり寂しさを感じさせないことも必要になってくるのです。
まとめ
「うさぎは寂しいと死んじゃう」は、ドラマや歌詞の影響でまことしやかに広まった噂です。本当のうさぎは世間でイメージされているような寂しがり屋さんではなく、1匹でも平気で過ごせます。
ですが、放っておいても大丈夫というわけではありません。かまってあげないと、病気を見落としたり、うさぎがストレスを感じて弱ったりして、命を落とすことがあります。
結論としては「うさぎは寂しさが直接の理由で死ぬことはない。ただし、かまってあげないと病気やストレスで死んでしまうことがある。だから基本的なお世話と適度なコミュニケーションは必要。」ということになります。
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