イースターってどんなお祭り?なぜ町中にうさぎや卵が溢れるのか

2024.03.01

イースターってどんなお祭り?なぜ町中にうさぎや卵が溢れるのか

イエス・キリストの復活記念日として、キリスト教圏の国々で祝われる「イースター」。 うさぎや卵などのモチーフに溢れ、春先に開催される温かなお祭りです。 うさぎがモチーフになるお祭りなんて、ちょっと興味が沸きませんか? 今回は、そんなイースターがどのようなお祭りなのか?なぜ、イースターでは町中にうさぎや卵が溢れるのか?などについて、お話ししていきたいと思います。


【掲載:2023.04.01  更新:2024.03.01】

イースターはうさぎと卵が登場するお祭り?

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イースターは春のお祭りで、キリスト教ではクリスマスに並ぶくらい大切にされているお祭りです。
日本では、イースターというと「キレイに彩られた卵」というイメージはありますが、実際のところ、あまり馴染みがないと感じられる方も多いのではないでしょうか?
実は、イースターでは卵だけでなく、うさぎなどキーになるシンボルが登場します。
そんなイースターとは、どのようなお祭りなのでしょうか?
また、なぜイースターのシンボルに「うさぎ」や「卵」などが用いられ、そこにはどのような歴史や意味があるのでしょうか?
ここでは、「そもそも、イースターとは一体どのようなお祭りなのか?」「なぜ、イースターにはうさぎや卵などのシンボルが登場するのか?」について、ご紹介していきたいと思います。

◆イースターの歴史

「Easter(イースター)」は、キリスト教圏の国々で行われているイエス・キリストの復活を祝うお祭りで、春に行われます。
イエス・キリストは弟子の裏切りに合い、国家に対する反逆の罪で十字架にかけられ処刑されました。しかし、その3日後に復活したといわれています。
イースターは、そのイエス・キリストの復活を祝ったお祭りであることから、「復活祭」とも呼ばれています。
イースターは、クリスマスやハロウィンなどに比べ、日本ではあまり馴染みのないお祭りといえるでしょう。
しかし、イースターの原型は6世紀頃には確立されていたといわれており、キリスト教圏の国々ではイースター休暇があるなど、クリスマスと並ぶ、いや、それ以上に大事にされている歴史あるお祭りなのです!

◆イースターの意味と由来

なぜイースターと呼ばれるようになったのか、その語源には諸説あります。
たとえば、古代ゲルマン神話に登場する春の女神「Eoster(エオストレ)」に由来し「春の訪れを祝う」という意味が込められているという説。
さらに、「Eostremonat(エオストレモナト)」という春の訪れを告げる「春の名月」を祝うお祭りから由来しているという説など、未だにイースターの語源として「これ」とされるものはありません。
しかし、これら語源とされる言葉からも分かるように、イースターには、大きく分けて2つの意味があります。
1つは、キリスト教における「イエス・キリストの復活をお祝いする」日
そして、もう1つは「春の訪れを感謝し、お祝いする」日でもあるのです。
なぜイースターといわれるようになったのか、なぜイースターが祝われるようになったのか、それは、信仰心の深い人々の思いの深さだったのかもしれません。

◆3つのシンボル

イースターのお祭りを彩るシンボルといえば、「うさぎ」「卵」「子羊」の3つです。
なぜ、これらがイースターのシンボルとなったかというと、そこには、語源の1つとされる「エオストレ」の伝説と「キリスト教」の教えがあります。
なぜなら、エオストレは、子孫繁栄の象徴である「野うさぎ」を従えた春の女神です。
伝説では、春になると野うさぎたちがエオストレに「卵」を献上し、その卵を春風にのせて配ったとされています。
さらに、キリスト教では、卵は「生命の始まりの象徴」とされており、「復活」を祝うのにふさわしいシンボルともいえるでしょう。
このようなことが、イースターで「うさぎ」や「卵」がシンボルとして用いられるようになった理由として考えられています。
そして、イースターの時期になると、うさぎは「イースターバニー」、卵は「イースターエッグ」と呼ばれ、うさぎのアイテムやカラフルな卵がシンボルとして町中に溢れるのです!
では、さらにもう1つの「子羊」は、なぜイースターのシンボルとなったのでしょうか。
なぜなら、そもそも「子羊」は古くから生贄として用いられることの多い動物であり、「羊」は「イエス・キリスト」を表す言葉でもありました。
イエス・キリストが「人間の罪に対する生贄として存在する」という考えから、聖書や聖歌などでは、イエス・キリストは「神の子羊」と表現されています。
このようなことから、シンボルとして、ご馳走として用いられるようになり、イースターには羊(ラム肉)の料理がふるまわれるようになったといわれています。


イースターはいつなの?

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イエス・キリストが復活したのが日曜日だったことから、イースターは「春分の日以降の最初の満月の次の日曜日」と決められています。
そのため、毎年同じ日にちに行われるというわけではありません。
また、キリスト教の宗派によっても、イースターの日にちは変わります。
キリスト教圏の国々にとって、イースターはクリスマスと同じくらい、大切で、盛大にお祝いする行事です。
しかも、本来イースターでは、当日の日曜日だけを祝うのではなく、イースターシーズンといわれる7週間がお祝いの期間となります。
そして、なぜかイースターシーズンになると、店頭にはイースターのシンボルである「うさぎ型」や「卵型」をしたチョコレートが並びます。
一見、イースターとは結び付きにくいチョコレート。イースターでチョコレート菓子が並ぶのは、いったいなぜなのでしょうか?
その理由として、イースターの長い歴史のなか、お菓子作りに「型」が使われるようになったことやチョコレートを使ったお菓子作りの技術そのものが向上したことなどが考えられます。
そもそも、チョコレートが人気のお菓子だったということもあるでしょう。
しかし、最も有力な理由は、チョコレートメーカーがイースターエッグにチョコレートを詰めたものやうさぎ型のチョコレートを販売したという説です。
どうやら、クリスマスのサンタクロースや日本のバレンタインデーと同じように、そこには企業戦略があったようですね。


イースターはなぜうさぎなの

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なぜ「うさぎ」がイースターのシンボルとなったのか?
その理由は、古代ゲルマン神話ではエオストレが野うさぎを従えていたとされること、キリスト教ではうさぎを「生命力」や「繁栄」の象徴としていることから、というお話をしました。
では、なぜ、うさぎはそのような対象として考えられているのでしょうか。
なぜなら、それは「うさぎ」がとても多産な動物であることから、古くより「豊かな実り」や「子孫繁栄」の象徴とされていたことに由来します。
イースターバニーが復活祭のシンボルとして登場したのは16世紀ごろで、発祥はドイツといわれており、その後、さまざまな国に広まっていきました。
ちなみに、かつてドイツのイースターでは、野うさぎが裁判官として子供たちが良い子にしていたかどうかを判定し、良い子にはイースターエッグやお菓子、おもちゃなどが配られていました。
このような風習から転じて、現在のイースターでは、イースターバニーやイースターエッグが登場し、子どもたちがお菓子やおもちゃの入った卵を探す「エッグハント」という遊びを楽しむようになったといわれています。


イースターは日本の文化ではない

キリスト教徒であったり、教会が身近にある生活をしていたりするケースは別として、現在のところ、イースターそのものは日本人にとって馴染みのあるお祭りとはいえません。
実際、ここまでお話ししてきたように、イースターは日本の文化ではなく、むしろ宗教色の強いお祭りといえます。
とはいえ、最近では、春先に子どもたちが楽しめるイベントとして、イースターが日本でも取り入れられるようになってきました。
卵に綺麗なペイントをしたり、うさぎのコスプレをしたり、エッグハントなどのイベントが行われていたりもします。
日本の春先は気候も良く、お祭りやイベントにはもってこいの時期です。
さらに、本場のイースターでも子どもたちが喜ぶようなアイテムや遊びが取り入れられているように、子どもも楽しく参加できるイベントとして、日本人に受け入れられるようになりました。
イベントとして楽しむのはもちろんのこと、イースターがどのような意味を持つお祭りなのかを知ると、さらに理解も深まり、きっとその楽しみ方も変わってくるでしょう。


まとめ

今回は、「復活祭」とも呼ばれるキリスト教のお祭り「イースター」について、お話ししてきました。
イースターはキリスト教のお祭りではありますが、日本のお祭りとの共通点もあります。
たとえば、日本のお祭りの1つである「ひな祭り」といえば、お雛様や桃の花を飾り、ちらし寿司やはまぐりのお吸い物を食べる。
また、「端午の節句」といえば、こいのぼりや兜、ちまきや柏餅を食べ、菖蒲湯に入る。といったように、日本のお祭りにもさまざまなシンボルが登場します。
イースターも同様で、イースターにおけるシンボルは「うさぎ」「卵」「羊」。
なぜ、それらがシンボルとなるのかについては、それぞれ意味があり、イースターでも例外ではありません。
イースターは、まだまだクリスマスやハロウィンほど日本に定着したお祭りではありませんが、今回ご紹介してきたような歴史や意味を知ると、また違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。
うさぎが「生命力」や「繁栄」を象徴する動物であることも、とても興味深い話ですね。
是非、今年のイースターは、そんな意味を考えながら、過ごして頂けたらと思います!



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こどもの頃から、爬虫類、小動物、ワンコなど、さまざまな動物と共に生活してきました。 今まで出会ってきた動物たちとの経験を活かしながら、新しい情報、役立つ情報をキャッチし、ご紹介していきたいと思います。


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