ハムスターにピーマンを与えても大丈夫?
ハムスターは、草食性に近い雑食性の動物ということもあり、好き嫌いはあまりありません。
ハムスターに与える食事は、ペレットと野菜類が1対1の割合がベストです。
与える割合の多い野菜ですから、ハムスターの健康に良いものを選びたいですね。
例えば、栄養価が高いうえに、日持ちもよく、手に入りやすい野菜であるピーマン。
もしも、ピーマンが「ハムスターの食べられる野菜であれば!」と期待する飼い主さんも多いかもしれません。
実際のところ、ピーマンをハムスターに与えることは可能なのでしょうか?
ここでは、「ピーマンはハムスターに与えられる野菜なのか?」見ていきましょう。
◆大量に与えなければ大丈夫
ハムスターは、ピーマンを食べることができます!ただし、大量に与えることはNGです。
ピーマンに限らず、身体の小さなハムスターに大量の野菜を与えると、お腹を壊してしまうなど、体調を崩す可能性があるので注意しましょう。
あくまでも、ハムスターにとって、野菜はペレットだけでは足りない栄養素を補うためのものです。
野菜はペレットと同じくらいの量を意識し、もちろんピーマンばかりでなく、他の野菜組み合わせてバランスよく与えてあげてください。
◆与える量はひとかけらくらい
たとえピーマンが食べられるとはいえ、ハムスターに与える量には、十分気を付けてあげる必要があります。
そもそも、ハムスターはとても身体の小さな動物です。
では、ハムスターにピーマンを与える場合、一度にどれくらいの量にしてあげたら良いのでしょうか?
もしかしたら、「それだけ!?」と思われるかもしれませんが、ハムスターに与える量は「ひとかけら」くらいにしておきましょう。
あくまでも、ハムスターの主食はペレットであり、野菜は補助的な役割を果たすものです。
また、さまざまな野菜から、多くの種類の栄養素を摂取することが望ましいので、ハムスターに与えるピーマンの量は「ひとかけら」くらいと考えてください。
なお、ひとかけらの量は、5mm~1cm四方くらいが目安です。
◆ハムスターは苦みを感じるの?
ピーマンなど、ナス科の植物に含まれている「アルカロイド」は、苦みを感じる原因のひとつです。
さらに、ピーマンには、渋み成分にあたるポリフェノールの一種「クエルシトリン」、香り成分にあたる「ピラジン」が含まれており、これらが一緒になることで、より苦みを感じることもわかっています。
どうやら、ハムスターも人間と同じようにこの苦みや渋みを感じるようで、当然、なかにはピーマンが好きではない、ピーマンを食べたがらないハムスターもいます。
もしも、ハムスターが与えたピーマンを食べたがらない場合は、いくらビタミンCが豊富だからといって、無理に与える必要はありません。
ちなみに、ハムスターは体内でビタミンCを生成する機能を持っているため、ピーマンを食べることができなくても、全く問題ありません。
もしも、ハムスターがピーマンを食べたがらないようであれば、無理せず、他の野菜を与えてあげるようにしましょう。
ピーマンの栄養素
ピーマンには、ビタミンCを筆頭に、β-カロテンや食物繊維など、ハムスターの健康維持に必要な栄養素がたくさん含まれています。
なお、ピーマンに多く含まれる栄養素には、次のような特徴があります。
ビタミン類
ピーマンは「ビタミンの宝庫」と呼ばれるほど、ビタミン群が多く含まれている野菜です。
ピーマンに含まれるビタミンには、A、B1、B2、C、D、Pなどがあります。
なかでもビタミンAとCの含有量は多く、ビタミンAはトマトと同程度、ビタミンCに至ってはトマトの4倍ともいわれているほど。
豊富に含まれたビタミンA・Cにより、細胞の働きを活性化して、抵抗力を高めたり、皮膚や粘膜の調子を整えたりする効果が期待できます。
β-カロテン
β-カロテンは、必要に応じて体内でビタミンAに変換されるという特徴のある栄養素です。
そのため、β-カロテンとしての効果だけでなく、ビタミンAとしての効果も持ち合わせているといえます。
なお、β-カロテンには、抗酸化作用があり、動脈硬化を予防する効果が期待できます。
食物繊維
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。
ピーマンには、水溶性食物繊維に対して、約3倍の不溶性食物繊維が含まれているといわれています。
なお、食物繊維には整腸効果があり、便秘の予防が期待できます。
クエルシトリン
ピーマンの渋み成分であるクエルシトリンは、ドクダミなどにも含まれる栄養素です。
クエルシトリンには、新陳代謝を高め、解毒作用を強める働きがあるといわれれており、便秘の改善や動脈硬化の予防などの効果が期待できます。
ピーマンには毒性がある?
ピーマンの苦味成分のひとつともいわれる「アルカロイド」は、多くのナス科の野菜に含まれる「害虫を防ぐための天然の有毒成分」です。
とはいえ、ピーマン1個に対するアルカロイド含有量は、ごく少量です。
そのため、大量のピーマンを与えるようなことがなければ、ハムスターの健康に問題を与えることはありません。
しかし、万が一、ハムスターにピーマンを大量に与えてしまうようなことがあると、アルカロイドによる影響だけでなく、大量のビタミンC摂取によるビタミン過剰症を起こす可能性もあります。
なお、大量にアルカロイドを摂取したり、ビタミン過剰症を発症したりすると、下痢 ・吐き気といった症状を引き起こし、ハムスターにとっては命に係わる大きなダメージになります。
くれぐれも、ハムスターに与えるピーマンはひとかけらです。
ピーマンも含め、ハムスターへの野菜の与えすぎには、十分に注意しましょう。
ピーマンの種や葉を与えてもいい?
ハムスターが食べられるのは、ピーマンの「実の部分のみ」と考えてください。
ハムスターは、カボチャやヒマワリの種など種子類を好んで食べますが、ピーマンの種は与えないでください。
その理由は、ピーマンの種には、トウガラシなどに含まれる辛み成分の「カプサイシン」が含まれているため。
ちなみに、このカプサイシンは、ネズミの嫌いな成分として知られており、ネズミよけの忌避剤としても使用されている成分です。
やはり、ハムスターにピーマンを与える場合は、種は取り除くのがベストですね。
また、ピーマンに含まれるアルカロイドは、実よりも茎や葉の含有量の方が多いといわれているため、ハムスターには、ピーマンの茎や葉も与えないようにしましょう。
あくまでも、ハムスターに与えていいのは、実のみです。
なお、もしも「ピーマンの栄養素は魅力的でも、ハムスターに与えるのは少し心配」という場合は、ペットショップなどで小動物用のおやつとして市販されている、「乾燥ピーマン」を与えてみるのもよいでしょう。
パプリカを与えてもいい?
ハムスターにパプリカを与えることは可能です。
パプリカは、ピーマンと同じナス科の植物で、ピーマンと比べるとパプリカの方が大きく肉厚で、さらに、甘みがあるのが特徴です。
また、パプリカに含まれている栄養素はピーマンとほぼ同じで、むしろ、ビタミンCやβ-カロテンはパプリカの方が多く含まれています。
なお、赤いパプリカの赤色は、カプサンチン色素によるもので、これは唐辛子に含まれる色素成分と同じです。
ただし、含有量はごく少量のため、ハムスターに与えても、ピーマンと同じように「ひとかけら」の量であれば問題ありません。
とはいえ、ハムスターに与える際に「カプサンチン色素が気になる」という場合は、黄色のパプリカをおすすめします。
黄色のパプリカは、他の色のパプリカに比べて甘みも強く、ビタミンCが豊富で、ハムスターも気に入ってくれるかも!?
パプリカは、ハムスターが食べなければいけない野菜という訳ではありませんが、機会があったら与えてみてあげてみてください。
まとめ
今回は、ハムスターにピーマンやパプリカを「食べさせても良いのか?」「与えることはできるのか?」について、ご紹介してきました。
ピーマンには、アルカロイドという有毒成分が含まれているため、与えて良いのか心配な飼い主さんもいらっしゃったでしょう。
もちろん、食べたがらないハムスターに、無理やり与える必要はありません。
食べられる野菜のバリエーションのひとつとして、検討してみると良いでしょう。
ハムスターに野菜を与える際に、最も気を付けてあげたいことは、与える量です。
ピーマンやパプリカだけに限らず、ハムスターに野菜を与えるときは、ペレットと同量くらいにし、ペレットと野菜の比率を1対1にするように心がけてあげてください。
万が一、必要以上の野菜を摂取してしまうと、ペレットが食べられなくなり本来必要な栄養素が不足したり、水分摂取がおおくなり下痢をしてしまったりするなど、体調を崩してしまう可能性があります。
身体の小さなハムスターにとって、下痢は大きなダメージになる恐れもあるのです。
ピーマンは手に入りやすい野菜のため、ついつい頼ってしまうかもしれませんが、あくまでも量はひとかけら。
しっかりと量を守り、ハムスターにとって良い栄養バランスで与えてあげましょう。
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