1.トカゲをはじめ、爬虫類は脱走が得意
1-1.度々大型トカゲの脱走がニュースになる
1-2.ケージの蓋の締め忘れで脱走することが多い
2.トカゲを逃がしてはいけない理由
2-1.生態系への影響
2-2.爬虫類が苦手な人は多い
2-3.逃げたトカゲが死んでしまう
3.トカゲを脱走させないために確認すること
3-1.ケージの扉を開けたまま作業をしていないか
3-2.ケージの蓋が壊れてはいないか
3-3.トカゲの通れそうな穴は開いていないか
4.脱走させてしまったらどうする?
4-1.部屋から出られないようにする
4-2.机の下などに隠れていないか調べる
4-3.外に逃げた場合警察に伝える
トカゲをはじめ、爬虫類は脱走が得意
トカゲやヘビ、ヤモリに至るまで、飼っている爬虫類が「脱走した!」または「脱走しようとした!」という経験のある飼い主さんは多いのではないでしょうか。
地面を這って歩くイメージのある爬虫類ですが、実は、爪の引っかかるところさえあれば、壁をも簡単に乗り越えられてしまうのです!
ここでは、トカゲがいかに脱走の得意な生き物かについて、ご紹介していきましょう
◆度々大型トカゲの脱走がニュースになる
「『ワニがいる!』という通報で駆けつけた警察官が見たものはミズオオトカゲだった!」
という話しを聞いたことはありませんか?
実際、トカゲの脱走は度々ニュースになりますが、いったい何故なのでしょうか。
ちなみに、ミズオオトカゲは、成体になると体長2m50cmを超えるほどの大型のトカゲです。
「そんなトカゲが脱走するような飼育の仕方をするなんて!」と思われるかもしれませんが、実は、トカゲは脱走の名人。
小型のトカゲもさることながら、大型のトカゲさえも、少しの隙間を見つけてはあっさりと脱走してしまいます。
爬虫類においては、飼い主さんのたった1回の不注意が、ニュースになるほどの大脱走につながってしまうのです。
◆ケージの蓋の締め忘れで脱走することが多い
トカゲの脱走は、ケージの隙間や締め忘れた蓋や扉から抜け出すことで起こります。
特に、身体の小さな幼体のトカゲなどは、ケージの柵や完全に閉まりきっていない扉の隙間からすり抜けて脱走してしまうことがあるため、爬虫類用以外のケージでの飼育はあまりおすすめできません。
また、トカゲは、立ち上がったときに頭が出てしまうくらいの高さの壁であれば、簡単に乗り越えることができてしまいます。ケージの掃除中や掃除後の上部の蓋の締め忘れには十分注意が必要です。
脱走したトカゲの捕獲は、簡単なことではありません。
まずは、ケージの蓋や扉を締め忘れることがないように徹底すること。
さらに、柵タイプのものではなく、ガラスなどで囲まれた爬虫類用のケージを使用したり、背の高い形状のケージを使用したりするなど、万が一蓋を閉め忘れても脱走しにくいケージで飼育するなどの工夫が必要です。
トカゲを逃がしてはいけない理由
トカゲが脱走し、家の外に逃げてしまった場合、捕獲はとても難しいと考えましょう。
その理由のひとつが、トカゲは、地面に掘った穴、物陰や隙間などに生息するため。
もうひとつは、すばしっこいためです。
このような点からも、トカゲは決して逃がしてはいけません。
「自然に帰って生活してくれれば」と思われるかもしれませんが、実は、そう簡単なことではないのです。
ここでは、トカゲを逃がしてはいけない理由について、お話ししていきます。
◆生態系への影響
ペットとして飼育されるトカゲの多くは、日本固有の生体ではなく、外来生物です。
本来いないはずのトカゲが自然のなかで生活を始めると、その土地の虫などを餌として食べてしまい、いるべき虫たちの個体数を減らしてしまう恐れがあります。
さらに繁殖することにより、より一層その土地の生態系を脅かす「侵略的外来種」となる危険性もあります。
このように、ペットのトカゲが野に放たれるということは、単純に「自然に帰る」ということではないのです。
◆爬虫類が苦手な人は多い
爬虫類好きには信じられないことかもしれませんが、世の中には「爬虫類が苦手」という人が結構多いです。
爬虫類が苦手な人にとっては、大型のトカゲはもちろんのこと、たとえ小型のトカゲであっても、自分の周りにトカゲがいるとなれば「怖い!」と感じてしまうでしょう。
また、トカゲが逃げてしまったとなれば、捕獲のために警察や行政のお世話になる必要も出てきます。もちろん、近隣の方々に迷惑をかけることにもなります。
このように、トカゲの脱走は多くの人に迷惑をかけることになる、ということを忘れてはいけません。
◆逃げたトカゲが死んでしまう
逃げたトカゲは、必ずしも自然のなかで元気に生きられるとは限りません。
ペットとして飼われている間は、トカゲが快適に生活できるよう、飼い主さんが環境を整えてあげていたでしょう。
しかし、自然のなかが必ずしもトカゲにとって快適な環境とはいえません。
そのトカゲの生態によっては、日本の気候に合わない場合もあります。
季節によっては、寒さから凍死してしまう、暑さから熱中症のような状態になってしまう、餌が捕れずに餓死してしまうことも考えられるでしょう。
また、カラスなどの外敵に襲われたり、車に轢かれてしまったりなど、さまざまな要因で命を落としてしまう可能性があるのです。
このように、トカゲは過酷な環境に放り込まれることになるため、トカゲのためにも脱走は避けなければいけません。
トカゲを脱走させないために確認すること
ここまで、トカゲは意外に簡単に脱走してしまうこと、そして、トカゲが脱走することによって起こるさまざまな影響について、お話ししてきました。
とにかく、最も重要なことは、大切なトカゲを脱走させない環境を整えてあげることです。
では、どのような点に注意しなければいけないのでしょうか?
ここでは、トカゲを脱走させないために日頃から確認しておくべきことについて、ご紹介していきます。
◆ケージの扉を開けたまま作業をしていないか
ケージ内の掃除や餌やり、ハンドリング時など、ケージの蓋や扉を開けたままで作業することがあります。実は、これが最も危険です。
実際に、「ほんの一瞬目を離したすきに、壁を乗り越えようとしていた!」ということは、とてもよく起こります。
さらに、そこで慌てて無理やり捕まえようとしたり、ケージ内に押し戻そうとしたりすることでトカゲが驚き、飼い主さんとの関係性が悪くなることも。
とにかく、ケージの蓋や扉を開けたままで作業しないようにする習慣をつけましょう。
◆ケージの蓋が壊れてはいないか
ケージの蓋や扉が壊れていたり、閉まりづらくなっていたりしてはいませんか?
トカゲは、蓋や扉が壊れていたためにできたちょっとした隙間から、簡単に脱走してしまいます。
ケージの蓋や扉は、しっかりと閉めること。
そして、壊れているようであれば、修理するか、ケージを買い替えるなどして、脱走できない環境を整えてあげましょう。
また、蓋や扉に鍵を付けておくと、さらに安心です。
◆トカゲの通れそうな穴は開いていないか
隙間と同様に、ちょっとした穴でも、トカゲが通れると判断した場所は、脱走の経路となります。
爬虫類用のケージの多くがガラスやアクリルで囲まれた形状になっているため、側面に穴が開くことはありませんが、上部の網目の部分や柵状のケージの場合、穴が大きくなってしまっていることも少なくありません。
穴が開いたり、広がったりしそうな部分は、常に確認しておきましょう。
脱走させてしまったらどうする?
飼い主さんは、日頃からトカゲが脱走することのないよう、お世話の仕方やケージの状態などに注意を払う必要があります。
しかしながら、どんなに注意していると思っていても、トカゲを脱走させることは絶対ない!とはいえません。
万が一、トカゲを脱走させてしまった場合は、どのように対応したらよいのでしょうか?
トカゲがケージから姿を消してしまったとき、飼い主さんがすべきことについて、ご紹介していきましょう。
◆部屋から出られないようにする
トカゲの脱走で一番避けなければいけないのが、外に出てしまうこと。
まずは、ケージの置いてある部屋から出てしまわないよう、扉や窓など、出口になりそうな箇所をしっかりと閉めましょう。
万が一、脱走してからどのくらい時間がかかったか分からないような場合でも、とりあえず部屋にいる可能性を考え、部屋から出られないようにする必要があります。
たとえ脱走したとしても、部屋から出てさえいなければ、トカゲの捕獲も難しくありません。
部屋をしっかりと閉じた後、必要に応じて残りの部屋の確認をしましょう。
◆机の下などに隠れていないか調べる
部屋から出られないようにした後は、部屋のなかを探します。
その際、トカゲの健康を考慮し、室温をトカゲの適温に保ちながら探すのがベストです。
机やベッドの下、タンスや本棚の脇、観葉植物の後ろなど、暗く、姿を隠せるような場所を重点的に捜索しましょう。
さらに、部屋の状況によっては下の方ばかりでなく、トカゲが登ることも考慮して棚の中など、目線の高い位置も確認します。
その他、隠れている可能性があるのは、電化製品の排熱で温かくなっている場所や水回りなどです。
思い当たるだけの「トカゲがいそうな場所」をしっかりと探してあげて下さい。
◆外に逃げた場合警察に伝える
「どれだけ探しても見つからない」「もう探すところがない」という状況になってしまった場合は、トカゲの大きさに関わらず、速やかに警察に連絡しましょう。
警察に捕獲について相談するだけでなく、脱走したトカゲが保護されているかどうかを確認するためにも、警察への一方は重要です。
なお、保護されていたとしても、万が一、飼い主さんが見つからない場合は殺処分されてしまう可能性もあります。
トカゲが屋外に脱走したと思ったら、まずは最寄りの警察に相談してください。
まとめ
今回は、トカゲの脱走についてお話をしてきました。
爬虫類を飼育する場合、トカゲに限らず、脱走は「比較的起こる可能性の高いトラブル」だと思っていていください。
いつもはちゃんと注意していたのに、ちょっとした隙に…という話しは、本当によく耳にします。
まずは、ケージの状況をこまめに確認しておくとともに、掃除や餌やりなどケージの蓋や扉開けなければいけない場合でも、常に「開けたら、閉める」を徹底するようにしましょう。
それでも、万が一、ケージから脱走してしまったという場合は、とにかくトカゲを屋外に出さないことです。
まずは、ケージの置いてある部屋を扉や窓をしっかりと閉めてから探すようにして下さい。
それでも見つからない場合は、速やかに最寄りの警察署に相談してください。
1日でも長く一緒にいられるよう、日頃から「脱走」を意識しながらお世話していくことも大切です。
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