ラットとマウスの違いとは?それぞれの特徴や飼育方法を解説します!

2023.07.02

ラットとマウスの違いとは?それぞれの特徴や飼育方法を解説します!

日本では「ネズミ」と一括りにされてしまう「ラット」と「マウス」が、全然違う動物だと知っている人はどれくらいいるでしょうか。 そもそもネズミに種類があるの?という人も少なくないかもしれません。 実は、ラットとマウスは見た目だけでなく、それぞれの性質や飼育方法まで全く異なるんです。 この記事ではその両者の違いについて徹底解説していきますので、気になっていた方はぜひ参考にしてくださいね。


ラットとマウスの違いを知りたい!

ハツカネズミ

「ネズミ」と聞くと、上の写真の様な干支でもお馴染みの”あの姿”の動物を想像する方が多いのではないでしょうか。

日本で「ネズミ」と聞いた時に連想される動物は、ラットかマウスと呼ばれるどちらかのことがほとんどです。
みなさんはこちらの写真の動物が「ラット」か「マウス」か自信をもって答えられるでしょうか。
果たして両者の違いは何でしょうか。

実はラットとマウスは国によって認識が異なる動物です。
日本では「ネズミ」と一括りにされがちな「ラット」と「マウス」ですが、英語圏では「ネズミ」という総称はなく、「ラット」か「マウス」かきちんと区別されています。

ラットとは大きなネズミを指し、人の生活圏を脅かす害獣、汚いものというイメージを持たれています。
一方でマウスとは小さなネズミを指し、可愛らしいペット、キャラクターのモチーフとして愛されているといったイメージがあるようです。

英語圏ではサイズによって両者を見分け、ラットは嫌いだけどマウスは好きという人がたくさんいるといいます。
日本の感覚ではどちらも同じに見えてしまうので不思議ですよね。

また、ラットとマウスは動物実験に利用される際にも明確な違いがあります。
詳しくは後述しますが、実はラットもマウスも品種改良して作られた小動物です。

元となっているネズミの種類が異なるため、遺伝子やゲノム、体の特徴や環境への耐性などにも違いがあります。
ラットとマウスはその違いを活かして、それぞれ異なる分野の実験用動物として活躍しているのです。


「ラット」はドブネズミ

ラット

ラットは、野生のドブネズミを家畜用・実験用として品種改良して作られました。

ドブネズミと言われると、英語圏での認識と同様になんだか汚いイメージが浮かびますよね。
果たしてラットはどんな動物なのか、詳しく見ていきましょう!

◆体の大きさ

ラットは体長18〜28cm、体重200〜700g程度と言われています。
ふれあい動物園で人気のモルモットが体長20〜40cmとされているので、ほぼ同じと考えると、かなり大型のネズミであることが分かるでしょう。

また、メスよりもオスの方が体が大きくなる傾向にあるようです。

◆特徴

ラットの原種であるドブネズミはもともと下水や沼地、河川などの湿気が多い場所で暮らしていました。
そのため、ラットは湿度40%以下の環境が長く続くと体調を崩すなど、湿度に強く乾燥に弱いという特徴があります。

また、意外にもラットには闘争本能がほとんどなく、同じケージで多頭飼いしても攻撃し合うことはありません。
飼育者に懐くこともあるくらい穏やかで賢い動物です。

さらに、実は尿の匂いもほとんどなく、ラットの臭くて汚いイメージは誤りと言っても過言ではないでしょう。

ちなみに、英語圏ではラットとマウスを体の大きさで見分けるとお伝えしましたが、体長は個体によって差があるのが正直なところです。
実は、両者の違いは大きさではなく、「歯の形状」ではかることができます。

ラットもマウスも、ネズミ目特有の一生歯が伸び続けるという特徴を持っており、定期的に硬いものをかじって歯を削る必要がある点は共通しています。
一方で、それぞれ歯の形状は異なっているのです。

マウスの歯は先端が鋭く板状で、根本から先端にかけて2段階で厚みが変わるのに対し、ラットの歯は先端に向けて徐々に細くなっていくのが特徴です。


「マウス」はハツカネズミ

ハツカネズミ

マウスは、ハツカネズミを品種改良して作られました。

ハツカネズミと言われると、真っ白でふわふわの毛に赤い目をした小柄なネズミが想像できますよね。
可愛らしいイメージのあるマウスは実際どんなネズミなのか、詳しく見ていきましょう!

◆体の大きさ

マウスは体長5〜10cm、体重16〜28g程度と言われています。
文字通り、手のひらサイズの小さなネズミです。
ペットショップで人気のジャンガリアンハムスターの体長が7〜13cmとされているので、ほぼ同じと考えると、かなり小型のネズミであることが分かるでしょう。
また、マウスもラットと同様に、メスよりもオスの方が体が大きくなる傾向にあるようです。

◆特徴

ラットの原種であるハツカネズミはもともと穀物倉庫や草地、畑といったカラッとした場所で暮らしていました。
そのため、ラットとは正反対に、マウスは乾燥に強く湿度に弱いという特徴があります。

また、マウスは小型ながら闘争本能があるため、同じケージで多頭飼いをすると攻撃し合うことがよくあります。
一般的に体が成体に近づけば近づくほど闘争本能が高くなると言われているので、複数飼育する場合は成体になる前にケージを分ける必要があるでしょう。
さらに、マウスは基本的に人間を見分けたり懐いたりすることはないばかりか、尿の匂いが非常に強くて臭いと言われており、現実は可愛らしいイメージから程遠いようです。

先述の通り、ラットとマウスを適切に見分けるためには「大きさ」ではなく「歯の形状」を見ることが大切です。
しかし、実はもう1点、明確な違いがあります。
それは「胆のうの有無」です。
胆のうとは、脂肪を消化するために肝臓で作られる胆汁(たんじゅう)という成分を溜めておく臓器です。
マウスはこの胆のうを持っていますが、生きていく上で絶対に必要なものではないため、ラットは持っていません。


それぞれの飼育方法に違いはある?

みなさんはラットもマウスもペットとして飼育できる動物だと知っていましたか?
ペットの場合はさらに品種改良が進められ、「ファンシーラット」「ファンシーマウス」と呼ばれています。
それぞれ異なる特徴を持つ両者ですが、飼育方法にはどんな違いがあるのか、早速見ていきましょう。

◆用意するもの

ラットもマウスも共通して、飼育するには以下の5つの基本アイテムが必要です。

・ケージ
・床材
・寝床
・遊び場
・水入れ

特に、ケージはそれぞれの個体の大きさに合ったものを用意してください。
ケージの中でも十分に動き回れるような広さがあるものが好ましいです。

ラットにはウサギやフェレット用のケージを用意するといいでしょう。
マウスにはハムスター用のケージで十分ですが、柵状や網状の場合、脱走してしまう恐れがあります。
網や柵の幅が狭いものを選ぶか、空気穴があるアクリル製ケージの使用をおすすめします。

また、遊び場についても両者の間で違いがあります。
ラットは狭いところが大好きなので、ケージの中にはハンモックやトンネルといった身を潜めることができるような遊び場を用意してあげると良いでしょう。

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一方で、マウスは体を動かすのが大好きで、運動不足はストレスの原因となってしまいます。
ハムスター同様、回し車を必ず設置してあげましょう。

マウスは尻尾が長いので軸のある回し車の場合、尻尾が巻き込まれてケガしてしまう危険性があります。
軸なしで、カラカラ音が鳴りにくい回し車を用意するとマウスも飼い主さんも快適に過ごせますよ。

ちなみに、「あった方が良いもの」としては「かじり木」が挙げられます。
前述の通り、ラットやマウスは一生歯が伸び続ける動物です。
かじり木や硬い何かで定期的に歯を削らなければ、いずれ食事をすることができなくなってしまいます。
今日ではペットショップなどにハムスター用のかじり木がたくさん売っていますので、ぜひ設置してあげてください。

◆ごはん

ラットもマウスも雑食性のため、基本的にはなんでも食べてくれます。
しかし、栄養バランスを考えるのも飼い主さんの務めですよね。

両者共に、主食としては市販のマウス用(ハムスター用)ペレット、混合ペットフードを与えるのが好ましいです。
また、食事に飽きないように副食としてドライフルーツ、りんご、キャベツ、にんじん、玄米などを与えてもいいでしょう。

柑橘系などの糖分や水分が多すぎる果物は、マウスやラットの体調不良を引き起こす原因となる場合があります。
また、人が食べるような加工食品もマウスたちには危険です。
おやつを与える際は、与えてもいい食べ物なのか十分に調べることが大切です。

ごはんを与える頻度としては1日2回で十分です。
ごはんの量はその個体の体調や体重によって変化するので、ペットショップの店員さんやかかりつけの獣医師などに相談して決めましょう。
ちなみに平均的なサイズのマウスなら、1回の食事につきペレット約5粒でOKと言われていますよ。


まとめ

いかがでしたか。この記事では、ラットとマウスの違いについて徹底解説しました。

日本では「ネズミ」と一括りにされてしまうことが多い両者ですが、原種が異なることから性質や特徴に差があることがわかりました。
特に英語圏では汚いイメージのあるラットと可愛らしいイメージのあるマウスが、実際には正反対の特徴を持っているとわかり、驚いた方も多かったのではないでしょうか。

「ファンシーラット」「ファンシーマウス」と呼ばれる品種はペット飼育が可能ですので、この記事をきっかけに興味を持った方はぜひ、お家にお迎えしてみてはいかがでしょうか?



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ゆうな

ゆうな

赤ちゃんの頃から犬、猫、フェレット、ハムスター、インコと一緒に暮らしてきました。 とにかく動物が大好きで、日課は動画の動画を観ることです。 私自身も更に知識を深めながら、動物の為になる記事をご提供します!


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