1.ハムスターにスイカを与えても大丈夫
2.スイカの栄養素
2-1.約9割が水分
2-2.リコピン、β-カロテンが豊富
2-3.カリウムが利尿作用を促進
2-4.シトルリン、アルギニン
3.ハムスターにスイカを与える適正量
3-1.適正量は手に持てるくらい
3-2.スイカを食べている様子を撮りたい場合
4.ハムスターにスイカを与える際に注意すること
4-1.大量に与えないこと
4-2.毎日続けて与えない
4-3.新鮮なものを与える
4-4.食べ残しはすぐ片付ける
5.スイカの種や皮も与えて問題ない?
5-1.スイカは皮も種も食べられる
5-2.スイカの種はおやつになる
5-3.皮も少量なら食べられる
ハムスターにスイカを与えても大丈夫
夏の風物詩でおなじみのスイカは、キュウリ、メロン、かぼちゃと同じウリ科の仲間で、ハムスターも食べることができます。
酸味や苦味などの刺激もなく、特にハムスターに有害な成分も含まれていないので、与えることに問題はありません。
スイカは水分が多くて歯ごたえがよく甘いので、たいていのハムスターはシャクシャクと美味しそうに食べてくれることでしょう。
ただし、スイカは私達人間の場合でも「食べ過ぎるとお腹をこわす」と言われている食べ物なので、ハムスターに与えてよいものか、ハムスターがスイカを食べて体調を崩さないか気になってしまいますよね。
ハムスターも、スイカを食べ過ぎるとお腹をこわしてしまいます。ただし、適切な与え方をすれば問題ありません。
ハムスターの主食はあくまでもペレットなので、スイカは副食として適量を与えるようにします。スイカは上手に利用すれば、水分補給、夏バテで食欲が落ちている時の食欲の呼び水にも役立つでしょう。
スイカの栄養素
ハムスターがスイカを食べた場合、栄養面ではどのようなメリットが得られるのでしょうか。ハムスターにスイカを与える際に知っておきたい栄養価をチェックしてみましょう。
◆約9割が水分
スイカは約90%が水分、約9.5gが炭水化物、残りの0.5gがたんぱく質、ビタミンやミネラル等の栄養素で構成されています。
つまり、スイカのほとんどは水分です。水分の含有量はかんきつ類と同じくらいで、果物全体の中でも非常に水分の多い部類に該当します。
ですからスイカを食べることは、水分補給していることとほとんど同じ状態になります。給水器から水が飲めないハムスターには、水分補給用にスイカを与えるのも効果的です。
◆リコピン、β-カロテンが豊富
スイカは、赤い色素「リコピン」、だいだい色の色素「β-カロテン」が大量に含まれているため、果肉が赤い色をしています。
リコピンはトマトに含まれることでもおなじみです。強力な抗酸化作用を持っていて、細胞が酸化によって傷つくのを防いで病気や老化を防ぐ効果が期待されます。
β-カロテンは、ハムスターに必要なビタミンAに変換される栄養素で、にんじんや赤肉メロンなどにも多く含まれます。リコピンと同様に強力な抗酸化作用を持つほか、体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を丈夫にしたり免疫力を高めたりします。
◆カリウムが利尿作用を促進
スイカには、利尿作用を促進させるカリウムが豊富に含まれています。そのため、スイカを与えると、尿を増やして尿中の余分なカルシウムを排出させ、カルシウムが尿路結石になるのを防ぐ効果が期待できます。
◆シトルリン、アルギニン
スイカにはアミノ酸の一種シトルリン、アルギニンが多く含まれており、摂取することで血管をしなやかに保つ効果が期待できるようになります。
特にシトルリンは食品中でもスイカに多く含まれているため、スイカを食べることで効率よく摂取できます。
これらは特にハムスターが摂取すべき成分というわけではありませんが、スイカから摂取することにより、アミノ酸が筋肉や血管を丈夫にする効果が期待できるようになります。
ハムスターにスイカを与える適正量
食べ過ぎに注意が必要なスイカは、ハムスターにはどれくらいの量を与えれば問題ないのでしょうか。
◆適正量は手に持てるくらい
ハムスターに与えるスイカの適正な量は、1回につきゴールデンハムスターで1cm角くらい、ドワーフハムスターで5mm角くらいです。
ハムスターが手に持てる大きさで、食べ残さないくらいの量が目安となります。
それは、私達人間がスイカを食べる感覚からしてみれば「たったこれだけ」と感じる量かもしれませんね。
しかし、ハムスターのような小さな動物ならこれくらいの量で十分です。むしろ、ハムスターがスイカから一度に水分や糖分をたくさんとってしまうと、内臓に負担がかかってしまいます。
また、スイカは水分が多いため、スイカが顔やひげに当たった時、かじって口から汁がしたたった時に濡れて嫌がる子もいます。
そのような理由からも、特にスイカやメロンのように水分の多い果物は、ハムスターが食べやすい小さなサイズに切ってあげるのがおすすめです。
◆スイカを食べている様子を撮りたい場合
ハムスターがスイカを食べる様子を写真や動画におさめたい場合は、スイカを少し大きめにカットしたほうが撮りやすいですよね。
もしも撮影用で大きめにカットしたスイカを与えた場合は、ハムスターが食べ過ぎないようにすぐ撮影し、写真や動画が撮れ次第、速やかにスイカを取り除きましょう。
ハムスターにスイカを与える際に注意すること
ハムスターにスイカを与える時は、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
◆大量に与えないこと
スイカは大量に与えないよう、十分に注意が必要です。
スイカは非常に大きな果物ということもあり、カットしたものもつい大きめになりがちです。スイカは甘くておいしいので、もし一度にたくさん与えると、ハムスターは与えられるままにスイカを食べてしまうかもしれません。
しかし、ハムスターがスイカをたくさん食べると、水分のとり過ぎから軟便や下痢が起こりやすくなります。
ハムスターはもともと乾燥した地域に住む動物のため、体は少量の水分で生きられるような仕組みになっています。ですから、一度に大量に水分をとると消化器に大きな負担がかかってしまいます。
下痢のしやすさには個体差もありますが、体が小さい動物なので下痢をしただけでも体力が奪われます。最悪の場合は、衰弱して命を落としてしまうことがあるので下痢には注意が必要です。
スイカは、あくまでも水分補給や食事のアクセントとして、たまに少量を与える程度にしておきましょう。
◆毎日続けて与えない
スイカを毎日続けて与えることも避けましょう。同じ野菜や果物をばかり与え続けると、栄養のバランスが崩れたり、その食べ物が持つリスクの影響を受けやすくなったりするためです。
スイカの場合、水分だけでお腹がいっぱいになりやすく、その割にハムスターに必要な栄養素や食物繊維がとれないというデメリットがあります。
スイカは夏しか食べられないので「今のうちになるべく食べさせておきたい」という気持ちにもなりますが、食生活が偏るとハムスターの健康のためによくありません。
副食は野菜やほかの果物とローテーションで違うものを与え、食生活が偏らないよう配慮をしてあげましょう。
◆新鮮なものを与える
スイカは水分が多くて傷みやすいので、新鮮であることを確認してからハムスターに与えましょう。
特にカットしたスイカは早めに利用することをおすすめします。時間が経つと「うるみ」という現象が起き、果肉が崩れて食感や色が悪くなります。さらには果肉がぐしゃぐしゃになってしまうので、ハムスターに与えるには不向きな状態になります。
ハムスターには張りがあってきれいな色をしたスイカを与え、果肉の色が赤黒くなったもの、つぶれているものは古いので与えないようにしましょう。
ちなみに、スイカは切っていないもので収穫してから最長1か月、切ったものは冷蔵庫で2~3日間なら保存ができます。保管しておいてもそれ以上追熟して美味しくなることはありません。収穫してから時間が経過するにつれて味は落ちてくるので、基本的に入手したスイカはなるべく早めに食べるようにしましょう。
◆食べ残しはすぐ片付ける
ハムスターがスイカを食べ残していたら、そのスイカはすぐに片付けましょう。
スイカの出回る5月から8月にかけては高温多湿で食べ物が最も傷みやすい時期です。常温のケージに水分の多い生ものを置いておくと、その日のうちに傷んでしまいます。食べ物が傷むのは衛生的に良くありません。
もしもケージ内からすえたようなにおいがしたら、どこかにスイカの汁がついているかスイカの実が残っている可能性があります。また、夏はカビが生えやすく、古くなった果物のにおいにつられてコバエも来やすくなります。
スイカを与えた日は念のためケージ内にスイカが残っていないことも確認しておきましょう。
スイカの種や皮も与えて問題ない?
ハムスターにスイカを与える際、種や皮はしっかり取り除かなければならないのか気になりますよね。ハムスターが種や皮を食べてしまった場合も問題はないのでしょうか。
◆スイカは皮も種も食べられる
実は、スイカは基本的に全て食べられる果物なのです。通常捨てる種、白い部分や皮なども実際に食用にされているくらいなので、ハムスターが食べや皮を食べるのも問題はありません。
ただ、わざわざハムスターに与える必要はないものなので、種や皮を与える場合も少量にとどめておきましょう。
◆スイカの種はおやつになる
スイカの種は、ひまわりの種やかぼちゃの種のように食用できます。実際におつまみやペット用のおやつとしても販売されており、ナッル類と同様にリノール酸やビタミンEなどを含んで意外にも栄養豊富です。ハムスターによっては喜んで食べる子もいるでしょう。
ご家庭でスイカから種を取り出して与える場合は、よく洗ってから天日干しするかフライパンで空炒りしてからハムスターに与えてください。
なお、リンゴや桃など果物の種の中には動物が食べると中毒を起こすものもありますが、スイカの種は中毒を起こす成分は含まれていないので、ハムスターに与えて問題ありません。
ただ、食用できるとはいえ、スイカの種もひまわりの種と同様に高カロリーなので、たまに1~2粒与える程度の少量にとどめておきましょう。
それから、スイカの種は「スイカを食べる時に種も飲み込むと盲腸炎になる、おなかから芽が出る」という噂も聞かれますが、これは俗説です。人もハムスターもスイカの種を食べて大丈夫です。
◆皮も少量なら食べられる
スイカの皮は緑色の部分が硬くて食感が悪いため、廃棄することが多いのですが、シトルリンが多く含まれるなど栄養価が高いので食べる価値はあります。
実際に、白い部分はきゅうりのような感覚で漬け物やあえ物などに活用されています。
ただ、スイカの皮が有用というのは人の場合のお話です。皮は水分が多いことからも無理にハムスターに与える必要はありません。与える場合は少量にしておきましょう。
副食としてスイカの皮を積極的にとり込みたい飼い主さんには、乾燥させたスイカの皮を利用することもオススメします。
まとめ
スイカは、果肉、種や皮ともハムスターが食べて問題ありません。
おいしそうなスイカが手に入ったら、ハムスターにもちょこっとだけおすそ分けしてあげましょう。
私達が食べる時は、大きくカットしたスイカをがぶっと食べるのが醍醐味です。ただし、ハムスターに与える場合はスケールにあわせてほんの少しだけ与えるようにしてくださいね。
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