文鳥のさえずりって何?鳴き方や意味、どのようにして作られるの?

2023.08.20

文鳥のさえずりって何?鳴き方や意味、どのようにして作られるの?

様々な鳴き声で鳴く文鳥。もし鳴き声がわかると、もっと楽しくなりますよね。 この記事では、文鳥の鳴き声の中でも、オスのさえずりについてご紹介します。 特に、さえずりが求愛に果たす役割とさえずりが形作られる中で「ぐぜり」が果たす役割とは何かということを中心にご紹介しています。


文鳥のさえずりとは

23365794_s

◆オスに見られる

文鳥はとても頭の良い鳥で、他の鳥や飼い主さんと鳴き声によってコミュニケーションをとります。特に文鳥のオスはよく鳴きます。文鳥のメスは、短い鳴き声で「チッ」や「ピッ」という鳴き声をあげますが、文鳥のオスは比較的長い鳴き声をあげます。
例えば「ピピピピピ」や「キュルキュルキュル」の他にも、独特の節回しでリズムを付けたような鳴き声や「ピーヨピーヨ」というように抑揚をつけた鳴き声を混ぜたりして、聞いていて飽きません。
しかも、文鳥のオスの鳴き声は1匹ずつ違います。ペットショップなどで耳を澄ませて聞き分けてもらうと、一匹ずつ「ピ」、「チ」、「キュルキュル」など鳴き声の組み合わせが違います。よく「文鳥はよくさえずる。」あるいは「文鳥は歌うように鳴く。」という表現がされますが、歌うような鳴き声とは、複雑な声の高さや質の組み合わせからくるものなのです。
では、どうして文鳥のオスはこのように美しい声で鳴くのでしょうか?

●あわせて読みたい
知りたい!文鳥の鳴き声と気持ち

ペットとして人気の高い鳥、文鳥。小さなまるい体が愛らしく、とても人気のある鳥です。しかし、見た目の可愛らしさは知っていても、どんな生活環境が必要で、どんな声で鳴くのか知らない方もいるのではないでしょうか。この記事では、文鳥の鳴き声の意味や、人間とのコミュニケーションの取り方とについて、ご説明します。

記事はコチラボタン

◆メスへのラブソングの役割

多くの動物がそうであるように、文鳥もオスがメスに対して求愛行動をします。文鳥は見た目でオスとメスの区別がほぼつかない鳥です。これでは見た目で求愛はできませんね。
では、文鳥のオスはどうやってメスに求愛するのでしょうか?
それは、文鳥のオスに特徴的なさえずりと呼ばれる鳴き声にあります。この特徴的な鳴き方であるさえずりのことを「歌っている。」と表現することもあります。メスへ捧げるためにオリジナルの歌を一生懸命歌うオスの文鳥・・・とても素敵でかわいいですね。
このように文鳥のオスは、1匹ずつ違うさえずりを活かして繁殖期にメスに対して求愛します。繁殖期は文鳥のオスにとって、自分の意中のメスと一緒になれるかどうかという大事な時です。この時期になると、文鳥のオスは求愛のためのさえずりを一生懸命していますので、是非聞いてみてください。

◆ダンスも行う

また、求愛時にはさえずりと合わせてダンスを行うことがあります。文鳥のオスが求愛の時にするダンスは、自分のさえずりに合わせて飛び跳ねるような仕草をすることが多いです。
このダンスは止まり木の上をぴょんぴょん跳ねたり、独特のステップを踏んだりと、さえずりと同様にそれぞれの個性が表れます。
一方でメスの場合は、おしりを小刻みに振るわせるなど、オスを誘うような仕草が見られます。また、オスのさえずりにあわせてステップを踏むなどのダンスを踊ることもありますが、メスはさえずることがありませんので、自分の鳴き声と合わせて飛び跳ねるといったことは見られません。
なお、飼い主さんになれている文鳥のオスの場合だと、繁殖期には求愛のダンスとさえずりを飼い主さんに見せてくるなど可愛い一面を見ることができます。
文鳥のオスが、自分のさえずりにあわせてステップを踏む姿は何とも愛くるしい姿です。もし、自分に向けてアピールをしてきたならば、見ることのできた飼い主さんは幸せですね。


文鳥のぐぜりとは?

◆さえずり練習中の鳴き声のこと

文鳥のオスにとって、上手にさえずることは大事な問題です。1匹ずつの個体差が出てくるさえずりは、どのようにして作られていくのでしょうか?
答えはぐぜりという鳴き声にあります。ぐぜりとは、文鳥のオスが自分のさえずりを創るために練習するときの鳴き声のことを言います。
近くに他の文鳥のオスがいる場合は、その鳴き声をまねて練習するので、似ているさえずりになるといわれています。1羽飼いの場合ですと、一生懸命になって自分で「ああでもない」、「こうでもない」と頑張っている姿を見ることができます。
また、1羽飼いの飼い主さんだと、ぐぜり始めたころからYouTubeなどの動画で、他の上手な文鳥のオスの鳴き声を手本に聞かせるなどの英才教育を行う方もおられます。
こうして、ぐぜりの最初は単調な音ですが、徐々に複雑な鳴き声になっていきます。
特にぐぜりの初期は、「ギュギュ」や「グジュジュ」というような鳴き声を出すこともあります。初めての飼い主さんだと「これって体調不良じゃないかな?」と心配になる方もおられます。初めて聞くとちょっとびっくりする鳴き声かもしれません。このぐぜりが徐々に変化していきます。
最初の「ギュギュ」や「グジュジュ」だけでなく、「ピピピ」や「チチチ」と合わさり、1年くらいかけて自分のさえずりを創りあげていきます。
ヒナからずっと飼っていると、少しずつその子のさえずりが完成していきますので、気づいた時には立派な歌い手になっているかもしれません。あの美しいさえずりは、ただで文鳥のオスであればできるものではなく、日々の練習の成果なのです。


文鳥のぐぜり、さえずりの時期

4973289_s

◆ぐぜりの時期

さて、文鳥のぐぜりはいつごろから始まるのでしょうか?個体差もあるので決めつけることはできませんが、大体生後2~3カ月くらいからぐぜりを始めることが多いです。この時期にぐぜりがなくて、「うちの子はメスかなぁ?」なんて思っていても、半年くらいたって急にぐぜりだすことがありますので一概には言えません。生後1年以内に「ギュギュ」や「グジュジュ」という変わった鳴き声を出さない場合は、メスだと思ってもいいでしょう。
ぐぜりが始まってからは、徐々に単調な鳴き声や変わった鳴き声が少なくなっていき、1カ月が経つころには、徐々にさえずりの輪郭が出来上がってきます。その後もずっと練習を重ねて約1年が経つと、ようやくさえずりという個性ある鳴き声になっていきます。

◆さえずりの時期

次にさえずりはいつごろにみられるのでしょうか?さえずりはメスへ捧げるラブソングなのですから、多くは日中の期間が短くなる秋~春の繁殖期にかけての間にみられることが多いとされています。
しかしながら、最近では屋内で飼われているケースも多く、年中通して繁殖に適した環境を作りやすいことなどから「うちの子は年中さえずっているよ。」という飼い主さんもおられます。
また、近くにメスの文鳥がいなくても、飼い主さんに求愛のさえずりとダンスで猛アピールしてくるオスの文鳥もいますので、必ずしもメスがいなければさえずらないということもありません。


メスの文鳥はさえずりをする?

ここまで、文鳥のオスに特徴的なさえずりを見てきました。それでは、メスがさえずることはあるのでしょうか?
結論から言うと、メスはさえずりというほど複雑な鳴き声はしません。
ですので、メスは生後2~3カ月を過ぎても、ぐぜりによって自分のさえずりを練習することがありません。文鳥のメスは「ピッ」や「チッ」という短い鳴き声で、あくまでも生活をするうえでコミュニケーションをとるために必要なやり取りをする時に鳴くものとされています。
これらは、地鳴きと呼ばれます。地鳴きの場合は、オスも同様の短い鳴き声で鳴きますが、さえずりとは目的が違うものです。こうして、地鳴きと比べてみると、さえずりはメスの気を引くためにオスが一生懸命練習したことがよくわかります。
では文鳥のメスは、オスからの求愛を受ける時にはどうするのでしょうか?
文鳥のメスの場合、オスからのさえずりやダンスといった求愛を受けてくちばしを鳴らしたり、近くに寄って一緒にダンスをしたりします。また、その他にも特徴的な行動として、オスからのさえずりやダンスを受けて、くちばしを擦るような摩擦音を出すことがあります。この摩擦音はオスのさえずりに合わせて出すもので特定のタイミングで出します。
もし、つがいの文鳥がいるのなら観察してみるとオスの歌うようなさえずりに合わせて、メスがくちばしを擦って応えるという姿を見ることができるかもしれませんね。


まとめ

いかがでしたでしょうか?
さえずりは、文鳥のオスにしか見られない特徴的な鳴き声でした。
文鳥のオスだけしかさえずることがない理由は、求愛の時に世界に1つしかないさえずりを歌い上げて、意中のメスを射止めるためです。その1つしかない歌声を創りあげるために、生まれて間もないころからぐぜりという鳴き声にならないような鳴き声で練習します。
そして、ようやく1年がたつころには立派な歌い手としてさえずるようになることができるのです。何気なく今まで聞いていた文鳥の鳴き声にも、こんなに努力が詰まっているのですね。特にヒナのころから見守っている飼い主さんの中には、立派にさえずることができるようになった文鳥のオスをみると、感慨もひとしおなのではないでしょうか?
また、メスはさえずることはありませんが一緒にダンスを踊る姿や、オスの歌うさえずりに合わせてくちばしを擦るなどの姿を見せてくれます。
ぜひこの機会に1匹ずつの個性が際立つ文鳥のさえずりに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。きっと新しい発見があると思います。



– おすすめ記事 –

・手乗り文鳥の可愛さがハンパじゃない!文鳥を手に乗せる方法
・文鳥は怒りっぽい?怒る理由や怒らせない対策はある?
・文鳥の放鳥時間はどれくらい必要?放鳥中の注意点と戻らないときの対策
・文鳥は一人暮らしでも飼える?飼い方やポイントを紹介


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
PetSmileすもーる部

PetSmileすもーる部

小動物大好きPetSmileすもーる部です。小動物にまつわるエピソードやお役立ち情報を発信します♪


記事に関するお問い合わせはこちら