1.うさぎにきゅうりを与えても良い?
1-1.きゅうりに含まれる栄養素
1-2.期待できる効果
2.うさぎへのきゅうりの適切な与え方
2-1.最適な量
2-2.新鮮なものをよく洗って与える
2-3.生で与える
2-4.両端は取り除く
2-5.食べやすい形にカットする
2-6.ほかの野菜と合わせて与える
4.うさぎにきゅうりを与える時の注意点
4-1.冷やしたものを与えない
4-2.与え過ぎない
4-3.食べ残しは早めに取り除く
うさぎにきゅうりを与えても良い?
きゅうりはうさぎに与えて問題ない野菜です。おやつ(副食)としてたまに取り入れるとよいでしょう。
個体によっても好き嫌いはありますが、多くのうさぎさんはポリポリと心地良い咀嚼音を立てて美味しそうに食べることでしょう。
きゅうりに含まれる成分が心配な飼い主さんも多いと思いますが、きゅうり自体にはうさぎにとって危険な成分も特に含まれていないので、安心して与えることができます。
ただし、きゅうりを与える際にはいくつか気を付けたい点もあります。与え方や与える量が適切でないと、うさぎの健康に良くない影響を及ぼす可能性が出てくるので、きゅうりの特徴と知ったうえで適切な与え方をすることが大切です。
◆きゅうりに含まれる栄養素
きゅうりの栄養価はどのようになっているのでしょうか。
きゅうりは「栄養がない」「食べても意味がない」という不名誉なレッテルが貼られている野菜です。
その理由として、約95%が水分であること、糖質、たんぱく質、脂質がほとんど含まれず、エネルギー(カロリー)がかなり低いことが挙げられます。
実は「栄養がない」というのは誤解です。確かに、きゅうりはほとんどが水分のため、全体的な栄養価はそれほど高くはありませんが、ビタミンやミネラルなどの体に必要な栄養素はある程度含まれているので、決して「食べる意味がない野菜」ということはありません。
きゅうりからも、カリウム、ビタミンK、βカロテン、ビタミンB群、ビタミンCなどの栄養素を摂取することができます。
一例として、同じ淡色野菜のレタスと栄養価を比較してみましょう。
カリウム:200mg(レタスと同量)
βカロテン:330㎍(レタスの約1.4倍)
ビタミンK:34mg(レタスの約1.2倍)
ビタミンC:14mg(レタスの2.8倍)
食物繊維:1.1g(レタスと同量)
このようにほかの野菜と比べてみると、きゅうりも意外に栄養が含まれていることがわかります。
ただ、野菜全般の中で栄養価が低いことには変わりはありません。特に、うさぎの食事に必要な食物繊維が少ないところがネックになるので、うさぎが食べる野菜として積極的に食事に取り入れるのはおすすめできません。
うさぎに与えるなら、βカロテンが豊富な人参(きゅうりの約28倍)や小松菜(きゅうりの約9倍)、食物繊維が豊富なブロッコリー(きゅうりの約4.6倍)など栄養価の高い緑黄色野菜とローテーションで与えるのがベターです。
◆期待できる効果
うさぎにきゅうりを与えると、どのような効果が期待できるのでしょう。
きゅうりには利尿作用を持つカリウムが含まれているので、きゅうりを食べるとおしっこが出やすくなり、うさぎがかかりやすい尿路結石の予防に役立ちます。
また、きゅうりを食べることで摂取できるβカロテンは体内でビタミンA
に変換され、粘膜や皮膚を丈夫にします。また、βカロテンは抗酸化作用があるので細胞の酸化を抑えて老化や病気を予防します。
きゅうりは食品なので、あくまでもうさぎの食生活をサポートする目的で副食に取り入れるようにしていきましょう。
うさぎへのきゅうりの適切な与え方
きゅうり自体はうさぎが安心して食べられる野菜ですが、与え方が正しくないとうさぎが体調を崩す可能性が出てきます。きゅうりはどのような与え方をすれば良いのでしょうか。
◆最適な量
うさぎには、水分補給、おやつとして少量のきゅうりを与えましょう。
きゅうりを含めた野菜を1日5g程度与えるのが適切です。ちなみに大きさの目安は、きゅうりを幅1cm弱の輪切りにしたものがちょうど5gくらいになります。
ほかの野菜も与える場合は、きゅうりとほかの野菜をあわせて重さが5g程度になるように調整しましょう。
きゅうりを食べたことでお腹がいっぱいになり、主食の牧草やペレットを食べる量が減ってしまう、ということがないよう気を付けたいですね。
◆新鮮なものをよく洗って与える
きゅうりは新鮮なものをよく洗ってから与えましょう。新鮮なものの方が、歯触りが良く、うさぎも喜びます。持った時に重く感じるもの、硬さや張りがしっかり感じられるものが新鮮です。
なお、表面には農薬や汚れなどが付着している可能性があるので、流水をかけてよくこすり洗いし、水気を拭き取ってから小さく切って与えるようにしましょう。
◆生で与える
きゅうりは生のまま与えましょう。加熱しなくても食べられる野菜ですし、加熱すると水分が抜けて食感が悪くなってしまいます。また、水分と一緒に水溶性のカリウムやビタミンB群が流出してしまう可能性もあります。
◆両端は取り除く
きゅうりの両端の部分は苦味が強いことがあるので、両端以外の部分をうさぎに与えることをおすすめします。
ウリ科のスイカ、メロン、きゅうりなどは、果実のヘタの近くにククルビタシンという苦味のもとになる成分が含まれているので、ヘタに近い所を食べると苦味を感じることがあるのです。
きゅうりによっても差がありますが、へたにククルビタシンが多めに含まれているものに当たると苦いので、両端は切り落として使用するのがよいでしょう。
◆食べやすい形にカットする
きゅうりはうさぎが食べやすい形に切って与えましょう。切っていないきゅうりは、棒状で表面が硬くてかじりにくいです。
与える際は、薄切りにしたものを1枚ずつうさぎの口に直接持っていくか、小さめのスティック状に切ったものを食器に入れるなどすると、うさぎも上手にきゅうりが食べられます。
少なくとも、きゅうり丸ごと1本をうさぎの前にぽんと置くといった与え方はやめておきましょう。
◆ほかの野菜と合わせて与える
うさぎに野菜を与える時は、1日に1種類のみを与えるよりも2~3種類を合わせて与えることをおすすめします。そのほうが、それぞれの野菜が持つ欠点がカバーできるからです。
たとえば、きゅうりは水分が多いので、水分だけでお腹がいっぱいになったり、うさぎによっては多めに食べると水分のとり過ぎで下痢をしてしまったりします。また、栄養価はそれほど高くありません。
そこで、キャベツ、にんじん、小松菜、サラダ菜などタイプの違う野菜を少量ずつ組み合わせ、栄養や水分のバランスを調整してうさぎに与えるようにします。
栄養価が高いといわれる野菜にも、うさぎが摂り過ぎてはいけないカルシウムや糖質、シュウ酸が多いといった欠点を持つものが多くあります。
同じ野菜ばかり食べるとその野菜の影響を受けやすくなるので、箸休め的な感じできゅうりをローテーションに取り込むと、安心して野菜を与えることができるようになります。
食欲がない時や水分を摂って欲しい時に
きゅうりは水分が豊富に含まれるので、きゅうりを食べること自体がそのまま水分補給につながります。
給水器から水が飲めない時の一時的な水分補給の手段として、食器にきゅうりを入れてあげるとよいでしょう。
体調不良で食欲がない時、食欲が低下しやすい夏、キャリーケースで移動する間などの水分補給におすすめです。
食欲不振でペレットや牧草が食べられないうさぎも、口当たりの良いきゅうりが呼び水になって食欲が復活することもあります。
うさぎにきゅうりを与える時の注意点
うさぎにきゅうりを与える時は、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。
◆冷やしたものを与えない
冷蔵庫から出した冷たいきゅうりをそのままうさぎに与えることは避けましょう。冷たいものは胃腸に負担をかけるので、常温に戻したきゅうりを与えましょう。
なお、きゅうりは低温が苦手な野菜なので、冷蔵庫で保存する際も冷やしすぎるのはよくありません。ポリ袋に包むなどして冷蔵室より温度の高い野菜室で保存すると、人間もうさぎもおいしく食べられる状態が保てます。
◆与え過ぎない
きゅうりは与え過ぎないように注意しましょう。きゅうりのような水分の多い野菜をたくさん食べると、水分を摂り過ぎて胃腸に負担がかかり、軟便や下痢をしやすくなります。
うさぎが喜んで食べるからといって、一度にたくさん食べさせることは避けましょう。また、体調には個体差があるので、きゅうりを与える量はうさぎの様子を見ながら増減をすることをおすすめします。
◆食べ残しは早めに取り除く
きゅうりは水分が多くて傷みやすいので、うさぎが食べ残していたら早めに取り除きましょう。
特に高温多湿な時期は注意する必要があります。食べ物が傷みやすくなるので、うさぎに与えた食べ物はこまめにチェックして、傷んだものを口にすることがないように努めましょう。
まとめ
きゅうりはうさぎが食べても大丈夫な野菜です。栄養価はそれほど高くありませんが、水分が多く歯触りが良いので、水分補給やたまのおやつとしてあげるにはぴったりな食材といえるでしょう。
ただし、食べ過ぎると水分をとり過ぎて下痢をすることがあるので、うさぎが欲しがってもたくさん与えることは避けておきましょう。
きゅうりは、体の熱を冷まして涼しさをもたらしてくれる食材です。暑い時はぜひうさぎさんと一緒にきゅうりを楽しんでみてくださいね。
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