1.ハツカネズミについて
1-1.ハツカネズミの由来や意味
1-2.ハツカネズミの寿命
1-3.ハツカネズミとクマネズミの違い
1-4.ハツカネズミの体長や大きさ
3.ハツカネズミによる被害
3-1.飲食店への侵入
3-2.ハツカネズミが媒介する病原菌と感染症
ハツカネズミについて
そもそもハツカネズミとはどんなネズミなのか知らないという方のために、まずはハツカネズミの基礎知識をご紹介します!
◆ハツカネズミの由来や意味
ハツカネズミと聞いて「20日ネズミ」を連想し、寿命が20日しかないネズミだと思っている方はいませんか?
実は「ハツカ」は寿命とは全く関係ありません。
現時点ではまだ名前の由来ははっきりとわかっていませんが、以下の3つの説が有力視されています。
みなさんはどの説がしっくりくるでしょうか。
・20日で出産することから名付けられた説
驚くべきことに、ハツカネズミはわずか20日(ハツカ)ほどの妊娠期間で、平均5~6匹の子どもを生みます。
ハツカで増えることからハツカネズミと名付けられたとされるこの説は、一般的に最有力といわれています。
・「甘口」が誤って発展した説
その昔、小さくて噛まれても痛くないネズミとして「甘口なネズミ」と記載されていたものを、誤って「廿日鼠(ハツカネズミ)」と写してしまい、それが広まってしまったという説です。
・小さいことから発展した説
この説では、他のネズミよりも身体が小さいことから「生後20日ほどのネズミ」や「僅か(わずか)ネズミ」と呼ばれていたのが転じて「ハツカネズミ」となったとされています。
◆ハツカネズミの寿命
ハツカネズミの寿命は1年〜1年半ほどといわれています。
天敵のいない快適な生活環境で暮らせる人間の飼育下であっても2年程度しか生きられないといわれているので、とても短命な動物と言えるでしょう。
生後2ヶ月で妊娠できるようになり、妊娠期間20日で子どもを産むというスピーディーなサイクルも納得ですね。
◆ハツカネズミとクマネズミの違い
同じく家に住み着くネズミとして、ハツカネズミはクマネズミと混同されることがよくあります。
しかし実際は見た目もなにもかも違うネズミですので、ぜひ覚えておいてくださいね。
クマネズミは黒色で、身体よりも長い尻尾が特徴的な大型のネズミです。
体長は大体14〜20cmで、紙幣の横幅と同じくらいの大きさと言えるでしょう。
ハツカネズミは非常に小型のネズミなので、まず大きさから全く違うことがわかります。
また、クマネズミには高いところを好む性質があり、天井や屋根裏に住み着くことが多いようです。
一方でハツカネズミは床をチョロチョロと移動することが多く、配管などを登って高所にいくことはほとんどありません。
さらに、近年はクマネズミの中で殺鼠剤の効かない「スーパーラット」と呼ばれる進化系が増えており、殺鼠剤を食べた形跡はあるのに数が減らない時にはまずクマネズミを疑うことをおすすめします。
◆ハツカネズミの体長や大きさ
先程ハツカネズミは小型のネズミとお伝えしました。
実際、体長は6㎝〜9㎝でなんとクマネズミの半分以下しかありません。
また、体重は10〜25gで、500円硬貨1〜3枚分とほぼ同じ重さと言われています。
狭くて細い場所でも綱渡りをするように移動するなど、小柄な身体を活かして生活している小型の中でも小さなネズミです。
小さい以外の見た目の特徴としては、耳が大きいことが挙げられますよ。
ハツカネズミとマウスの違い
日本では「ネズミ=マウス」と認識されており、両者に違うイメージを持つ人はほとんどいません。
しかし、英語圏では小型のネズミをマウス、大型のネズミをラットと呼び、明確に区別しています。
小型のネズミがマウスなら、ハツカネズミ=マウスも成り立ちそうですよね。
「マウス」と聞くと、動物実験が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか?
実は、実験動物として知られる「マウス」は、ハツカネズミを品種改良して作られました。
まさに、元を辿ればハツカネズミ=マウスが成立するのです。
一般的には動物実験で用いるものをマウス、それ以外をハツカネズミとして区別していますので混同しないようにしましょう。
また、近年ではペットとして飼育できるハツカネズミを「ファンシーマウス」と呼ぶこともあるようです。
ハツカネズミによる被害
野生のハツカネズミは人間の生活に様々な被害をもたらし、害獣駆除の対象として有名です。
ここでは、どんな被害例があるのか具体的にみていきましょう。
◆飲食店への侵入
ハツカネズミは匂いのきついもの以外はなんでも食べると言われる雑食性です。
そんなハツカネズミにとって「エサの宝庫」といっても過言ではない飲食店には、頻繁に侵入していると言われています。
食材が食い荒らされた形跡を見つけたら、すぐにネズミ駆除を検討してください。
また、ハツカネズミには硬いものを噛む習性があるため、電子機器のコード類やガス管などが噛まれてしまう可能性があります。
停電や漏電、最悪の場合には火災につながることもありますので注意しましょう。
◆ハツカネズミが媒介する病原菌と感染症
実は、野生のハツカネズミは様々な病原菌を持っています。
・サルモネラ症
・ツツガムシ症
・レプトスピラ症
・鼠咬症
これらの病原菌は、ハツカネズミに触れたり噛まれたりすることで人間にも感染し、健康被害をもたらす恐ろしいものです。
今日ではネズミ対策ができる市販グッズがたくさんありますが、万一のことがあるかもしれません。
ネズミ駆除はプロに依頼するのが最も安全で確実ですよ。
ハツカネズミをペットとして飼育する場合
先述の通り、ファンシーマウスと呼ばれるハツカネズミはペットとして飼育することができます。
とはいえ、お家でどのように飼育しているのかイメージできない人も多いでしょう。
ここではハツカネズミの飼育方法について詳しくご紹介します!
◆飼育方法
ハツカネズミの飼育方法はハムスターと同じと思ってもらえればOKです。
お家にお迎えしたばかりは警戒心が特に強くなっているので、慣れるまでは必要最低限のお世話をしつつ、そっと見守ってあげましょう。
また、ハツカネズミは夜行性のため、飼い主さんが活動的な日中は寝ていることがほとんどです。
ちょっかいをかけて睡眠妨害するとストレスを与えてしまうので注意してください。
体が小さい分、小さなストレスが大きな健康被害をもたらす可能性も高いです。
ハツカネズミが快適に暮らせるように、周囲で大きな物音を立てないといった工夫をしましょう。
さらに、>多頭飼いをする場合は注意が必要です。
前述の通りハツカネズミは非常に繁殖力の高い小動物です。
繁殖を望まない場合は、オスとメスを別々のケージで飼育して触れ合わせないようにしましょう。
◆飼育環境
ハツカネズミを飼育するに必要なアイテムは以下の7点です。
<基本グッズ>
・ケージ
・床材
・消臭グッズ
・給水ボトル
・餌入れ
<あるといいグッズ>
・シェルター
・かじり木
ケージはハムスター用のもので、なかでもハツカネズミが脱走できないように網目が細かいものを選んでください。
アクリル製ケージなら脱走のリスクは低いですが、通気性も低くなるのでペットショップの店員さんに相談しながら決めることをおすすめします。
ハツカネズミの排泄物は臭いがきついため、床材は消臭効果のあるウッドチップや猫砂がいいでしょう。
それでも臭いが気になる時のために、スプレーなどの消臭グッズもあると安心ですよ。
また、生活に欠かせない給水ボトルや餌入れは噛まれてボロボロにならないように、金属製のものがおすすめです。
特に給水ボトルに関しては、よく水を飲むハツカネズミのために飼育数に合わせたサイズを選ぶようにしてください。
あるといいグッズとしては、シェルターとかじり木が挙げられます。
シェルターは暗くて狭い場所が好きなハツカネズミの休憩場所としての役割、かじり木はげっ歯類で一生伸び続ける歯のケアをするアイテムとしての役割を担っています。
◆餌
雑食性のハツカネズミはなんでも食べますが、主食としてはある程度栄養バランスが整えられたマウス用の混合フードやペレットがおすすめです。
主食だけでは不足しがちなビタミンやタンパク質などの栄養素は、副食としてハムスター用の種子類、サツマイモやキャベツなどの野菜、リンゴなどの果物を与えることで補いましょう。
副食をあげる時間は、飼い主さんとハツカネズミのコミュニケーションの機会にもなりますよ。
ただし、なんでもあげていい訳ではありません。
玉ねぎ・長ネギ・ニラ・じゃがいも・アボカドなどの野菜、糖分や油分が多いお菓子類・辛味のある刺激物、アルコール・カフェインを含む食べ物、果物の種などはハツカネズミにとっては毒となってしまいます。
ハツカネズミに与える前に、あげてもいい食べ物なのか確認することが大切です。
また、1日の餌の目安量はハツカネズミの体重100gにつき約15gです。
与えすぎは肥満につながりますので注意しましょう。
ハツカネズミを迎える方法
ハツカネズミはペットショップで購入することができます。
初期費用は低いですが、大切な命なので責任を持ってお迎えしてくださいね。
ペットショップでは清潔な個体が売られているので安心して飼育できますが、野生のハツカネズミはどんな菌を持っているかわかりません。
野生を捕まえればタダだ!なんて発想は絶対にやめましょう。
ハツカネズミは学習能力が高く、人にもよく懐きます。
一緒に生活しているうちにきっと、なくてはならないパートナーになってくれるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。この記事ではハツカネズミについて徹底解説しました。
名前は寿命と無関係と知って驚いた方もいたのではないでしょうか。
ハツカネズミは害獣としての側面と愛らしいペットとしての側面を持つ、とても興味深い動物でしたね。
ぜひこの記事をきっかけに、ハツカネズミをお家にお迎えしてみてはいかがでしょうか。
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