1.ニシアフリカトカゲモドキとは
1-1.分類
1-2.生息地
1-3.寿命と大きさ
1-4.食事
2.ニシアフリカトカゲモドキとレオパの違い
2-1.生息地
2-2.大きさ
2-3.飼育環境
2-4.性格
ニシアフリカトカゲモドキとは
ニシアフリカトカゲモドキはペットとして飼育される爬虫類の中ではヒョウモントカゲモドキ(以下、レオパ)と並ぶ人気があるヤモリの仲間です。
大きな瞳に英名の「Fat-Tail Gecko」の名の通り、太い尻尾が特徴の可愛らしい見た目をしたヤモリになります。
そんなニシアフリカトカゲモドキについて詳しくご紹介していきます。
◆分類
ニシアフリカトカゲモドキはヤモリ科トカゲモドキ亜科フトオトカゲモドキ属に分類されるヤモリの仲間です。
日本での「ヤモリ」を連想すると、垂直の壁にもくっついて素早く移動する様子を思い浮かべる人も多いかもしれません。
ニシアフリカトカゲモドキは日本で見られるヤモリとは違い、ずんぐりとした体型に太い尻尾、短い手足が特徴で、日本で見られるヤモリとはだいぶ印象が違う姿をしています。
爬虫類のペットの中でも高い人気を誇るレオパと近縁ということもあり、レオパのような見た目をしています。
◆生息地
野生のニシアフリカトカゲモドキの生息地はアフリカ大陸中西部、セネガルからカメルーンにかけて生息しています。
主に湿った荒地や草原、森林や岩場で暮らしており、夜行性のため日中は岩の隙間などに隠れ、日が沈む頃に活動を始め、餌などを捕まえて生息しています。
年間を通して23〜32℃と、温暖な地域で生活しています。
◆寿命と大きさ
ニシアフリカトカゲモドキの寿命は、適切な飼育環境で飼育した場合10〜15年になります。
これは野生下よりも長い寿命で、個体や飼い主の管理の仕方によっては、20年近く長生きした例もあります。
しかし、飼育下の場合どうしても運動不足になりやすく、肥満気味になりそこを起因としたさまざまな病気によって10年を待たず命を落としてしまう個体も。
しっかりと適切な環境で飼育すれば長生きできる種類ですので、飼育環境の適切な管理を心がけましょう。
また、ニシアフリカトカゲモドキの大きさは20〜25cmほどで、大きさ自体は個体差があるものの、レオパとさほど変わりません。
見た目のシルエットはレオパよりもニシアフリカトカゲモドキのほうがずんぐりとしている印象です。
◆食事
ニシアフリカトカゲモドキの食事は野生の個体も飼育の個体も昆虫食になります。
野生の場合はさまざまな昆虫を食べますが、飼育下の個体はレオパと同じようにコオロギやデュビア、レッドローチといったゴキブリの仲間を与えます。
また、飼い主がこういった昆虫を扱うのが苦手な場合は人工餌という選択肢もあります。
ニシアフリカトカゲモドキの餌について、飼育方法の項目で詳しくご紹介します。
ニシアフリカトカゲモドキとレオパの違い
ニシアフリカトカゲモドキと見た目がそっくりなレオパですが、異なる性質も持ち合わせています。
それぞれどのような差があるか比べてご紹介していきます。
◆生息地
ニシアフリカトカゲモドキの生息地はアフリカ大陸中西部に生息し、主に湿った荒地や草原、森林や岩場で暮らしています。
一方レオパはアフガニスタンやパキスタンといった中東やインド北西部に生息し、岩と砂だらけの砂漠のような場所で暮らしています。
姿形はそっくりなニシアフリカトカゲモドキとレオパですが、生息している場所はまったく違う場所になります。
◆大きさ
ニシアフリカトカゲモドキの大きさは成熟したアダルト個体になると体長20〜25cmほど、体重60〜80gほどになります。
一方レオパは成熟したアダルト個体で体長20〜30cmほど、体重60〜90gほどになります。
大きい個体の場合、レオパの方がやや大きく成長しますが、平均すると目立って大きさが異なるということはありません。
また、前述もしたとおり、見た目はレオパよりもニシアフリカトカゲモドキのほうがずんぐりと丸っこい印象をしています。
◆飼育環境
飼育環境はニシアフリカトカゲモドキとレオパは似たような飼育環境を好むので、同じ部屋での飼育が可能です。
それぞれ細かくご紹介していきます。
◉飼育温度
・ニシアフリカトカゲモドキ:適温は26~30℃
・レオパ:適温は25~30℃
レオパの特徴として、野生での生息地域は朝晩はかなり気温が下がります。
そのため、レオパはニシアフリカトカゲモドキに比べ低温に耐性があるのが特徴です。
とはいえ、低温に耐えられるだけで好むわけではありませんので、ニシアフリカトカゲモドキもレオパも適温をキープするようにしましょう。
◉飼育湿度
・ニシアフリカトカゲモドキ:60%前後
・レオパ:40~60%前後
ニシアフリカトカゲモドキのほうがやや多湿を好みます。
そのため、ニシアフリカトカゲモドキの床材は湿度を保てるソイルやパームマットなどがベター。
レオパは掃除が楽なキッチンペーパーを使用している方もいますが、湿度があまり保てないため、ニシアフリカトカゲモドキにはお勧めしません。
また、脱皮前はニシアフリカトカゲモドキもレオパも脱皮不全の予防として飼育ケース内の湿度を80%ぐらいにまで上げておくと安心です。
◆性格
性格についてはニシアフリカトカゲモドキもレオパも種類というよりは個体差が大きくなってきます。
全体的な平均の印象としてはニシアフリカトカゲモドキはおっとりとしていておとなしい印象。
レオパは元気で活発な印象です。
両方とも夜行性の生き物なので、昼間はシェルターに隠れて寝ていることが多いですが、夜になるとレオパはシェルターの外に出て動き出し、ニシアフリカトカゲモドキはそのままシェルターの中で休んでいることも多いです。
ですが、両者ともエサを見せるととても機敏な動きを見せるのが特徴です。
ニシアフリカトカゲモドキの飼育方法
ニシアフリカトカゲモドキの飼育方法は、前述もしたとおりレオパに似ているところが多く、レオパを飼育したことがある人なら抵抗なく飼育を始められます。
また、他の爬虫類と比べても飼育環境を整えるハードルは低い方になりますので、爬虫類初心者の方でも比較的飼育しやすいペットです。
詳しくニシアフリカトカゲモドキの飼育方法をご紹介していきます。
◆ケージや床材
ニシアフリカトカゲモドキのケージは爬虫類用のプラケースやガラスでできた水槽を使用しましょう。
あまり活動的な動物ではないため、成熟したアダルト個体でも横幅:30cm×奥行き:30cmほどの大きさがあれば問題ありません。
縦移動もしないので、高さも20cmほどあれば大丈夫です。
レオパとの違いの項目でも触れましたが、ニシアフリカトカゲモドキはレオパに比べて多湿を好むため、床材はソイルやパームマットなどの湿度を保てるものがいいでしょう。
消臭効果のある床材も販売されているので、毎日糞を取り除けば匂いもそこまで気になりません。
◆温度や湿度
ニシアフリカトカゲモドキが好む温度は26〜30℃、湿度は60%と高温多湿を好みます。
日本も夏は高温多湿のため、飼育しやすい環境ではないでしょうか。
ただし、昨今の異常なまでの日本の夏の暑さは流石にニシアフリカトカゲモドキも厳しいですので、エアコンなどで調整してあげましょう。
冬はエアコンでの温度管理の他に、床に敷くパネルヒーターやケース上部に設置するヒーターとサーモスタッドを使用して温度管理をするとよいでしょう。
湿度に関しては、あまり湿度が低いと脱皮を失敗し脱皮不全になってしまうおそれがあるため、脱皮前(全体的に体が白くなった頃)はケージ内の湿度を霧吹きなどを使用して80%前後まであげ、脱皮不全の予防をすることをおすすめします。
また、上部に水を入れて湿度を保つことができるウエットシェルターを使用するのもお勧めです。
爬虫類の飼育と聞くと「日光浴用のライトが必要なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、レオパ同様ニシアフリカトカゲモドキもライトなしで飼育が可能です。
◆ニシアフリカトカゲモドキの餌
ニシアフリカトカゲモドキの餌はレオパ同様コオロギやデュビア、レッドローチといったゴキブリの仲間になります。
コオロギは活き餌の他に乾燥コオロギ、冷凍コオロギがありますが、活き餌はやはり鮮度も栄養も抜群に高いです。
ただし、いずれの場合もそのままだとカルシウムが不足してしまうため、爬虫類ショップなどで販売されているカルシウムパウダーをコオロギにまぶして与えるようにしましょう。
デュビアはとても栄養価が高くおすすめですが、与えすぎると肥満の原因になってしまうので与えすぎには注意しましょう。
また、「昆虫を与えるのはハードルが高い!」という方は、人工餌という選択肢もあります。
ジェル状のものだったり、ペレットタイプのものを水でふやかして与えることが可能です。
ですが個体によっては人工餌を全く受け付けない個体もいますので「虫は絶対NG!」という方は、飼育を始めるにあたって終生飼養が本当に可能なのかをもう一度考える必要があるでしょう。
餌を与える頻度はベビー〜ヤング個体は毎日食べるだけ与えるようにしてください。
成長したアダルト個体は週に1〜2回、コオロギ2〜3匹ぐらいの量を与えるようにしましょう。
冬だとアダルト個体の場合はさらに食が細くなります。
あまり食べすぎると肥満の原因になりますので、体重の推移を見ながら餌の頻度と量を調節していきましょう。
まとめ
今回はニシアフリカトカゲモドキについてご紹介してきました。
レオパ同様、可愛らしい見た目の爬虫類で、いまでは爬虫類のペットの中でもレオパかそれ以上の人気があります。
爬虫類の中で飼育のハードルは低い方ですが、虫が苦手という場合は飼育が難しい場合もありますので、飼育を始める前に今回の記事を参考にしていただけると幸いです。
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