【掲載:2024.05.12 更新:2024.11.06】
うさぎ用のペレットってどんなもの?
「ペレット」とは、粉末にしたものを圧縮して小さく固めたもののことで、「エサ」だけに限らず、「燃料」や「トイレ砂」などでも使われる言葉です。
「うさぎ用のペレット」というと、一般的に、粉末状にした牧草に必要な栄養素を加え食べやすい大きさに固めた「うさぎ用の固形フード」を指します。
では、実際にペレットは、うさぎにとってどのような位置づけの食べ物なのでしょうか?ここでは、うさぎ本来の食事とペレットの役割について、ご紹介していきます。
うさぎの「主食」は、イネ科のチモシーやマメ科のアルファルファなどの牧草で、特に一番刈りの新鮮なものが推奨されています。
うさぎにとって牧草は、成長や生活に必要なエネルギーの補給だけでなく、硬い繊維質が毎日伸びて行く歯を削る役割をしたり、豊富な繊維質がお腹の調子を整えたりするなど、健康維持のためにも重要な食べ物です。
そのため、牧草はうさぎが「好きなとき」に「好きなだけ」食べられるよう、常にケージ内に入れておくようにします。
さらに、牧草だけでは不足しがちな栄養素を補うための「ペレット」、おやつやご褒美として「野菜」などの副食を与えてあげるのが一般的です。
うさぎにとっても、ビタミンやミネラルなどの栄養素は、成長や健康維持に欠かせないものです。
野生のうさぎの場合は、さまざまな種類の牧草や草を食べることで必要な栄養素を補うことができますが、ペットのうさぎにはそれができません。そのため、他の方法で摂取する必要があります。
そこでおすすめなのが、「うさぎ用ペレット」です。
多くのうさぎ用のペレットには牧草だけでは不足しがちな栄養素が配合されており、まさに「うさぎのための栄養補助食品」として与えることができます。
さらに、牧草が食べづらい「子うさぎ」や「高齢期のうさぎ」、牧草を食べたがらないうさぎなどに「主食」として与えられる「牧草だけを使ったペレット」もあり、それぞれの食事の状況に合わせて選ぶことが可能です。
うさぎ用ペレットの与え方
うさぎの健康を維持するために最も重要なのは、「適切な量」を与えることです。
本来食べるべきものであったり、栄養素として必要なものであったりしても、過剰摂取は良くありません。特に、ペレットは栄養価が高く、食べ過ぎてしまうと肥満の原因にもなります。
もちろん、うさぎにとっても肥満は健康を左右する要因になるので注意しなければいけません。
ここでは、うさぎ用ペレットの正しい与え方や適切な量について解説します。
うさぎにペレットを与える際、最も気を使いたいのが「与える量」です。
豊富な栄養素が含まれるペレットを適量以上に与えてしまうと、栄養素の過剰摂取や肥満を招く恐れがあるため注意しましょう。
うさぎ用ペレットを与える際の適切な量は、与えるペレットの種類によって異なるため、必ずパッケージの側面や裏面に記載されている「与える量」を確認してください。
なお、エサを与える回数は1日1回~2回で、朝晩に分けて与えるのが一般的です。パッケージの記載と与える回数を確認しながら、1回に与える量を算出して与えます。
うさぎに与えるペレットの量は、パッケージの記載に従うのが基本です。
とはいえ、パッケージを確認できない時のためにも、適切な量を計算できるようにしておくと安心でしょう。
なお、1日あたりに与える量の一般的な目安は次のとおりです。
▼与える量の目安(1日あたり)
時期 | 量の目安 | 成長期(生後7ヶ月くらいまで) | 体重の3~5% | 成長期以降 | 体重の1.5~2.5% |
うさぎに1日に与えるペレットの量は、成長に応じた量の目安とそのうさぎの体重を利用し、次のように計算することができます。
・子うさぎの場合
計算式:体重×3%
例)体重1kgの子うさぎでは、1×0.03(3%)=0.03
ペレットの適量は30g
・大人のうさぎの場合
計算式:体重×1.5%
例)体重1kgの大人のうさぎでは、1×0.015(1.5%)=0.015
ペレットの適量は15g
ここで導き出された量は、うさぎの1日分のペレット摂取量です。
もしも、うさぎにペレットを与える回数が1日2回の場合は、1回の量はこの半分になります。
また、うさぎは夕方から夜にかけて活発に活動するため、夜の量をやや多めにするのがおすすめです。
ペレットの量が適切でないとどうなる?
ペレットは栄養価が高いため、うさぎが好んで食べるからといって与えすぎてしまうと、かえって肥満や病気など健康に悪影響を及ぼす恐れがあるので注意しなければいけません。
では、ペレットの量が適切でない場合、うさぎにはどのような悪影響が出るのでしょうか?ここでは、与えるペレットの量が適切でない場合のうさぎへの影響についてご紹介します。
うさぎの主食はチモシーなどの牧草で、「食べ放題」で与えるのが基本です。
そもそも、牧草がしっかりと食べられているうさぎに、適量以上のペレットを与えてしまうと「カロリー」や「栄養素」の過剰摂取となる恐れがあるので注意しましょう。
カロリーを取り過ぎれば、当然「肥満」の原因になります。
さらに、うさぎが健康に生活するために必要な栄養素も、取り過ぎてしまうと内臓疾患など「病気」の原因になる場合があるので、ペレットは必要以上に「与え過ぎない」ようにすることが大切です。
ペレットを与えすぎることで、うさぎが牧草を食べられなくなってしまうことも問題です。
うさぎのような「歯が伸び続ける」性質をもつ動物は、牧草などの硬いものをすりつぶすように食べて咀嚼しながら、伸びた歯をすり減らして適切な長さを維持します。
ところがペレットの場合、歯をすりつぶすほど咀嚼する必要がないため、常に歯が伸びてしまい「不正咬合」を起こす可能性があるので注意しましょう。
うさぎが不正咬合を起こすと、口腔内に潰瘍ができるなど「口腔内疾患」の原因にしまったり、そもそも噛む・食べるといったことができなくなってしまったりする恐れがあります。
このように、うさぎの健康を維持するためにもペレットの「与え過ぎ」には十分な注意が必要です。
うさぎの健康チェックポイント
うさぎにいつまでも元気でいてもらうためには、定期的な健康チェックをおすすめします。
ここでは、うさぎの健康を維持するために確認しておきたい「健康チェックポイント」についてご紹介していきましょう。
うさぎにとっても肥満は、健康に悪影響を与える原因となります。
そのため、エサが適量で与えられているか、運動不足になっていないかなどを確認するためにも、定期的に体重をチェックしてあげることをおすすめします。
与えるペレットの量を変えていないにもかかわらず体重が増えている場合は、運動不足だったり、牧草を食べる量が増えていたりするのかもしれません。
そんなときは、運動量を増やしたり、与えるペレットの量を減らしたりするなどして調整しましょう。
なお、急激な体重の増減は、思わぬ病気が隠れているサインかもしれません。
うさぎに急激な体重の増減が見られるような場合は、速やかに獣医師さんに相談しましょう。
ペットとして認知度の高いうさぎですが、犬や猫に比べ、実はうさぎを診察してくれる動物病院が意外と少ないということをご存じですか?
そのため、うさぎをお迎えする前に、できるだけ近くに動物病院を見つけておくことをおすすめします。
そして、お迎えしたらまずは病院に連れて行き、健康チェックを受けるのと同時に、病院の様子をみておくと良いでしょう。
さらに、定期的に健康診断を受けることで、病気だけでなく、エサの与え方など日常生活での問題なども確認することができます。
まとめ
今回は、うさぎにペレットを与える際に適量を守ることの大切さとともに、適切な量を求める計算式について解説してきました。
どうしても、うさぎに必要な栄養素が豊富に含まれていたり、うさぎが喜んで食べてくれたりするペレットは、「多く与えた方が良いのでは?」とか、「多く与えても良いのでは?」などと思ってしまいがちです。
しかしながら、ペレットを適量以上に与えてしまうことは、かえってうさぎの健康に悪影響を与えてしまう可能性があります。
そのため、うさぎにペレットを与える際、パッケージに記載された量を守り、きちんと計量して与えることはとても大切なことです。
もしも推奨する量がわからない場合は、是非、今回ご紹介した計算式を活用して、くれぐれも与えすぎないように注意しましょう。
– おすすめ記事 –
・うさぎが喜ぶトンネルは?選び方、おすすめのトンネル、作り方を紹介 |
・うさぎに仰向けの姿勢は厳禁?うさぎを抱っこする際の正しい抱き方と注意点 |
・うさぎが震えている原因は何!?その原因と対策について詳しく解説!! |
・うさぎの寒さ対策!うさぎが寒いと感じているサインはこれ! |