1.うさぎの正しい持ち方
2.うさぎを持つ際の注意点
2-1.耳や首などをつかんで持ち上げない
2-2.無理な姿勢にしない
2-3.うさぎが興奮している時は避ける
2-4.嫌がる場合は中止する
うさぎの正しい持ち方
うさぎはなるべく手早く持ち上げることがポイントですが、うさぎの骨は骨が細く折れやすいので、無理やり抱っこしてしまうとケガをしてしまうこともあります。
ご紹介する手順や注意点を頭に入れて、正しい持ち方、抱っこの仕方をシミュレーションしておきましょう。
◆うさぎに声をかける
まず、飼い主さんはうさぎの前か横に来て座り「だっこするよ」などとやさしく声をかけます。
うさぎは臆病で、急に体を触ると怖がったり逃げたりする場合があるためです。
飼い主さんが声をかけることで「自分に何か用があるんだな」と気づかせることができ、体を触ってもびっくりすることがなくなります。
◆うさぎの胸の下に手を入れる
次に、床にいるうさぎの胸の下(お腹の上部)に片手の手のひらを差し入れます。
体を下からそっとすくうような感じです。
◆お尻を支えながら持ち上げる
続けて、もう片方の手で腰からお尻のあたりを包み込むように支え、うさぎの体を持ち上げます。
それだけで不安定な場合は、お尻ではなく首の後ろの皮をつかんでもよいでしょう。(ただし、あまり力を入れてつかまないようにします。)
そのまま抱っこをする場合は、すぐうさぎの体を飼い主さんの体に引き寄せ、飼い主さんの膝の上やお腹にうさぎの体を密着させて固定します。
なお、うさぎを高い位置まで引き上げると落下した時が危険です。
練習は正座などをして地面に近い状態で、また抱っこしたり持ったまま運んだりする時は、低い所で手早く行うようにしましょう。
うさぎを持つ際の注意点
本来、体を持ち上げられること、脚が床から浮いてしまうことは、うさぎにとって捕食される時に似ているので、うさぎは体を持ち上げられると本能的に恐怖やストレスを感じます。
不安・不快な経験はうさぎの記憶に残り、飼い主さんに不信感を覚えて、怒りを行動で示したり、しばらく飼い主さんに寄り付かなくなったりすることもあるでしょう。
その後のうさぎと飼い主さんの信頼関係に影響することもあるので、極力ストレスを与えない形で体を持ち上げることが課題となります。
ここではうさぎを持ち上げる際の注意点をご紹介いたします。
◆耳や首などをつかんで持ち上げない
耳や首は非常にデリケートな部位なので、耳や首をつかんで体を持ち上げる方法は避けましょう。
うさぎが強いストレスや痛みを感じてしまいます。
猟師が獲物のうさぎの両耳をつかんでいる場面があったりもしますが、あのように両耳や両脚をつかんで吊り下げるのは絶命したうさぎの持ち方です。
生きているうさぎの持ち方としては間違いになりますので、絶対にやめてください。
なお、うさぎが動いたり運びにくい時に、首の後ろの皮膚をつかむのは問題ありません。
ただし、故意に強くつかむことはやめましょう。
◆無理な姿勢にしない
うさぎにとって不自然すぎる姿勢になるような持ち方も怪我に繋がりますので避けましょう。
また、うさぎは野生動物としての名残から急所であるお腹を触られることを嫌がる子が多く、同様の理由から仰向けに不安を感じる子が多いです。
抵抗しているのにも関わらず、無理に仰向けにしてしまうとうさぎが嫌がって暴れたり逃げたりすることがあり、事故にも繋がりますので一度落ち着かせてあげましょう。
◆うさぎが興奮している時は避ける
うさぎが興奮している時は避けましょう。
このような状況で体を持ち上げようとすると、激しく暴れたりパニックになったりする可能性があるためです。
うさぎは速く走れるように骨が軽量化されていて、骨が細くて軽いので、落下した衝撃で骨折する可能性があります。後遺症が残るような大怪我になることもあるので、体を持ち上げる際は、必ずうさぎが落ち着いていることを確認してからにしましょう。
持ち上げたうさぎを下に落としてしまうのは、絶対にNGです。
◆嫌がる場合は中止する
体を持ち上げられた時、宙に浮いた後ろ足で力いっぱい蹴る子、嫌がって体をよじる子もいます。
うさぎの蹴る力はとても強いので、そのような状況で暴れられると、飼い主さんが手から落としてしまったり蹴られて怪我したりすることがあります。また、うさぎ自身も蹴った反動で骨折や脱臼をしてしまう可能性があります。
危険ですので、体を持ち上げている最中にうさぎが激しく抵抗したら、無理に続行せず中止しましょう。
うさぎがどうしても嫌がる場合
爪切りや受診などで保定が必要になる場合は、うさぎの体を持ち上げなければなりません。それなのに、いざ保定をしようという時にうさぎが絶対に体を持ち上げさせてくれないととても困りますよね。
体を持ち上げるのを嫌がるうさぎには、どう対処すればよいのでしょうか。
◆なぜ嫌がるのか原因を見つける
うさぎが嫌がるのには理由があります。まずは、なぜ嫌がるのか原因を見つけましょう。
うさぎが嫌がる理由はみな同じではなく、個体によって異なります。たとえば、
・まだ飼い主さんや環境に慣れていない
・今は触られたくない
・嫌な思い出があって怖がっている
・体に痛いところがあって触られたくない
…など、さまざまな原因が考えられます。
おうちにお迎えして間がなく飼い主さんや環境に慣れていないうさぎは、まだ警戒心が解けていません。体に触れることすら許してくれないこともあるので、体を持ち上げるのはもう少し仲良くなってからにしてもよいでしょう。
また、機嫌が悪い時、眠い時間帯などに邪魔をすると怒ることがあります。抱っこなどは、うさぎの1日のリズムを知り、なるべくうさぎが起きている時、機嫌が良い時にするようにしましょう。
過去に抱っこや保定で嫌な思いをしたうさぎは、それを覚えていて体を持ち上げられるのを嫌がることがあるかもしれません。そのような場合は無理のない程度に少しずつ練習して慣れさせていくとよいでしょう。
時には、体調が悪いために動きたくない、触られると痛い場所がある、といった理由で嫌がることもあります。療養中のうさぎの扱いについては、かかりつけの獣医師さんの指示に従って対処をしましょう。
なお、原因は分からないけれど体を持とうとすると痛そうにして見える場合は、受診をおすすめします。無理をしないようにうさぎをキャリーやケージなどに入れ、動物病院へ連れて行ってください。
◆少しずつ慣れさせる
今は体を持ち上げることができないという状況でも、練習をすれば徐々に慣れさせることができます。無理のない範囲で少しずつ慣らせていきましょう。
まず、まだ環境や飼い主さんに慣れてないうさぎは、いきなり体を持ち上げられることは難しいので、リラックスして過ごせるようになること、飼い主さんと仲良くなることから始めます。
毎日、お世話をする時に声をかけたり頭をなでたりして、信頼関係を築いていきましょう。うさぎが人に触られることに慣れ、自分から近づいてくるくらいなついてきたら、触れる範囲を背中やお尻のほうまで広げ、体を持ち上げて抱っこする練習を始めます。
なお、うさぎがおとなしく体を持ち上げさせてくれるようになったとしても、体を持ち上げられることはあまり楽しいことではありません。野生のうさぎが外敵に捕獲されるのと感覚が似ていることを理解し、なかなか体を持ち上げさせてくれなくても、イライラしたり怒ったりすることはやめましょう。
体を持ち上げたり抱っこしたりする練習は手短に行い、素直にさせてくれたらやさしくほめたりおやつをあげたりしましょう。そうすることで、うさぎのストレスを抑えることができます。
まとめ
うさぎの持ち方、体を持ち上げる時の注意点について説明いたしました。
体を持ち上げられることはうさぎにとって嬉しいことではありません。ただし、お世話や受診の際には体を持ち上げることが必要となります。
実際にその場面であわてることのないよう、体を持ち上げること、抱っこや保定に少しずつ慣らせておきましょう。
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