1.サルはどんな動物?
1-1.木の上で生活する動物
1-2.見た目以上に握力がある
1-3.噛むことで感情表現をする
1-4.社会性の強い動物
2.家で飼えるサル4選
2-1.リスザル
2-2.ショウガラゴ
2-3.ピグミーマーモセット
2-4.コモンマーモセット
3.サルを飼うときの注意点
3-1.情報が少ない
3-2.人獣共通感染症に注意
3-3.懐くかどうかは飼い方次第
3-4.トイレのしつけができない
3-5.診療できる動物病院が少ない
サルはどんな動物?
つぶらな瞳に親近感のわくあどけない仕草。感情表現が豊かで見ていて飽きないサル。指先を器用に使って食事していると思ったらスルスルと木に登り縦横無尽に飛び回る。どこか人間っぽい一面と、そのずば抜けた運動能力はとてもエキゾチックで惹きつけられますよね。
まずはその魅力から、サルの特徴についてご紹介していきましょう。
◆木の上で生活する動物
一般的にサルは木の上や崖の上など、高さのあるところで生活する動物です。また、運動量も多いため、ペットとして飼うためには十分な高さと広さのある飼育スペースを確保する必要があります。外での散歩は、本当に慣れたサルでない限り様々なリスクが伴いますのでオススメできません。部屋を開放して遊ばせる際には、縦横無尽に動き回るためイタズラや不意な事故を未然に防ぐような配慮が必要です。
◆見た目以上に握力がある
サルは木から木へと移動する動物ですから、握力がとても発達しています。日本でサルと言えばニホンザルですよね。彼らは大人になるとオスで11Kg、メスで8.5Kgほどの大きさですが、その握力はなんと30Kgほどもあります。我々人間と同じくらいです。サルは飼い方を誤ると大きな事故に繋がりかねませんので、そういった意味からもペットとして飼うには小型の品種の方が良いでしょう。
◆噛むことで感情表現をする
サルはとても知能が高く、感情豊かな動物です。警戒心が強く好奇心も旺盛で、不快や恐怖といったネガティブな感情はもちろん、ジャレたり甘える時も噛むことによって自らの感情を伝えてくる動物です。
顎の筋肉が発達していること、歯の形状が鋭利であることから甘噛みであったとしてもとても痛いですし、血が出るほどです。それでも噛むのは彼らからの何かしらの意思表示ですので、無闇に怒ったりしてはいけません。しかし、人への無駄噛みを増やしてもいけませんので、その境界の見極めがとても大切です。
◆社会性の強い動物
一般的にサルは群を作って生活する動物です。そのため、飼い主さんはサルと多くの時間を共有できるような人が良いでしょう。サルは自我がはっきりしており自尊心の高い動物です。根気よく時間をかけて向き合わなくてはペットのサルに懐かれることもありません。また、例え飼い主さんに懐いたとしても、飼い主さんの家族に懐くかは別問題です。家族が自分の仲間であると認識するかはサル自身が判断することですので、同居する家族の理解や協力も必要になってきます。
このように、サルの世話には労力とそれなりの費用が必要ですが、それでも彼らにはそれを苦と思わせないほどの魅力がたくさんあります。
それでは、ここからは自宅でペットとして飼えるサルをご紹介していきましょう。
家で飼えるサル4選
◆リスザル
リスザルは、飼ってみたいエキゾチックアニマルランキングでも常に上位にいるほど知名度が高いサルです。
サルの中では比較的ペットショップでも取り扱いのある店が多い方です。
・特徴
オマキザル科の中では最小の種類で、体長は25~30㎝ほどで、尻尾が非常に長く、40㎝ほどもあります。体色は黄〜黄褐色で、体重は500~1000gほどです。
・性格
非常に活発で運動量が多く、慣れるととても友好的な性格です。好奇心が強く、気になったものは何でも手を出し持っていってしまいます。部屋で遊ばせる際にはイタズラされないよう、細心の注意が必要です。群れでは鳴き合いながらコミュニケーションをとっているため鳴き方も豊富で、決して静かなわけではありません。
・寿命
15~20年
・販売価格
60~80万円
◆ショウガラゴ
小さな顔の半分ほどを占める大きくてクリクリの目が印象的で、その見た目のインパクトも人気の要因となっています。非常に俊敏に動き回り、特に脚の筋肉が発達しており跳躍力に優れ、ピョンピョンと大きく跳ねながら移動する姿が愛らしいです。体長は15~20㎝ほどで、尻尾は20~25㎝と体長よりも長いです。毛色は灰色から褐色、体重は200~300gほどしかありません。
・性格
大人しいですが警戒心が強く、慣れるまでに時間を要します。雄雌ともに縄張り意識が強く、来客など見知らぬ人が部屋の中へ来ると大きな声で鳴いて攻撃的になります。また、手に尿をつけてマーキングする習性があるため、部屋の掃除は毎日必要です。完全なる夜行性で、夜になると活発に動き回るようになります。
・寿命
10~15年
・販売価格
80~100万円
◆ピグミーマーモセット
現在、日本でペットとして取引きされているサルの中では最小サイズで、先述したショウガラゴよりも更に小さなサルです。野生下では主に樹液を主食としており、その他にも昆虫を捕食しながら樹上で生活しているサルです。
・特徴
なんと言っても、手のひらにおさまる小さなサイズ感は守ってあげたくなるような愛情が湧きますよね。ですが、小さいとは言え、樹上で生活するサルなので、高さが十分にある飼育ケージが必要です。体長は12~15センチほど、尻尾は17~23㎝ほどあります。毛色は黄〜灰色で顔や手足の先以外はふわふわの毛に覆われています。体重は一般的には100gほどですが、飼育下では樹液ではなくモンキーフードや果実を与えることが多いため、240g程にまでなることもあります。
・寿命
10~12年
・販売価格
80~100万円
◆コモンマーモセット
サルの中では比較的飼いやすいと言われているコモンマーモセット。身体が丈夫で生涯繁殖数が多いことからそう言われるようになったのかもしれませんが、やはりサルはサル。犬・猫とは全く違う難しさがあるので理解しておく必要があります。
野生下では、樹脂や樹液、種子、果実の他にも昆虫やトカゲなどの小動物を捕獲して食べています。
・特徴
顔の両側についた白くふわふわの毛に覆われた耳と、白黒の縞模様の尻尾が特徴的です。体長は20~30㎝ほど、尻尾は30~40㎝ほどです。毛色は灰黒色や灰褐色。体重は250g~500gほどあります。
排泄物には通称「マーモ臭」と呼ばれる刺激臭があり、マーキングの癖もあるため、毎日の清掃が欠かせません。
・寿命
7~10年
・販売価格
40~100万円(その年の国内での繁殖数により大きく変動するようです)
サルを飼うときの注意点
サルは種類によって習性も食性も様々ですが、ここではサルの飼う上での共通した注意点をまとめました。
◆情報が少ない
国内でサルをペットとして飼育しているケースはごくわずかですので、情報も多くありません。気になったことや調べたいことを検索してもなかなか見つからないことが多いです。サルを購入する販売店に事前に確認したり、同じ種類のサルを飼っているコミュニティーを探しておくなど、日頃から情報交換できる環境を整えておくと良いでしょう。場合によっては海外の文献から調べるくらいの覚悟は必要です。
◆人獣共通感染症に注意
サルとヒトは系統的に近縁です。そのため、共通の感染症が多い事には注意が必要です。ウイルス性のものはもちろん、サルモネラ症や結核といった細菌感染や、寄生虫など様々なものがあります。感染症に関しては正しい知識を持つことが大切です。サルと飼い主、どちらかが体調を崩した場合には互いに移さないよう注意して接しなければいけません。
◆懐くかどうかは飼い方次第
犬や猫は数千年かけて人に飼われ改良されてきた動物です。そのため、現代の犬猫は人にとってとても飼いやすい生き物です。ですが、サルは違います。人工保育で育てられたとしても野生の本能が強く残っている動物ですので、しつけや世話には覚悟が必要です。
また、子どもの頃には飼いやすくても大人になって性格が変わる個体もいます。些細な環境の変化にナーバスになり攻撃的になることも。時間をかけて丁寧に接し、互いの信頼関係を構築していくことがとても重要です。
◆トイレのしつけができない
サルにトイレのしつけはできません。また、排泄物でマーキングする動物です。臭いもサルによってはとても強烈です。毎日ケージの中と運動させる部屋の掃除が必要です。ケージ内を衛生的に管理していくには、最低でも1日2回は掃除した方が良いでしょう。
◆診療できる動物病院が少ない
サルを診療できる動物病院はごく限られています。また、動物病院にとってもサルは診療数が少なく症例や情報が乏しいため、診察が困難です。サルを飼う前の準備として、飼う予定のサルを診療できる動物病院が通える場所にあるかどうか調べておく必要があります。
まとめ
サルは小さくてもパワーいっぱい!そのうえ繊細で神経質な性格の持ち主です。決して気軽な気持ちで飼うことのできない動物ですが、愛情をかけた分、心が通えば最高のパートナーとなるでしょう。
毎日の餌やりだけでなく運動や清掃が必要な動物ですが、ペットホテルには預けられませんので、サルに十分な時間を取れるかどうか飼う前によく検討してくださいね。
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