詳しく知りたい!タイハクオウムとの生活

2021.06.17

詳しく知りたい!タイハクオウムとの生活

真っ白な羽が美しい、タイハクオウム。頭もよく人に懐くので、コンパニオンバードとして人気がある鳥ですよ。しかし、オウムの中でも大型な部類に属するタイハクオウムは、鳴き声もとても大きく防音対策が必須です。ここでは、タイハクオウムを飼うにあたって必要な心構えと、準備するべき物についてご紹介します。


タイハクオウムってどんなオウムなの?

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犬や猫に次ぐほど、ペットとして人気の鳥類。その中でもオウムは知能が高くおしゃべり上手な個体も多いので、人気がある鳥です。タイハクオウムは、オウムの中でも大型のオウムです。タイハク(太白)と名付けられている通り、真っ白で美しい羽毛が特徴です。冠羽と呼ばれる、頭部に長く伸びている羽も特徴的で傘のように見えることから、英語名では「Umbrella Cockatoo」(傘)と名付けられています。とても頭がよく、芸を覚えるのも得意ですが、芸を覚えるよりも飼い主とのスキンシップを好みます。そのため、コンパニオンバードをお迎えしたい方にとってはおすすめの鳥ですよ。一方で、大型のオウムのため、その鳴き声もとても大きく、飼育をする際には対策が必要です。

◆原産国

タイハクオウムの原産国は、インドネシアのモルッカ諸島にあるハルマヘラ島、バチャン島、オビ島という島です。モルッカ海とセラム海に挟まれた場所に位置しています。

◆全長

約45㎝~55㎝

◆体重

450g前後 大きい個体になると、650g前後になる場合もあります


タイハクオウムの特徴・性格

タイハクオウムは、飼い主とのスキンシップを好む個体が多いですが、その他の性格の特徴や、好んでする遊びは、どのようなものなのでしょうか。タイハクオウムの特徴と性格について、ご紹介します。

◆タイハクオウムの特徴

鳥類であるタイハクオウムの体は、飛ぶために進化を続けてきたため、人間と異なる特徴がたくさんあります。ここでは、代表的な特徴をいくつかご紹介します。

①平熱が高い

危険を感じた際にすぐに飛び立つために、食べたものは素早く代謝する必要がある、タイハクオウム。そのため、平熱は人間よりも高く40℃前後を保っています。

②太い骨は中空になっている

空を飛ぶために体を軽くする必要があるため、タイハクオウムの太い骨は中が中空になっており、軽量です。骨折もしやすいですが、その分回復も早いという特徴があります。

③「脂粉」を分泌する

タイハクオウムの腰のあたりから、防水効果のあるとても細かな粉を分泌します。他のオウムでも油分を出しますが、特にタイハクオウムのように真っ白なオウムは、粉として「脂粉」を出すので毎日のお掃除が必要です。

④耳は羽毛で隠されている

人間と同じぐらいの聴力があるタイハクオウムですが、耳たぶはなく耳羽という、耳の周りを守る羽で隠れています。

◆タイハクオウムの性格

個体差はありますが、オウムの中で温厚な性格が多い鳥です。とても記憶力がよく、人間でいうと5歳児程度の記憶力をしているのではないかと言われています。感情もとても豊かで、表現も上手。飼育していると、その感情の豊かさにコンパニオンバードといわれる理由がわかるかもしれませんね。温厚な性格ではありますが、とても寂しがり屋の性格をしている鳥です。飼い主は、タイハクオウムに充分かまえる時間が必要ですよ。まれに遊んでもらえないことに、あまりストレスを感じない個体もいます。しかし、多くのタイハクオウムは飼い主とスキンシップが取れないことに、ストレスを感じてしまいます。自分で自分の羽をむしってしまう「毛引き症」に繋がることもあるので、甘やかすぐらい遊んであげられるといいですね。


タイハクオウムの鳴き声

タイハクオウムの鳴き声は、大型のオウムであることから非常に大きく、飼育するには必ず対策が必要です。雄叫びのような声は、「山ひとつ向こうまで聞こえる」と言われるほど。雄叫びをあげると、同じ室内にいる人同士の会話も聞こえない程です。飼育を検討している方は、声の大きさを認識したうえで飼うようにしてくださいね。具体的な対策としては、飼育する室内の壁に防音材を張り付けたり、ケージの外側にアクリルケージを設置するなどの対策があります。室内のカーテンも防音性の高いものにすることもおすすめです。ご近所迷惑にならないように、いくつかの対策を組み合わせて取り入れるといいですね。


タイハクオウムの寿命・病気

飼育できる鳥類は、犬や猫よりも寿命が短いと思われている方も多いはず。しかし、大型のオウムは犬や猫よりも長生きするパートナーです。寿命や病気を把握して、生涯のパートナーとしてお迎えしてくださいね。

◆タイハクオウムの寿命

タイハクオウムの平均寿命は40~60年。飼い主と一生添い遂げることができるペットであるといえますね。寿命が長い分、飼い主は「最期まで飼い続ける」という意識をもって飼育することが大切です。

◆タイハクオウムの病気

とても寂しがり屋のタイハクオウムは、「タイハクオウムの性格」でもご紹介した通り、ストレスを感じると「毛引き症」などの病気を発症してしまいます。ここでは、タイハクオウムがかかりやすい病気について、いくつかご説明します。

①毛引き症

飼い主にかまってもらえないストレスだけでなく、生活環境の変化によるストレスなどによって発症します。また、乾燥や栄養不足でも発症することもあります。対処法としては、ストレスの原因を把握し、それを取り除くことです。思い当たることがなかったり、原因を取り除いても症状が治まらない場合は、皮膚状態の悪化も考えられます。かかりつけの病院で相談しましょう。

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②鼻炎

人間と同じように細菌感染によって風邪をひくことがあります。さらさらした鼻水は生理現象なので気にしなくても大丈夫ですが、膿状の鼻水の場合は細菌感染が疑われます。かかりつけ医に相談し、抗生物質の投薬で改善することがほとんどです。

③胃腸炎

病原性の微生物が原因になって、胃腸に炎症が起こり、下痢になります。下痢が多くなると体内の水分も不足するので、水を多く飲むようになることもあります。病原性の微生物により、対処法が異なるので、なるべく早くかかりつけ医に相談することをおすすめします。


タイハクオウムの飼い方

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生涯を共にすることを考えて飼育したいタイハクオウムですが、飼育するためにはどのような環境が必要なのでしょうか。ここでは、タイハクオウムの飼育に必要なものと、飼育にあたって注意してほしい点について説明します。

◆食事

主食には必要な栄養素が含まれている、鳥用のペレットを与えるようにしてください。大型のオウムはナッツや野菜、穀物などを好んで食べますが、たくさん与えてしまうと栄養が偏るだけでなく、ペレットを食べなくなることも考えられます。ナッツや野菜、穀物類は少量を、副食として与えましょう。

◆ケージ・温度

好奇心が旺盛で、物を壊すことも得意なタイハクオウムのケージは、誤飲に繋がらないように塗装が無いものをおすすめします。あくまでケージは、安心して睡眠を取ったり、食事ができるようにするための場所。飛び回れるほどの大きさは必要ありません。タイハクオウムが、羽を広げられる大きさのケージを選んであげてくださいね。ケージを設置する場所の温度は、22℃前後をキープするのが理想です。寒さには弱いので、エアコンなどを利用してください。

◆おもちゃ

頭がよく、物を壊すことが大好きなタイハクオウムには、かじって遊べるおもちゃやエサを探すことで遊べるおもちゃがおすすめです。与えたおもちゃは長持ちしないので、お手頃な価格で安全な素材でできているおもちゃを選んで下さい。

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◆タイハクオウムの飼育時の注意点

★脂粉について
タイハクオウムだけでなく、ヨウムやキバタンといった白色の美しいオウムは、「脂粉」という人間の頭のフケのような、とても細かい粉状のものを発生させます。羽の汚れ防止や、防水の役目がある脂粉は、タイハクオウムがぶるっと羽を震わせると、ケージの周りまで真っ白になってしまうこともあるほど。脂粉はタイハクオウムにとっては必要な物で、新陳代謝が活発で健康である証とも言えます。しかし、人間にとっては大量に吸い込んでしまうと、アレルギー反応を起こしたり、咳が止まらないなど、肺に悪影響を与えてしまいます。そのため、脂粉の掃除は毎日欠かさずするようにしてください。毎日エサを与えるタイミングで、脂粉をホウキとちりとりで取り除いたり、拭き掃除で取り除くなどの対策が効果的ですよ。


タイハクオウムの値段

タイハクオウムの生体の値段は、30~50万円ほどです。昨今では生息数が減っていることから、希少価値が高くなり、輸入される数も減っています。


まとめ

真っ白な美しい羽毛が特徴の、大型のオウムであるタイハクオウム。寿命は40~60年と、飼い主と生涯を共にするコンパニオンバードとしてお迎えすることをおすすめします。性格は温厚な個体が多いですが、雄叫びのような鳴き声をあげるので、飼育する際には防音対策が必要です。また、感情が豊かで寂しがり屋のタイハクオウムを飼育するには、飼い主がスキンシップをとる時間を充分に設けることも必要です。飼育を検討している方は、防音環境を整えられるかどうかと合わせて、タイハクオウムと過ごす時間を設けられるかということも考慮してくださいね。



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