知りたい!コキンメフクロウのいる生活

2021.07.19

知りたい!コキンメフクロウのいる生活

様々な大きさのフクロウの仲間の中でも、小型な部類に属するコキンメフクロウ。まん丸な目と、丸みを帯びた体が人気のフクロウです。しかし、猛禽類であるフクロウの飼育方法は分からないことも多いはず。この記事では、コキンメフクロウの特徴と、飼育方法についてご紹介します。


コキンメフクロウとは?

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フクロウ目は現在200種類ほどが知られており、南極以外の世界中に様々な大きさのフクロウ目が生息しています。その中でもコキンメフクロウは、フクロウの中でも小型種に属する鳥です。全体的に丸いフォルムで、ふっくらとした体が魅力のコキンメフクロウは、ヨーロッパから中国にかけてのエリアと、北アフリカに生息しています。古代ギリシャ時代には、知恵の女神である“女神アテナ”の従者とされていました。そのため、学名は“Athene noctua”(アテネの夜)という名前が付けられています。古代ギリシャの美術品には、女神アテネと共にコキンメフクロウが一緒に描かれている作品がいくつかありますよ。


コキンメフクロウの特徴・性格

古代から人間と深く関わりのあるコキンメフクロウ。ここでは、ペットとして飼育するにあたって、知っておきたい特徴と性格についてご紹介します。

◆特徴

コキンメフクロウの体長は18~23㎝ほどで、丸みを帯びた体が特徴です。体重は160~200g程度ととても軽量で、片手に乗せられるほどの重さです。コキンメフクロウの模様は、薄茶色と白の濃淡模様をしています。日本では流通しているコキンメフクロウには、野外採取し輸入された模様の色味が薄いタイプと、ヨーロッパ由来の模様の濃淡が濃いタイプの2種類があります。人間の白目部分にあたる「虹彩」は明るい黄色をしているのも特徴ですね。ペットショップでのコキンメフクロウの販売価格は32~40万円前後。鳥類の中でも寿命は長く、コンパニオンバードとして飼育できる鳥ですよ。

◆性格

愛らしいフォルムをしているコキンメフクロウですがその性格は活発で、飼育していても飽きることはありません。しかし、攻撃的な一面もあり、多頭買いをするには注意が必要な鳥でもあります。活発な性格をしていますが、警戒心の強いコキンメフクロウは、人に懐くにはかなりの時間を要します。人にべったり慣れさせたい場合は、ヒナからの飼育をおすすめします。ヒナから飼育しない場合は、人に慣れるまで気長に飼育してあげてくださいね。


コキンメフクロウの鳴き声

フクロウの中では小型のコキンメフクロウですが、その小さな体からは想像できない程、大きな鳴き声を出すことがあります。飼い主は同じ部屋にいると耳を塞ぎたくなるほどの鳴き声を発するので、防音対策も必要です。特に深夜や早朝などに大声で鳴かれるとご近所迷惑にもなるので、防音効果のある床材や壁の準備をしておくと安心ですね。


コキンメフクロウの寿命・病気

丸い体が愛らしいコキンメフクロウですが、ペットとして迎えた場合には、どれぐらい一緒に過ごせるのか気になりますよね。ここでは、コキンメフクロウの寿命と、飼育時に気を付けなくてはけない病気についてご紹介します。

◆寿命

野生のコキンメフクロウの寿命は、10~15年と言われています。一方で飼育下でのコキンメフクロウの寿命は、15年前後されていますが、個体によっては平均よりも長生きしてくれる場合もありますよ。飼育を始める前には、今後20年は一緒に過ごすという気持ちで飼育を始めるといいですね。長く一緒に過ごすためには、毎日の健康観察がとても大切です。

◆病気

①寄生虫による感染症

ダニやハジラミなど、吸血する虫が羽毛にダメージを与えることがあります。羽毛の量が減っていないか、羽毛に小さな虫が存在していないかなど、小まめにチェックし、早めに病院で駆虫してもらうことが大切です。また、羽毛など外的に寄生する寄生虫だけでなく、内臓に寄生する寄生虫も存在します。寄生した箇所によっては重篤な症状を引き起こすこともあるので、体重の増加が見られない場合や、いつもより食欲がないなど、体調の変化に気づいてあげることが大切です。

②鳥インフルエンザ

A型インフルエンザウイルスによる、鳥に発症する感染症です。今のところ、感染を防ぐ有効な対策が無い為、感染させないということが重要です。野鳥との接触を避け、エサも共有させないということが、飼育下でとれる対策と言えます。

③趾瘤症

脚の裏が腫れ上がる症状のことを言います。いつも脚の同じ位置に泊まり木が当たってしまったり、爪が伸びて傷ができてしまった場合に発症することが多い症状です。腫れが大きくなる前や、傷口が小さいうちに、正しく対処できれば、深刻に悪化することはありません。しかし、腫れや傷口から細菌が入り込んでしまうと、脚の壊死や、感染症を引き起こす原因になります。止まり木につかまってなかなか見えにくい脚の裏も、毎日腫れや傷が無いか、チェックしてあげてくださいね。


コキンメフクロウの飼い方

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上手く飼育すれば、20年前後も共に過ごせるコキンメフクロウ。ここでは、実際にどのような飼育環境を整えればペットとして迎えられるのかをご紹介します。

◆食事

愛らしい見た目と裏腹に、完全肉食のコキンメフクロウのエサは、知や骨や内臓を含んだエサであることが理想です。コキンメフクロウの食事は通常、獲物を丸呑みして、肉だけでなく知や骨などからカルシウムなどの必要な栄養素を摂取しています。そして、消化できなかった部分は「ぺリット」と呼ばれる塊として吐き出されます。ここでは飼育下で与える餌として、入手しやすいものをいくつかご紹介します。

①冷凍マウス

冷凍されているので、保存が可能です。マウスの成長過程によって、コキンメフクロウが食べやすいサイズを選べます。内臓を取り除いて与えると、ケージが汚れるのを防ぐことができますよ。

②冷凍ひよこ

冷凍されており保存ができますが、まるごと与えることはできません。くちばしや胃腸やそのうなどの部位を取り除いてから与える必要がありますよ。

③冷凍ウズラ

冷凍されていて保存できます。まるごと与えても丸呑みできないので、ちぎって食します。そのため、骨を残し「部分食」となることが多いです。

④活コオロギ

フタホシコオロギとイエコオロギの2種類が多く流通しています。サイズも細かく分けられて販売しているので、食べやすいサイズを選べます。コキンメフクロウにはMLサイズがおすすめです。

◆ケージ・温度

コキンメフクロウは小型のフクロウなので、屋内ケージでの飼育が可能です。屋内のケージで餌や睡眠の時間を取らせ、室内に飼い主がいる時間帯は部屋に放して過ごす“半放し飼い”の飼育方法が理想的です。ケージは個体の大きさに合わせて、自作する方が多いようです。ケージの大きさの目安は、コキンメフクロウが翼を広げてもぶつからず、止まり木から止まり木へ飛び移っても頭を打たない高さです。ケージ内に金網などがあると足を引っかけてしまうこともあるので、天板などには使用しないようにしましょう。ケージ内の温度は、人が快適と感じる温度と同程度で、15~25℃を保ちましょう。コキンメフクロウは、温度が高い環境に弱いので、特に夏場は暑くなり過ぎないように、エアコンなどを利用してくださいね。

◆爪切り

鋭いコキンメフクロウの爪は、放置しているとどんどん伸びて、自傷の原因になります。犬猫用の爪切りや、精密ニッパーなどを準備し、伸びすぎた爪はカットしてあげてくださいね。切りっぱなしの爪もケガの原因になります。伸びた部分をカットした後は、必ずやすりで先端を丸く整えましょう。爪をカットする際に気を付けなければいけないのは、爪の中に血管や神経が通っているということです。切りすぎると出血することもあるので、ペット用の止血剤を準備しておくと安心ですよ。

◆コキンメフクロウの飼育時の注意点

コンパニオンバードとして長く連れ添っていけるコキンメフクロウですが、ペットとしてお迎えするにあたり、気を付けなくてはいけないことがあります。ここでは、コキンメフクロウのような猛禽類を飼育するにあたって特に注意していただきたい点を2点ご説明します。

①猛禽類を診察してくれる、かかりつけ医を見つけましょう。
近所に動物病院はあっても、猛禽類を診察してくれる動物病院であるとは限りません。飼育の前に、コキンメフクロウにトラブルがあった際に、診察してくれる動物病院か電話などで確認しておきましょう。

②放鳥時のトラブル
飼い主が同じ部屋で過ごせる時間に、ケージから出して部屋に放鳥する際には、最も注意が必要です。小型の鳥とは違い、力の強いコキンメフクロウは少しの隙間があればドアや窓も開けられます。また、網戸を閉めているからと安心していても、鋭い爪でしがみついた際に敗れてしまうこともあるので、細心の注意が必要ですよ。

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まとめ

フクロウの中でも、小型のコキンメフクロウは室内飼育ができる猛禽類です。手のひらサイズの丸い体が愛らしいですが、活発でありながらも警戒心が強い鳥なので、人に慣れさせるには時間が必要ですよ。飼育下でのコキンメフクロウの寿命は15年前後と言われているので、コンパニオンバードとしての飼育をおすすめします。小型のフクロウのため室内飼いができますが、小さな体に似合わず大きな鳴き声をあげることもあります。コキンメフクロウをお迎えするには、防音対策をしておくと安心でしょう。エサは猛禽類なので完全肉食。野生下では小動物をまるごと食べて生活しているので、ペットとして飼育する場合も、冷凍マウスなどを購入し保存しておく必要がありますよ。



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