1.アカハナグマってどんな動物?
1-1.生態
1-2.生息地
1-3.寿命
1-4.食性
1-5.特徴
2.アカハナグマはペットとして飼える?
2-1.飼育は難しいが飼うことは出来る
2-2.飼育が難しい理由
2-3.販売しているところ
3.アカハナグマの飼育方法
3-1.用意するもの
3-2.主な餌
3-3.気温など飼育環境
アカハナグマってどんな動物?
アカハナグマという動物をご存じですか?
最近では、動物園だけでなく、ペットを投稿するSNSなどで見かけて知っている!という方もいらっしゃるかもしれません。
ペットショップなどでも見かけるようになったアカハナグマ。一体どんな動物なのでしょうか?
ここでは、最近、注目され始めているアカハナグマについて、ご紹介していきます。
◆生態
アカハナグマは、主に森林に生息するアライグマ科の動物です。
野生のアカハナグマは、昼夜問わず活動することはありますが、本来は、主に昼間に活動する昼行性の動物で、メスと子供は「バンド」と呼ばれる大きな群れを形成して生活し、オスは、交尾期を除き、単独で生活する習性があります。
アカハナグマは、樹上でも地上と同じように活動できるほど木登りがうまいうえに、泳ぐこともできるため、標高の高い山地だけでなく、海岸など、さまざまな環境に適応しながら生活することができます。
◆生息地
アカハナグマは、南米の熱帯から亜熱帯域に広く生息しています。
生息地としては、アルゼンチン, ボリビア, ブラジル, コロンビア, エクアドル, フランス領ギアナ, ガイアナ, パラグアイ, ペルー, スリナム, ウルグアイ, ベネズエラ, チリなどの国々が挙げられます。
標高2500m程の極寒のアンデス山脈だけでなく、海辺で生活しているアカハナグマもいます。
◆寿命
アカハナグマの寿命は、野生下で7~8年くらい、飼育下で14~15年くらいといわれています。なお、飼育下では、17年以上生きたアカハナグマの報告もあります。
◆食性
アカハナグマは雑食性の動物で、鋭い前足の爪や細長くよく動く鼻を使い、穴を掘って虫などを食べたり、得意の木登りで果実を取って食べたりします。
主に、果実・小鳥・鳥の卵・昆虫・爬虫類・小さな哺乳類などを食べて生活しています。
◆特徴
アカハナグマは、名前に「アカハナ」と付いてはいますが、鼻が赤い訳ではありません。
また、体色も必ずしも赤い訳ではなく、灰褐色や茶褐色などさまざまで、個体差があります。
アカハナグマの最大の特徴は、40~65cmくらいある長い尾。アカハナグマの平均的な体格は、体重は2~6kgくらい、体長は45~65cmくらいなので、尾は体長とほぼ同じくらいの長さがあるといえるでしょう。
アカハナグマは、この長い尾をうまく使いながらバランスを取ることで、上手に木登りができます。
さらに、アカハナグマといえば、細長く、よく曲がりよく動く鼻も特徴的です。他にも、可愛らしい見かけによらず、意外と鋭い爪を持っています。
湾曲した鋭い前足の爪は、地面を掘って虫などを食べるのに適した形状になっています。人間が引っ掻かれると大きなケガにつながるため、注意が必要です。
アカハナグマはペットとして飼える?
ここまで、アカハナグマの生態や特徴などについて、ご紹介してきました。
アカハナグマは、アライグマのような見た目で、しぐさも可愛らしく、まだペットとしては珍しい動物だということもあり、「アカハナグマを飼ってみたい!」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
では、実際にペットとしてお迎えすることは可能なのでしょうか?
ここでは、アカハナグマはペットとして飼えるのか、どのようなところで購入することができるのか、などについて、ご紹介します。
◆飼育は難しいが飼うことは出来る
アカハナグマは、そもそもとても賢い動物で、飼い主さんにも慣れてくれ、スキンシップもOK。ペットとして飼うことが可能な動物です。
実際に、海外では、アカハナグマがペットとして飼われていることも多いです。
しかし、アカハナグマの生態に沿った飼育をするためには、エサは果物、虫や小動物など、ビタミンと動物性のたんぱく質をバランスよく与えてあげる必要がありますし、木登りや泳ぎが得意な活発な動物でもあるため、木登りができる環境やプールを整えてあげたり、定期的にお散歩をしてあげたりする必要があります。
アカハナグマは、ペットとして飼える動物であるとはいえ、何より、ペットとしての歴史が浅く、情報も少ないため、アカハナグマのお迎えは慎重に検討する必要があるといえます。
◆飼育が難しい理由
アカハナグマは、とても活動的な動物のため、木登りができる木や水浴びができるプールなどを備えてあげる必要があり、飼育環境は広いほうが望ましいといえます。
食事として、昆虫や小動物などの生餌を与える必要がありますし、一般的なペットに比べ、ある程度食費もかかります。
さらに、病気になったときに診てくれる動物病院も少ないため、お迎えする前にあらかじめアカハナグマを診てくれる病院を見つけておく必要もあります。
このように、お迎えするにあたり、しっかりと環境を整えておく必要があります。
また、アカハナグマは、鋭い牙と爪をもつため、万が一、人間が本気で嚙まれたり、引っかかれたりすると、大けがをする恐れがあります。
特に、メスは1歳くらいから、オスは2歳くらいから見られはじめる発情期には、とても気が荒くなるため、お世話する際は、十分な注意が必要です。
そのため、生後6ヶ月くらいになるまでには、去勢・避妊手術を検討した方が良いともいわれています。
このように、賢い動物であるとはいえ、アカハナグマをお迎えするには、信頼関係を築くにはそれなりに時間がかかるという覚悟、飼育には広い敷地と金銭的な余裕、ケガなどの可能性も十分に考慮する必要があります。
◆販売しているところ
アカハナグマは、日本では飼育許可も必要なく、エキゾチックアニマルを扱うペットショップなどで販売されており、購入することができます。
販売価格には開きがありますが、大体、20~60万円くらいの価格で販売されています。
このように価格にも差があり、まだ購入できるショップも少ないため、お迎えを検討する際には、直接エキゾチックアニマルを扱うペットショップに確認することをおすすめします。
アカハナグマの飼育方法
ここまで、アカハナグマの生態や飼育の際の注意点などをお話してきました。
ペットとしての歴史の浅い動物をお迎えするということは、それなりのリスクがあるということを理解しておかなければいけません。
さまざまなリスクを検討したうえで、アカハナグマのお迎えを決めたら、どのような準備をしておく必要があるのでしょうか。
ここでは、実際にアカハナグマを飼育する際に必要なものや整えるべき環境について、ご紹介します。
◆用意するもの
【ケージ】
尾の長さを合わせると体調1mくらいになるアカハナグマの大きさと、活発で運動量の多さを考慮した場合、大型犬用サイズのケージが必要になるといえます。
また、登る習性があるため、柵につかまって登っても耐えられる頑丈さ、2階、3階と登っていけるような高さも必要です。ハンモックなどをつるしてあげてもよいでしょう。
さらに、常にケージのなかに入れっぱなしにすることはできません。運動量の多いアカハナグマにストレスを与えないためにも、ケージから出して遊ばせたり、散歩させたりする必要があります。
【エサ皿、給水皿】
エサは、常備しておくのではなく、時間を決めて与えます。
水はいつでも飲めるようにケージ内に常備しておきましょう。
【木登りができる環境】
アカハナグマは、木登りが上手な動物で、特に野生のアカハナグマは、敵を見つけると高いところまで登って身を守ります。
そのため、ストレスや不安を感じると、高いところに上る習性があります。
そのため、木登りができるよう、ある程度しっかりとした樹木を準備したり、室内でも高いところに登ったりできるような環境を作ってあげるようにします。
ただし、落ちてケガをしてしまうこともあるため、注意が必要です
庭や公園など、屋外に木登りができる環境があれば、さらによいでしょう。
【水浴びができる環境】
アカハナグマは、泳ぎも得意な動物です。
子ども用のプールやたらいを準備したり、お風呂場などを活用したりするなどして、水浴びや水遊びができるように工夫してあげましょう。
◆主な餌
アカハナグマには、市販の専用フードなどは残念ながらありません。
ペレットを与える場合は、モンキーフードやドッグフードなどを代用することが多いようです。
アカハナグマの主な餌としては、みかんやリンゴ、バナナなどの果物のほか、サツマイモやニンジンなどの野菜があります。
動物性たんぱく質として、エキゾチックアニマルを扱うペットショップなどで販売されている鶏頭缶詰、ネズミ、ミルワームなどを与えたり、ゆで卵やキャットミルクなどを与えたりします。
野性下で生きるアカハナグマと同じように、ビタミンと動物性たんぱく質をバランスよく与えてあげるのが理想です。
◆気温など飼育環境
野生のアカハナグマは、アンデス山脈から南米大陸の亜熱帯地方に分布することができる恒温動物です。
しかし、暑すぎたり、寒すぎたりするのは、体調不良の原因になります。飼い主さんが心地よいと感じるくらいの室温を保つようにするとよいでしょう。
また、警戒心が強く、音にも敏感です。時間をかければ、人にも音にも慣れてくれますが、できるだけ静かな環境で飼育してあげるのが望ましいと言えるでしょう。
アカハナグマを飼育する上での注意点
◆鋭い爪
アカハナグマは、木登りが得意な動物特有の鋭い爪を持ちます。掴まれただけでも、引っかき傷ができてしまうくらいの鋭さです。
そのため、引っかかれてしまいそうなお世話をするときは、長袖の洋服を着るなどの注意が必要です。
◆鋭い犬歯
アカハナグマは犬歯が鋭いのも特徴で、特にエサを与えるときなど、不注意で噛みつかれたりすると、大きなケガになる可能性があります。
そのため、エサを与える際は、細心の注意を払う必要があります。
◆部屋中登ってしまう
アカハナグマは、登れる場所はどんなところでもスイスイと登ってしまいます。倒れやすい家具や、落として壊してほしくないものなど、お構いなしです。
そのため、登りそうな家具はしっかりと固定し、壊してはいけないものは手の届く場所に置かないようにするなどの対策が必要です。
また、雑食のため、比較的何でも食べてしまいます。例えば、部屋んぽ中は、アカハナグマが食べてはいけないようなものは置いておかないなどの配慮も必要です。
まとめ
今回は、SNSやペットショップなどで見かけるようになったアカハナグマについて、その生態や特徴、ペットとして飼育することができるのか?など、さまざまな角度からご紹介してきました。
アカハナグマは、まだまだペットとしては希少であり、その可愛らしい顔立ちや仕草から、思わず「飼いたい!」と思ってしまうような魅力のある動物です。じっくり向き合うことで、しっかりと信頼関係を築けるとても頭の良い動物でもありますが、エキゾチックアニマルをペットとしてお迎えするには、ワンちゃんやネコちゃんよりも、飼育環境やエサ、病院など、考慮しなければいけないハードルがたくさんあるのも事実です。
ここでは、アカハナグマの可愛らしさだけでなく、飼育の難しさや注意点などを挙げてみました。飼い主さんもお迎えするアカハナグマも、お互いが、いつまでも快適に、幸せに生活できるよう、十分に検討したうえでお迎えしてあげてください。
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